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 昨今りんご病が4年ぶりの流行を見せており、一部地域では既に警戒レベルに達しています。
 今回は、りんご病の症状や対処法について取り上げました。
りんご病


りんご病
【1】りんご病とは?
【2】りんご病の治療と予防
【3】大人のりんご病
【4】子どものりんご病

【1】りんご病とは?

 昨今流行を見せているりんご病ですが、りんご病とは一体どのような病気なのでしょうか?
 本節では、りんご病の症状を中心にその実際を解説しました。
今年の夏はりんご病が大流行!

 頬が赤くなることからりんご病とも呼ばれる伝染性紅斑の発生は年によって差があるのですが、昨年秋より過去5年平均を大きく上回る状況が続いています。特に患者数が過去10年で最多を記録したとのことで、これは既に警報レベルに当たります。特に埼玉県は、3〜7歳が患者全体の約7割を占めているとして、子どもの体調が勝れない場合は早めに医療機関を受診するよう呼び掛けています。また東京都でも、りんご病の患者数が6月には都の報基準値を超えたことを発表しました。具体的に言えば、6月中旬の東京都内264か所の小児科定点医療機関の定点当たりの患者報告数は、都内全体で約2人弱だそうで、保健所別の患者報告数を見ると、荒川区4.5人、南多摩3.0人、多摩府中2.85人などが多くなっています。また、警報レベルにある保健所は31保健所中8保健所(台東、荒川区、練馬区、足立、八王子市、南多摩、多摩立川、多摩府中)となり、管内人口は都の33.3%を占めています。ちなみに伝染性紅斑の警報レベルは、警報開始基準値である保健所単位の定点当たり2.0人/週を超えてからで、警報終息基準値の1.0人/週を下回るまで継続します。都全体の警報は、警報レベルにある保健所の管内人口の合計が東京都全体の30%を超えた場合に発令されます。
りんご病とはどんな病気か?

 りんご病は、ヒトパルボウイルスB19に接触・飛沫感染することで発症する病気です。りんご病なんて可愛らしい名前ですが、正式名称は伝染性紅斑と言い、両頬がリンゴのように赤くなることから一般にりんご病と呼ばれています。名前の通りりんご病は、頬がりんごのように赤くなる症状があり、両方の頬にリンゴのように見える紅斑ができることを特徴とする急性のウィルス性疾患で、一般に乳幼児及び学童期の児童を中心にして流行する感染症です。赤くなったところが鼻の根っこの位置で繋がり、ちょうど蝶が羽を広げているように見えるため、蝶型紅斑と呼ばれることもあります。なお、子どもでりんご病が重症化することは殆どないとされており、また、一度感染すると免疫(終生免疫)ができて生涯二度と罹らないと言われています。ただし、大人がりんご病に罹ると危険な場合もあるので、流行の兆しが見られたら気をつけたいものです。


りんご病の流行時期
 りんご病は、年度による変動はありますが、例年春頃から7月上旬にかけて症例数が増加し、9月頃の症例が一番少ないという季節性があります。りんご病にはおよそ5年毎の流行周期があり、最近では2007年と2011年にりんご病がちょっと流行しています。今年は最近の流行から4年目ですが、りんご病の当たり年なのかも知れません。

りんご病が発生しやすい年齢
 りんご病は小学校入学前後から2〜3年生の小児に多く、約半数の人が15歳までに免疫を得ますが、乳児や成人での発症も見られます。

りんご病の症状

りんご病 りんご病と言うだけあって、両頬に紅い発疹が出ることがりんご病の最大の特徴で、その症状でりんご病だと気づく人も多くいます。ウイルスに感染して7日〜20日ほど立つと、発疹がでる2〜3日前に、まず気分の不快感や微熱、頭痛、関節痛、筋肉痛、咳、鼻汁といった軽い風邪のような前触れが現われます。人によってはこれらの初期症状が出ない場合もありますが、発疹の出る前に発熱や関節痛、倦怠感の症状が現われる人も多いので、ただの風邪と勘違いされることも多くあります。このような風邪症状の後2日〜3日もすると、皮膚が赤くなるような発疹が左右の頬に現れ、1週間ほどそれが続きます。

 両頬に発疹が現れて1日〜2日後には、肩や腕、太ももなどに肩や腕、太ももに痒みを伴う発疹が広がり、さらに数日経つと発疹がレース編み模様のようにまだらになります。この発疹は露出している部分に多く現われ、手のひらや足の裏にはできませんが、時には胸やお腹、背中にも出現します。痒みを強く訴える子どももいます。
 発疹は1〜2週間後には消えることが多いですが、ごく希に発疹が長引いたりすることもあり、一度消えた発疹が日光に当たったり、ストレスによって発疹が再び現われることもあります。また、発疹が出た後で関節痛や指の強ばりが出ることもあります。なお、ごく稀ですが、心筋炎や脳炎などの合併症を引き起こして重症化することもあります。
りんご病の原因〜原因は人を通しての感染〜

 りんご病の原因は、感染者を通しての二次感染です。ウイルスは感染した人の唾液や痰、鼻汁などの中にあるため、これらの分泌物との接触、或は咳やクシャミによる拡散によって人から人へ感染が広がります。


りんご病の感染経路
 りんご病は、主に咳やクシャミなどの飛沫感染や接触感染で広がり、感染力はさほど強くありません。また、稀に輸血で感染する場合もあります。しかし、発疹の出る前に一番感染力が強く、多くの人は発疹が出てからリンゴ病と気づくので、知らない間に感染を広げてしまうのです。また、子供では3割、大人では6割の人が発疹などの症状が出ないことも、知らぬ間に感染を広げてしまうことの一因なのでしょう。とにかく就学前から小学校低学年前の子どもがりんご病に罹りやすく、15歳までには半数の人が免疫を得ます。りんご病に一度罹ると生涯かりんご病に罹らない言われいますが、それでも半数の人が免疫を持っていないので、大人になってからも気をつけなければいけません。

りんご病の潜伏期間
 感染してからりんご病の症状が出るまでの潜伏期間は4〜21日程度です。発熱や筋肉痛、倦怠感などの軽い風邪症状が現われるまでが4〜10日間程度で、発疹が現われるまでは10〜21日間程度です。発疹が現われる前が一番感染力の強い時で、発疹が出た時には逆に感染力は殆どありません。微熱や咳、鼻水といった軽い風邪のような症状で始まりますが、発疹が出て初めてりんご病だと分かるため、気づかないうちに感染を広げてしまうことの多い感染症です。感染しても軽く済むことが多く、重症化は希ですが、妊娠期間中に感染すると、胎児死亡などを発症することがあるため、妊娠中の母親は要注意です。

りんご病の合併症

 健康な子どもがりんご病に罹った場合、幸いなことに殆ど合併症などはなく治まりますが、極めて希に貧血や脳炎などの合併症が起こることがあるとされています。そのため、高熱が出る、元気がなくてぐったりするなど何か子どもに変わったことがあれば、直ぐに病院で受診するようにして下さい。

 りんご病に罹ったからと言って、合併症に罹る危険性は風疹よりも少ない確率なので、りんご病になったからといって必ずしも胎児水腫や流産が起きてしまうわけでありません。胎児エコーで観察し、赤ちゃんに異常がないかを確認する必要があります。
 一度りんご病に罹ると二度と罹らないと言われているので、まずは昔かりんご病に罹ったことがあるかどうかを確認しましょう。成人の60〜70%は抗体を持っているので、もし紅斑が出た場合は血液検査で抗体の有無を検査しましょう。また、妊娠中はりんご病にかからないよう出来る限りの予防も心懸けましょう。なお、りんご病は5〜9歳の子どもで夏に多い病気なので、妊娠初期にその年頃の子どもと不必要に接触するのはなるべく避け方がよいかも知れません。


■りんご病の合併症の種類
貧血発作
 持病で溶血性貧血がある場合、りんご病に感染することで急激に貧血が進む貧血発作が起こることがあります。赤血球の形に異常のある人が溶血性貧血を起こしやすいです。
関節炎・関節リウマチ
 関節に痛みが起こる関節炎や関節リウマチを引き起こすことがあります。
血液成分への悪影響
 血小板や白血球の一部である顆粒球が減少することもあります。血球貪食症候群(VAHS/HPS)を合併すると、白血球及び赤血球、血小板が減少します。白血球が減少すると免疫が低下し、一方、赤血球が減少すると酸素不足になり、また、血小板が減少すると血が止まらなくなり、出血しやすくなります。
流産・胎児水腫
 免疫不全の場合、パルボウイルスB19の感染が持続するので発疹や発熱が長引くことがあります。
発疹・発熱の長期化
 特に注意が必要なのは妊婦で、パルボウイルスB19が妊婦に感染すると赤ちゃんに異常が起こり、流産の原因になることがあります。特に胎児水腫という赤ちゃんが浮腫んでしまう状態は、妊娠前期はもちろん他の時期でも危険です。母親の体内での胎児に対して行なう治療もありますが、胎児水腫の治療は非常に大変で難しい治療になります。


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【2】りんご病の治療と予防

 りんご病に罹ったら、どのように対処したらよいのでしょうか?
 本節では、特にこれと言った治療法のないりんご病の予防法を中心に解説しました。
りんご病の治療

 赤い発疹が現われて、「りんご病かな?」と思ったら、まずは小児科ないしは内科を受診しましょう(※他の病気の可能性もあるため、自分で判断せず、必ず医師の診断を仰ぎましょう)。


りんご病の検査と診断
 りんご病は、流行状況、子供の感染が多いこと、顔の蝶型紅斑などから判断できるため、血液検査をする程度でこれといって特別な検査は必要ではありません。従って診断は通常、流行状況、学童の感染が多いこと、顔面の蝶形紅斑などが認められれば困難ではなく、検査をすることはありません。なお、多形滲出性紅斑(たけいしんしゅつせいこうはん)やじんましん、薬疹など斑状丘疹性疾患との区別を要することがあります。基本的には医師からの質問に答える問診と簡単な血液検査で判断されます。

りんご病の治療
 りんご病の原因ウイルスの特効薬はありません。従って、りんご病に対する特別な治療は特にありません。痒みが強い場合は痒み止めの薬を使用する、熱が強い場合は解熱剤を使用するといった症状を緩和するような治療を中心としたいわゆる対症療法を行いますが、予後は大体良好です。

りんご病に気づいたらどうしたらよいか?

 発疹が現われた時にはウイルス排出はなく、伝染力はありませんが、発疹が消えてから登校した方がよいでしょう。


医師の受診が必要なケース
 下記のような場合には、医師の受診が必要です。
  • 発疹の鑑別を要する時(違う病気の可能性がある時)
  • 痒みが強くなった時
  • 高い熱が出た時
  • 元気がなくなってきた時 など

りんご病の予防

 りんご病には予防に有効なワクチンはありません。予防には手洗いが有効だとされています。りんご病のウイルスは手指によって運ばれることがあるため、石鹸や流水でよく手を洗うことは特に予防に有効なのです。なお、りんご病の流行時期は春先から7月頃までと言われており、その時期は特に注意が必要なのですが、今年はは既に都内で急増しているため妊婦さんは警戒が必要です。

 りんご病の予防対策としては、免疫力を向上させること、外出を控え、手洗いやマスクの着用を徹底すること、患者と接触しないことなど、とにかく感染を防ぐことです。また、妊婦さんの家族が感染してしまうことも避けなければいけないので、いっしょに予防対策することが大切です。


免疫力をアップさせる
 りんご病が大流行する時に、りんご病に罹る子供と罹らない子供がいます。それには色々な要因があるのですが、その中でも免疫力の差が大きなウエイトを占めることは間違いありません。免疫力の高い子供は、風邪やりんご病などのウイルス性の病気に強いのです。ですから、免疫力を高めることがりんご病の予防に繋がるのです。
 免疫力アップ法はたくさんありますが、最も簡単な方法は腸内環境を整えることです。では、なぜ腸内環境が整うと免疫力がアップするのかと言うと、それは、人体の免疫細胞の約70%が腸内にあるからで、そのため、腸内環境を調えることが免疫力アップに繋がるのです。腸内環境を調えるために、乳酸菌飲料やヨーグルト、食物繊維などを積極的に摂取するようにしましょう。

特に妊婦さんはマスクを着用
 りんご病は飛沫感染で伝染します。つまり、唾液によって感染が拡大するのです。しかも、りんご病の恐ろしいところは、潜伏期間が長いことです。一般的にりんご病の潜伏期間は20日前後あると言われていますが、この潜伏期間の内は殆ど自覚症状がありません。自覚症状がないため、外に出歩く人も多く、その間に色々な人にウイルスを撒き散らしていることになります。従って、りんご病を予防するためには、マスクを着用して飛沫感染を防ぐことが有効になります。特に妊婦がりんご病に罹ると流産する可能性も高くなります。ですから、外出時にはりんご病の予防のためにもマスクの着用をオススメします。

手洗いを徹底す
 りんご病は、飛沫感染だけではなく、接触感染もするため、大流行することもある病気です。そこで、りんご病を予防するためには手洗いを徹底することが必要となります。しかし、適当な手洗いで終わらせてしまうと、指の間や爪の隙間などにウイルスが残ってしまうことがあります。そこで手洗いの際のポイントは、よく泡立てた石鹸を使うこと、指や爪などの細かい所もしっかり洗うことです。りんご病予防のためには、指の間や爪の隙間などの細かい場所も丁寧に洗うようにしましょう。

手洗いを徹底す
 りんご病は潜伏期間が長く、その間にどんどん感染が拡大してゆきます。そのため、明らかにりんご病だと分かる症状が現われた時には感染力が弱まっていると言われます。しかし、それはあくまでも感染力が弱まっているというだけで、全く感染力がなくなるわけではありません。従って、りんご病予防のためには患者との接触を避けることも大切です。特に妊婦がりんご病に罹ると流産の危険性も出ます。そのため、りんご病の患者の近くにはいかない方が安心です。


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【3】大人のりんご病

 りんご病は子どもだけの病気ではありません。
 本節では、大人のりんご病に加え、妊婦とりんご病について解説しました。
大人のりんご病の症状とその特徴

 りんご病は子どもが感染することが多いのですが、大人が感染することもあります。りんご病の発症は、その大半が幼児を含む子どもに発症するウイルス感染症で、これは乳幼児や園児がまだりんご病のウイルスの免疫を持っていない子どもが多いことが原因なのですが、しかしながら、大人になってもりんご病に感染するケースも多く確認されており、大人の感染症状は子どもの場合とやや異なっています。健康な子どもがりんご病に罹って何も症状が出ないということもありますが、大人がりんご病に感染すれば、症状は必ず現われ、その症状は子どもに比べると重いです。特に子どもの症状と大人の症状の最大の違いは関節炎を伴うケースが多く確認されていることで、関節炎の発症により関節リウマチなどの関節の疾患との診断の見極めが難しいケースもあります。


■大人のりんご病の特徴的な症状
 大人のりんご病は症状的に風疹と間違われやすいため、大人がりんご病になるとどのような症状が出るのか予め知っておくことも必要でしょう。
高熱
 最初に出るのが高熱で、38℃以上の高熱が3日ほど続きます。また、高熱と同時に目眩や吐き気も感じます。
倦怠感
 これも子どもには起きない症状で、今まで感じたことがないぐらいの倦怠感を感じます。高熱が出たと同時に倦怠感を感じ、倦怠感だけは熱が下がった後でも暫く続くというのが特徴です。
発疹
 子どもがりんご病に罹っても発疹は出ますが、大人がりんご病に罹ると広い範囲で赤い発疹が見られます。高熱が下がった後に手足だけではなく手首や指にも出て来て、ひどい場合には指が曲がりにくくなるという症状も出ます。
関節痛
 腰の痛みだけではなく膝などの関節にも痛みを感じるのが大人のりんご病の症状です。高熱が下がって発疹が出て来た後に膝の痛みは階段の上り下りが辛くなるほどになることもあります。
むくみ
 手足がむくむのも大人のりんご病の特徴です。熱が下がった後、関節痛が出て来る頃に手足のむくみを感じることが多くあります。


大人がりんご病に罹ると腰痛になる!?
 大人のりんご病の症状のうち、特に生活にも支障が出るくらい辛いものが腰痛です。熱が下がった後に発疹が出てきた頃から関節痛を伴うのが大人のりんご病の特徴ですが、この関節痛が起きると同時に腰痛を感じる人が多く、関節痛の痛みよりも腰痛の方が強く感じるということも多くおり、中には生活に支障を来すくらいの腰痛になる人もいます。

大人のりんご病に気をつけたい人

 大人でりんご病に罹ると重症化する可能性の高い人は注意が必要です。


妊婦
 妊婦がりんご病に罹ると、ウイルスが胎児にも感染してしまいます。胎児が重度の貧血になり、胎児水腫(身体に水分が溜まる)になったり、流産・早産になる場合があります。

溶血性貧血の人
 溶血性貧血というのは赤血球が壊れやすいために起こる貧血です。りんご病に罹ると貧血の症状が進むことがあります。

子どもの頃にりんご病に罹らなかった人
 りんご病は一度罹ると抗体が出来ることが多いので、基本的には一生に一度しか罹らない病気とされています。従って、子どもの時にりんご病に罹ったことのない人は、大人になってからかりんご病に罹る危険性ががあります。

妊娠とりんご病

 りんご病が原因で感染者が死亡することは殆どないのですが、妊娠期間中に感染すると胎児死亡などを発症します。このウイルスが感染するのは赤血球の元の細胞である赤芽球という細胞ですが、この細胞をウイルスが破壊するので、一時的に赤血球産成が停止してしまいます。母体が感染すると、胎盤を通して胎児に感染し胎児の赤血球がどんどん減少し、重傷の胎児貧血となってしまいますが、貧血が進むと胎児はむくみがひどくなり(胎児水腫)、最終的には死亡することも多いのです。

 妊娠20週未満の母体感染の30%ほどに胎児も感染し、その3分の1が胎児水腫や子宮内胎児死亡となりますが、これは母体感染の10%程度胎児が死亡する可能性があるということでもあります。また、原因不明の胎児水腫や子宮内胎児死亡の20%にパルボウイルス感染があるとも言われています。胎児の胸部や腹部の水分含有量が多くなってくるのを早期発見できれば、出生させて新生児輸血を行なったりすることも可能ですが、胎児水腫が急激に悪化して死亡に至る例も多くあります。その一方で、妊娠20週以降の感染では胎児水腫は殆ど発生しないとされています。
 母体感染から2週間〜17週間(平均10週間)後に胎児に影響が出て来るので、長期に渡る管理が必要となります。以前りんご病に感染したのか、それとも最近感染したのかは血液検査で分かります。そこで、感染して3ヶ月はIg-M抗体が陽性となるので妊娠初期にIg-M抗体陽性であれば、妊娠期間中は毎週チェックを行ない、胎児異常の早期発見に努めることになります。なお、Ig-G抗体が陽性であれば、免疫を持っているということになります。なお、正常な免疫力を持つ妊婦さんであれば、紅斑や関節痛が出現した後ではウイルスを排出していないので周囲への感染源となる可能性は低くなりますが、念のためマスクや手洗いは推奨されます。とにかく心配のある人は血液検査を希望しましょう。抗体があれば安心ですが、抗体を持っていないことが分かっても、ワクチン接種があるわけではないので、どうしようもないと言われればその通りなのですが、このような病気が存在しており、しかも高率に胎児感染を起こしうるといったことや、或は風邪のような症状で感染していることもあるという知識は持っておくと、疑わしい症状があった時に担当医に相談することができて対応が早くなるという利点はあります。
りんご病が妊娠に与える影響

 りんご病は重症化しなければ軽い症状で済みますが、妊婦が感染すると事態は深刻です。特に妊娠中は体内の栄養も不足しがちで、免疫力が低下しやすい時期でもあるので、母体や胎児への悪影響を更に助長してしまうことになりかねません。


母子感染の可能性が高い時期
 妊娠3週から臨月まで妊娠全期間において感染の可能性があります。特に妊娠前半期は、感染すると胎児を無事に出産できないケースもあります。国内では妊娠20週過ぎにりんご病により胎児水腫になるケースが多いとされていますが、妊娠後期でも感染による胎児水腫が起こったケースもあるので、無事出産するまでは予防を心懸けて下さい。

胎児への影響
 妊婦さんがりんご病に感染すると、ヒトパルボウイルスB19というウィルスが血液中の赤血球の元になる赤芽球前駆細胞に感染して増殖し、細胞を壊してしまいます。そうなると急激な貧血になることがありますが、その貧血が特にひどい場合は危険です。お腹の赤ちゃんにウィルスが感染すると胎児貧血になり、更に長期間ウィルスに感染し続けることで貧血が続くと、発育が遅れて低出生体重児として生まれてしまう可能性が高まってしまいます。また、胎児がヒトパルボウイルスB19へ感染すると、身体がむくんだり、胸やお腹に水が溜まったりしてしまう胎児水腫という症状が起こり、心不全などの命の危機に晒されることもあります。

治療が与える影響
 妊娠の有無に関わらず、治療法は症状を和らげるだけの対症療法になります。流行時期だったり、家族が感染したりと、少しでも感染の可能性があるならば、早めに産婦人科で相談し、予防対策を実践するよう心懸けましょう。


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【4】子どものりんご病

 りんご病と言えば、やはり何と言っても、その感染は子どもが中心です。
 本節では、乳幼児を始め子どものりんご病について取り上げ、その対処法について解説しました。
子どものりんご病とその感染

りんご病


潜伏期間
 感染から発症までにかかる期間で、10日〜20日と非常に長いです。この間にも感染力があり、他の人に移る危険性はあります。

発症
 ここで風邪のような症状が出て、1週間続きます。この症状が出た頃が最も感染力が強いです。また、それに続いて赤い発疹が1週間程度出て来ます。りんご病の最大の特徴である赤いほっぺたですが、この症状が出て来た時には実は既にウィルスの勢いは弱くなっており、感染症からの回復期に入っています。

回復期
 顔に発疹が出たり消えたりで、ほぼ感染力もなくなった時期です。

子どもと大人の症状の特徴


子どものりんご病の症状
 子どものりんご病は比較的症状が軽い上、発疹などもしつこく残らないのが特徴です。そのため、症状が軽すぎて、りんご病に罹ったことも知らないまま完治しているケースなども多く見られます。
  • 初期症状(感染後1〜3週間後)
     軽い発熱やクシャミ、鼻づまりなど風邪のような症状が現われます。

  • 中期症状(初期症状後1週間〜10日後)
     りんご病の特徴とされる両頬の赤い発疹が現れます。お腹や手足にレース柄のような網目状の紅班が出る場合もあり、微熱と痒みを伴います。

  • 後期症状(中期症状後1〜2週間)
     いつのまにか顔の発疹は消え、身体の痒みなども全て引いてゆきます。

子どものりんご病の症状
 大人の約50%の人がりんご病ウイルスに抗体を持っているため、大人になってからの感染は比較的少ないですが、大人は子どもに比べて症状が重く、完治までに時間がかかることが特徴です。また、しつこい紅班と痒み、全身の関節痛は精神的にもかなりのストレスとなりますが、特効薬がないために自然治癒を待つのみなので厄介です。
  • 初期症状(感染後1〜3週間後)
     疲労感や微熱など風邪の引き始めのような症状が現われますが、大人の場合は比較的軽いことが多いです。

  • 中期症状(初期症状後1週間〜10日後)
     りんご病特有の両頬の赤い発疹は少なく、腕や太もも、お腹など全身にレース柄のような紅班が現われ、ひどい痒みとむくみの症状に襲われます。他にも高熱や目眩、関節痛、強い倦怠感といった症状が特徴で、仕事や家事などの労働が困難なほど重症化するケースも多くあります。

  • 後期症状(中期症状後3日〜1ヶ月)
     高熱は3日程度で治まりますが、中期症状が長くて1ヶ月ほど続きます。

子どもがりんご病に罹らないための予防策

 りんご病は自覚症状のない潜伏期間に感染力が最大となる厄介な感染症で、集団生活が基本となる5歳〜9歳の園児や小学生の感染が一番多いとされています。また、クシャミやウイルスのついたものに触れることで知らず知らずのうちにりんご病に感染するのですが、健康な児童は感染しても症状が出ないケースも多くあります。残念ながらワクチンや予防接種などもないため、りんご病を完全に防ぐことは不可能ですが、普段から免疫力を上げるような規則正しい生活を心懸けることが大切です。
子どもがりんご病に罹ってしまった時は


初期の症状が現われたら
 この発熱の段階が一番感染力の強い時期なので、他の子ども達に感染を広げないためにも、出来るだけ園や学校をお休みし、安静に過ごしましょう。ここで無理をさせないことは、この後に現われる中期の症状に備える意味でも効果的です。

中期の症状が現われたら
 顔が赤くなって発疹などの中期の症状が現われたら、既に感染力は低下しているので、家族や他人に移す心配はありません。入浴もして大丈夫ですが、温めると発疹の痒みが増し、それを掻いてしまうことで紅班の治りが遅くなるので、なるべく短めの入浴にしましょう。また、激しい運動による汗や日焼けなども同じく痒みを増しますし、発疹が悪化する場合もあるので、この時期は極力安静に過ごすことがオススメです。

高熱が出た場合
 ごく稀ですが、子どものりんご病は脳炎などの合併症を起こすことがあります。ひどい高熱などの場合は直ぐに病院を受診するようにしましょう。

赤ちゃんのりんご病とその症状


熱が出て風邪のような症状が出る
 まず第一段階として37℃程度の低い発熱があり、一見風邪のような状態が出ます。

ほっぺたが赤くなる
 頬部分に斑ではなくきれいな部分的赤みが現われます。

腕や足への発疹
 腕や足などに網目状やレース状のような発疹が出ます。これは通常1週間程度で消えます。

胸や背中への発疹
 赤ちゃんにによっては胸や背中に突如として発疹が現われます。これも通常1週間程度で消えます。

皮膚の痒み
 火照りや、太陽を浴びて温まると痒みも出て来ます。赤ちゃんがむずがゆがっている時はりんご病の疑いがあります。

赤ちゃんのりんご病の治し方

 赤ちゃんがりんご病を発病した場合は、どう対処したらよいでしょう?
 微熱がある、頬が赤く、発疹がある、むずがゆい動きをするなどの症状があれば、まずはかかりつけのお医者さんを受診しましょう。しかしながら、現在ワクチンなどりんご病への直接的な効果のある特効薬はありません。ウイルス対策のためのγ-グロブリン製剤などの薬を処方されるか、自然治癒を待つだけだと言われることが多いと思われます。何れにせよ、風邪と同じように安静にしていれば治る病気なので、慌てずに経過を見守りましょう。
乳幼児のりんご病で気をつけるべきこと


保育中に気をつけること
 食べ物なども普段通りで構いません。ただし、日光に長時間当たると赤みが長びくことがあるので、外遊びの時には配慮が必要です。保育所や幼稚園など集団保育の場でりんご病が流行している時は、送迎等をなるべく避けてもらうとかマスク着用などといった妊娠中の職員や保護者への注意喚起が大切となります。

治癒・登校の目安
 発疹が出てからは感染力はありませんので、全身の状態がよければ特に休園の必要はありません。また学校保健法においてでも、りんご病は学校において予防すべき伝染病の中には明確に規定はされていないため、特に出席停止の規程はありません。

参考:小児の感染症に関する参考情報


◆参考図書
『小児感染症のイロハ 感染看護に必要な知識と対策』日総研出版
尾崎隆男+吉川哲史+伊藤嘉規・監修
『小児感染症のイロハ 感染看護に必要な知識と対策』
日総研出版・2013年08月刊、3,600円
種類の多い小児感染症の看護と対策、疾患、予防接種の知識を網羅。小児科必須の代表的な感染症の最新知識と感染対策を一冊に!
『子どもの感染症・アレルギー』労働教育センター
「子どもと健康」編集
『子どもの感染症・アレルギー』
子どもと健康95、
労働教育センター・2012年07月刊、1,771円


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