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今月のワンポイントアドバイス



 今年は花粉の飛散量が昨年の10倍もあると言われています。そのため、花粉症で悩んでいる人は症状が一段と重くなる恐れがありますが、それ以外にも今まで花粉症でなかった人も花粉症に罹る可能性も高いと考えられます。
 今月は花粉症について取り上げました。今からでも遅くないので、花粉症にたいして万全の体制で臨みましょう。
花粉症

乗り切ろう花粉症対応策
【1】今年は花粉症の当たり年!?〜花粉症の時期と原因植物〜
【2】花粉症の原因とそのメカニズム
【3】花粉症の対策〜予防と治療〜


【1】今年は花粉症の当たり年〜花粉症の時期と原因植物〜

 今年は花粉の飛散量が例年の10倍と言われていますが、花粉症の時期は春先に限られません。本節では、花粉症の対策等に触れる前に、まず花粉の飛散時期によってどの植物の花粉が・どの時期に飛散するかを特に解説しました。
もはや国民病!?〜国民の3割が花粉症〜

 花粉症は花粉によって引き起こされるアレルギー疾患で、クシャミや鼻水、鼻づまりなどのアレルギー性鼻炎や、目の痒みや流涙などのアレルギー性結膜炎などを典型的な症状とします。日本で最も多いのは春先のスギ花粉による花粉症で、国民の約3割に花粉症の症状があると言われます。花粉症の患者数は年々増加傾向にあると考えられ、今まで症状が出ていなかった人でも、今年懸念されているように大量の花粉に曝されていると、何らかのキッカケで突然花粉症を発症することがあります。また、軽症だった人も、たくさんの花粉が鼻や目から体内に入ると症状が強くなります。そんな訳で、花粉症の症状がある人もない人も、花粉の飛ぶ時期はなるべく花粉に接しないよう、特に今年は花粉症対策を行なうことが大切です。そのポイントとしては、たとえば花粉の飛散開始時期や飛散量等の飛散予測や飛散状況などの花粉情報を把握すること、そして、体内への花粉の侵入を防いで症状の悪化を予防することなどが挙げられます。
今年の花粉症〜今春は飛散量が10倍の地域も、早期の診断・治療で対策を〜

花粉飛散の時期 環境省は今春の杉と檜の花粉飛散量が昨年と比べて全国的に多くなるとの予測を昨年12月に発表しました。それによると、東北から近畿の広い範囲で例年よりも飛散量が多く、東海や近畿の一部では10倍以上になる地域もあると言うのです。関東から北の地方や西日本でも昨年比で少なくとも2倍、場合によっては6倍にもなると見込んでいるそうです。従って、今年は全国的に多くの人が花粉症を発症し、しかも重症化する期間が長くなる見込みです。スギ花粉の飛散が始まる時期は、例年と同じか、5日前後遅くなる可能性が高いそうで、九州南部が2月上旬頃、関東や四国、九州の北中部は2月中旬頃と予想されています。もっとも本格的な花粉の飛散はもう少し先ですが、敏感な人には既に花粉症の時期が訪れているとも言います。その証拠に、昨年12月から花粉症を持つ人の15%に症状が出ており、5人に1人が対策を始めているとも言います。

 花粉症対策の最重要ポイントは、花粉症と疑わしい症状が出た場合、専門の耳鼻科ないしは眼科を受診することですが、それは正確な診断をすることで治療が可能になるからです。そして、その時期だけやり過ごせばよいというのであれば、症状を軽減する対症療法が、また、長期的に考えて根本的に治したいのであれば根治療法を行なうことになります。なお、早い段階であればレーザー治療も有効ですが、これは同治療法は炭酸ガスレーザーを鼻の粘膜に照射して炎症を治療するもので、主に鼻づまりを改善する効果が期待出来る他、クシャミも緩和されると言います。なお、レーザー治療を受ける場合な、花粉の飛散が始まる2月初めぐらいまでには治療を受けておきたいものですが、それは、シーズンが始まり鼻粘膜が水分を多く含むとしっかり焼くことができなくなるからです。何れにしても、毎年花粉症で悩んでいる人なら、症状がひどくなる前に、医者に行ってアレルギー症状を抑える薬を処方してもらうのが何よりも一番です。最初に処方されることが多いのはアレルギー症状を抑える第2世代の抗ヒスタミン薬です。症状を抑える力はややマイルドですが、眠気などの副作用が出にくいと言われます。
 とはいえ予防の第一はマスクの着用で、その大切なポイントはマスクを一日中外さないことです。マスクにより花粉の吸飲を抑えることで、潜伏期間から発症までの前段階(感作=後述)を延ばすことも出来ると言います。なお、子どもがいる家庭などでは、当事者だけでなく、家族全員でマスクを着用することを習慣づけたいものです。この他、マスク代わりに鼻の穴や鼻周辺にクリームを塗り、花粉を吸着させたり弾いたりして体内に取り込むのを防ぐ製品もあります。マスクをしづらいビジネスの場や化粧が落ちるのを気にする女性などが利用しやすいと言われます。
花粉症の時期
花粉症の時期について

 花粉症の時期と聞いて多くの方が春先の時期をイメージすると思いますが、花粉が飛ぶ時期は1年中であるため、花粉症の時期というのはほぼ1年中であることになります。意外かも知れませんが、夏に飛ぶ花粉や冬に飛ぶ花粉などもあるので、夏の花粉症や冬の花粉症というものの存在します。しかし、春先は花粉がよく飛び散る時期でもあり、確かに春先が1番のピークで、その次に多い季節は秋の時期とであるいうことになります。自分が罹りやすい花粉症の時期を知ることによって、自分がどの花粉に弱いのか大体の目安をつけることが出来ます。2〜5月の花粉症が最も多い時期に花粉症になってしまう人はやはりスギ花粉やヒノキ花粉が一般的な原因になっています。その一方で秋の時期に花粉症になりやすいという人はヨモギやイネなどが花粉症の原因であると考えることが出来ます。花粉症の症状は鼻水やクシャミが止まらないというものが多いので、風邪と間違う場合がありますが、毎年同じ時期にクシャミや鼻水が止まらず、風邪だと思っていた人は花粉症を一度疑ってみるのもよいかも知れません。花粉症の時期で特に気をつけたいのが、当然花粉が飛び散る時や花粉が多く発生しやすい時です。晴れた日で風が強い日はもちろんのことなのですが、湿度が低く乾燥した日や雨が上がった後の晴天の日などは花粉が発生しやすかったり、飛び散りやすい時期でもあるので、こういう日に外出する場合は充分な花粉症対策をしてから外出するようにするとよいでしょう。
 そうは言っても、もちろん花粉症の時期と言えば春です。冬が過ぎ、暖かくなると嬉しいのですが、同時に花粉症のシーズとなります。春から初夏にかけて、花粉症の人はクシャミや鼻水、鼻づまり、目の痒みなどの症状に悩まされます。春の花粉症の主な原因はスギ花粉やヒノキの花粉です。また、ブタクサやヨモギなどの花粉も影響します。この時期の花粉症は予防ではなく対策になります。まず花粉を部屋に入れないことから始まり、花粉に接する機会を出来るだけ少なくします。室内に入り込んだ花粉を掃除などで取り除きます。また、洗濯物にも花粉が付着するので、よく落としてから取り込むようにします。それと同時に花粉対策のサプリメントやお茶などを利用するのがよいでしょう。特にお茶の中でも甜茶の評判がよいようですが、ウーロン茶もメチル化カテキンという成分が花粉症対策に利用されます。特に凍頂烏龍茶が有名です。さらに、べにふうきに含まれているカテキンの一種のメチルカテキンが抗アレルギー成分として注目されています。このように春の時期の花粉症は、対策を行なうことが主流になります。既に花粉のピークの時期に入っているため、予防をしても間に合いません。花粉症の時期が過ぎたら、予防をシッカリ行なって次の年の春先に備えましょう。
花粉症の原因植物

 最も有名なスギ花粉の他にも花粉症の原因になる花植物は多くあります。飛ぶ季節が異なりますので要注意です。


■樹木による花粉症の原因物質
スギ:
 花粉症の最大の原因物質。日本の林業に欠かせない樹木で、戦後に大量に植林された。秋田杉や吉野杉も植物学上は同品種。2〜4月にかけて猛威を振るう。
ヒノキ:
 日本特有の常緑針葉樹。3〜5月が花粉のシーズンで、植林面積がスギを上回わるところもある。
ネズ:
 花粉の季節はヒノキと同じ3〜5月。ヒノキの一種で、飛散時期が微妙に異なる。
ケヤキ:
 都市の街路樹などによく見られる食物だが、4〜5月に花粉の量が多く、症例も多い。
テウチグルミ:
 4〜5月頃に動物のシッポのような長い花房から大量の花粉を出す。クルミ科の植物。
シラカバ:
 近年、北海道では花粉症の原因物質として注目を浴びている。シーズンは4月頃。
ハンノキ:
 飛散期間が1〜3月とかなり早いのが特徴。全国の広範囲に分布し、花粉の飛散量も多い。本数自体は少ないものの、ワサビ田などを日陰にするために植林されていることが多い。

■草による花粉症の原因物質
イネ:
 真夏に花粉を飛ばすが、花粉の粒子が大きいため、遠くまで飛んでゆかず、被害が少ない。
カモガヤ:
 イネ科の花粉症の主要犯。明治初期、牧草として日本に入ってきた帰化植物のひとつ。
オオアワガエリ:
 カモガヤと同じく明治初期に入ってきた。寒冷地に雑草として全国に広く分布している。
ブタクサ:
日本の3大花粉症のひとつ。8〜10月に花粉を飛散させる。大群落を形成することもある。
ヨモギ:
 秋口の原因はブタクサとヨモギで、この2種は飛散時期も重なる。全国に分布している。
サイタカアキノキンリンソウ:
 日本に帰化した食物の中でも特に繁殖力が高く、10〜11月がシーズンの原因物質。
カナムグラ:
 ツル科の植物で他の植物に強く巻き付く。雌株と雄株があるが、花粉は秋の雄株から発生。
ヘメスイバ:
 タデ科ギシギシ属。5〜7月に花粉を飛ばす多年草で、日当たりのよいところに育つ。
ヒメガマ:
 飛散シーズンは7〜8月の夏。円柱状の花穂から、大量の花粉を飛散させる植物。

花粉の飛散カレンダー



 花粉症の原因は当然ながら花粉です。花粉症の原因をしっかり知る上でも、花粉の飛散時期を知ることは重要になります。場所によって飛散時期は違いますが、参考までに以下に代表的な時期を示します。なお、花粉症で最も多いスギ花粉はそろそろ飛散が始まっています。下の表を見ていただければ分かるように、要するに花粉はほぼ1年中飛んでいるわけで、そのため、冬しか花粉症から解放されないと悩む人がいるのはこのためなのです。
花粉


■春の花粉
 主に樹木の花粉の飛散時期です。花粉症を発症する人が最も多いのもこの季節で、一番代表的な花粉症の季節です。
花粉 時期 地域
スギ 2月から4月 北海道を除く全国
ヒノキ 3月から5月 関東以南
ネズ 4月から5月 北海道を除く全国
シラカンバ 4月から5月 関東以北
ハンノキ 1月から6月 全国
オオバヤシャブシ 3月から4月 関東
コナラ 4月から5月 全国
リンゴ 4月から5月 主に東北

■夏の花粉
 主にイネ科の花粉の飛散時期です。ちょっと他の人より遅く花粉症になる人はこれらの花粉が原因かも知れません。
花粉 時期 地域
カモガヤ 4月から7月 全国
オオアサガエリ 4月から7月 全国
ハルガヤ 4月から7月 全国
ホソムギ 4月から7月 全国
スズメノカタビラ 3月から5月 全国
スズメノテッポウ 3月から5月 全国

■秋の花粉
 主にキク科の花粉の飛散時期です。少し肌寒くなってくる時期ですが、風邪と勘違いせず予防する必要があります。
花粉 時期 地域
ヨモギ 8月から9月 全国
ブタクサ 8月から10月 全国
オオブタクサ 8月から10月 北海道を除く全国
カナムグラ 8月から10月 全国
ヒメスイバ 5月から6月 全国
ギシギシ 5月から8月 全国
カラムシ 9月から10月 北海道を除く全国

参考:秋の花粉症

 誰しも季節の変わり目には風邪を引きやすいものですが、クシャミや鼻水が止まらないので風邪だと思っていたら、実は秋の花粉症だった、という可能性もあります。花粉症の季節というと誰しもどうしても春先のイメージを抱くものですが、最近は花粉症は春だけのものではなく秋の花粉症というのもあり、また、夏の花粉症というのもあります。このことから分かるように、花粉症は季節に限らず発生するものであると考えた方がよいでしょう。


 秋の花粉症とは、文字通り秋に症状が出る花粉症のことです。花粉症と言えば春先に罹るスギ花粉症のイメージが強いのですが、秋にも花粉症はあります。しかし、秋の花粉症患者の中には、秋の花粉症と気づかずに過ごしてしまう人も多くいます。それは秋は季節の変わり目なので、「風邪を引いたことによるクシャミや鼻水などが止まらないのかな」ぐらいに思ってほったらかしにしていたら実は花粉症だった、ということがたくさんあるのです。このため、秋口にクシャミや鼻水が止まらないと思ったら、一度耳鼻咽喉科に行って、花粉症かどうか検査してもらうのがよいでしょう。秋の花粉症に罹るのは大人だけとは限りません。実は子どもの方が秋の花粉症に罹る割合が多いとも言われています。秋の花粉症の症状としてはクシャミや鼻水が止まらなかったりと普通の花粉症の症状と一緒ですが、これが毎年のように繰り返されるとなると、やはり秋の花粉症の症状の可能性が高いので、医者に診てもらのことをオススメします。また、毎年のように夏風邪を引くという人も、実はこれも秋の花粉症の症状のひとつなので、この症状に心当たりのある方も病院での診察をオススメします。

 当然ながら秋の花粉症の症状の原因となっているものもやはり花粉です。夏から秋に飛散すると言われているオオブタクサと呼ばれる草やセイタカアワダチソウ、ヨモギなどが秋の花粉症の原因であると言われます。また、この花粉以外にもたとえばイネやキクなどの花粉も原因になっているとも言われています。そして、この秋の花粉症も、春の花粉症と同じくクシャミや鼻水、鼻づまり、目の痒みが4大症状となります。また、症状が一定せず、悪化したり軽快したりを繰り返すことも特徴です。ただ、スギやヒノキなどの樹木の花粉によって起こる春の花粉症と違うのは、秋花粉症は、ブタクサやヨモギ、カナムグラなど空き地や河川敷に群生している草のの花粉が原因となることです。これらの植物の花粉の飛散時期は、ブタクサが8〜10月(※東北以北では8〜9月、九州では9〜10月)、ヨモギが8〜10月(※東北以北では8〜9月、九州では9〜10月)、カナムグラが9〜10月で、生育場所は、ブタクサが道端や荒れ地、畑の周辺など、ヨモギが市街地や堤防、空き地、道端など、カナムグラが道端や荒れ地、畑の周辺などだと言われています。たとえばこれらの草が生い茂っている場所の近くを通った後で症状が悪化し、自宅に帰れば軽快するなどの変化が見られれば、秋の花粉症の可能性が高いと考えてよいでしょう。
 もっとも秋花粉症の原因となる植物は背の低い雑草なので、春の杉や檜などの樹木の花粉に比べて飛散数は少なく、飛ぶ距離や飛ぶ期間も短いのが特徴です。そのため、これらの草が生い茂っているような場所には極力近づかないようにすれば、対策にそれほど神経質になる必要はないと思います。また、たとえ花粉症が発症しても、秋の花粉症の場合、春に比べれば幸い症状は軽いことが多いようです。治療法はスギ花粉症と基本的に変わらず、症状を緩和する治療薬としては、内服の抗アレルギー薬や鼻の粘膜の炎症を抑えるステロイドの点鼻薬などがあります。また、ハイキングなどで郊外に出かける時にマスクやメガネなどで花粉との接触を防ぐことも効果的だと考えられます。

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【2】花粉症の原因とそのメカニズム

 花粉症はもはや国民病と言ってよいほどのものになっています。本節では、花粉症の本当の原因とそのメカニズムについて詳しく解説しました。
花粉症の代表的な症状

 花粉症には幾つかの典型的な症状があります。特に代表的なのはクシャミ、鼻水、鼻づまりでしょう。この3つに症状は花粉症の典型的なものとして既に多くの人が知っています。そして、この3つの症状はスギ花粉患者への症状調査の際にほぼ100パーセントの人が同様の症状で悩んでいると答えているのです。


■1) クシャミ:
 花粉症によるクシャミは回数が多く、特に連続して起こるのが特徴です。多ければ10回以上連続でクシャミが続くことも少なくありません。風邪で起こるよう数回程度のクシャミと違い、まさに鼻の中に入ってしまった花粉を鼻の外に出すために、クシャミが止まらなくなってしうのです。

■2) 鼻水:
 花粉症による鼻水は無色透明の水性でサラサラしています。顔が地面に対して垂直だと、鼻の穴から口まで簡単に鼻水が流れてしまうことも少なくありません。逆に粘度が高いものや色が濁った鼻水が出ることは余りありません。

■3) 鼻づまり:
 花粉症患者の多くが最も苦労するのが鼻づまりだと言われています。花粉症の鼻づまりは両穴詰まることも多く、鼻で息することが出来なくなることも少なくありません。鼻をんでも直ぐにまた鼻がつまるという繰り返しになります。風邪の症状でも鼻が詰まることがありますが、さらにひどい詰まり方であるとと言ってよいでしょう。

■4) 目の痒み:
 風邪の症状には余り見られないのが目の痒みです。これはまさに目に花粉が付着するために起こる症状で、付着した花粉を落とすために涙が出たり、ひどい痒みが出ます。痒み自体もひどいものですが、むしろ目を擦ることで結膜や角膜を傷つけてしまうことによって症状が悪化するケースもあります。

花粉症発症のメカニズム〜免疫系の暴走〜
免疫系とは何か? 

 花粉症を始めとしたアレルギーの発症には人間の免疫系が大きく関わっています。免疫系とは、循環器系・呼吸器系・消化器系・神経系などと並んで人間が生きてゆく上で欠かすことの出来ないシステムのひとつです。たとえば風邪のウィルスなどが体内に入ってくると、免疫系はその持てる力を総動員してそのウィルスを撃退します。ウィルスや細菌は日々侵入の機会を窺っているので、それらに対して免疫系は常に戦っていると言ってもよいかも知れません。そして、外からの侵入だけではなく、内側からの反乱、たとえばガン細胞の増殖を防いでいるのも免疫系なのです。こうした外敵や内側からの反乱を鎮圧するのが免疫系の仕事で、身体にとって異物ではあっても無害なものは白血球にただ食べられるだけで、特別な反応は起きないのが普通です。それは花粉も同じで、本来なら花粉が多少体内に入っても特別な反応は起きないはずなのです。それがどうしてさまざまな症状が起きてしまうのかと言うと、それは免疫系がある意味で暴走するからです。
免疫系の役割

 免疫系では、様々な細胞がそれぞれの役割を果たしながら体内の異物を排除しているのですが、中でも最も重要な役割を持っているのがT細胞と呼ばれるリンパ球です。このリンパ球は胸腺と呼ばれる臓器で作られているのですが、胸腺がラテン語でThymusと表記されることからT細胞と呼ばれています。そして、このT細胞には、譬えて言えば体内に入ってきた異物を見つける触覚のようなものが付いているのですが、このT細胞そのものには異物を発見する能力はありません。T細胞はウィルスや他の生物のタンパク質がそばに存在しても何も行動を起こさないのです。その意味でウィルスにとってT細胞は敵ではありません。こうして体内に侵入したウィルスは細胞内に入り込んで増殖を始めますが、そうするとウィルスに冒された細胞の表面にはある変化が生まれます。また、異物であるタンパク質はマクロファージという白血球に食べられるのですが、その白血球の表面にもある変化が現われます。

 人間の体内では、驚くべきことに殆どすべての細胞に名札のようなものが付いています。それがHLA抗原と呼ばれるもので、上で触れたウィルスに侵された細胞やタンパク質を食べたマクロファージにもこのHLA抗原という名の一種のIDカードが付いているのですが、ウィルスやタンパク質由来のこのHLA抗原が表面に浮かび上がるのです。こうして、その細胞は他の全ての細胞と同じHLA抗原ではなくなってしまうのです。T細胞が関心を示すのはこの毛色の違うHLA抗原で、T細胞はこの毛色の違うHLA抗原を持つ細胞を発見すると俄然活発に増殖し始めます。なお、T細胞というのは実は総称で、実際にはキラーT細胞とかヘルパーT細胞、サプレッサーT細胞の3つがあります。キラーT細胞はこうした異物に直接攻撃を加えてゆき、ヘルパーT細胞はいわゆる抗体を作るための指示を出します。そして、もうひとつのサプレッサーT細胞は不思議なことに抗体を作ることを抑制するのです。このあたりが免疫系の精妙かつ微妙なところなのですが、このサプレッサーT細胞の働きが弱まっていることが花粉症などのアレルギー症状の原因になっているのです。
鼻がムズムズする時に身体の中では何が起きているのか?

 花粉症に関して言うと、もちろん花粉そのものが体内に入るわけではありません。花粉は吸い込んだ空気と一緒に鼻の中に入り、鼻の中の粘膜に付着します。水分を吸ってふくらんだ花粉は膨らみ、内部に含まれている微量のタンパク質が溶け出してきます。これが抗原になるのわけです。鼻の粘膜にもマクロファージと呼ばれる白血球の一種は巡回していて、こうした異物を捉えて食べてしまいます。これも一種の生体防御反応なのですが、マクロファージの表面には、ウィルスに侵された細胞と同様にスギ花粉などのHLA抗原が表示されるようになります。すると、ヘルパーT細胞が抗体を作れという指示を出します。しかし、花粉由来のタンパク質などは、たとえ体内にあっても増殖するわけでもなければ、細胞の中にまで入り込むものでもありません。つまり、大量でなければ身体には無害なのです。抗体を作って免疫系の総力を注ぎ込んで殲滅すべき相手では決してないのです。そのため、こういった時には当然サプレッサーT細胞が働いて抗体の生産を抑制します(※なお、サプレッサーT細胞が一体どのような方法で有害か無害かを判断しているのか、或は何がサプレッサーT細胞を活性化させるのかはまだよく分かっていないそうです)。しかし、サプレッサーT細胞がうまくこれを抑制できない場合に身体の中に抗体が出来てしまいます。抗体というのはいわゆる免疫の主役とも言うべき存在で、たとえば一度はしかに罹るともう罹らなくなるとか、インフルエンザの予防注射を打っておけばそのシーズンはインフルエンザに罹らないなどという本来は人間の助け手的な存在で、この抗体のお陰で殆どの伝染病がなくなりました。ところが、花粉症などのアレルギー疾患では、肝腎のその抗体が人間の足を引っ張っているのです。


 抗体がどのようにして出来るのか、ここでちょっと専門的な話をしましょう。
 ここで新顔のB細胞というものが出てきます。このB細胞はヘルパーT細胞からの指令によって抗体を生産するプラズマ細胞に変身します。すなわち、アレルギーを起こす抗体、すなわちIgE抗体を作り出すのです。このIgEの血清中の濃度は1cc中100万分の1g程度しかないと言われるほど非常に微量なのですが、このIgE抗体が、体内にある肥満細胞と呼ばれる細胞と血液中の好塩基球と呼ばれる白血球の表面に結合します。そして、肥満細胞や好塩基球はヒスタミンやセロトニンといった化学物質を大量に詰め込んでいます。こうしてアレルギー発症の準備が全て整いました。そし、このタイミングで花粉が体内に入ると、肥満細胞や好塩基球からヒスタミンなどの化学物質が飛び出す仕組みになっています。こうして、クシャミや鼻水が止めどなく出るとか目が痒くなる、喉が腫れる、頭が痛くなるといった諸症状が出てくるのわけです。
なぜ現代人に花粉症が増えたのか? 

 本来IgE抗体は寄生虫の感染などを腸から排出させるために役立つ抗体と言われていて、鼻粘膜などへの細菌にはIgG抗体がその任に当たっていたと考えられています。つまり、鼻粘膜についた異物の処理にIgE抗体が作られること自体が既に異常事態であったのです。

 それでは、何故IgGではなくIgEが作られるのか、確たる見解はまだ出ておりませんが、日常生活の無菌化によってIgG抗体の出番がなくなってしまったのも一因ではないかと言われています。IgG抗体が活性化しているとIgE抗体の活性は抑えられるというわけです。たとえば現在40代以上の人なら記憶があると思ういますが、昔の子どもは時に青洟や緑洟を垂らしていたものです。あれはIgG抗体が鼻粘膜などに侵入してくる雑菌と戦った後の残骸なのです。砂場で遊んでいる途中で鼻をほじったりしていれば日々雑菌が侵入していたはずで、そんな生活がIgG抗体を鍛えていたのかも知れないのです。そのため、現代人には昔の人と違って花粉症などのアレルギー疾患が多いのだと考えられているわけです。
参考:花粉症とアトピーとの関係

 アトピーと花粉は関係があると言われます。もちろんアトピーの湿疹は、夏は汗で、冬は乾燥でひどくなることが多いのですが、決してそれだけではありません。アトピーの人は自分のアトピーがいつひどくなるかを少し考えてみて下さい。頻度は多くありませんが、花粉がアトピーの原因になっていることがあるのです。試しにアトピーがひどくなった時期に血液検査(アトピーの検査)を受けて花粉に陽性反応が出ないかどうか調べてみるとよいでしょう。なお、その検査でもしもシラカンバ花粉で陽性反応が出た人は要注意です。そのような反応が出た人は、リンゴや桃、サクランボ、ナシなどのバラ科の果物でアレルギーを起こしますが、この病気を口腔アレルギー症候群と言い、症状としては、唇や喉の腫れ、喉の不快感、喘鳴(ぜいめい)、蕁麻疹などが起こります。
花粉症の本当の原因〜花粉症は環境問題!?〜
花粉症は人災!?

 現在日本の人口の5人に1人、いや今や3割が花粉症だと言われています。ということは、人口を1億2000万人として計算すると、少なくとも約2400万人が花粉症を患っていることになります。最近は花粉症の症状を訴える子どもも増加傾向であると言いますが、患者の大半は20代〜60代の働き盛りの人ですが、彼らにとって、朝から晩まで、そして寝ている時でさえ安眠を妨げる花粉症はまさに不倶戴天の敵であると言ってよいでしょう。花粉症の時期を2か月と想定しても、その間の仕事への集中力はかなり下がらざるをえないはずです。極端なことを言えばGDPにも大きな影響が出ているに違いありません。さらに国民の経済的負担も決して馬鹿にはなりません。花粉症治療にかかる治療代だって決して莫迦にならないのです。仮に花粉症患者の半数が医者に通っているとして、花粉症の時期の2か月間に少なく見積もって1万円程度の治療代を医療機関に払うとした場合、3割負担で換算して、約3万円強の金額が健康保険からの出費で賄われることになるわけですが、その額は何と3600億円となります。何とこれだけの金額が花粉症の時期の2ヶ月程度で健康保険から支払われている計算になるのです。もっとも医療費以外の市販薬やマスク、甜茶などいわゆる花粉症市場は1000億とも言われますが、こちらは市場を潤わせているわけなのでまだしもとしても、花粉症の人にとっては腹立たしい限りです。

 さて、花粉症の原因は様々な要因が絡み合ったものですが、決定的なことは、花粉がなければこれほどまでに花粉症の患者が増えることはなかったということです。そのため、一部の花粉症サイトでは「杉の植林を禁止しろ」といった過激な意見まで飛び出している有様です。杉の植林を止めるというのは確かに行き過ぎとは思います、実際に花粉症は人災である可能性も高いのです。戦後に拡大造林を奨励しながら、片方では外国産材の輸入を野放しにして、結果的に国内の林業を瀕死の状態に追い込んでいる国の政策にも疑問を懐かざるを得ません。日本の林業が抱えている問題と花粉症の関係について、ここで一度きちんと考えてみるのも大切なのではないでしょうか。
戦後の拡大造林

 そもそもの始まりは昭和30年代の拡大造林です。戦後の復興ムードの中、過剰な木材の需要に広葉樹を主体とした里山は皆伐され、そこに新たに早生樹種の代表格である杉や檜が大量に植えられました。日本の国土面積に対する森林面積は約7割と言われていますが、その中の人工林の比率は約4割で、そのうち広葉樹も若干は含まれているはずですが、その殆どが杉や檜、松などの針葉樹だと見られます。つまり、国土の3割以上が杉や檜なのです。これでは日本国土全体に花粉が舞うのは仕方ありません。しかし、拡大造林された杉や檜の森林が丁寧に手入れされてさえいればこれほどの花粉が舞うことはなかったはずです。1960年に丸太材の輸入自由化、そして、1962年の木材製品輸入自由化を契機として、外国から安い木材が日本国内にどっと入り込んで来ました。それ以来、国内の木材の価格は下がり続け、今やピーク時の価格の3分の1以下になってしまっていると言います。これが30年〜40年育てた木の価格なのです。木材の価格が、それも立派に成長した木材の価格が下落したというのでは、間伐材などは誰にも見向きされなくなります。間伐というのはいわゆる間引きです。杉や檜などの針葉樹は、木を真っ直ぐに育てるために1ヘクタールに3千本という非常に多くの苗木を植えます。しかし、ずっとこの本数を維持するわけではなく、木の成長に合わせて、育ちの悪い木を伐採したり、さらに成長した場合は間隔を空けるために伐採するのですが、これを間伐と言うのです。かつてはこの間伐材も、木の直径に応じて様々な分野に使用されていました。たとえば建築現場の足場や養殖漁業の筏、さらに細いものは薪や炭に加工されて商品になっていたのです。ところが、間伐材の用途が減少してくるにつれて、間伐材そのものの価格が下落し続け、間伐という作業自体が赤字を生み出す労働になってきました。もちろん成長した木材がある程度の価格で取引されるのであれば、そのための間伐にもお金を使う林業経営者もいるでしょうが、生長した木材でさえ下手をすると赤字なのです。間伐に回わせるお金などどこからも出てきません。こうして日本の人工林は人工林にとって皆伐と同じくらい手ひどい扱いを受けているわけです。要するに放置されているのです。そして、このような理由で間伐が行なわれないために、一定面積内に必要以上の木が植えられているわけですが、これが花粉の数に影響しないわけがありません。
 さらに、ここでもうひとつ問題なのは、枝打ちが行なわれていないことです。杉は放っておけば枝をどんどん出して葉を茂らせてゆきます。しかし、枝が成長すると、幹の成長が遅れたり、真っ直ぐ育たなかったり、さらには幹部に節が出来るなどの理由で不要な枝を切るのですが、これもやはり放置されているために、当然ながら枝打ちもなされていないわけです。通常、杉の枝は木の成長に合わせて約半分が枝打ちされます。余り枝を取り去ってしまっては光合成が出来なくなるので、上半分の枝は残し、それ以下の枝を落としてゆくのですが、単純計算すると、枝打ちされていない杉や檜は、枝打ちされている杉や檜よりも倍の花粉を出すということになります。ちなみに、3ヘクタール以上の森林経営者の作業状況では間伐を実施したのは僅か2割弱だそうですが、そうすると8割以上の間伐しなくてはならないところで間伐が行なわれていないことになります。そして、間伐が行なわれていないということは、さらにお金にならない枝打ちが行なわれているわけがないわけで、要するに日本の人工林の8割は付ける必要のない倍の枝を持ち、倍の花粉を撒き散らしていることになるわけです。

 動物と同様、どんな杉も檜も子孫繁栄のために花を咲かせ、花粉を放出します。
しかし、それが丁寧に手入れさえしていたならば、花粉の飛散も現状の半分以下くらいに減らすことができたのではないでしょうか? 花粉の飛散量が半分になれば花粉症で苦しい思いをする患者も半分になるかは分かりませんが、しかし、少なくとも花粉の飛散量が半分になれば花粉症の患者数もかなり少なくなるだろうことは間違いのない事実です。
ディーゼル排ガスと花粉症との関係

 皆さんは環七雲という言葉をご存じでしょう? 環状7号線や環状8号線といった交通量の多い地域では排気ガスが上空に昇って雲になると言われているのです。

 花粉症の表の原因が花粉そのものであるとすると、裏の原因に挙げられているのがディーゼルエンジンの排気ガス(DEP)に含まれる微粒子です。DEPは、Diesel Exhaust Particlesの略で、これはディーゼルエンジンの不完全燃焼によって出てくるのですが、これが体内に入ると通常の3〜4倍もの抗体が生み出され、花粉に敏感に反応するようになってしまうという報告があるそうです。
 自動車を運転する人だけでなく、あのディーゼル車の黒煙には閉口する人も多いはずですが、ディーゼル排ガスは、花粉症だけでなく、気管支炎や喘息、肺癌等の増加に関わっているとされています。また、DEP粒子の大きさは2マイクロメーターと言われていますが、それよりもさらに小さな粒子、SPM(=浮遊粒子状物質=Suspended Particulate Matter)と呼ばれるものの中には0.01マイクロメーターという極小のものまであり、これは肺の細胞まで擦り抜けて血管の中にまで入り込んでしまうものもあるのです。ちなみに、東京都ではディーゼル排ガスと花粉症との関係について住民700人の直接参加による大規模な調査を行なっているそうです。また国立環境研究所が行なった動物実験では、排ガスを吸わせたモルモットに杉花粉を注入しているとも言いますが、きれいな空気を吸わせたモルモットに対してクシャミの回数が9倍も多かったという結果が出ているとも言います。このように、ディーゼル排ガスはもちろん花粉症だけではなく肺ガンなどの重篤な病気の原因にもなっている可能性が高いのです。


◆参考1: ディーゼル排ガス
 ディーゼル自動車からの排出ガスのことで、窒素酸化物(NOx)や浮遊粒子状物質(SPM)を多く含有します。特にSPMはガソリン車やLPG車からは殆ど排出されないため、大部分がディーゼル車由来と見なされています。ちなみに東京都環境保全局の調査においても、都内など大都市圏におけるSPM全体の発生源別寄与率は、自動車排ガスが約48%と最も大きく、中でも呼吸器官に影響の大きい微小粒子については、自動車排ガスの寄与が約56%と高いため、ディーゼル車排出ガス対策は緊急を要するとされます。

◆参考2: 杉や檜を活かす方法を考えよう
 森林は治水能力を始めとしてお金では代えられないほどの恵みをもたらしてくれています。幾ら杉や檜が花粉を出すからといって、これ以上人工林・原生林を問わず森林面積を減らしてゆくのは決して得策とは言えません。京都議定書の実施に伴う日本の二酸化炭素削減目標6%のうち、3.8%は森林の吸収分が盛り込まれているのです。それも適切な手入れをすることが前提になっています。森林分の3.8%を除いた削減だけでも日本の産業界は多大な努力を強いられているのです。如何に森林の力が大きなものであるか、これで分かるでしょう。また、21世紀の中頃には石油が枯渇すると言われていますが、そうすると石油を原料にしたプラスチック製品も作りにくくなります。電力を大量に消費するアルミニウムも今ほど作れなくなるはずです。そして、加工に大量のエネルギーを消費する鉄も高価になってゆくはずです。木材、特に杉など比較的早く育つ早成樹は21世紀の資源として重要なはずなのです。鉄とプラスチックに囲まれた未来予想図は大幅に変わり、木の製品だらけの未来社会が訪れるかも知れません。また、木質バイオマスは化石燃料なき後の重要なエネルギー源としても期待されています。そのためにも、人工林をよい状態で維持し、次世代に引き継いでゆくことが必要とされています。杉や檜を毛嫌いするのではなく、それを活かす方法を考えるべきでしょう。そのために、私たちが出来ることは幾つもあります。たとえば家を建てる場合には国産の木で建てる、机や椅子なども国産材を使ったものを選ぶ、さらに余裕のある人はペレットストーブなどを使うといった具合です。とにかく徹底的に日本の森を活用するのです。


■参考文献
奥野修司『花粉症は環境問題である』文春新書
奥野修司 著(フリー・ジャーナリスト)
『花粉症は環境問題である』
文春新書619、文藝春秋・08年02月刊、¥746
かつて日本を覆っていた広葉樹林。それを戦後、国策によってその大部分を杉に代えたのは環境破壊である。「死の森」の出現と花粉症の蔓延といった新しい角度から花粉症の解決を試みる。


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【3】花粉症の対策〜予防と治療〜

 花粉症に罹ってしまったらまず医者を受診しましょう。しかし、その前に花粉症にならないように予防することも大切です。本節では、花粉症の治療法の紹介を始めとして、花粉症の対策法について色々と詳しく解説しました。
花粉症の予防は冬から

 花粉症の予防は冬の間に準備をするのが得策です。できれば1年を通じて治療をし、花粉症が再発しないよう完治させることが大切で、そのためにも、一時的な対策ではなく、時間をかけて体質改善を行ない、アレルギー体質を治してゆくことが望ましいでしょう。そのためには、食事の内容の見直しや生活習慣の改善が必要になります。たとえば肉や卵、乳製品などを多く摂取すると花粉症になりやすいと言われていますが、そのためにも新鮮な野菜や穀類、豆類などを食事の中心にするのがよいでしょう。つまり、古くから食べられていた日本食が日本人の身体に一番あっていると言うことです。また、屋外で新鮮な空気を吸って行なうウオーキングなども薦められます。有酸素運動の代表ですが、健康な身体を取り戻すことで抵抗力を高めてくれますし、自律神経のバランスもよくなり、免疫力も向上するという利点があります。
予防情報の把握を


■環境省の「花粉情報サイト」で花粉情報を把握する
 花粉症対策は、花粉が飛び始める少し前の時期からなるべく早めに行なうことが重要です。また、スギ花粉をつくるのはスギの雄花で、前年夏の日照時間が長く、気温が高いと雄花の量が多くなります。また、冬(1月〜2月)の気温が高いと開花の時期が早まり、花粉の飛散時期も早くなります。スギ花粉の飛散時期はおおむね2月〜4月ですが、飛散開始の時期や飛散量は地域によって異なります。自分が住んでいる地域は花粉が飛び始めているのか、今年はどのくらいの花粉量なのかを把握して予防対策を考えましょう。
環境省の「花粉情報サイト」
http://www.env.go.jp/chemi/anzen/kafun/

■花粉観測システム「はなこさん」で最新の飛散情報をチェックする
 花粉症を悪化させないためには、花粉の飛散量が多い時の外出は控えた方がよいでしょう。どうしても外出しなければならない場合は、花粉との接触を出来るだけ少なくするようきちんと対策して出かけることが大切です。
 花粉の飛散量は天候や時間帯によっても違います。特に花粉の量が多くなるのは、晴れて気温が高い日や乾燥して風の強い日などです。また、1日の中では午後1〜3時頃と夕方6〜7時ごろに飛散量が多くなります。そのため、環境省では、花粉が飛び始める2月から花粉観測システム「はなこさん」による花粉飛散情報を提供しています。「はなこさん」では、アメダス観測地点の気象データと組み合わせて、1時間毎に最新の花粉飛散量と飛散方向などの情報が公表されます。また、表やグラフによる花粉飛散量の時系列変化や過去の観測データなど花粉観測の情報を幅広く提供しています。外出する際にはこれらの情報を参考にして、花粉対策を行いましょう。
花粉観測システム「はなこさん」
http://kafun.taiki.go.jp/

■その他民間による花粉情報サイトでも花粉情報がチェックできる
各地の花粉情報 - ウェザーニュース
http://weathernews.jp/pollen/#//c=0
全国花粉情報☆花粉いんふぉ
http://pollen-net.com/KAFUNMAP/kafunmap.html

花粉症の予防法


■外出時はマスクとメガネで花粉をガードする
 外出時の花粉症対策のポイントは、鼻や目から花粉が侵入しないようにガードすることです。
●1) マスクを着ける
 マスクをするだけで、鼻から吸い込む花粉の量を3分の1から6分の1に減らせます。マスクは顔にフィットし、息がしやすいものを選びのがよいでしょう。また、衛生面からは使い捨ての不織布のマスクがお勧めです。
●2) メガネを着用する
 目の周りをすっぽりと覆う花粉症用メガネも販売されていますが、通常のメガネを着けるだけでも、目に入る花粉量は3分の1に減少します。コンタクトレンズを使用している方も、花粉シーズンはメガネに替えることをオススメします。
●3) 帽子と服装
 ウールのコートなど羊毛類の衣類は花粉が付着しやすいので、なるべく避けた方がよいでしょう。花粉が付着しにくいのは綿やポリエステルなどの素材です。また、ツバのある帽子を被れば頭や顔への花粉の付着を減らすことができます。

■家の中に花粉を入れない
 外から家に入る時のポイントは、とにかく家の中に花粉を入れないようにすることです。
●1) 玄関先で花粉を払い落とす
 家に入る前に玄関先で上着をはたいて屋内に花粉を持ち込まないようにしましょう。
●2) うがいと手洗い、洗顔
 家の中に入ったら、まず手洗いとうがい、そして洗顔をして、とにかく花粉をよく洗い落としましょう。
●3) 窓やベランダから花粉を入れない
 換気をするために窓を開ける時は小さく開けて、短期間に止めましょう。また、洗濯物も屋外ではなく屋内に干すようにします。已むを得ず屋外に干した時はよくはたいてから取り込むようにしましょう。そして、室内に花粉が残らないように、まめに掃除をしたり、或は空気清浄機を活用したりするのもオススメです。


究極の予防法!〜花粉症に負けない身体をつくろう!〜
生活習慣の改善

 上でも説明したように、花粉症は免疫系が誤動作するアレルギー疾患のひとつです。アレルギー全般に関してはこれで解決という対処法はありませんが、生活習慣の中でアレルギーを悪化させるものと、少しでも改善に効果のあるものとがあります。だとしたら、少しでもアレルギーの改善に繋がる生活習慣を心懸けることが花粉症に対抗する道と言えるのではないでしょうか。

 まず第一に、適度な運動をすること、ストレスを溜め込まないこと、充分な睡眠を摂ることが大切です。これはアレルギー云々以前の問題で、とにかく健康的な生活を送る上で非常に大切なことなので、なるべく心懸けるようにしましょう。これらを心懸けることは免疫系を正常化することに役立ってくれはずです。花粉症は免疫系の暴走・誤動作なのですから、免疫力を高めるのは逆効果なのではないかという疑問を持たれる方もいるかも知れませんが、実情は違います。免疫系は1枚岩ではありません。たとえばヘルパーT細胞だのB細胞だのといったものが活躍する免疫反応とは別に、ウィルスや異物を片っ端からやっつけるNK細胞(ナチュラルキラー細胞)という勇ましい名前の免疫細胞があるのですが、このNK細胞が活性化していると、IgE抗体を作り出すTh2細胞の働きが抑えられると言われています。つまり、ここで言う免疫力を高めるというのはNK細胞を活性化させることを意味しています。笑うと免疫力が高まるなどと言う時もNK細胞が活性化することを指しているのです。
 それはともかく、ここで幾つか具体例を挙げれば、運動で最も効果的なのは、何と言っても歩くことです。しっかり花粉をガードして、花粉の舞っていない朝方を選んでウォーキングするのがオススメです。或はひと駅くらい歩いて通勤するというのもよいでしょう。また、アロマセラピーの考え方を取り入れて、アロマバスやハーブティーを試すのも効果的です。夜の寝酒の代わりに、カモミルティーを飲むというようなライフスタイルに切り替えるのにもいいチャンスです。
食生活

 食生活でアレルギーに効果的なものと言えば、肉を減らして魚と野菜を重点的に食べることです。それは、肉類のタンパク質がTh2細胞を活性化させるという考え方です。腸は人間の身体の中にありますが、これを口から肛門に至る管と考えると実は外側です。そのため、腸の内側には多数の免疫細胞があるとこが知られていますが、これが未消化の動物性タンパク質を異物と認めてしまうのです。そこで、Th2細胞が活性化するのですが、そうして増えたTh2細胞がスギ花粉にも反応するという形になるわけです。花粉症にヨーグルトが効くなどと言われるのも、同じ理由で腸を健康に保っていればTh2細胞が活性化することがないという理屈です。


 さて、動物性タンパク質という点では魚も同様ですが、魚の脂にはDHAやEPAが含まれており、これがアレルギーに効果があるといわれています。また、一方で野菜はベータカロチンやビタミン類の補給になります。これらは粘膜を強くしてくれる働きがあり、免疫系を正常に保つ働きがあると言われます。野菜ではありませんが、八百屋に売っているものでは、キノコ類もアレルギーの緩和に有効とされています。また、植物由来のタンパク質つまり豆腐や納豆などの大豆製品、また、芋や穀類は細胞膜を強くする働きがあるとされています。こうした食生活のシフトは、花粉症ばかりでなく多くの生活習慣病の予防にも役だってくれるのは言うまでもありません。なお、リノール酸を多く含む植物油も、摂りすぎるとアレルギーを引き起こすと言われています。油では、たとえばえごま油やシソ油などに含まれるαリノレン酸がアレルギーに効果的と言われています。ただし、えごま油やシソ油は加熱調理には向かないので、オリーブ油とのブレンド品や、単体で使う場合はドレッシングなど加熱しないものに使用するようにするとよいでしょう。ただし、身体によいからと言って、ひとつの食品を食べ続けるのはいけません。ヒジキが身体によいからと言って、毎日どんぶり一杯ヒジキを食べていた人が通風になってしまったという笑うに笑えないような話すらあります。ヒジキにも少量のプリン体が含まれているはずですから、それを毎日大量に摂取したら身体も当然変調を来すというものです。とにかく、色々な食材をバランスよく摂るのがポイントです。

 こうしてみると、子どもの頃に親から口を酸っぱくして言われていることを実行するだけでよいということに誰しも気がつくでしょう。もちろん当然ながらアルコールやタバコは控えるに越したことはありません。これに、上でも触れた花粉のシャットアウトや、或は加湿器で部屋の湿度を保ちつつ空気清浄機で部屋をクリーンに保つなどの対策を併用すれば、花粉症の症状もかなり改善されるはずです。
花粉症になったらどうすればよいか?
まずは花粉を寄せつけない工夫を

 花粉症になる人とならない人との差は、先にも述べたサプレッサーT細胞がうまく働いてくれるかどうかに関わっているのですが、もしも花粉症になる素質のある人でも、花粉を吸い込むことがなければ抗体を作ることもなく、抗体が作られなければ花粉症の症状が出ることもありません。これは既に花粉症になっている人(=抗体が出来てしまった人)でも同じことで、花粉を吸い込むことがなければ症状は出ません。そのためには、日頃から花粉を吸入しないことを徹底的に心懸けることが大事です。(なお、これは他のアレルギーでも同様のことなのですが、何年もアレルゲン、すなわちアレルギーを引き起こす原因である食品や花粉が身体に入らなければ、抗体がなくなることもあると言います。) 
 また、花粉症の症状が出てしまっても、まずは花粉を吸い込まないように注意することが先決です。外出時にはマスクやメガネを使用し、衣服にはツルツルの上着を羽織り、室内に入る前に花粉を充分に落とす。また、家の中には空気清浄機を置いて洗濯物は外で干さない。さらに花粉症の季節には、事情を話して家族や来客にも花粉を家に入る前に充分に落としてもらうといったように、花粉に対して鉄壁の要塞を築くのです。もちろん換気も大切ですが、これはなるべく花粉の飛ばない朝方や夜になってからするようにしましょう。なお、ディーゼルの排気ガスが花粉症の症状を悪化させるという報告もあります(これは通常の自動車の排気ガスではなく、細かな煤(微粒子=DEP)が出るでディーゼルの排気ガスです)ので、トラックなどの通る幹線道路を歩く時などは花粉症の季節かどうかは関係なくマスクの使用をオススメします。
医者へ行こう

 色々と予防をしたにも拘らず、それでも微量に吸い込む花粉で症状が出てしまう、或はそこまで徹底することは出来ないという人は、まず耳鼻咽喉科の受診をオススメします。もっとも、全く症状が出ないほど花粉を遠ざけることは現実には不可能なので、実際のところ殆どの花粉症患者の方に耳鼻科を受診をすることをオススメします。

花粉症の治療薬 専門医のところへゆけば、血液検査と鼻粘膜の検査で本当にアレルギー性鼻炎であるかどうか、そして、その原因が何であるかを教えてくれます。もしも余程ひどい症状が出ているというわけでもないのに、ロクに検査もしないで抗ヒスタミン剤等を処方するような医者がいたら、多分別の病院を当たることをオススメします。というのは、現在花粉症で悩んでいる人の中でスギ花粉だけがアレルゲンという人は意外と少なく、ヒノキやブタクサといった他のアレルゲンの抗体も持っている人が多いと言われます。だとすると、たとえ抗ヒスタミン剤を使うにしても、処方する期間が変わってくるからです。医者を変えると言えば、やたらと花粉症注射を勧めるような医師に当たった場合も続けて受診することは少し考えた方がよいかも知れません。ネットその他で「注射一発で花粉症の症状が収まる」などと宣伝している医院も時々見かけますが、注射1本というのはほぼ間違いなくステロイド注射であることも多く、むやみやたらにステロイドを使用するのは深刻な副作用の問題もあって余りオススメできないからです。また、それと関連して、市販の点鼻薬で症状が収まるという人も気をつけた方がよいと思います。点鼻薬にはステロイドが使われているものもあり、副作用の方は心配するほどではないにしても、点鼻薬も癖になると言うか、使い続けるうちに次第に効果がなくなってくるのです。ですから、点鼻薬を使うのはイザという時だけにしておくべきでしょう。
参考:花粉症の薬にはどんなものがあるか?

 対症療法としては抗ヒスタミン薬がもっともポピュラーです。眠くなるのが難点ですが、最近は眠くならないものも使われています。その他には、化学伝達物質遊離抑制薬(抗アレルギー薬)やTh2サイトカイン阻害薬の内服薬などがあります。何れもアレルギー症状のどこかに楔を打ち込んでしまう薬です。化学伝達物質遊離抑制薬(抗アレルギー薬)やTh2サイトカイン阻害薬には点鼻・点眼薬もあり、組み合わせて使用されます。それだけでは症状が収まらない場合は局所ステロイド薬も併用されます。何れも花粉症の発症が予想される時期よりも2週間以上前に投与を始めるのが効果的とされています。

 薬ということで、ついでに漢方の処方についてで触れておきたいと思います。
 一般に漢方薬というと、効き目が遅いというイメージを持たれている方も多いようですが、実際は即効性の強い漢方薬も多いのです。また、漢方薬に対するもうひとつの誤解が副作用がないということですが、これも間違いで、正確には比較的副作用は穏やかであると言うべきでしょう。さらに、漢方というと漢方専門の薬局で処方してもらうというイメージをお持ちの方も多いでしょうが、漢方専門の開業医や、最近では病院の中に東洋医学外来を備えているところもあります。そうした医院や病院に相談すれば漢方による花粉症の治療も可能です。なお、漢方による治療で注目すべきことは、花粉症の時期の対症療法とは別に体質改善を目指した治療も行なってくれることでしょうか。
 何れにせよ、市販の薬で何とかなっているという人も、或は運命だと思って諦めている人も、一度専門医に相談することを強くオススメします。必ず適切な治療法を見つけ出してくれるはずです。
花粉症の治療法
花粉症の症状が出たら早めに治療を

 花粉症の症状が出たら、なるべく早めに病院で治療を受けましょう。症状が重くなってからでは薬が効きづらくなります。耳鼻咽喉科を始め眼科、内科、小児科、アレルギー科でも受診できます。自分の症状を把握して、鼻の症状がひどい場合は耳鼻咽喉科、目の症状がひどい場合は眼科を選ぶとよいでしょう。また、薬による花粉症の治療は、花粉が飛び始める前から予防的に服用し始めるとより効果的であると言われており、当然ながら治療期間も短くなります。上にも書いたことですが、花粉症の症状に毎年悩まされている方は一度医者に相談してみることをオススメします。
医療機関の受診タイミングが決め手〜毎年花粉症で悩んでいる人は飛散前から医療機関に!〜

 花粉症対策の基本は何と言っても医療機関を受診することです。毎年花粉症で悩んでいる人なら、症状がひどくなる前に受診してアレルギー症状を抑える薬を処方してもらうことが大事です。
 この時期最初に処方されるのは、アレルギー症状を抑える第2世代の抗ヒスタミン薬が多いでしょう。この薬は症状を抑える力はややマイルドなものの、眠気などの副作用が出にくいのが特徴です。その後経過を見て、症状が重くなるようなら点鼻薬や鼻づまりに効く抗ロイコトリエン薬などを追加で処方してもらうことが一般的であるようです。また、花粉の飛び始めは第2世代の抗ヒスタミン薬だけで大丈夫な人でも、大量飛散が始まると、頓服薬として何らかの薬品のトッピングが必要になることが多くあります。医師に相談して処方を受けておきたいものです。


病院検索ならここ〜花粉症対策_EX - 花粉症対策の情報サイト
http://www.kafun.org/

参考:減感作療法とは?〜時間はかかるが、根治することも〜

 減感作(げんかんさ)療法という言葉を聞いたことがある人もいるかも知れません。初めて聞く人にはとても難しい表現かも知れませんが、減感作の語の意味を説明するに当たって、まずは「感作(かんさ)」という言葉の説明から始めるのがよいでしょう。先に免疫系の暴走について説明した箇所で、抗原の侵入によってヘルパーT細胞が活性化し、B細胞がプラズマ細胞に変身、IgE抗体が肥満細胞に結合する様子を解説しましたが、この状態を専門的には「感作の成立」と言います。つまりこれは、次にもう一度抗原が侵入するとアレルギー状態を惹き起こす準備が出来た状態を言うのです。要するに減感作とは、「感作の状態になるのを減らす」という意味なのです。つまり、何らかの方法によって、抗原が侵入してもIgE抗体の産出を抑止することを「減感作」と言うのですが、そのためにはどうしたらよいかと言うと、それには、先にも解説したようにIgG抗体を産出すればIgE抗体の産出を抑制することができます。もうひとつの方法はTh1型のヘルパーT細胞を誘導するというものです。そしてさらに、ヘルパーT細胞にはTh1とTh2の2つがあって、花粉症などのアレルギーを起こすのはTh2の方なのですが、こちらもIgE抗体とIgG抗体の関係と同様、Th1ヘルパーT細胞が活性化するとTh2ヘルパーT細胞が抑制されます。このようなメカニズムで、減感作療法を行うことによって、上記のどちらか、或は両方が身体の中で起こり、最終的にIgE抗体が作られなくなるわけです。

 減感作療法とは、要するにスギ花粉のエキスを直接身体の中に入れることで耐性をを作って花粉症の少女を抑えようという治療法です()。ただし多量のエキスを急激に体内に入れると、稀にショック状態(アナキラフィシーショック)を惹き起こす可能性もあるので、最初は少量から始めて、注入量を少しずつ増やしてゆきます。これを1年中、そして数年間続けることで、約4〜8割の花粉症患者が完治すると言われています。再発の恐れがないわけではないのですが、花粉を吸い込んでも症状が出なくなります。1年中、しかも数年続けるということで、かなりの覚悟が必要になりますが、花粉症を完治した人にはひとつの選択肢になると思います。
 なお、花粉のエキスを体内に入れるには日本では皮膚注射が使われています。一方海外では、舌の下に入れたり点鼻といった方法で体内に入れる方法も行なわれているそうです。また、日本ではスギ花粉以外のエキスが標準化されていないという理由で、残念ながら複数のアレルゲンで症状が出る人には減感作療法の効果が余り期待出来ないということもこの治療法が敬遠される理由になっています。さらに、アレルギー専門医が少なく、どこの病院でも減感作療法が受けられるとは限りません。減感作療法は日本ではこれから普及が期待される療法と言えそうですが、花粉症の症状から解放されたいと思っている人は試してみる価値が充分ある治療法だと言ってよいでしょう。
参考:花粉症対策の補助として


■参考文献
赤城智美+吉村史郎『花粉症がラクになる』コモンズ
赤城智美+吉村史郎 著
(赤城智美:アトピッ子地球の子ネットワーク事務局長/吉村史郎:アトピッ子地球の子ネットワーク理事、吉村耳鼻咽喉科院長)
『花粉症がラクになる』
コモンズ・11年1月刊、¥1,470
花粉症は病気として治療を受けるだけでは解決も完治もしない。暮らし方や花粉から身を守るための方法が身について初めて症状が落ち着き、楽になる。治療についての医療情報だけでなく、花粉症に深く関わる免疫の仕組みや花粉の正体、花粉が多く飛び交う時間帯や天気との関係、自分の症状と関係する樹木の種類など、多くの患者の相談を受けてきた経験と治療の成果から有効な対処方法をアドバイス。無理なく取り入れられるだろう生活の知恵や情報を紹介。


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