【1】秋の味覚と言えば |
秋と言えば味覚の秋、食欲の秋です。それでは秋の味覚といった場合どのようなものがあるのでしょうか?
本節では、秋の味覚には一般的にどのようなものがあるか紹介し、併せて味覚狩りを案内しているサイトを紹介しました。
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秋の味覚と言えば・・・ |
秋と言えば、「読書の秋」とか「スポーツの秋」、「食欲の秋」と言ったフレーズを思い浮かべます。それらの中で忘れてならないのが「実りの秋」という言葉です。猛暑が終わり、9月末頃から10月にかけて、夏バテで食欲不振気味になったという人も多いと思います。それでも、昨今、店頭を彩る秋の味覚を見て、思わず食欲が湧いてきたという人も多いことと思います。
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秋に旬を迎える食べ物と言えば・・・ |
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秋の味覚の王様は秋刀魚 |
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秋の味覚と言えばやっぱり秋刀魚。サンマはまさに秋を代表する魚介類です。秋の味覚の人気ランキングに秋刀魚(さんま)を挙げる人が多いです。
秋の魚で細長く刀の形をした文字通りの「秋刀魚(さんま)」は、秋の主役と言っても決して過言ではありません。産卵のため8月頃から北海道を南下し始める秋刀魚はたっぷりの脂を蓄え、まさに9〜10月頃が旬となります。鰯や鰺などの他の青魚同様に、EPA(エイコサペンタエン酸)とDHA(ドコサヘキサエン酸)も多く含まれ、悪玉コレステロールを減らし、頭の働きをよくする効果も期待でき、お値段も比較的に安価だったことから、秋刀魚は秋の食卓に申し分のない庶民の味と言えそうです。脂が乗っていながら、肉類よりもあっさりしていて食べやすいです。秋刀魚は塩焼きで、たっぷりの大根おろしとすだちを絞って食べるのが好きという人も多いようです。サンマの塩焼きは昔から食べられてきた製法で、暑さが残る秋には塩分補給も出来てオススメです。また、ここ最近では、オーソドックスな塩焼きや竜田揚げばかりではなく、刺身や寿司など生秋刀魚を楽しむ人も増えてきました。 |
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女性人気の高い栗 |
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秋の味覚の人気ランキングでサンマに次いで高いのが栗です。たとえば栗は茹でて半分に切ってスプーンでほじって食べるのがシンプルで美味しいです。もっとも、日本の栗は中国栗のように渋皮が離れやすくないため、中には調理が面倒という人もいるようですが、日本の栗は実が大きく、風味がよいことから、栗おこわや茹で栗、栗きんとんなど様々な食べ方が楽しまれています。また驚くことに、日本では縄文時代から栗栽培が行なわれていたそうで、古くからタンパク質やビタミンとして重要な栄養源であったと言われます。 |
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ちょっと贅沢な酒の肴に「松茸」が人気 |
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秋の味覚と言えば何と言っても松茸という人も多いです。栗は秋限定のスイーツにもふんだんに取り入れられていることから、特に女性からの人気の高さが目立ちますが、その一方で、男性人気が高い秋の味覚は松茸です。特に男性にとって、焼き松茸は酒の肴には絶品でしょう。松茸は香りが素晴らしいといいうことで、炊き込みご飯やお吸い物を好まれる人も多いです。サンマがが秋の海の味ならば、松茸は山を代表する味だと言ってよいかもしれません。今では庶民には中々手の届かない高級食材となってしまいましたが、炭火で軽く炙った松茸を肴に一杯が最高という男性の声は未だに少なくないようです。 |
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嫁に食わせてはいけないとされてきた秋ナス |
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「秋ナスは嫁に食わすな」という諺がありますが、これは、「姑からすると憎い嫁に旬の食材であるナスは食べさせたくない」という意味だと本来考えられていましたが、もう一説、「秋ナスは種が少なく体を冷やすので妊婦には不適切だ」という意味もあると最近では言われるようになったそうです。旬の食材であり体を冷やしてくれるナスは、近年の残暑厳しい秋にうってつけかも知れません。 |
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サツマイモはほっこり美味しいサツマイモは石焼き芋で |
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最近はどうか分かりませんが、「いしや〜きいいも〜」と言う売り子さんの声が聞こえてくるのも秋の風物詩です。サツマイモはビタミンが豊富なので特に女性にオススメの食材です。しかもサツマイモは、たとえば焼いて蒸しておやつに、或は天ぷらやコロッケなど幾らでも利用できる万能食材です。 |
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今やハロウィンと言えばカボチャ |
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カボチャは、最近はハロウィンのジャック・オー・ランタンでもお馴染みになりました。カボチャはカロチンやビタミンが豊富なので、冬の風邪予防にぜひ摂り入れて欲しい食材です。ポタージュスープとして飲んだり、煮物にしても美味しいですし、パイやプリンなどサツマイモと同じく主食のおかずやデザートのどちらにも利用できるのも便利です。 |
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お米は何と言っても日本人の主食 |
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日本人の主食は米です。秋は全国で一斉に新米の販売がなされる時期です。早いところでは夏から予約を付けつけているところもあります。通常の精米を購入する場合は、精製された日を確認してみましょう。食べ物は採れたて、作りたてが美味しいというのは米にも言えることで、精製から日が経っていないものの方が美味しいのです。 |
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若い世代は瑞々しい梨、年配者は熟れた柿が好まれる |
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秋を代表する三大果物と言えば、梨と柿、そして葡萄が挙げられます。
梨を食べると秋を感じるという人もいるでしょう。秋と言えども、まだまだ残暑の残る9〜10月、梨の瑞々しい果汁が喉の渇きを潤す、あの何とも言えない甘みが好きだという声が特に若い世代に目立ちます。その一方で、年齢が上がるほど柿を好む人が増える傾向があるようです。なお、葡萄の好みは余り世代に左右されないようです。
一方、柿は熟してどろどろになった果肉をスプーンで掬って食べるという人がいるかと思うと、歯が折れんばかりに硬い柿を丸かじりするのがいいという人もいます。また、お酒を飲んだ後に食べる柿の旨さは最高だという人もいます。このように、熟したトロけそうな柿派や硬いしっかりとした柿派と人によって好みに違いはありますが、年齢に伴って柿好きが増えてゆく傾向があるようです。中でも岐阜県産の富有柿(ふゆうがき)は、歯応えとジューシーな甘さを兼ね備えるということから、多数の方から高い支持を得ています。梨と柿、同じ秋を代表する果物であるものの、年齢とともにその好みにも多少ながら違いが見受けられます。 |
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味覚狩りのチェックポイント |
お出かけ前のチェック〜出発前に必ず農園に問合せを〜 |
味覚狩りは、気候や生育状況によって変更が生じる場合が非常に多くあります。折角来たのに期間より早く味覚狩りが終了していたとか臨時休園日だったなんてこともないとは言えません。そのようなことがないためにも、予約の有無に関わらず、出発前には農園等に一度確認の電話等をしておくとよいでしょう。農園等にホームページがある場合は、念のために事前にそのページにアクセスして、情報の変更等がないか忘れずに確認をするよう気をつけましょう。なお、実際に味覚狩りは、長ズボンを着用し、汚れてもよい靴で出かけることが基本ですが、それに加えて、急な天候変化にも考慮してカッパや長靴なども用意しておくとよいでしょう。
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チェック項目 |
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- 味覚の生育状況や、希望の味覚を狩れるかどうか?
- 料金システムはどうか?
- 道具のレンタルはあるか?
- ハサミや籠、軍手などの必要なものは借りられるのか、持参するものがあるか?
- どんな服装がベストか?
- 飲食はできるか?
- バーベキューや食事施設の利用が可能かどうか、弁当などの持ち込みができるか?
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味覚狩りの料金システム〜目的に合わせて農園を選ぼう〜 |
味覚狩りの方法や料金システムは、農園や味覚の種類によって異なります。「好きな秋の味覚をお腹いっぱい食べたい!」とか「厳選して狩った秋の味覚を持ち帰ってゆっくり楽しみたい」など様々な要望があることと思います。まずは自分達の好みや目的に合ったシステムの農園を探してみましょう。また、料金システムは農園によって様々なので、事前によく確認しておきましょう。
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チェック項目 |
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- 食べ放題の場合
- 時間制限があるのか、時間無制限なのか?
- 通常は持ち帰り分も自分で収穫して清算できる場合が多いと思いますが、
持ち帰り分は自分で収穫できない場合があるので、その辺もチェックしましょう。
- 食べ残した分は有料清算となる場合もあるので注意が必要です。
- 収穫量や工数に応じた持ち帰り制の場合
- その場で収穫した味覚は、食べられる場合と食べられない場合がある。
- 収穫して直ぐに食べられないものの場合は試食がある場合もある。
- 入園料が別途かかる場合もあるので注意が必要です。
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採った秋の味覚をいつ食べる? |
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狩ったらその場で食べられるもの |
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葡萄やリンゴ、梨、ミカン、柿、イチジクなどは、狩ったら直ぐに食べられます。こうしたフルーツの味覚狩りをするなら、食べ放題制か収穫分の買い取り制かなど、希望の料金システムで農園を選ぶのがオススメです。 |
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狩って直ぐに食べられないもの |
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キウイフルーツや西洋梨などは熟す前に収穫するので、その場では食べられませんが、農園によっては熟したものを試食できるところもあります。美味しいフルーツの選び方や追熟の方法などは農園で聞いてみるとよいでしょう。 |
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収穫後に調理が必要なもの |
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栗やサツマイモ、椎茸や松茸、落花生などは収穫後に調理が必要ですが、バーベキューなどができる農園ならその場で食べられることもあります。バーベキューの道具や食材については、持参する必要があるかどうか、事前に確認しておきましょう。また、松茸は食事予約と松茸狩りのための入山がセットの場合が多く、たとえ自分で掘り当てられなくてもガッカリせずに済むので、松茸料理も一緒に楽しめるプランを予約すると安心です。 |
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マナーを守って楽しい味覚狩りを |
フルーツや野菜は、その農園の人が丹精こめて育てたものです。マナーをしっかり守って楽しく味覚狩りをしましょう。まずは、味覚狩りの前には必ず農園の人の説明をよく聞いて、畑や樹木などを傷めない収穫の仕方を心懸けましょう。その時、美味しいものの見分け方などもいっしょに聞いておくとよいでしょう。また、食べ放題の場合は、食べかけをそのまま捨てたり、或は無理に食べすぎてお腹を壊したりしないように注意しましょう。
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参考:味覚狩り情報 |
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【2】食欲の秋 |
秋と言えば実りの秋、そして食欲の秋です。
本節ではこの言葉の由来などを中心に解説しました。
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食欲の秋という言葉とその由来 |
秋と言えばスポーツに食欲に読書と言った具合に様々な秋があります。これらの言葉が生まれた背景にはそれぞれの意味があります。その中でも、「食欲の秋」という言葉の由来は何でしょうか?
秋が特に「食欲の秋」と呼ばれる所以には諸説あります。
まず秋は様々な植物にとって実りの季節です。また、肉や魚の収穫時期も秋に集中しています。要は秋は1年のうちでも特に美味しいものがある季節なのです。そして、人は美味しいものに脳が刺激されてお腹がすくという身体の仕組みになっています。秋の食品は美味しいことを知識としても知っているので、秋になると自動的に食欲が湧くということになるわけです。また、夏バテで弱った身体の回復や、冬に備えて栄養を蓄えるために、秋になると自然に食欲が増すという理由もあると考えられます。
その一方で、日照時間の現象で身体内における分泌量が減る成分であるセトロニンを確保するために、秋には食欲が必要になるのだという説もあります。これは、食品を摂取することでその成分を補うというその必要性から、これまた自動的に脳が食欲を増すように身体に指令を出すのだという説です。
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なぜ秋は食欲が旺盛になるのか? |
野生の動物たちは来るべき冬に備えてたくさん食べる必要があります。いつも食べるものがあるわけではない動物たちは、たくさん食べ物がある秋のうちに出来るだけ多く食べておき、食物の少なくなる冬の生命維持のエネルギー源としてこれを蓄えておくのです。動物と同様、人間もそのような理由から、秋に食欲が増す本能が未だに残っているのだと考えることもできます。
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日照時間との関係 |
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まず考えられるのが、段々と日暮れが早くなることです。実は脳内の伝達物質であるセロトニンの分泌量が日光の照射時間と関係しているのです。このセロトニンという物質は精神の安定を保つ作用があり、食欲の調整にも深く関わっています。
これからの季節、日照時間が短くなってくると、段々セロトニン分泌量が減少してしまうのです。そこで、身体はそれを補おうと働きます。その分泌量を増やす方法こそが糖質・乳製品・肉類をしっかり食べることで、要は身体がそれらを欲しているから食欲が増すということになります。また、電気と日光とではその威力も効果も当然ながら違ってきます。高齢になると部屋に閉じこもりがちになりますが、なるべく日中は散歩などで外に出て日光に当たるようにしましょう。オフィスワークの人なら昼休みに外の空気を吸ってみるのもよいかも知れません。なお、セロトニン分泌には十分な睡眠も有効なため、夜はぐっすり眠ることも大切です。ちょっと身体を動かせば快眠も得られます。 |
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気温低下との関係 |
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次に、気温が下がってくること、そして、体温・基礎代謝とも関係しています。気温が低下すると、体温保持のために熱を作ろうとし、基礎代謝が上がるのです。すなわち、エネルギー消費量が上がるため、それを補おうとお腹が空くというわけです。つまり、日照時間や気温変化など食欲が増す理由がある一方で、代謝がよく消費しやすい、痩せやすい時期であるとも言えるのです。 |
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夏バテの回復 |
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夏は発汗や体内のほてりを押さえるために、ついつい冷たい飲み物ばかり飲んでしまいがちです。そうすると、水分だけでお腹が一杯になってしまったり、冷たい食べ物や飲み物の摂り過ぎで胃腸が弱ってしまったりして、これが原因で夏バテになってしまいます。ところが、秋になると暑さで弱っていた体力も自然に回復し、消化器官も正常の働きを取り戻すので、食欲が戻って来ると考えられます。 |
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味覚の記憶 |
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美味しそうな食べ物が目の前にあると、以前にそれらを食べた時の味やその記憶が蘇り、食欲中枢が刺激されます。私達は秋の食べ物が美味しいということを経験上知っているので、旬の食材を目の当たりにすると、自然と食欲が湧いて来るのです。必ずしも秋だから食欲旺盛になるわけではなく、美味しい秋の食材が「食べたい」という気持ちを引き起こすのですね。 |
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寒い冬に向けてエネルギー源を確保 |
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気温が下がる冬は、体温を一定に保つために身体の新陳代謝が高まりますが、そのエネルギー源を確保するために、秋になると栄養を溜め込むモードにスイッチが入るのです。毎年秋から冬にかけて太ってしまうという悩みを持っている人は、冬が来る前に運動を習慣化して代謝を高めておきとよいでしょう。 |
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秋とお酒 |
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普段飲んでいるビールや発泡酒から、秋になると日本酒やワインへ |
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美味しいグルメと言えば、当然その傍らには旨い酒と来るのが定番です。
日頃から愛飲しているお酒の人気ランキングは、ダントツがビールで、それに続いて発泡酒、缶チューハイ&缶カクテルと炭酸系のアルコール類が上位に来ます。特に厳しい暑さの続いた夏は、ビールなどの喉越しのよいお酒を求める傾向が高いと言えます。ところがその一方で、秋になると飲みたくなるお酒でもビールが1位なのはそのままながら、それ以下のお酒として日本酒やワインが上位に来るようになります。このように、秋の気配を感じ始めると共にお酒の嗜好も少しづつ変わり始めてゆくことが分かります。 |
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肌寒さが気になる季節は身体がホットになるお湯割りと熱燗で |
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夏が終わり、次第に秋が深まる季節。冬に向かい、段々と寒くなる晩秋には、ホットにして飲むワインは身体を芯から温めます。また、日本酒党の人も、秋が深まって次第に涼しくなると、日本酒の熱燗や焼酎のお湯割りを飲みたい気持ちに誘われます。
朝夕に肌寒さを感じるこの季節になると、熱燗やお湯割が恋しくなる方が増え、それに従ってビールや発泡酒から飲むお酒をシフトする人も多くなります。また、急に暑くなったり寒くなったりと寒暖の差が激しい時期でもあるため、暑い日にはビール、少し肌寒い日には日本酒の熱燗を頂くというように、その日の気温で臨機応変に飲むお酒の種類を飲み分けているという人も多くいるでしょう。 |
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秋の味覚、鍋物の美味しい季節は、料理との相性のよいお酒で |
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料理との相性もお酒選びに少なからず影響を与えています。
秋の食材には和食の料理が多いので、そうなるとお酒も和食にあったお酒になるということでもあると思います。秋は、山の幸や海の幸、特に魚介類と、更には温かい鍋物も美味しくなる季節です。1杯目はいつものように景気づけにビールを飲んでも、2杯目からは料理と共にじっくり味わえる食中酒を選択する方も多くいます。 |
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ゆっくりとした秋の夜長は、アルコール度数の高いお酒で |
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秋はアクティブに動く夏とは反対に、人を何となく感傷的にし、物思いに更けさせる、そんなゆっくりとした時間を与えてくれる季節です。秋の夜長、家でゆっくりと読書する。そんな人もいるかも知れません。「読書の秋」という言葉などはその辺にも由来がありそうです。秋の夜は虫たちの鳴き声が聞こえて来たという思い出をお持ちの人もきっといるでしょう。
家事を終えた寛ぎの時間に夫婦二人で一緒に飲むお酒は、何か情緒を感じさせます。また、秋の夜長に、本を読みながら、或はレンタルしたDVDなどで映画を観ながら、チビチビとウイスキーなどを嗜むなどといった優雅なひと時を過ごす人もいるかも知れません。夏場よりもアルコール度数の高いアルコールをチビチビと舐めるように飲み、そして、自分の好きなことをしながら贅沢な時間を過ごす。こんな贅沢な時の過ごし方はないと言ってよいでしょう。秋は酒飲みにとって最高の季節なのかも知れません。 |
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参考:秋の味覚とレシピ集 |
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