作法1:件名がすべて |
メールの件名(subject)は、新聞で言うなら見出しに当たります。忙しい人は、メールの件名だけで、いま読むか後回しにするかを判断します。理想的には、件名がメールの内容を知らせているのもがよいでしょう。
なお上でも触れましたが、中途半端な件名はスパムと判定されやすいので、注意が必要です。
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作法2:手短に |
長いメールを受け取ると、同じように長めの返事を書かなければならないという心理が相手側に働くため、後回しにされやすい傾向があります。すぐ返事が欲しいのなら、要領を得た短いメールに限ります。
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作法3:差出人が誰であるかを明示すること |
差出人が誰かきちんと分かるように、メール文末の「署名(シグネチャ)」を忘れないことが大事です。これには、メールソフト(メーラー)の「署名機能」を使うととても便利ですよ。
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作法4:電話番号も付ける |
「メールにはメールで答えるのだから、電話番号を付ける必要はないのじゃないか」と考える人が中にはいるかも分りませんが、これは大変な間違いです。メールを受け取って直ちに「電話で応答したい」と思うことは誰にでもあるはず。急ぐ場合や、相手が何か誤解をしているような場合には、直ぐさま連絡を取りたいものです。また、特に誤解を解くためなら電話の方がより効果的ではないでしょうか。なお、この場合にもメーラーの「署名機能」を使って電話番号などを記入しておくと、とても便利です。
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作法5:用件をはっきり書くこと |
質問の答えがほしいのか、それとも単に用件が伝わればよいのか、或は何らかの行動を取ってもらうよう要請しているのか、鮮明に書くことが肝要です。これは、お互い円滑なコミュニケーションを取るためにとても大事な点です。
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作法6:返事は素早く |
メールを送る人は、内心では直ぐに返事がもらえると期待しています。ビジネスなら、その日のビジネス時間帯に返信するのが暗黙のルールになっています。いま直ぐきちんとした返事が出来ないのなら、受け取った旨を知らせるだけでも相手は安心します。
また、インターネット上の電子メールは、実は必ず届くという保証はありません。比較的稀ですが、時には届くのに数日かかってしまうこともあります。相手側のプロバイダや社内ネットワークのトラブルであったり、あるいは電子メールが送られてゆく途中の経路で何らかの問題が発生していたなど様々な原因が考えられます。そのこととも関連しますが、電子メールを発信した側では、それがいつ相手に届いたのか、相手が読んだかどうかは返事をもらわない限り分りません。そこで、会議の時間の変更連絡や急ぎの連絡などは、些細な事がらであると感じても返事を書きましょう。それがメールを読んだという印になるのです。
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作法7:引用は最小限に |
電子メールに返事を書く際に、元のメールの一部分をそのままコピーして返事の一部として利用することを「引用」といいます。引用した部分を明確に区別するため、通常引用した行の先頭には、>符号を付けます。実際には、メーラーで「返事を書く」というメニューを選ぶと、自動的に元のメールの先頭に>を付けた状態で返事を書く準備を整えてくれます。しかし、これは元のメールにどんな内容が書いてあったかを、いちいち参照しなくてすむという点では勝れていますが、濫用すると非常に読みにくいメールになってしまいます。引用は最小限に留めるのがスマートなメールの書き方と言えるでしょう。
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作法8:複数の用件は箇条書きで |
相手にいくつもの用件を伝えたり質問する場合は「箇条書き」がよいでしょう。本文の中に用件や質問が埋もれていると、質問の全部に返答がもらえない場合があります。「質問したのに答えてもらっていない」と感じる場合は、「質問の仕方が悪かったのかも知れない」と考えるべきでしょう。
なお、下でも触れますが余りに箇条書きの件数が多い場合は、相手に心理的な負担を与える恐れもありますし、メールを幾つかに分割して送るのも一つの方法です。
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作法9:メール1通につき用件は1つが原則 |
上記の作法とは矛盾しますが、本当は、重要な用件がいくつもある時は、メール1通につき用件を1つに限ることです。箇条書きする場合でも、箇条書きの件数が多い場合は、メールを幾つかに小分けした方がよいでしょう。何れにせよ、バラで受け取るとバラで処理しやすいからです。ちなみに、複数の用件がメール1通にまとめられていると、一括して答えようとする心理が働き、返事が遅れがちになります。
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作法:無闇にメールを転送しない |
同じ内容を複数の宛先に送る同報、自分に届いたメールをそのまま別の宛先に送る転送などは、まさにデジタルデータの特質を利用した電子メールならではの便利な機能です。しかし、メール転送の際にはひとつだけ守らなければいけないマナーがあります。チェーンメール化を防ぐためにも、たとえどんな場合であってもメールを複数の人に転送してくれるように頼むことは極力控えましょう。
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作法10:感情を抑えて |
電子メールでよくやる失敗は、ついつい書きすぎてしまうことです。スクリーンに文字を打ち込んでゆく過程では相手の表情や顔色は見えず、一方的になりがちです。つい一言多くなりやすいので、素っ気無いぐらいがちょうどよいのではないでしょうか。
特に相手に抗議する内容のメールは慎重を要します。感情を抑えるために、わざと数時間遅らせて送るとか、場合によっては翌日に回すことも必要かも知れません。また、感情的になりやすいため、事務的な内容ならまだしも、メールは夜中には書かない方がよいと言われます。
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作法11:添付ファイルは気をつけて |
添付ファイルを送る場合は、相手が同じソフトを持っているかどうか予め確認することも必要です。ファイルを送ってもらったのはよいが、開けられなくて相手をイラつかせてしまうこともあるからです。時間も無駄になって非効率です。
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作法12:ローカルルールを尊重しよう |
社内メールやメーリングリストなど限られたコミュニティの中で電子メールを書く際には、そのコミュニティの中でだけ有効なルール、すなわちローカルなルールが決められていることがあります。電子メールコミュニティに参加するときは、そのコミュニティのルールを尊重しましょう。
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作法13:最後にもう一度確認を |
送信ボタンをクリックする前に、一息ついて、本当に内容が適切で問題がないか、また、誤字脱字・誤変換がないか、もう一度見直しましょう。そして、送信相手が間違いないかの確認も忘れずにするようにしましょう。たとえばメーリングリストでありがちなミスなのですが、個人宛に送ったつもりのメールを全員に送信してしまったりといった失敗がよくあります。気もそぞろな状態で送信ボタンを押さないように心懸けましょう。
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作法14:メールに頼り過ぎない |
メールが余りにも便利なツールであるため、対面や電話・郵便によるコミュニケーションが疎かになってしまいがちう傾向があります。シャイな人にとってはメールはとても有難いツールですが、メールは万能ではありせん。また、重要書類を添付で送る場合などは、電話などで声を掛けて相手に確認することも必要でしょう。相手が数日にわたってパソコンから遠ざかっている場合もありますし、ウイルス対策ソフトの仕様などで添付ファイルが受け取れない場合もあるからです。
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