ウォーキングとは?〜その効用と欠点〜 |
本項では、まず最初にウォーキングの効用と欠点を取り上げて、以下でなるべく詳しく解説しました。
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ウォーキングとは? |
説明するまでもなく、ウォーキングとは歩くことを主体とした健康法です。誰でも手軽に行なえることから、年齢を問わず広がってきています。
そしてウォーキングの特徴は、何と言っても体内に酸素を取り入れながら運動する有酸素運動です。脂肪燃焼から美容への効果、さらには骨の強化や内臓の機能向上、そして記憶アップなど様々な効果が期待出来ます。日常のストレスから来る不調も改善されます。
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ウォーキングの効用 |
■ウォーキングの効果 |
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心臓の強化 |
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ウォーキングは比較的軽い運動なので、心臓や肺に余り負担をかけることなく心肺機能を高めることが出来ます。有酸素運動を行なうことで心臓や肺を元気に働かせ、新鮮な血液を全身に送り出すことが出来るようになるわけです。
心臓は動脈と静脈がそれぞれの役目を果たし、全身に血液を送り出すことを仕事にしています。まず動脈が酸素を多く含んだ血液を全身へ送り出し、静脈が全身から古い血液を送り返す役目を行ないます。しかし、重力に逆らって心臓だけの力で全身からの血液を引き上げるのは心臓にかなりの負担がかかります。これを助ける役目を果たすのが足のポンプ機能であるミルキングアクションです。ミルキングアクションとは要するに筋肉の伸び縮みによる血管の押し上げで、筋肉が血管を軽く押すことで血液を心臓へと押し上げてくれているのです。このように、ウォーキングを行なうことで足の筋肉が向上され、足のポンプ機能が高まって心臓への負担も軽減されます。ウォーキング自体が有酸素運動なので、負担もかからず心臓を総合的に強化してくれるわけです。 |
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骨の強化 |
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骨を強化するにはカルシウムが必要であることはよく知られている通りですが、カルシウムの摂取のみでは骨は中々強化されません。摂取したカルシウムを効果的に利用するためには、骨に与える適度な刺激が必要になります。人間の仕組みとは不思議なもので、自分が行なった生活によって体が変化してゆくもので、たとえば骨に刺激を与えれば、その刺激に耐えられるように骨を強化するというような変化が自然と発生するわけです。また、骨を強化する重要な要素のひとつが、ウォーキング中に日光に当たることです。日光に当たることで体内にはビタミンDがつくられますが、ビタミンDはカルシウムの吸収を助ける役目を果たすので、刺激を与えた骨にさらに良い効果を与えてくれるわけです。 |
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肥満を解消&予防する |
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ウォーキングは有酸素運動なので脂肪燃焼にも大きな効果を発揮します。 |
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美容への効果 |
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ウォーキングには「美肌効果」や「脂肪燃焼効果」「美脚効果」など様々な美容への効果があります。
- 美肌効果:
ウォーキングを続けると汗をかき、新陳代謝も活発になって若々しい肌を保つことが出来ます。さらに有酸素運動によって血液の循環もよくなり、皮脂が分泌されて肌も潤ってゆきます。また、内蔵機能の正常化作用もあり、根本的な美肌に効果があります。
- 脂肪燃焼:
ウォーキングなどの有酸素運動を行なうと、血液中に酸素が取り込まれて脂肪が効率的に燃焼されるようになります。
- 美脚効果:
昔から運動をすると足が太くなるという声がよくありますが、筋肉はそう簡単には太くなりません。それどころか、ウォーキングといった軽い長期間の運動を行っている場合にはミルキングアクション(※足のポンプ機能)の効果によって足は引き締められてゆきます。長時間運動しているマラソンランナーに太った人がいないのがそのよい例です。
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生活習慣病の予防 |
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ウォーキングは生活習慣を改善させ、生活習慣病を予防する効果があります。
- 脂肪燃焼:
ウォーキングなどの有酸素運動を行なうと、血液中に酸素が取り込まれて脂肪が効率的に燃焼されます。ウォーキングは、中でも生活習慣病に関わりの深い内臓脂肪に特に効果があると言われています。
- 血圧の安定化:
血圧が高くなる要因は肥満やストレス、塩分の取りすぎなどです。ウォーキングならばストレス・肥満の解消の効果もあり、血圧を下げる効果もあるので、習慣的にウォーキングを行なうことが一番大事なことです。(※なお、冬場のウォーキングは急激に血圧が上がる場合があるので、ウォーミングアップを念入りに行なうなど注意が必要です。また、血圧が高くて病院へ通っている方は医師に一度相談してから始めるとよいでしょう。)
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脳を鍛える |
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何度も言うようにウォーキングは有酸素運動なので、ウォーキングを行なうことで脳に新鮮な酸素を取り入れることが出来ます。ウォーキングには中高年の認知症予防にも効果があることも分かってきていますので、若い人からお年寄りまで自分の出来る範囲で脳を活性化し、生き生きした生活を送るように心懸けましょう。 |
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ストレスの解消 |
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現代人にストレスはつきもで、現代生活を送る限りストレスを避けることは出来ません。そういったストレス社会の中で人間らしい生活をするためには、いったん受けたストレスを上手に解消することがベストであると言えます。「気分転換に散歩」と言われるように、実際ウォーキングにはストレス解消の効果があります。
- 気分転換:
外の空気を浴びて軽い運動をすることでリラックスした気分になり、気分転換になります。実際、気分の転換が出来るとストレスも緩和されます。ウォーキングの有酸素運動の効果で脳に酸素がゆきわたり、すっきりする効果を持っています。
- 血行の促進:
血行がよくなると消化器系の調子もよくなり、体の調子もよくなります。体の調子からくるストレスもあるので、そのような悩みを抱える人もウォーキングは効果的です。
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自律神経への効果 |
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ウォーキングを続けていると、気分が楽になるような感覚を覚える時があります。そのような感覚の時にはベータエンドルフィンという爽快感や幸せ感を感じるホルモン物質が放出されるということが解明されています。また、運動による適度な疲労は睡眠を深くするという利点もありますので、ウォーキングは不眠の解消にもなります。 |
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寝たきりの防止と予防 |
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寝たきりになる原因の1位は脳卒中です。脳卒中は高血圧や糖尿病などが原因になる病気なので、予防にはウォーキングがもってこいです。また2位の骨折に対しても、運動することで骨が強化されることが分かっています。
なお、何れにしても寝たきりになるのは介護する側もされる側も得することではないのですから、なるべく予防してゆきましょう。病気は何でも発病してからでは直すのが難しいものですから、なるべく健康な時期から食生活の改善と適度な生活習慣を取り入れるのが最善の方法です。 |
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◆ワンポイント1: |
有酸素運動とは? |
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軽いジョギングやウォーキング、水泳などの充分な呼吸を確保しながら出来る比較的軽い運動のことを「有酸素運動」と言います。ウォーキングでの目安は少し息が弾むくらいで、人と話をしながら歩けるくらいの呼吸が有酸素運動の目安になります。(※ちなみに有酸素運動は英訳するとエアロビクスで、要するにエアロビクスとは有酸素運動を行なうための運動だったのです。) |
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◆ワンポイント2: |
有酸素運動で脂肪が燃える理由 |
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血液中には脂肪(血中脂肪)が流れていますが、有酸素運動をすることによって、取り込んだ酸素と脂肪が結合している状態のまま運動することで脂肪が燃焼されます。燃焼される脂肪は血中脂肪が先で、その後から体に溜め込んだ脂肪が燃焼されます。すなわち、有酸素運動を長く続けることで脂肪が燃焼され続けるわけです。なお、ウォーキングによる運動を続けてゆくと次第に筋肉もついてきます。そして、筋肉がついてくると、さらに基礎代謝量(※何もしない状態で消費するカロリー)も増えてくるので、さらなる脂肪燃焼の助けにもなってくれるというわけです。 |
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◆ワンポイント3: |
生活習慣病とは? |
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生活習慣病とは、その名の通り普段の生活習慣の影響が原因で発祥される病気のことです。主に以下のことが原因と言われています。
- 不規則な食生活
- 暴飲暴食
- 運動不足
- タバコの吸いすぎ
- お酒の飲みすぎ
- 寝不足
- ストレス
- 肥満 など
なお、生活習慣病の代表的な病気は
- 骨粗鬆症
- 高血圧
- 糖尿病
- 高脂血症
- ガン などです。
※ちなみに、高脂血症や高血圧、糖尿病などの大きな要因のひとつが肥満です。高血圧の状態が続くと脳梗塞などの血管の病気や心臓病などになる可能性が増してきます。様々な病気への要因のひとつになることから、肥満自体を病気だと指摘されている場合もあります。 |
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ウォーキングの欠点 |
■ウォーキングの欠点とその対処法 |
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飽きる |
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上でも見た通りウォーキングは確かに心身の健康にとって非常によいものであることは間違いありませんが、しかし、単調なウォーキングでは直ぐに飽きが来てしまうのも事実です。
もちろん毎日違う道を歩いたりすることで違った感覚を持ちながら運動することも可能ですが、日々新しい気持ちで取り組むことは中々難しいものです。そこで、いくつか解消のヒントを以下に紹介いたします。
- 友人を作る(例:ウォーキング大会などに出席する)
- 歩きながら音楽を聴く
- 目標を定める(例:何キロ痩せるなど)
- いつもと違う道を歩く
- 自然を探す(散歩風に)
- 「一日おき、少しだけでもよい」と軽く考える
- 中途でちょっと休んでみる
- ローテーションを組む
- 記録(※日記など)をつけてみる
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膝に負担がかかる |
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太った方に多いのが膝のトラブルです。体重が集中的に膝にかかってくるので、思い当たる方は注意が必要です。このような膝の痛みを防止するため、特に太った方や変形性膝関節症などの方には水中ウォーキングをオススメします。何れにせよ大事なことは、余り無理をせず、少しづつ行なうことです。膝に無理な不可をかけずに快適なショーキングを行ないましょう。 |
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腰痛になる |
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腰痛の原因は大きく分けて2つあります。ひとつは運動不足の方がいきなり張り切って歩きすぎた時に起こる場合で、この場合は焦らずコツコツと継続することがコツです。もうひとつはフォームが原因の場合で、これは疲れてきて顎が上がってきて腰に負担がかかっていたということもあるので、1度正しいフォームをチェックしてみましょう。 |
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ウォーキングのコツ |
本項では、ウォーキングの心構えや注意点を取り上げ、併せてウォーキングに役立つ情報を簡単に紹介しました。
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ウォーキングの心構え |
■ウォーキングの心構えABC |
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やりすぎずず、自分の適量で |
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運動を始める時に多いのが、やる気がありすぎて初日に長時間歩いてしまうという状態です。1日目から何時間も歩き過ぎ、次の日から体が痛くなってやる気がなくなって、運動習慣はそれで終わってしまう、なんてことはよく聞く話ですが、これでは典型的な3日坊主です。そんなことにならないように、少しでも自分の適量で続けることが大事です。通勤電車を一駅前で降りるとか、歩いて買い物に出かけるなどやり方を工夫すれば、運動する時間は結構見つかるものです。 |
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楽しむ |
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運動が習慣というより義務になると段々つまらないものになる時があります。そんな時はウォーキングというよりも散歩と考えればよいでしょう。今まで知らなかった場所にどんどん進んでゆきましょう。「こんな場所にこんなものあったのか!」というような新たな発見があるかも知れませんよ。こうすることで、今までと違う知らない世界が広がってゆきます。楽しいですよ。 |
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準備運動をする |
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急に運動を始めてしまったら、体がびっくりして気の毒です。運動不足の人は特に気をつけましょう。運動の前にアキレス腱やふくらはぎ、太ももを伸ばし、出来れば全身のストレッチを行なうことをオススメします。健康を得るためのウォーキングで怪我しては元も子もありません。 |
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ウォーキングの注意点 |
■体調に合わせて |
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下のような状態の時には、休息するか歩く時間を減らすなどの調整が必要です。
- 睡眠不足
- だるい
- 熱っぽい
- 脈が速い
- 頭痛や目眩、吐き気がある
- 食事を摂ってない
- 二日酔い状態
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■天候に注意(1)〜暑い時の注意〜 |
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炎天下避ける |
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真夏の炎天下には行わないのが理想ですが、外に出かける時の注意点を以下にいくつか上げておきます。
- 帽子や日傘で直射日光を避ける
- コマメな水分(水やスポーツドリンクなど)の摂取を行なう
- 吸汗性や速乾性に優れた素材のものを着用する
- 出来るだけ日陰で行なう
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水分の摂取を大切に |
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水やスポーツドリンク等の摂取を行なって下さい。特に真夏の炎天下には水分の補給は絶対行なうようにして下さい。 |
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どれだけ気をつけても具合が悪くなった場合は |
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- 日陰で休む
- 水分を補給する
- 首筋や両脇、太腿の内側になるべく冷えた水をかける
- 出来るだけ日陰で行なう
※注意:対処しても具合の良くなる気配がないような時は、なるべく速やかに救急車や病院へゆくなどして対処して下さい。 |
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■天候に注意(1)〜寒い時の注意〜 |
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- 厚着をして寒さを防ぐ
- 手袋を着用(※ポケットに手を入れるのは危険なのでやめましょう)
- ウォーミングアップを念入りに(※なお、高血圧の方はウォーミングアップを念入りに行なった方が安全です
- 吸汗性や速乾性に優れた素材を着用する
- ウォーキング後は汗を拭き取る
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■早朝ウォーキングで注意する点 |
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朝は空腹により血糖値が低下しているため、そのままの状態で運動をすると立ち眩みなどの原因になることがあります。アミノ酸食品やカロリーの低いダイエット食品などを軽く体内に入れてからウォーキングを行なうのもよいでしょう。また、朝は血圧が最も高くなる時間帯でもあるので、高齢者など体調に不安のある方はくれぐれも無理をしないようにして下さい。 |
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◆病気・疾患を持っている方への注意 |
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必ず主治医に相談してからウォーキングを行なうようにして下さい。過信は絶対に禁物です。まずは健康第一ですよ。 |
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◆参考:体調不良の予防対策 |
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起床直後は暫く安静に過ごし(一時間程度)、血圧の上昇を抑える |
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起床後の体に水分を補給する(※ミネラルウォーターや健康茶など) |
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守ろう!ウォーキングのマナー |
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携行すると便利!ウォーキングのお供に |
■夏のウォーキングのお供に |
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サングラス |
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紫外線が肌に悪いことはよく知られているところですが、目にも悪いことは日本では余り知られていません。事実、紫外線防止の意識の高い国では子どもの頃からサングラスで紫外線をカバーするのが常識になっています。出来ればサングラスをして紫外線を防止することが必要です。 |
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手袋 |
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日光を浴びると、時に手に発疹が出る場合があります。日光アレルギーという症状もあるそうなので、暑いのは確かですが、出来るだけ装着した方がよいでしょう。 |
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■冬のウォーキングのお供に |
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手袋(2) |
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冬場は手袋は欠かせないでしょう。ポケットに手を入れるのは、やはり転倒の危険もあって危険なので、絶対にやめましょう。 |
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■あったら便利なあれこれ |
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万歩計 |
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ウォーキングをする際の大きな助けになってくれます。万歩計の数字があると、ひと目見ただけでその日の成果が分かり、達成感を味あわせてくれる上に、実際やる気の維持にもつながります。多くの人が1日1万歩を目標に頑張っています。
※万歩計とは:
万歩計とは歩いた歩数を計測できる機器で、正式名は歩数計と言います。ちなみに、万歩計はYAMASA(山佐時計計器株式会社)が売り出した歩数計の商品名(=商標)で、それが一般にも普及して、歩数計自体が万歩計と呼ばれています。 |
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携帯電話 |
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歩く時には邪魔になり、持ってゆきたくはありませんが、何かあった時には便利な存在です。なるべく携行するようにしましょう。 |
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少額のお金 |
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暑くてたまらない時のジュース代などはもちろんですが、緊急の時のためにも、やはり少額のお金は持っておいた方が安心です。 |
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参考:靴選びのポイント |
■靴選びのポイントあれこれ |
ウォーキング用の靴は何よりも足に合っていることが大切で、靴と足が一体となって履いていることを意識させない靴が理想的です。また、膝や足首への衝撃を吸収してくれるものを選ぶことも大事です。 |
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つま先: |
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靴と足の指先の間に5mmから1cmのゆとりがあり、足の指で地面をしっかり押さえることが出来ること。 |
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土踏まず: |
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柔軟性があって、土踏まずのカーブと靴のカーブが合っていること。 |
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踵: |
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弾力性があって、靴と踵の間に5mmくらいのゆとりがあって安定感があること。 |
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