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  昨今は健康のために、ランニングではなくウォーキングをする人が増えています。今月はそのウォーキングの長所と欠点を取り上げ、ウォーキングの正しいやり方を解説しました。そして、併せて現在欧米を中心に盛んになっているノルディック・ウォーキングを特に取り上げて解説しました。ノルディック・ウォーキングは全身運動であるため、通常のウォーキングに比べて数倍の健康効果があると言われています。

ウォーキング
ウォーキングとは?〜その効用と欠点〜
ウォーキングのコツ
ウォーキングの実践
ダイエット効果も抜群!ノルディック・ウォーキングのススメ


ウォーキングとは?〜その効用と欠点〜

 本項では、まず最初にウォーキングの効用と欠点を取り上げて、以下でなるべく詳しく解説しました。
ウォーキングとは?

 説明するまでもなく、ウォーキングとは歩くことを主体とした健康法です。誰でも手軽に行なえることから、年齢を問わず広がってきています。

 そしてウォーキングの特徴は、何と言っても体内に酸素を取り入れながら運動する有酸素運動です。脂肪燃焼から美容への効果、さらには骨の強化や内臓の機能向上、そして記憶アップなど様々な効果が期待出来ます。日常のストレスから来る不調も改善されます。
ウォーキングの効用


■ウォーキングの効果
心臓の強化
 ウォーキングは比較的軽い運動なので、心臓や肺に余り負担をかけることなく心肺機能を高めることが出来ます。有酸素運動を行なうことで心臓や肺を元気に働かせ、新鮮な血液を全身に送り出すことが出来るようになるわけです。

 心臓は動脈と静脈がそれぞれの役目を果たし、全身に血液を送り出すことを仕事にしています。まず動脈が酸素を多く含んだ血液を全身へ送り出し、静脈が全身から古い血液を送り返す役目を行ないます。しかし、重力に逆らって心臓だけの力で全身からの血液を引き上げるのは心臓にかなりの負担がかかります。これを助ける役目を果たすのが足のポンプ機能であるミルキングアクションです。ミルキングアクションとは要するに筋肉の伸び縮みによる血管の押し上げで、筋肉が血管を軽く押すことで血液を心臓へと押し上げてくれているのです。このように、ウォーキングを行なうことで足の筋肉が向上され、足のポンプ機能が高まって心臓への負担も軽減されます。ウォーキング自体が有酸素運動なので、負担もかからず心臓を総合的に強化してくれるわけです。
骨の強化
 骨を強化するにはカルシウムが必要であることはよく知られている通りですが、カルシウムの摂取のみでは骨は中々強化されません。摂取したカルシウムを効果的に利用するためには、骨に与える適度な刺激が必要になります。人間の仕組みとは不思議なもので、自分が行なった生活によって体が変化してゆくもので、たとえば骨に刺激を与えれば、その刺激に耐えられるように骨を強化するというような変化が自然と発生するわけです。また、骨を強化する重要な要素のひとつが、ウォーキング中に日光に当たることです。日光に当たることで体内にはビタミンDがつくられますが、ビタミンDはカルシウムの吸収を助ける役目を果たすので、刺激を与えた骨にさらに良い効果を与えてくれるわけです。
肥満を解消&予防する
 ウォーキングは有酸素運動なので脂肪燃焼にも大きな効果を発揮します。
美容への効果
 ウォーキングには「美肌効果」や「脂肪燃焼効果」「美脚効果」など様々な美容への効果があります。
  • 美肌効果:
     ウォーキングを続けると汗をかき、新陳代謝も活発になって若々しい肌を保つことが出来ます。さらに有酸素運動によって血液の循環もよくなり、皮脂が分泌されて肌も潤ってゆきます。また、内蔵機能の正常化作用もあり、根本的な美肌に効果があります。

  • 脂肪燃焼:
     ウォーキングなどの有酸素運動を行なうと、血液中に酸素が取り込まれて脂肪が効率的に燃焼されるようになります。
  • 美脚効果:
     昔から運動をすると足が太くなるという声がよくありますが、筋肉はそう簡単には太くなりません。それどころか、ウォーキングといった軽い長期間の運動を行っている場合にはミルキングアクション(※足のポンプ機能)の効果によって足は引き締められてゆきます。長時間運動しているマラソンランナーに太った人がいないのがそのよい例です。
生活習慣病の予防
 ウォーキングは生活習慣を改善させ、生活習慣病を予防する効果があります。
  • 脂肪燃焼:
     ウォーキングなどの有酸素運動を行なうと、血液中に酸素が取り込まれて脂肪が効率的に燃焼されます。ウォーキングは、中でも生活習慣病に関わりの深い内臓脂肪に特に効果があると言われています。

  • 血圧の安定化:
     血圧が高くなる要因は肥満やストレス、塩分の取りすぎなどです。ウォーキングならばストレス・肥満の解消の効果もあり、血圧を下げる効果もあるので、習慣的にウォーキングを行なうことが一番大事なことです。(※なお、冬場のウォーキングは急激に血圧が上がる場合があるので、ウォーミングアップを念入りに行なうなど注意が必要です。また、血圧が高くて病院へ通っている方は医師に一度相談してから始めるとよいでしょう。) 
脳を鍛える
 何度も言うようにウォーキングは有酸素運動なので、ウォーキングを行なうことで脳に新鮮な酸素を取り入れることが出来ます。ウォーキングには中高年の認知症予防にも効果があることも分かってきていますので、若い人からお年寄りまで自分の出来る範囲で脳を活性化し、生き生きした生活を送るように心懸けましょう。
ストレスの解消
 現代人にストレスはつきもで、現代生活を送る限りストレスを避けることは出来ません。そういったストレス社会の中で人間らしい生活をするためには、いったん受けたストレスを上手に解消することがベストであると言えます。「気分転換に散歩」と言われるように、実際ウォーキングにはストレス解消の効果があります。

  • 気分転換:
     外の空気を浴びて軽い運動をすることでリラックスした気分になり、気分転換になります。実際、気分の転換が出来るとストレスも緩和されます。ウォーキングの有酸素運動の効果で脳に酸素がゆきわたり、すっきりする効果を持っています。
  • 血行の促進:
     血行がよくなると消化器系の調子もよくなり、体の調子もよくなります。体の調子からくるストレスもあるので、そのような悩みを抱える人もウォーキングは効果的です。
自律神経への効果
 ウォーキングを続けていると、気分が楽になるような感覚を覚える時があります。そのような感覚の時にはベータエンドルフィンという爽快感や幸せ感を感じるホルモン物質が放出されるということが解明されています。また、運動による適度な疲労は睡眠を深くするという利点もありますので、ウォーキングは不眠の解消にもなります。
寝たきりの防止と予防
 寝たきりになる原因の1位は脳卒中です。脳卒中は高血圧や糖尿病などが原因になる病気なので、予防にはウォーキングがもってこいです。また2位の骨折に対しても、運動することで骨が強化されることが分かっています。

 なお、何れにしても寝たきりになるのは介護する側もされる側も得することではないのですから、なるべく予防してゆきましょう。病気は何でも発病してからでは直すのが難しいものですから、なるべく健康な時期から食生活の改善と適度な生活習慣を取り入れるのが最善の方法です。


◆ワンポイント1: 有酸素運動とは? 
 軽いジョギングやウォーキング、水泳などの充分な呼吸を確保しながら出来る比較的軽い運動のことを「有酸素運動」と言います。ウォーキングでの目安は少し息が弾むくらいで、人と話をしながら歩けるくらいの呼吸が有酸素運動の目安になります。(※ちなみに有酸素運動は英訳するとエアロビクスで、要するにエアロビクスとは有酸素運動を行なうための運動だったのです。) 
◆ワンポイント2: 有酸素運動で脂肪が燃える理由
 血液中には脂肪(血中脂肪)が流れていますが、有酸素運動をすることによって、取り込んだ酸素と脂肪が結合している状態のまま運動することで脂肪が燃焼されます。燃焼される脂肪は血中脂肪が先で、その後から体に溜め込んだ脂肪が燃焼されます。すなわち、有酸素運動を長く続けることで脂肪が燃焼され続けるわけです。なお、ウォーキングによる運動を続けてゆくと次第に筋肉もついてきます。そして、筋肉がついてくると、さらに基礎代謝量(※何もしない状態で消費するカロリー)も増えてくるので、さらなる脂肪燃焼の助けにもなってくれるというわけです。
◆ワンポイント3: 生活習慣病とは? 
 生活習慣病とは、その名の通り普段の生活習慣の影響が原因で発祥される病気のことです。主に以下のことが原因と言われています。
  • 不規則な食生活
  • 暴飲暴食
  • 運動不足
  • タバコの吸いすぎ
  • お酒の飲みすぎ
  • 寝不足
  • ストレス
  • 肥満 など
 なお、生活習慣病の代表的な病気は
  • 骨粗鬆症
  • 高血圧
  • 糖尿病
  • 高脂血症
  • ガン などです。
ちなみに、高脂血症や高血圧、糖尿病などの大きな要因のひとつが肥満です。高血圧の状態が続くと脳梗塞などの血管の病気や心臓病などになる可能性が増してきます。様々な病気への要因のひとつになることから、肥満自体を病気だと指摘されている場合もあります。

ウォーキングの欠点


■ウォーキングの欠点とその対処法
飽きる
 上でも見た通りウォーキングは確かに心身の健康にとって非常によいものであることは間違いありませんが、しかし、単調なウォーキングでは直ぐに飽きが来てしまうのも事実です。


 もちろん毎日違う道を歩いたりすることで違った感覚を持ちながら運動することも可能ですが、日々新しい気持ちで取り組むことは中々難しいものです。そこで、いくつか解消のヒントを以下に紹介いたします。
  • 友人を作る(例:ウォーキング大会などに出席する)
  • 歩きながら音楽を聴く
  • 目標を定める(例:何キロ痩せるなど)
  • いつもと違う道を歩く
  • 自然を探す(散歩風に)
  • 「一日おき、少しだけでもよい」と軽く考える
  • 中途でちょっと休んでみる
  • ローテーションを組む
  • 記録(※日記など)をつけてみる
膝に負担がかかる
 太った方に多いのが膝のトラブルです。体重が集中的に膝にかかってくるので、思い当たる方は注意が必要です。このような膝の痛みを防止するため、特に太った方や変形性膝関節症などの方には水中ウォーキングをオススメします。何れにせよ大事なことは、余り無理をせず、少しづつ行なうことです。膝に無理な不可をかけずに快適なショーキングを行ないましょう。
腰痛になる
 腰痛の原因は大きく分けて2つあります。ひとつは運動不足の方がいきなり張り切って歩きすぎた時に起こる場合で、この場合は焦らずコツコツと継続することがコツです。もうひとつはフォームが原因の場合で、これは疲れてきて顎が上がってきて腰に負担がかかっていたということもあるので、1度正しいフォームをチェックしてみましょう。


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ウォーキングのコツ

 本項では、ウォーキングの心構えや注意点を取り上げ、併せてウォーキングに役立つ情報を簡単に紹介しました。
ウォーキングの心構え


■ウォーキングの心構えABC
やりすぎずず、自分の適量で
 運動を始める時に多いのが、やる気がありすぎて初日に長時間歩いてしまうという状態です。1日目から何時間も歩き過ぎ、次の日から体が痛くなってやる気がなくなって、運動習慣はそれで終わってしまう、なんてことはよく聞く話ですが、これでは典型的な3日坊主です。そんなことにならないように、少しでも自分の適量で続けることが大事です。通勤電車を一駅前で降りるとか、歩いて買い物に出かけるなどやり方を工夫すれば、運動する時間は結構見つかるものです。
楽しむ
 運動が習慣というより義務になると段々つまらないものになる時があります。そんな時はウォーキングというよりも散歩と考えればよいでしょう。今まで知らなかった場所にどんどん進んでゆきましょう。「こんな場所にこんなものあったのか!」というような新たな発見があるかも知れませんよ。こうすることで、今までと違う知らない世界が広がってゆきます。楽しいですよ。
準備運動をする
 急に運動を始めてしまったら、体がびっくりして気の毒です。運動不足の人は特に気をつけましょう。運動の前にアキレス腱やふくらはぎ、太ももを伸ばし、出来れば全身のストレッチを行なうことをオススメします。健康を得るためのウォーキングで怪我しては元も子もありません。

ウォーキングの注意点


■体調に合わせて
 下のような状態の時には、休息するか歩く時間を減らすなどの調整が必要です。
  • 睡眠不足
  • だるい
  • 熱っぽい
  • 脈が速い
  • 頭痛や目眩、吐き気がある
  • 食事を摂ってない
  • 二日酔い状態


■天候に注意(1)〜暑い時の注意〜
炎天下避ける
 真夏の炎天下には行わないのが理想ですが、外に出かける時の注意点を以下にいくつか上げておきます。
  • 帽子や日傘で直射日光を避ける
  • コマメな水分(水やスポーツドリンクなど)の摂取を行なう
  • 吸汗性や速乾性に優れた素材のものを着用する
  • 出来るだけ日陰で行なう
水分の摂取を大切に
 水やスポーツドリンク等の摂取を行なって下さい。特に真夏の炎天下には水分の補給は絶対行なうようにして下さい。
どれだけ気をつけても具合が悪くなった場合は
  • 日陰で休む
  • 水分を補給する
  • 首筋や両脇、太腿の内側になるべく冷えた水をかける
  • 出来るだけ日陰で行なう
※注意:対処しても具合の良くなる気配がないような時は、なるべく速やかに救急車や病院へゆくなどして対処して下さい。

■天候に注意(1)〜寒い時の注意〜
  • 厚着をして寒さを防ぐ
  • 手袋を着用(※ポケットに手を入れるのは危険なのでやめましょう)
  • ウォーミングアップを念入りに(※なお、高血圧の方はウォーミングアップを念入りに行なった方が安全です
  • 吸汗性や速乾性に優れた素材を着用する
  • ウォーキング後は汗を拭き取る


■早朝ウォーキングで注意する点
 朝は空腹により血糖値が低下しているため、そのままの状態で運動をすると立ち眩みなどの原因になることがあります。アミノ酸食品やカロリーの低いダイエット食品などを軽く体内に入れてからウォーキングを行なうのもよいでしょう。また、朝は血圧が最も高くなる時間帯でもあるので、高齢者など体調に不安のある方はくれぐれも無理をしないようにして下さい。


◆病気・疾患を持っている方への注意
 必ず主治医に相談してからウォーキングを行なうようにして下さい。過信は絶対に禁物です。まずは健康第一ですよ。

◆参考:体調不良の予防対策
準備運動を入念に行なう
起床直後は暫く安静に過ごし(一時間程度)、血圧の上昇を抑える
冬は防寒、夏は暑さ対策を考えた服装を心懸ける
起床後の体に水分を補給する(※ミネラルウォーターや健康茶など)
絶対に無理をしないこと

守ろう!ウォーキングのマナー


■ウオーキング・マナー5ヶ条
やぁ! お早う。明るい挨拶 爽やかに
信号で、慌てず焦らず待つ余裕
広がるな 参加者だけの道じゃない
自分のゴミ、自分の責任 持ち帰り
歩かせていただく土地に感謝して


■ウォーカー心得3ヶ条
帰る時は来た時よりも美しく
写真以外は取るべからず
足跡以外は残すべからず

携行すると便利!ウォーキングのお供に


■夏のウォーキングのお供に
サングラス
 紫外線が肌に悪いことはよく知られているところですが、目にも悪いことは日本では余り知られていません。事実、紫外線防止の意識の高い国では子どもの頃からサングラスで紫外線をカバーするのが常識になっています。出来ればサングラスをして紫外線を防止することが必要です。
手袋
 日光を浴びると、時に手に発疹が出る場合があります。日光アレルギーという症状もあるそうなので、暑いのは確かですが、出来るだけ装着した方がよいでしょう。


■冬のウォーキングのお供に
防寒具
手袋(2)
 冬場は手袋は欠かせないでしょう。ポケットに手を入れるのは、やはり転倒の危険もあって危険なので、絶対にやめましょう。


■あったら便利なあれこれ
万歩計
 ウォーキングをする際の大きな助けになってくれます。万歩計の数字があると、ひと目見ただけでその日の成果が分かり、達成感を味あわせてくれる上に、実際やる気の維持にもつながります。多くの人が1日1万歩を目標に頑張っています。

万歩計とは:
 万歩計とは歩いた歩数を計測できる機器で、正式名は歩数計と言います。ちなみに、万歩計はYAMASA(山佐時計計器株式会社)が売り出した歩数計の商品名(=商標)で、それが一般にも普及して、歩数計自体が万歩計と呼ばれています。 
携帯電話
 歩く時には邪魔になり、持ってゆきたくはありませんが、何かあった時には便利な存在です。なるべく携行するようにしましょう。
時計
少額のお金
 暑くてたまらない時のジュース代などはもちろんですが、緊急の時のためにも、やはり少額のお金は持っておいた方が安心です。

参考:靴選びのポイント


■靴選びのポイントあれこれ
 ウォーキング用の靴は何よりも足に合っていることが大切で、靴と足が一体となって履いていることを意識させない靴が理想的です。また、膝や足首への衝撃を吸収してくれるものを選ぶことも大事です。 ウォーキング・シューズ
つま先:
 靴と足の指先の間に5mmから1cmのゆとりがあり、足の指で地面をしっかり押さえることが出来ること。
土踏まず:
 柔軟性があって、土踏まずのカーブと靴のカーブが合っていること。
踵:
 弾力性があって、靴と踵の間に5mmくらいのゆとりがあって安定感があること。


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ウォーキングの実践

 本項では、ウォーキングの正しいやり方と続けるコツを解説しました。
正しいフォーム(歩き方)

 ウォーキングをするにも正しいフォームというものがあります。蟹股歩きや足を引きずるような悪い歩き方をしていると、疲れやすくなったりケガの原因にもなります。また、体が歪んでくることもあるので、なるべく姿勢は正しく保つように心懸けてましょう。最初は慣れるまで時間がかかるでしょうが、正しい姿勢で歩くと段々疲れにくくなってきますので、リラックスを忘れずに訓練して下さい。 ウォーキングの姿勢


■ウォーキングの正しいフォーム
歩幅の目安
 歩幅はなるべく広く取ります。目安としては、普段の歩幅が身長×0.37くらいとして、ウォーキングの場合は身長×0.45(※身長160cmの人なら70cmちょっと)が目標の歩幅になります。この数値に余り囚われずに、意識して大股で歩くといった感じで、普通の歩幅よりちょっと広めを心懸けるとよいでしょう。
速度の目安
 ウォーキングは少し息が弾む程度が最も効果的と言われています。「ハッ、ハッ」というくらいの呼吸で、さっさっとリズミカルに歩いてゆきましょう。腕を大きく振り、腰をひねるようにすると、歩幅も広げやすくなります。
頭について
 頭は真っ直ぐに安定させて余り力は入れない。視線は少し遠くへおき、10〜15メートルくらい前を見るようにします。
腰について
 腰はブレないよう、流れるように一定の高さに安定させる。疲れてくると腰が落ちてきますが、なるべく維持するように気をつけましょう。
足&膝について
 足は踵から着地し、後方につま先で蹴り出すように歩く。そして、膝はなるべく伸ばし、腰から前に出すようなイメージで歩く。(※モデルの人の歩き方を見ると、膝の裏が伸びているのがよく分かります。) 
◆参考: ウォーキングの目標歩数〜目標は1万歩?〜
 平均的な日本人が1日で摂取するカロリーから消費するカロリーを引くと約300kカロリー程度。この余ったカロリーが毎日たまることで肥満につながってゆきます。そして、この300kカロリーを消費するために必要な歩数が1万歩と言われています。

例:
100Kcal = 30分 3000歩
200Kcal = 60分 6000歩
300Kcal = 90分 9000歩

ウォーキングを続けるために〜モチベーションを上げる〜

 日々違う道を歩いたりすることで、違った感覚を持ちながら運動することが出来ます。しかし、毎日新しい気持ちで取り組むことは中々難しいものです。そこで、長く続けるためのちょっとしたコツを紹介します。


■モチベーションアップのコツ
仲間を作る
 一人で歩くよりは仲間と歩いた方が断然楽だし、当然楽しいです。ウォーキングには日本ウォーキング協会という団体もあり、全国にも支部があります。また、全国各地でイベントが行なわれているので、それらに参加して見るのもひとつの楽しみ方です。
いつもと違う道を歩く&自然を探す
 いつもと違った道を歩いたり、道端の花をデジカメで取りながら三歩間隔で歩くというのもよいでしょう。少し遠くに出かけて知らない景色を堪能するのはとても新鮮なものです。
目標を明確に
 ダイエットが目標とか健康が目標など様々な方がいるでしょう。たとえばダイエットの場合だったら、自分の痩せた状態をイメージするとやる気も出てきます。
歩いた距離を記録する
 歩いた距離・時間・カロリーの記録をつけたり、「こんなものを見つけた」など日記をつけることも意外と楽しいもので、1ヶ月も続けたら「あ〜頑張ったな!」と達成感を味わえるようになります。
ローテーションを組む
 ウォーキングをするだけではなく、月曜日はランニング、火曜日は水泳、水曜日は自転車といったようにローテーションを組むことで、新鮮な気持ちで運動が行なえます。皆さんも自分に合ったローテーションを組んでみたらどうでしょうか。
音楽を聞きながら
 音楽にはリラックスの効果があり、ストレス解消には最適です。ウォークマンやipodなどを利用して、リラックスしながらウォーキング生活をするのもオススメです。
スローピングをする(※階段上り下り)
 スローピングとは傾斜(スロープ)を利用した運動で、坂道や階段を利用して前向きや後ろ向きで上ったり降りたりを繰り返す運動です。負荷がかかるので、ウォーキングの2倍から3倍の効果があると言われます。ただしお年寄りの方や膝に異常のある方は注意が必要です。そういった方は、特に階段の上り下りは避けた方がよいでしょう。
ちょっと休んでみる
 一日おきとか、少しだけでも続けるのが一番ですが、色々と工夫しても中々やる気が起きない時には、思い切って数日間休んでみましょう。


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ダイエット効果も抜群!ノルディック・ウォーキングのススメ

 本項は、最近注目されつつあるノルディック・ウォーキングを特に取り上げ、解説しました。ノルディック・ウォーキングは通常のウォーキングと比べても数倍のダイエットを含む健康効果が期待出来ると言われます。
ノルディック・ウォーキングとは?

 ノルディック・ウォーキングはクロスカントリースキーの選手が夏の間の体力維持&強化用のトレーニングとして行なっていたもので、北欧ではスキー・ウォーキングとかポール・ウォーキング、フィットネス・ウォーキングとも呼ばれています。なお、ノルディック・ウォーキングは正式にはディメンチア・ウォーキング(物忘れウォーキング)と呼ばれ、クロスカントリースキーの競技会でスキー板を忘れた選手がストックだけでウォーキングしたことが始まりだとも言われています。

 ノルディック・ウォーキングは元来オフシーズンのスキートレーニングとして1980年代に始まったもので、スキーのストック を持って丘を歩くこの方法が確立し、北欧のスキーヤー達は1年中トレーニングが出来るようになりました。そればかりでなく、ノルディック・ウォーキングで使用するポールには膝や背中の負担を減らす役割もあることが分かって、北欧では老若男女誰でも親しめるスポーツとして広く知られるようになりました。そうして、1997年にフィンランドで2本のポールを使用したウォーキングをノルディック・ウォーキングと定義して本格的に普及活動が始まり、現在では800万人を越える人たちがノルディック・ウォーキングを楽しんでいると言われます。フィンランドでは、1990年代後半になって健康増進のため国を挙げてノルディック・ウォーキングを推奨した結果、フィンランド国民の約1割以上の人たちが習慣的に取り組むまでに普及したそうです。日本においても、近年エクササイズやフィットネス法のひとつとして広がりを見せています。
ノルディック・ウォーキング
ノルディック・ウォーキング用ポール

ノルデッィク・ウォーキングの効果

 ノルディック・ウォーキングの最大の利点は何と言っても年齢や性別を問わずに楽しめ、エクササイズとしても大変効率がよい点でしょう。


 ノルディック・ウォーキングでは、ストックを使うことで腕や肩などの上半身の筋肉を含め全身の筋肉を無理なく強化し、首や肩の血行も促進させることが可能で、通常のウォーキングに比べてエネルギー消費量が平均20%高くなると言われています。運動中の酸素消費量が20%増えるということは運動によって消費するエネルギー量が20%増えるということで、具体的に言えば、体重60kgの男性が1時間のノルディック・ウォーキングを行なうと約400kcalのエネルギーを消費することになります。
 また、ノルデッィク・ウォーキングによってエネルギー消費量が増加する理由には上半身の筋肉が動員されることに加えて歩行速度が増すことが考えられます。そして、ノルディック・ウォーキングの動作を身体側面から見た場合、接踵期に身体後方でストックをつくことにより身体を前方へ加速する反力が発生して歩行速度が増しますが、通常の歩行ならば歩行速度が増せば膝や足首などの関節にかかる負担も増加するのに対して、ノルデッィク・ウォーキングの場合は足とストックの2点で体重を支えるため関節に無理な負担をかけずに安全にウォーキングを行なうことが可能になります。ちなみに、ノルディック・ウォーキングによって膝や腰への負担が最大で40%も軽減されたという研究報告もあり、ノルディック・ウォーキングはリハビリにも適していると考えられています。
 さらに、運動強度の指標となる心拍数は、ノルディック・ウォーキングでは通常のウォーキングに比べて1分間当り約5拍も上昇するそうです。しかし、ウォーカーが感じる主観的な運動の強度に差はないため、ノルディック・ウォーキングには身体にストレスをかけずにエネルギー消費を高める効果のあることが分かっています。また、ノルデッィク・ウォーキングでは通常のウォーキングよりも大きく腕を前後へ動かすため首や肩、肩甲骨の筋群の血行が改善されて柔軟性が増し、首や肩の痛みやコリの解消効果が期待されます。

ノルデッィク・ウォーキングの方法

 本節では特にノルディック・ウォーキングの正しい実践法を解説しました。
ストック(ポール)について

 ノルデッィク・ウォーキングはスキー用のストックでも出来ないことはありませんが、ノルディック・ウォーキング専用のポールを使用することをオススメします。ノルディック・ウォーキング専用のポールには指の部分がないストラップが付属しており、それほど強く握らずにポールをコントロール出来る仕組みになっています。なお、ノルディックスキー・トレーニングの場合は実際のスキーのポールのように少し長いものを使用することもあります。
適切なポールの長さ

 ポールの長さは身長×0.68が目安で、ポールの先を地面に垂直に立てて、使用者の肘が約90度になる長さを選択します。実際のポールのサイズは5cm間隔なので、ウォーキングした時により快適に感じる長さのポールを選ぶとよいでしょう。この長さと大幅に異なる場合は膝や背中の負担が増し、折角のエクササイズの効果が下がってしまうので注意が必要です。
ノルディック・ウォーキングの基本技術

 ノルディック・ウォーキングといえど、やはり動作の基本は通常のウォーキングですが、歩行中の前脚と後ろ脚の間の地面にポールを突き、そのまま後方に押し出して推進力とするという方法を採ります。このため、通常のウォーキングよりも歩幅がやや大きくなり、歩行速度は上昇し、そのため上記出くわしくれたような健康効果が生まれるのです。

 また、ノルディック・ウォーキングの基本技術の習得は、ポールを持たずにウォーキングを正しくできることが前提となります。背筋を真っ直ぐに伸ばし、つま先を前に向けて踵から着地して拇指球を中心に足指で地面を押し出すように蹴ります。上半身は両肘を軽く曲げ、両腕を前後に大きく振るようにしましょう。


■ノルディック・ウォーキングの基本技術
 以下にノルディック・ウォーキングの基本技術を示します。
■1:  手をリリースした時にストラップに適当な張力がかかるように長さ調整をしておく。
■2:  手をリリースしストラップの輪に手を入れてマジックで固定しグリップを握る。グリップは親指と人差し指で軽くはさむように握り、他の指は軽く曲げて力を入れない。た時にストラップに適当な張力がかかるように長さ調整をしておく。
■3:  最初は両腕を体側に垂らしてポールを引きずるように歩く。
■4:  徐々に腕の振り幅を大きくし、身体後方でポールをついて歩く。ポールを
つく時に肘をしっかり伸ばす。肘をスムーズに伸ばすために手のひらを開いて最後はグリップを突き放すようにリリースする(しかし、手はストラップでグリップと一体化されているのでポールは落下しない)。
■5:  骨盤(殿部)を前上方へ押し出すような感覚でポールをつくことによって歩行速度が増す。
 歩行方法の教育には「テンステップ・プログラム」と言われる国際ノルディック・ウォーキング協会(INWA)が定める標準指導法により行われることが多く、専門の教育を受けた指導者による講習会も日本各地で行なわれています。指導者資格としては、INWAが認定する上位のインストラクター資格と日本ノルディックフィットネス協会(JNFA)が認定する下位・中位のインストラクター資格があります。

ウォーミングアップとクーリングダウン

 どんな運動でもウォーミングアップとクーリングダウンのストレッチは障害予防の点から必ず必要です。ストレッチは必ずしもノルディック・ポールを使用しなくてもよいですが、ここではポールを使用したストレッチを紹介します。


■1: 胸&背中のストレッチ
足幅は肩幅程度に開き、両手を十分に広げて、ポールを握り、両腕を上方へ伸ばし、胸と背中を伸ばす。
■2: 脇腹のストレッチ
 (1)の姿勢から上体を左右へ倒し、肩甲骨から脇腹を伸ばす。
■3: 肩回わし運動
 (1)の姿勢でポールを頭上で大きく旋回し、肩を回わす。
■4: 肩の回旋ストレッチ
 風呂で背中を洗うような姿勢を取りって、肩の回旋筋群を伸ばす。
■5: 背中のストレッチ
 両腕を伸ばしてポールを身体の前方につき、上体を直角に倒して背中全体を伸ばす。
■6: 大腿前部のストレッチ
 両腕を横に伸ばして、ポールを身体の側方につく。そして、片足を大きく後に引く。次に後ろの踵を上げて両膝を曲げ、さらに腰の位置を下げて、骨盤から膝にかけて大腿前部を伸ばしてゆく。
■7: 大腿後部のストレッチ
 ポールを2本まとめて横にし、両手は肩幅程度に開く。そして、背筋を伸ばし、片足を一歩前に出してつま先を上に向け、上体をくの字に曲げて膝を伸ばす。
■8: ふくらはぎのストレッチ
 両腕を横に伸ばしてポールを身体の側方につき、片足を後ろに大きく引く。そして、後に引いた足のつま先を正面に向け、踵を浮かさないよう膝を伸ばす。
■9: アキレス腱のストレッチ
 両腕をやや横に伸ばしてポールを身体の側方につき、片足を少し後ろに引く。そして、後ろに引いた足のつま先を正面に向け、踵を浮かさないよう両膝を均等に曲げて腰の位置を下げる。


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