【1】今年は風疹の当たり年! |
風疹が大流行しています。
本節ではその近年にない風疹の大流行の実態について簡単に説明します。
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今後も流行拡大が懸念〜疹患者が昨年通年の3倍、1000人超す〜 |
妊娠初期の女性が感染すると、赤ちゃんに障害が残ることがある風疹が流行しています。患者報告数の増加スピードは過去最悪のペースだそうです。患者の中心は成人男性で、職場感染や夫から妻にうつる場合もあります。ちなみに風疹は実は昨年から感染が増えており、流行は2〜3年続くため、現在流行していない地域でも充分な注意が必要だと言います。なお、無料で予防接種を受けられるのは一定の年代の子どもだけですが、専門家は、接種歴や罹患歴が分からない人は積極的に接種するようすすめています。
風疹患者は今年、兵庫県や大阪府など関西地方で流行が始まり、東京都や神奈川県などでも増えてきました。通常ならば初夏までに下火になるものが、今年は風疹の患者が却って夏に入って急増し、7月以降も東京都やその周辺を中心に患者が増え続けており、今年初めからの累計が1016人に達したことが8月14日、国立感染症研究所のまとめで分かりました。これは前年同時期の既に約3倍だそうです。また、患者数は都道府県別で多い順に、東京都235、大阪府199人、兵庫県191人と続いており、特に都市部で流行しています。なお、確認されていないのは東北や九州などの7県だけだそうです。なお、実は昨年も日本では風疹が流行し、感染研などが注意情報を出したのですが、今年の流行は全数集計が始まった2008年以降で最多で、昨年の371人は既に超えてしまいました。このような流行拡大を受けて、東京都保健福祉局も7月12日に改めて注意情報を発表しました。東京都の風疹患者数は前例のない数に達しており、今後も流行拡大が懸念されるとして、定期・任意の予防接種を受けるよう呼び掛けています。
風疹は、咳やクシャミによる飛沫感染が大半で、発疹や発熱、リンパ節の腫れが主な症状でが、稀に脳炎などの合併症を引き起こすこともある病気です。大人が罹ると子どもより症状が重くなりがちで、関節痛がひどいことが多いようです。特に注意が必要なのは妊娠の可能性がある女性で、妊娠初期で風疹に罹ると、胎児が風疹ウイルスに感染し、難聴や心疾患、白内障、発達の遅れなどの先天性風疹症候群になることがあります。もっとも、妊婦が感染しても必ず先天性風疹症候群の赤ちゃんが生まれるとは限りませんが、妊婦さんは心配でつらい思いをするし、うつした方もつらいものです。
風疹は予防接種で充分な免疫がつけば罹らないとされています。記憶している人がいるかも知れませんが、日本の風疹ワクチンは1977年から女子中学生を対象に始まりました。その後何度か制度が変わり、現在は1歳と小学校入学前1年の計2回、麻疹と風疹を防ぐMRワクチンを接種します。免疫が不十分な人が多い世代への対策として2008〜12年度の期間限定で、中学1年と高校3年相当年齢の者への追加接種も実施されています。なお、今年の風疹報告患者453人のうち350人が男性で、うち20代と30代が6割を占め、女子中学生だけが対象だったり、接種率が低かったりした世代と重なります。実際20代後半の男性の10人に1人、30〜50代前半の男性の4人に1人は風疹への免疫がありません。女性も接種の機会が1回しかなかった20代以上で、免疫のない人が5%ほどいるとされます。なお、近年は出張先のアジアなどで風疹ウイルスに感染した男性が職場内で広げたり、妊娠中の妻にうつした例も報告されています。
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神奈川県内でも風疹が流行 |
首都圏や関西で風疹が流行する中、神奈川県内でも横浜市や川崎市を中心に風疹患者の届け出件数が増加しています。県衛生研によると、今年初めから7月15日までに県内で報告された患者数は48人。春は西日本を中心に流行していましたが、県内も6月頃から患者数が増加しており、患者の全数調査が始まった2008年以降、最多だった昨年1年間の64人に迫る勢いです。年齢別にみると、20代と30代がそれぞれ11人(23%)、40代が12人(25%)。男女別では、男性が34人(71%)、女性が14人(29%)となっています。特に横浜市では、15日時点で昨年1年間(15人)の約1・4倍となる21人が感染。川崎市も15人と昨年1年間の11人を既に上回り、何れも調査開始以来最悪のペースとなっています。また、患者全体の約8割が男性で、20〜40代が目立ちます。これは、かつて風疹の予防接種は女子に限定されており、この世代の男性は定期接種の機会がなかったり、或は接種率が低かったりして免疫のない人が多いためです。家族や職場など周囲に妊娠中の女性がいることが多い年代でもあり、予防は欠かせなません。このように流行の中心は定期予防接種の機会が少なかった20〜40代の男性ですが、一方、妊娠初期の女性が風疹に感染すると、難聴や心疾患などの障害のある赤ちゃんが生まれる可能性があるため、県衛生研究所などでは早めのワクチン接種を呼びかけています。
風疹は風疹ウイルスによって起こる感染症で、発疹や発熱、リンパ節の腫れなどが主な症状です。大人が罹ると発熱や発疹の期間が長くなることが多いとされ、また、妊娠初期の女性が感染すると、出生児に先天性風疹症候群と呼ばれる障害を引き起こす可能性があります。風疹ワクチンの定期接種は、1977年に中学生女子のみを対象に開始し、95年から男女共に接種対象となった経緯があります。そのため、現在20〜40代の男性は予防接種の機会が少なく、免疫を持たない可能性があります。特に流行の中心となっている20〜40代は妊婦が身近にいる可能性が高く、しかも妊婦はワクチンを接種できないので、周囲の人が予防接種を受けるなどして感染を防いでほしいものです。
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参考:WHOも警告!風疹は生涯にわたる病気 |
世界保健機関(WHO)においても、今月に入り世界の麻疹(はしか)と風疹制圧に関する2020年までの世界的計画を発表、予防接種率を上げて、「麻疹関連死」と「先天性風疹症候群」をなくすための中長期的目標を掲げています。それによると、WHOは3年後の2015年までに「世界の麻疹関連死を2000年と比べ少なくとも95%減少」と「各地域の先天性風疹症候群の制圧目標を達成」することを掲げています。また、2020年までの目標として、「麻疹・風疹(MR)ワクチンの2回接種率を高めること」と「予防接種活動の積極的な推進、有効な動向調査や流行時の緊急対応などに関わる体制づくり」などを挙げています。
風疹の症状は一般的に重くはないものの、妊娠初期の人が感染すると、約90%という高い確率で胎児に感染することが分かっており、風疹制圧の最も大きな要因とされています。胎児が感染した場合、先天異常をもたらすことがありますが、これが先天性風疹症候群です。WHOは、先天性風疹症候群に罹った場合、難聴や視力の低下や心臓の欠損、自閉症や糖尿病、甲状腺機能不全など生涯にわたる病気を負い、病気の多くは高額な治療費を必要とすると警告しています。ただそ、唯一の予防策である風疹ワクチンは40年前から使用されており、安全性や有効性が確立しています。予防接種率の高いWHO米州地域では、風疹の自然感染が2009年以降ゼロの状態が続いていると言いますが、予防接種率の低い地域では先天性風疹症候群の発症率が高いことが分かっている他、世界でも現在も年間11万人の先天性風疹症候群患者が報告されています。
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【2】風疹とはどんな病気? |
風疹とは一体どんな病気なのでしょうか?
本節では風疹の症状や治療法について簡単に説明します。
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風疹とは |
風疹とは、三日はしかとも呼ばれる感染症です。麻疹(はしか)に似た小さな赤い発疹が首から広まり、熱が出たり咳やリンパ節の腫れなどの風邪症状を伴うことがあります。風疹は子どもの病気としては軽い方ですが、妊婦が風疹に罹るとお腹の赤ちゃんに影響するので、予防接種は必ず受けておくようにすすめられています。
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風疹の症状 |
風疹は麻疹(はしか)と症状が似ています。小さく細かい赤い発疹が首から出始めて全身に広がります。顔にも発疹が出て、時に軽い痒みを伴いますが、3〜5日で消えてゆきます。麻疹の発疹よりも赤みが薄めです。熱は38度前後で、3日程で落ち着きます。発熱は必ずあるわけではなく、4人に1人は発熱がなく発症します。耳の後ろのリンパ節が腫れやすく、鼻水や咳、喉の痛みといった風邪症状が現われます。稀に色素沈着を残す場合もあると報告されています。なお、発熱は短期間で落ち着くものの、リンパ節の腫れは発疹が落ち着いても数週間続くこともあります。しかし、風疹は麻疹や水疱瘡よりも症状自体が長く続かない病気だと認識されています。赤ちゃんの場合は体中の発疹を見て突発性発疹と間違えやすいようです。
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風疹の原因 |
風疹の原因は風疹ウイルスです。クシャミや咳で飛沫感染して、喉や粘膜から体内に広がります。しかし、感染力としては水疱瘡や麻疹よりも弱く、1度罹れば2度と罹らない特徴があります。潜伏期間は1〜2週間で、赤ちゃんの場合は母体から譲り受けた免疫が消える生後6ヶ月〜1歳頃からが罹りやすく、小学生の子どもに多く発症します。兄弟のいる家庭では赤ちゃんにうつさない注意が必要です。
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風疹の治療 |
風疹の治療は自宅で安静にすることが1番です。風疹ウイルスに直接作用する薬は開発されていません。発熱がある場合は、首もとや脇を冷やして楽にさせてあげますが、38度程度では解熱剤を使う指示が出ないことが殆どです。あまり高熱になっていない状態で解熱剤を使うことは控えた方がよく、風疹の発熱なら数日で落ち着きます。また、発疹の痒みには痒み止めが処方されることがあります。顔にもできるので、子どもが気にして掻かないように爪を短く切ってあげたり、何か持たせて気をそらすようにしましょう。お風呂は熱が下がってくれば大丈夫です。治療自体は安静にすることで治ってきますが、発疹が出てから1週間ほどは感染力があるので外出は控えた方がよさそうです。赤ちゃんや妊娠している人にうつさないよう配慮しましょう。
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風疹の予防接種 |
風疹の予防には風疹ウイルスを弱めた生ワクチンが使用されます。現在は2006年4月に改訂されて、風疹と麻疹は混合ワクチン(MR)を接種するようになりました。赤ちゃんは、母体から譲り受けた免疫がなくなる頃(目安は1歳)に1期を受けます。その後、小学校就学を目安に2期を受けます。どちらも注射を1回受ける形ですみます。また、予防接種の副反応は微熱や発疹、軽いリンパ節の腫れが確認されています。1〜2日で治まりますが、念のため副反応が出た時は再受診しましょう。深刻な副反応は殆ど起こっていません。
風疹に罹りやすいのは赤ちゃんから小学生の子どもですが、そのため予防接種を受けようと思ったら、まずは麻疹・風疹の予防接種から始める赤ちゃんが多いようです。流行してから接種しても既に潜伏期間の可能性も考えられるので、流行の有無に関係なく早めに接種するとが安心です。ただし、ここで最も注意したいのは赤ちゃんよりも、母親の風疹の予防接種履歴の有無です。大人が風疹に罹ると子どもよりも症状が重症化しやすく、特に妊娠初期の母体ではお腹の赤ちゃんにウイルスの影響があると注意を喚起されています。子どもが風疹の予防接種をする際には親も予防接種をしているか確認しておきましょう。特に2人目以降の妊娠を考えている場合は必ず親子で接種しておきましょう。妊娠してからでは予防接種は受けることができません。さらに予防接種後は2〜3ヶ月は避妊をすすめられるので、妊娠を考えている時はよく相談しましょう。
なお、予防接種は時々接種方法が改正されることがあります。たとえば平成20年4月1日から5年間の期限付きで、麻疹を排除する目的で麻疹・風疹の予防接種に第3期と4期が追加されました。第3期は中学1年生に相当する年齢、第4期は高校1年生に相当する年齢が対象です。予防接種は安全面からも常に見直されて改正されていくことがあるので、接種時にはよく確認しましょう。
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風疹検査について〜風疹検査は妊娠初期の女性は必ず行なうこと〜 |
まず妊娠初期には様々な検査をすると思います。その中でも風疹検査(風疹抗体価検査)は、風疹の免疫があるかどうか産婦人科では必ず行なわれる検査です。それでは、どうして妊娠初期に風疹の検査をするのかと言うと、免疫のない妊娠初期の妊婦さんが風疹に感染してしまうと胎児も感染してしまうからです。胎児が感染してしまうと先天性風疹症候群になる心配もあります。従って、できれば妊娠する前に風疹ワクチン接種をして、しっかりと免疫を獲得しておくことが大切です。しかし、抗体は時間がたつと段々低くなったり、稀に抗体ができにくい体質の人もいるので、妊娠初期の妊婦さんは全員検査します。
母子健康手帳には、検査名として風疹抗体検査、風疹抗体価検査、風疹HI検査などと記載されます。検査では、血液検査で風疹ウイルス(HI検査)の抗体の有無を調べます。検査結果は8未満を最低数値として、8、16、32のように8の倍数で示されます。なお、この検査結果の数値について、どう見ていいのか分からないお母さんも多いのではないでしょうか。陰性(8倍未満)または8倍、16倍以下は免疫がない、もしくはあっても不充分と見られます。32〜126倍は適度な免疫がある、256倍以上は最近風疹に感染した可能性も否定できないと判断します。なお、これらの数字だけでなく、風疹患者と接触したかどうか、発疹があったか、なども重要な診断要素なので、お医者さんにしっかり伝えて下さい。
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参考:先天性風疹症候群 |
先天性風疹症候群とは? |
免疫のない女性が妊娠初期ないし娠前半期に風疹ウイルスに感染すると、風疹ウイルスが胎芽ないし胎児にも感染し、そのことにより出生児に先天性風疹症候群(CRS)と総称される障害を引き起こすことがあります。先天性風疹症候群は、症状として白内障または緑内障や心疾患、感音性難聴(3主症状)、精神運動性発達遅滞などが見られます。先天性風疹症候群の発生頻度は妊婦が風疹に感染した時期により異なり、妊娠4週までは50%以上、5〜8週は35%、9〜12週は15%、13〜16週は8%とされています。妊娠8週までの罹患では、白内障や心疾患、難聴の2つ以上の疾病が出現し、それ以降20週までの罹患では難聴のみのものが多く、妊娠後半の罹患では、胎児に感染は起こっても先天異常は出現しません。従って、風疹のワクチン接種は先天性風疹症候群の予防を第一の目的に考えられています。
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疫学 |
風疹の流行年と先天性風疹症候群の発生の多い年度は完全に一致しています。また、この流行年に一致して、かつては風疹感染を危惧した人工流産例も多く見られました。従来、風疹は主に春に流行し、従って妊娠中に感染した胎児の殆どは秋から冬に出生しています。流行期における年毎の10万出生当たりの先天性風疹症候群の発生頻度は、米国で0.9〜1.6、英国で6.4〜14.4、日本で1.8〜7.7であり、国による差は殆ど見られません。母親が顕性感染した妊娠月別の先天性風疹症候群の発生頻度は、妊娠1カ月で50%上、2カ月で35%、3カ月で18%、4カ月で8%程度です。成人でも15%程度不顕性感染があるので、母親が無症状であっても先天性風疹症候群
は発生し得ます。1993年を最後に全国規模の風疹流行はなくなったので、それに対応して先天性風疹症候群の発生数も年間数例に減少し、1999 年4月施行の感染症法の元での届け出は2例のみでした。発生がゼロになる日も近いと思われていましたが、今年の流行になったため発生が心配されます。
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病原体 |
先天性風疹症候群の病原体は風疹ウイルスで、ウイルス株による病原性の差は特に認められていません。発生段階の初期(特に3カ月以内)に胎児内である量以上のウイルス増殖があれば先天性風疹症候群を引き起すと考えられています。
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臨床症状 |
CRSの3大症状は先天性心疾患と難聴、白内障ですが、このうち先天性心疾患と白内障は妊娠初期3カ月以内の母親の感染で発生するものの、難聴は初期3カ月のみならず、次の3カ月の感染でも出現します。しかも高度難聴であることが多いとされます。なお、3大症状以外には網膜症や肝脾腫、血小板減少、糖尿病、発育遅滞、精神発達遅滞、小眼球などその症状は多岐にわたります。
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病原診断 |
病原体である風疹ウイルスの検出には、ウイルス分離よりもウイルス遺伝子の検出の方が感度もよく、また時間的にも遙かに短期間でできると言われていますが、それはウイルス遺伝子RNAを逆転写PCR
で増幅して検出する方法です。
CRSを罹患した児童からは、出生後6カ月位までは高頻度にウイルス遺伝子が検出されます。検体として検出率の高い順から述べると、白内障手術により摘出された水晶体や脳脊髄液、咽頭拭い液、末梢血、尿などです。また、CRSの診断としては、症状及びウイルス遺伝子の検出以外に、臍帯血や患児血からの風疹IgM抗体の検出が確定診断として用いられています。IgM
抗体は胎盤通過をしないので、胎児が感染の結果産生したものであり、発症の有無に関わらず、胎内感染の証拠となります。なお、胎児が感染したか否かは、胎盤絨毛や臍帯血、羊水などの胎児由来組織中に風疹ウイルス遺伝子を検出することで診断できます。母親が発疹を生じても胎児まで感染が及ぶのは約3分の1で、またその感染胎児の約3分の1がCRSとなるとされています。
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治療及び予防 |
CRSそれ自体の治療法はありません。心疾患は軽度であれば自然治癒することもありますが、手術が可能になった時点で手術することになります。白内障についても
手術可能になった時点で濁り部分を摘出して視力を回復させます。摘出後、人工水晶体を使用することもありますが、何れにしても遠近調節に困難が伴うことになります。また、難聴については人工内耳が開発され、乳幼児にも応用されつつありますが、今までは聴覚障害児教育が行なわれてきました。このように先天性風疹症候群に対する特異的な治療法はありませんので、個人防衛としては女性が妊娠前にワクチンによって風疹に対する免疫を獲得すること、社会防衛としては男女共に風疹ワクチンの接種率を上げることによって風疹の流行そのものを抑制し、妊婦が風疹ウイルスに暴露されないようにすることが重要です。
なお、予防で重要なことは充分高い抗体価を保有することであり、既に自然感染で免疫を獲得していることが明らかな者以外は風疹ワクチンで免疫をつける必要があります。現在風疹ワクチンは標準的には男女の幼児(1〜3歳)に接種されています(※予防接種法の対象年齢は1歳〜7歳半まで)。なお、2001年11月7日の予防接種法見直し以降、1979年4月2日〜1987年10
月1日生まれの未接種者が接種可能になる経過措置が取られています。この経過措置は2003年9月30日までの期間とされているので、対象年齢で未接種者は早めの接種が望まれます。なお、この年齢以外の希望者には任意接種となります。また、妊娠可能年齢の女性で風疹抗体がない場合には、積極的にワクチンで免疫を獲得しておくことが望まれます。ただし、妊娠中のワクチン接種は避けなければなりません。もっとも、たとえワクチン接種後に妊娠が判明したとしても、過去に蓄積されたデータによれば障害児の出生は1例もないので、妊娠を中断する理由にはなりません。また、極めて稀ではありますが、低い抗体価を保有していながら再感染によってCRSを発生した例はあります。
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