【3】O-157感染症の検査と治療法 |
O-157に感染した場合、どんな対処がなされるのでしょうか?
本節では、O-157感染症に罹った場合の治療法等について解説しました。
|
O-157の検査 |
血便の症状があったら躊躇せず病院へ行き、医師の診察を受けましょう。
O-157の検査は病院で検査することができます。まず医師は患者に対して血液の混じった下痢はいつからあったのか質問をします。そして、最近牛肉のたたきや焼肉など食べたか確認します。そして、同時に患者の便から病原体が検出されるか検便を実施します。それと同時に、O-157が産生するベロ毒素が便に含まれているか詳細に調べることで感染を確認することができます。O-157以外にもo-11、o-26などがあります。
O-157が検出された場合は、O-157がベロ毒素を産生しているかどうかの検査も必要です。O-157だからと言って、全ての菌がベロ毒素を産生する腸管出血性大腸菌だとは限らないからです。症状がないにも拘わらず、ベロ毒素を産生する菌であることが確認された場合、こうした人を無症状病原体保有者と保有者と言い、本人に症状がなくて、他の人に移す可能性があります。そのため、感染症の法律上は患者と同様に便の検査でベロ毒素産生菌が陰性になるまでの間は飲食物の製造や飲食物に直接接触するような業務につくことが制限されます。
|
O-157に感染した場合の対処法 |
検査で異常が見つかった場合 |
O-157の感染が確認され、下痢症がある場合は、安静、水分の補給、消化しやすい食事の摂取に気をつけます。症状が重い場合は、輸液(点滴)を行ないます。止痢剤(下痢止め)の使用は毒素の排泄を遅らせることになるので使用しません。また、抗菌剤の使用については賛否両論があり、医師の判断のもとで慎重に使用する必要があります。
下痢が長引いたり、激しい腹痛、血便、尿量が少ない、浮腫、出血斑、頭痛、傾眠傾向(眠りたがる)のような症状が認められる場合、溶血性尿毒症症候群(HUS)の合併が疑われます。溶血性尿毒症症候群とは、5歳以下の子供や高齢者に発症しやすい急性腎不全のことで、破砕状赤血球を伴った貧血と血小板減少、腎機能障害を3大特徴とする生命に関わる重篤な病態です。溶血性尿毒症症候群が疑われる場合は、更に尿タンパクや尿潜血反応を調べる尿検査と、赤血球数や白血球数、血小板数を調べる血液検査、LDHや血清ビルビリン値を調べる生化学検査、その他クレアチニンやGOT・GPTなどの検査を行ないます。溶血性尿毒症症候群の場合は、すぐに入院した上で、状態を見ながら輸血や血小板輸血、血漿交換、人工透析などを行なう必要があります。
|
感染した場合の対処法 |
腸管出血性大腸菌O-157は抗生物質や普通の消毒薬で死にます。しかし、O-157は死ぬ時にベロ毒素を出し、そのため、患者の症状が却って悪化してしまうと言われています。また、下痢止めの使用はOl57やベロ毒素の排泄を遅らせ、これまた症状を悪化させると言われます。このようなことから溶血性貧血が起きたら輸血をし、尿毒症には透析療法などで治療しています。しかし、発症の初期であれば抗生物質を使うべきとも言われています。何れにせよ、O-157に罹ってしまったら素人療法では間に合いません。
食中毒症状が認めたら、適当な医療機関を受診するのがよいでしょう。出来れば早めに病状の変化を把握し、対処するために、検査が独自の施設で出来るところが好ましいです。自分で疑わしい食品が分かれば、検査のために持参するのもよいと思います。吐物と便を乾燥しないような容器に摂り、持参すると診察の参考になります。素人判断で下痢止めなどを服用しない方がよく、無理に下痢を止めると腸内に病原菌を閉じ込め異常増殖させ、その結果ベロ毒素を大量に産生させるので、病気を悪化させることになるからです。なお、抗菌剤投与には議論が二分されています。効果があるという説と、抗菌剤は菌を殺す結果菌が菌体内に貯蔵しているベロ毒素を一度に放出することになってベロ毒素に対する生体の域値を超えるために病状を却って悪化させるという説の二つがあります。
■ |
患者は学校に行ってもいいの? |
|
O-157の感染は、感染症法では菌の陰性化を確認するまで飲食物に直接接触する業務は制限されていますが、子供の登校については、学校保健法で、学校医などが学校での感染の恐れがないと認めるまで校長が出席を停止させることができることとなっているので、それぞれ個別に学校に相談する必要があります。 |
|
■ |
風呂やプール、温泉などは患者と一緒に入っても大丈夫? |
|
大腸菌は塩素に弱く、公用プールや温泉、公衆浴場等は、消毒などの安全管理の対象となっているため、周囲の人が過剰に心配する必要はありません。ただ、二次感染を防ぐために次のことに気をつけるようにしましょう。
- 患者が風呂を利用する場合は、他の家族と一緒に入ることは避け、免疫力の弱い乳幼児や高齢者は患者の前に入浴するようにします。
- 風呂の水は毎日替え、バスタオルは1人で1枚を使い、共用は避けます。
- 患者は、下痢をしている時はシャワーだけにする方が望ましいでしょう。
- 家庭用のビニールプールなどを使用する場合は、他の乳幼児との使用は避け、使う毎に水を交換します。
|
|
|
|
O-157感染症の治療法 |
O-157による食中毒で下痢や嘔吐などの症状がある場合には、対症療法を中心に行ないます。まず整腸剤など服用し、脱水症状にならないように輸液(点滴)を行ないます。脱水とは、体内の水分や電解質が失われた状態を言い、重度の脱水症状になると死亡することもあります。私たちの体の6割は水分で構成されており、水分は体内のpHや体温の調整に非常に重要です。また、下痢と一緒に電解質も失います。電解質は体内代謝を行なうために非常に重要な成分です。この電解質が欠乏することで体内代謝が円滑に出来ず、体内の臓器が機能不全になります。そのため、脱水症状を予防する事は非常に重要です。
また、体内で増殖したO-157を殺すために抗菌剤(抗生物質)を投与します。投薬は、医師が症状などを総合的に判断し、服用する種類や量を決めます。O-157に感染した場合、出来るだけ早い段階で抗菌剤を使用した方がHUS(溶血性尿毒症症候群)の発症リスクが軽減されるという報告もあります。これは、有効な抗菌剤がO-157を死滅させることでベロ毒素の産生量が減ったためだと考えられます。小児のO-157治療ではホスホマイシン(FOM)やノルフロキサシン(NFLX)、カナマイシン(KM)を使用し、大人のO-157治療ではニューキノロンやホスホマイシンを使用します。O-157が体内で増殖しながらベロ毒素を産生することで腸内細胞を破壊するだけではなく、血球や腎臓の尿細管細胞を破壊し、溶血性尿毒症症候群(急性腎不全・溶血性貧血)を引き起こすことがあるので、患者を入院させた上で、症状が悪化しないか注意深く様子を見守り、もしもO-157が産生するベロ毒素による急性腎不全や溶血性貧血などの症状が現われたらこれらの治療も行ないます。
なお、O-157に感染し、下痢や嘔吐の症状が現れても、数日が経過すると徐々に食欲が出てきます。食欲があるならば食べたいものを食べさせるのが基本です。しかし、O-157による食中毒の症状によって激しい下痢や腹痛を繰り返したことで、腸の粘膜は荒れて消化吸収する能力も低下します。そのため、最初は消化のよい食品を中心に摂取するよう心懸け、徐々に量をふやすのがよいでしょう。そして、胃腸に刺激になる食品(辛い、熱い、冷たい、硬い、油っぽい)は出岐だけ避けるようにします。軽度な症状の場合は自宅で安静することで回復します。
■ |
効果的な治療方法 |
|
O-157に感染してしまった場合、効果的な治療方法としては脱水症状に注意することです。下痢が続くので水分を十分補給して、体力が消耗しないように安静にすることが効果的なことが確認されています。なお、薬の服用については素人判断で行なわず、必ず医師の指示に従いましょう。 |
|
■ |
病院を受診すると行なわれること |
|
- 便の細菌検査
菌が見つかり、ベロ毒素を作ることが確認されると、O-157感染症と診断されます。
- 尿検査&血液検査
下痢が続いていたり、血便が見られる場合は、溶血性尿毒症症候群が起こっていないかを更に調べる必要があります。
- 点滴
体力が落ちている時には点滴を受けることもありますが、症状が重いと入院する場合もあります。
- 抗生剤の処方
初期症状であれば抗生剤が処方され、菌を排除する治療が行なわれます。腸の中で増えた菌やベロ毒素を早く体外に出してしまう方がよいので下痢止めは使いません。下痢を止めると腸内で菌が大量発生し、症状を悪化させてしまうからです。腹痛に対しての痛み止めの薬も、腸の動きを止める効果があるので使わない方がよいとされています。
|
|
■ |
症状が当てはまる場合は専門家に |
|
受診する医療機関は内科で、検便・検尿・血液検査等の検査が行なわれます。便に菌が検出されるのは、下痢の症状が始まってから5日間程です。それを過ぎると便に菌は検出されません。血清に含まれている抗体を調べる血清抗体価検査を受け、O-157が検出されているかどうかを調べます。O-157が検出されると治療が行なわれますが、その程度により治療法は異なります。
- 初期の状態
抗生物質の投与で、菌を排出させる治療法を行う場合があります。
- 初期・中期の比較的軽度の状態
水分の補給・安静・消化の良い食事で回復を図ります。
- 重症の場合
点滴治療が行なわれたり、入院して治療が行われる場合もあります。 下痢止めの整腸剤や抗生物質の抗菌剤を使用する治療方法がありますが、O-157を体内から排出させるためには便を調整したり中途半端に菌を殺すのはどうかなど医師の間でも賛否両論です。
症状の程度によりその時の医師が判断して投与の有無を決定します。
|
|
|
[ ページトップ ] [アドバイス トップ]
|
|
【4】食中毒とその予防対処 |
O-157に感染しないために、また食中毒一般にならないためには私達はどのようなことに気をつけたらよいのでしょうか?
本節では、O-157を含む食中毒の予防法と対処法について解説しました。
|
食中毒の予防法 |
O-157腸管出血大腸菌による性食中毒の予防法としては、他の食中毒菌と同様に、肉など食材の充分な加熱と食材の温度管理、肉や野菜などで使用するまな板を分ける、生野菜などはしっかり洗浄することです。これは要するに食中毒予防の3原則である「つけない」「増やさない」「殺す」の3点を守ることだと言ってよいでしょう。O-157も温度、湿度、栄養の3つの条件が揃うと増殖するので、気温が上昇する初夏から秋にかけて特に注意する必要があります。しかし、O-157は熱に弱い性質もあるので、食材の中心温度75度で1分以上しっかり加熱することで食中毒の発生リスクを軽減することが可能です。また、次亜塩素酸ナトリウム水溶液でO-157を殺菌効果も確認されています。加熱できない食材はこの方法が有効でしょう。ただし、次亜塩素酸ナトリウムを使用して食材を消毒する場合には濃度と浸漬時間を間違えないよう注意して下さい。
|
感染を予防するためにどんなことに気をつけたらよいか? |
O-157に罹らないようにするには、まずは汚染された食品を口に入れないこと、また、既に感染した患者からの二次感染を防ぐことです。そして、特に大切なのが手洗いです。トイレの後や食事の前はもちろんですが、特に下痢をしている乳幼児や老人の世話をした後は石鹸と流水でよく手洗いをしましょう。
■ |
O-157の感染を予防するためのポイント |
|
- O-157は75度以上で1分以上過熱すると死減します。調理する時は充分に加熱しましょう。
- 食品の調理に当たって手や調理器具は充分に洗いましょう。
- 調理器具は食品毎に小まめに流水で洗い、熱湯をかけておきましょう。洗浄した後でしっかり乾燥させましょう。
- 生野菜は流水でよく洗って、肉は火を充分に通して食べましょう。衛生的に扱われているお刺し身やお寿司は安全です。
- 調理した食品は早めに食べましよう。冷蔵庫に入れ低温で保存する場合も、冷蔵庫を過信しないようにしましょう。
|
|
■ |
患者が発生した場合に消毒の必要がある場所 |
|
患者が使ったものは全て消毒しないといけないかと言うとそうではなく、患者の便で汚染された可能性がある部位についての消毒が必要となります。まずは原則として、トイレと洗面所を中心に消毒しておくとよいでしょう。
トイレでは取っ手やドアノブ、洗面所では蛇口など、患者が触れた可能性のある部分を市販の消毒用アルコールやハイターなどを使って拭き取りや噴霧で特に消毒します。次に感染した患者本人は、調理や食事の前やトイレの後は石鹸を用いて流水でよく手を洗い、消毒用アルコールなどを使って消毒して下さい。家族など生活を共にする人も、食事前などは石鹸を使って流水でよく手を洗いましょう。また、患者の便で汚れた下着や寝具、シーツ等は家庭用漂白剤などに浸け置き消毒をしてから洗濯します。また、煮沸も充分な消毒効果があるので、80℃以上の熱湯に10分以上浸けておくという方法でもよいそうです。なお、食器は普段通り洗剤と流水で洗浄するだけでも構いません。 |
|
■ |
食品の取扱い |
|
食品は鮮度のよいものを選び、古くなったものには注意しましょう。食品を扱う時は必ず手を洗います。洗える食品は水道水で洗い、手早く調理します。食品の中心温度が75℃で1分以上加熱するとO-157は死滅します。ハンバーグやコロツケのように厚みのある食品は中心まで充分に熱が通るよう時間をかけます。細菌はなま肉についていることが多いので、まな板や包丁は使い分けるか、よく洗います。熱湯をかけるとか時々は消毒薬に漬けることも必要です。タワシやスポンジ類は細菌の巣になっていることが多いので熱湯に浸けておくなどこまめに消毒しておく必要があります。 |
|
■ |
感染の可能性がある主な食品 |
|
牛などの家畜が保菌している場合があり、これらの糞便に汚染された食肉からの二次汚染によってあらゆる食品が原因となる可能性があります。これまでに井戸水や牛レバー、焼肉、ユッケ、サラダ、和え物、浅漬けなどで集団感染が確認されています。 |
|
|
感染を予防するには |
■ |
加熱は充分に |
|
加熱する食品は内部まで充分熱が通るようにししっかりと加熱します。特に食肉は中心部が未加熱のため菌が残ってしまうということがあります。さらに、中心部を75℃以上で1分間以上加熱することでO-157を死滅させることができるので確実に加熱しましょう。また、食品中のものの場合は5分以上加熱します。なお、調理で大部分が死んだとしても一部の菌が生き残っていることも考えられるので、保管中にこれが再増殖して食中毒を起こすこともあります。調理物はできるだけ早く食べるようにしましょう。また、加熱後は細菌に汚染されないよう清潔に保存しましょう。 |
|
■ |
しっかりと手洗いを |
|
手に菌を付けたまま食材や調理器具を触ることで感染を拡げることになってしまうので、そうならないよう、きちんとした手洗いを心懸けます。そのため、トイレの後、生肉を触った後、調理や食事の前、動物を触った後、帰宅時などしっかり手を洗います。特に流行時にはどこで菌を付着させてしまうか分かりません。また、発症している患者以外にも発症せずにO-157を保菌している健康保菌者もいるので、トイレの後の手洗いが重要となります。 |
|
■ |
食材の保管は適切に |
|
O-157は75℃以上の高温には弱いですが、低温には強いので冷蔵庫内でも存続しています。従って、要冷蔵のものは常温放置せず、直ぐに冷蔵庫で低温保存します。その際、二次感染の防止のため、生肉が他の食材と接触することは必ず避けます。また、ハエなどが食品にたからないよう気をつけることも大切です。 |
|
■ |
冷蔵庫を過信しないように |
|
細菌が増殖する時間を与えないことが大切です。調理したものは出来るだけ時間を置かないように気をつけましょう。 |
|
■ |
生ものを食べるのは控えめに |
|
肉を調理せずに生で食べることは避けましょう。特に気温が上がってきたら要注意です。特に生レバなどは危ないです。また、肉を調理する際に生肉を掴む箸と食べる箸は同じものを使用せずにそれぞれ分けて用意しましょう。
|
|
■ |
清潔な手と清潔な器具で |
|
食品を取り扱う前や用便後は必ず手を洗い、消毒しましょう。
- 野菜など生食用食材の十分な洗浄
加熱できないサラダ用生野菜などは充分な洗浄が必要です。なお、洗浄の際の跳ね水などにも注意しましょう。
ただし、この菌は食中毒菌の中でも感染力が特に強く、一般の食中毒原因菌の場合は10万〜100万個以上の菌を食べないと食中毒は発症しないのに対して、O-157の場合は僅か数個で発症することもあります。このため、食中毒は人から人へ伝染することは普通ありませんが、O-157の場合は伝染する可能性があるので注意が必要です。特にO-157感染者の下痢便中には多量で高濃度の菌が含まれているので、排便の後始末には充分な注意が必要です。特に子供の場合は手洗いも不充分になりやすく、二次感染の原因となりやすいので注意が必要です。また、家庭で患児の看護をする場合には一般的な手洗いの他に消毒剤も使用するとよいでしょう。汚染が考えられる下着も患者の物は消毒剤(または数分間の煮沸)で処理した後に洗濯するのが望ましいでしょう。
- 調理器具を使い分ける
食肉などから別の食材へと菌が移らないように、包丁やまな板、ボールなどの調理器具は肉用・魚用・野菜用・調理済み食品用などと使い分けることが望ましいです。調理器具は使用後は洗剤でよく洗い、熱湯などで十分に消毒します。
- まな板や布巾、手などを介した2次汚染に注意
まな板や布巾などの備品は必ず殺菌洗浄をします。また、手洗いも必要なタイミングで必要な回数を正しい方法で行ないましょう。
- まな板、包丁
充分洗浄して熱湯をかけ、消毒薬で消毒します。そして、日光の当たる場所で自然乾燥させます。また、まな板や包丁は下処理用と仕上用とは区別します。
- 食器・調剤器具
洗剤でよく洗います。その上でよく濯いで熱湯をかけ、その後水分を完全に拭き取って収納します。
- 布巾の取り扱い
食器等を拭いた布巾は洗剤などでよく洗い、濯ぎます。そして、濯いだ布巾は塩素系洗剤(ブリーチ・ハイター・ピューラックス等)を300〜500倍に薄めた液に10分以上浸けた後、水洗いします。その上で、日光がよく当たるところに干して乾燥させます。その上でアイロンをかければ更に安全です。
- 手洗い
石鹸を使い、流水でよく洗い流します。そして、清潔なタオルやペーパータオルで拭きます。なお、普段から爪をよく切っておくとよいでしょう。
|
|
■ |
飲料水の衛生管理 |
|
水道水以外の水を飲用や調理に使用する場合は定期的に水質検査を受け、飲用に適しているかどうか確認しましょう。また、貯水槽の清掃、点検を定期的に行なっておきましょう。なお、未消毒の井戸水などが菌に汚染されていて、その水を飲むことで感染するケースがありますので、それも要注意です。 |
|
|
生活習慣から改善を |
■ |
手洗い |
|
帰宅した時や食事の前などは必ず手を洗いましょう。水洗いだけでなく、石鹸を使い、爪の中や指の間や手首まで綺麗に洗います。 |
|
■ |
免疫力を低下させない |
|
睡眠不足や過労等で免疫力が低下しないように気をつけましょう。小さな子供や高齢者は免疫力が低いので、特に菌に感染しやすくなってしまいます。 |
|
■ |
感染者の排泄物処理に気をつける |
|
感染者の排泄物や吐瀉物の処理をする時にはマスクとゴム手袋を着用してから行ないます。感染者が触れた場所を消毒剤を含ませた布等で拭き取ったりスプレーを噴射し、処理が終わったら着用した手袋・マスクは捨てて手を丹念に洗い、アルコール消毒も念のためにしておきましょう。また、吐瀉物等を処理した場所は漂白剤等やアルコール等を噴射して消毒しておきます。 |
|
|
二次感染の防止 |
■ |
手洗いの励行 |
|
手洗いの習慣は大切です。食前や用便の後などは必ず手を洗います。出来れば石鹸を使い、なるべくお湯で流します。 |
|
■ |
消毒 |
|
患者が家にいる場合はトイレや洗面所の取っ手やドアのノブなどは小まめに消毒します。患者が使用した寝衣類は家庭用漂白剤に漬けてから洗濯をします。糞便で汚れた衣類は消毒用薬液に漬けてから洗濯をしましょう。また、食器は洗剤とお湯で洗い、水道水でよく濯ぎます。 |
|
■ |
お風呂 |
|
患者が入浴する時は他の人は一緒に入らないようにします。特に患者がお風呂を使用する場合には乳幼児などとの混浴を控えます。また、風呂の水は毎回替えるようにして下さい。なお、感染者は入浴時に湯船に入らず、シャワーのみとするのもオススメです。 |
|
■ |
トイレ |
|
使用後やトイレの掃除の後は石けんと流水でしっかり流して下さい。ただし、トイレは常に清潔にしてあれば特別な消毒液などを使う必要はありません。なお、患者の糞便を処理する時は、ゴム手袋などを使用するようにし、なおかつ手をよく洗います。また、患者の糞便の汚染された衣服などは煮沸や薬剤で消毒した上で家族のものとは別に洗濯し、天日で十分乾燥しましょう。 |
|
◆ |
参考:高濃度電解次亜水がオススメ |
|
二次感染の予防には市販の塩素系の殺菌剤などで対応するしかありませんが、オススメは次亜塩素酸です。次亜塩素酸水はアルコールに耐性のあるノロウイルスやO-157、サルモネラ菌などのあらゆる害菌を除菌してくれるというのです。なお、次亜塩素酸水そのものではありませんが、成分が同等である高濃度電解次亜水(次亜塩素酸)は市販で安価に購入でき、流行りの時期にはこれだけで1季節を乗り切ることが出来るので、自宅に常備しておくことをオススメします。 |
|
|
参考文献と参考資料 |
◆参考図書&資料 |
|
■ |
日中央労働災害防止協会・編 |
|
『防ごう身近な感染症 インフルエンザだけじゃない!』 |
|
中央労働災害防止協会・2013年07月刊、380円 |
|
インフルエンザをはじめ、ノロウイルス・RSウイルスなど秋〜冬にかけて流行する感染症について、日常の予防対策や感染時の対応など基本知識を解説するとともに、風邪と紛らわしい結核や例年にない大流行をしている風疹など注目の感染症についても取り上げる。職場や家庭での感染症対策チェックリスト付き。 |
|
|
|
■ |
尾崎隆男+吉川哲史+伊藤嘉規・監修 |
|
『小児感染症のイロハ 感染看護に必要な知識と対策』 |
|
日総研出版・2013年08月刊、3,600円 |
|
種類の多い小児感染症の看護と対策、疾患、予防接種の知識を網羅、小児科必須の代表的な感染症の最新知識と感染対策を一冊に! |
|
|
|
■ |
横田俊一郎+渡辺博・編 |
|
『子ども医学館 キッズ・メディカ安心百科』 |
|
小学館・2002年10月刊、4000円 |
|
病気やけが・事故のくわしい解説や症状から病気がわかるチャートなど、わかりやすいと信頼を得ている本書が、応急手当の改訂等、別冊付録「医者からもらう子どもの薬安心BOOK」を付けて、充実改訂しました。子どもの病気解説書の決定版と好評の本書に、応急手当の改訂や別冊付録「医者からもらう子どもの薬安心BOOK」を付けて、充実改訂。本書のおもな特色は、以下のとおり。1.新生児から思春期までを対象に、子ども特有の病気やけが・事故をくわしく解説。2.気になる症状から疑わしい病気が、チャートですぐわかる。3.皮膚、便、口の中の状態をカラー写真で示し、症状がわかりやすい。4.病気は、症状、原因、治療法、家庭でのケアまでくわしく解説。5.けがや事故の応急手当は、2色図解で見やすく、わかりやすい。6.体と心の発達と日常ケアも年齢別にくわしく解説。7.生まれてくる赤ちゃんの健康を考え、妊娠中の病気についても解説。8.使い方や保存法など、薬のことが付録としてひとつにまとまり安心。 |
|
|
|
|
|
|
|
[ ページトップ ] [アドバイス トップ]
|
|