爪はなぜ必要か? |
爪っていったい何なんだろうか?
動物にとっては、ライオンには獲物を捕らえるためにするどい爪がある。サルや、怠け者など木にしがみつく為にあるもの、馬には速く走るために硬い爪がついている。
人についているこの爪は、板状のカタチをして。指先にアル意味ちょこっとついている。
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人の爪の役割は |
● 爪は指先を保護しているのである。
指先を保護する 指先で物をつかむ時、指先に力を入れるが、爪が支えとなるために物がうまくつかめる。もし、足指に爪がなかったら、歩く時にもつま先に力が入らず、うまく歩けないことになる。
● 細かい作業が可能
爪があるおかげで物がつかめるため、細かな作業が可能。小さなものでも爪のおかげで力の入れ加減を調節することができるのだ。とくに、人の爪は扁平な板状で、このようないわゆる平爪は、高等霊長類以上に見られる特徴である。
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爪の成分.成長 |
爪は硬いけれども骨や軟骨とは関係ない。骨はカルシウムからできているのに対し、爪は毛髪と同様、もともと皮膚が変化してできたものです。皮膚の成分のタンパク質が角質化してケラチンという固い繊維タンパク質になっています。 このケラチンには、硫黄を含むシスチンというアミノ酸が多い「硬ケラチン」と「軟ケラチン」の2種類があり、爪はこれらが入り組んでできています。ちなみに、皮膚の表面を覆っている角層は軟ケラチン、毛髪は硬ケラチンでできていますから、爪は毛髪と皮膚の中間の性質を持っているといえます。
爪は毎日成長しています。手の爪の場合、健康な人で1日に約0.1ミリずつ伸び、爪全体が生まれ変わるのに約6ヶ月かかります。
足の爪はもっと遅く、手の爪の2倍近くかかります。一般に大人より子供、女性より男性のほうがわずかに早く伸びるといわれています。また、季節的には新陳代謝が活発な夏が最も早く伸びるようです。同じ手でも中指が一番速く、小指が最も伸びが遅いようです。
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爪の構造はこうなっている
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爪は髪の毛と同様に、普段あまり注目したことがないかもしれないので、ここで爪の構造を見てみよう。
爪 甲 |
一般的に「爪」と呼んでいる、板状の硬い部分 |
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爪廓、
後爪廓 |
爪甲の周りを囲んでいる皮膚。後甲廓は、根元の部分の上を覆っている皮膚 |
爪 母 |
爪甲をつくっている所 |
爪半月 |
付け根のほうにある乳白色の三日月の部分 |
爪上皮 |
甘皮のこと。爪甲の上に伸びている半透明の角質 |
爪下皮 |
爪が伸びてくると指より先に不透明な部分があり、その裏側の角質で覆われている部分 |
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爪と健康 |
よく爪で健康がわかるといいます。確かに爪は健康のバロメーターですがあまり神経質になる必要もありません。爪数枚にだけに変な症状が出てもそんなに気にする必要はありません。
爪10本全体を見て変化が有るか無いかで判断しましょう、そして、何か兆候があったら医者にいて診断をしてもらう、そんな、体の変調のヒントとして活用していくのが良いと思います。
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爪の色をチェック |
爪の色は、基本的には肌の色と同様、人それぞれに違うもの。爪の色の違いは個人差があります。たいていの場合表面からの外的な物質の浸透や外的条件(たとえばマニキュアをつけたり落としたり、水仕事を多くしたり、当等)によって変色する場合が多いのですが、突然、全ての爪の色が、一斉に変色した場合は、身体の異常の可能性が考えられます。
1)白っぽく変色
爪の色は、爪甲を通して、爪床部を流れる血液の色を映しています。健康状態がよければ薄いピンク色です。これが白っぽくなったら、まず鉄欠乏性貧血などが考えられます。肝硬変や腎臓病の人などにも見られる場合があります。なお、一般に、年をとるほどつやが無くなり白っぽくなってきます。
2)青紫色に変色
皮膚や粘膜が青紫色になることをチアノーゼといいます。血液中のヘモグロビンが酸素と結合していると、赤血球はきれいな赤い色をしていますが、酸素が欠乏していたり、二酸化酸素と結合したヘモグロビンが多くなると暗い赤色になります。寒さの為に唇や指先が紫色にかわることは皆さん経験済みでしょうが、これは血液の循環が悪いために起こるものですから心配はありませんが、心臓や肺疾患、膠原病などで表れることがあります。また、動脈硬化や糖尿病などで血管が詰まると、足の爪が青紫色に変色する場合があります。
3)黒く変色
爪甲の縦方向に帯状の黒い筋ができることがあります。特に、この色が急に濃くなったり、その幅が広くなったときには要注意です。爪のほくろのガンの可能性がありますから、早めに診療を受けてください。
4)黄色く変色
胆汁分泌障害が考えられます。
爪が黄色くなるのは爪の下の指先がむくんで血液の流れが悪くなっていることが考えられますので、心臓病や肺の病気などが心配されます。
心臓・肺の病歴を持っている人の爪はバチ状になることが多いです。
4)爪床に点状の出血点がある
心臓内膜炎などの場合多く見られます。
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爪の形のチェック |
1)スプーン爪
爪の自然な湾曲がだんだん扁平になり、やがて反り返って、ちょうどスプーンのように中央がへこんで爪先が上向きになった状態です。
幼児期にはよくある生理的現象なので心配ありませんが、大人の場合は、鉄欠乏性貧血や甲状腺機能亢進症などが考えられ、女性に多いのが特徴です。病気以外には、指先に力を入れる仕事に従事している人によく見られます。
2)ばち状指
この名の由来は、その形が太鼓のばちに似ているところからつけられました。指先が丸く大きく膨れ、爪も丸みを帯びて指先を包みこむように曲がっていきます。肺がんや気管支拡張症などの慢性肺疾患などに多く見られます。その他、弁膜症などの心臓疾患や肝硬変、慢性の下痢症状などに表れます。
3)二枚爪
爪先の表面が雲母のように薄くもろく、ペロンとはがれやすい爪のことです。鉄欠乏性貧血や血行不良の人に多く見られます。赤血球の中にあるヘモグロビンは酵素を体の組織に運ぶ働きをしますが、この量が減ると貧血特有の症状が出てきます。良質のミネラルやタンパク質類、特に鉄分を補給することが大切です。また、爪が乾燥している場合も二枚爪になりやすいので、湿度が低くて乾燥しやすい冬場や、マニキュアを落とす時に使う揮発性の除光液には気をつけましょう。いずれも爪甲の脂分がなくなって水分の蒸発量が多くなるため、薄い爪がよりもろく、はがれやすくなります。
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爪の表面をチェック |
1)爪甲縦溝
爪甲の表面を縦に走る細かい線を「爪甲縦溝」といいます。これは、皮膚にしわができるのと同じで、老化現象の一つです。40代あたりから目立ち始め、女性より男性に多く見られます。乳幼児に表れることもありますが、これは爪が急速に成長しているために起こるもので、やがて目立たなくなります。
2)爪甲横溝
爪甲にできる横溝は、高熱や重度の栄養障害、精神的ストレスなどが原因です。手にできたアトピー性皮膚炎や湿疹などで爪の周りに炎症があるときにできることもあります。
体調が回復し、また爪の周りの炎症が治まれば、この横溝は爪の成長とともに前に押し出されて消えていきます。
3)点状陥凹
円形脱毛症や乾癬などの皮膚疾患により、、爪甲の表面に点状陥凹が表れることがあります。
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爪の半月が健康のバロメーター? |
爪半月が見えないと不健康」といわれることがあるが、そんなことはない。爪甲が完全にできあがっていない爪半月の根元は、あま皮(これを後爪廓の爪上皮という)で覆われていてできたての爪を保護する役目がある。この半月がたくさん見えるかどうかはだいたい生まれつき決まっており、健康には左右されないのである。
また、同一人物でも、年齢によって爪半月の見え方は変わる。また、指先をあまり使わないと、爪半月が小さくみえることもあります。
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爪自体の病気 |
1)爪白癬
爪のトラブルで最も多いのが爪白癬(爪水虫)です。
健康な爪はピンク色をしていますが、爪白癬になると白く濁ってやがて厚く、もろくなります。若い人より中高年に多く、女性より男性に多いのが特徴です。爪白癬の正体は、白癬菌というカビの一種ですが、そのエサになるのがケラチンです。爪の主成分はケラチンですから、白癬菌にとって爪は格好の住みかとなるのです。爪白癬をほおっておくと病状が進行し、、爪がボロボロになってしまいます。内服薬と外用剤で治療を続ければ完治しますから、早めの受診をおすすめします。
2)爪囲炎
爪の周囲のトラブルも、カビや細菌、ウィルスなどによる感染症がほとんどです。特に多いのがひょうそと呼ばれるものです。これは、小さな傷などから化膿菌(黄色ブドウ球菌など)が入り、そこが赤くはれてズキズキと強い痛みを伴います。化膿していれば切開して膿を出し、抗生剤の内服と外用剤で治療します。カンジダというカビによって起こる炎症もあります。これはジメジメしたところを好むカビなので、水仕事をする主婦や美容師、看護婦などの指先によく見られます。爪の周囲は赤くはれますが、痛みは強くありません。爪の周りに炎症がある場合は、常に手を清潔にし、乾かしておくことが大切です。水仕事が終ったら手をよく洗い、指の間、爪のすき間までしっかり水気をふき取り、外用剤を塗ります。ゴム手袋を使うと患部が蒸れて、かえって悪化させることになりますから、ゴム手袋の下に木綿の手袋をするなどの工夫が必要です。
3)爪甲剥離症
爪が爪床から離れてしまうもので、剥離した部分は黄色や白色に変化します。楽器の演奏などで指先を激しく使ったり、水仕事をしすぎたりというのが原因です。洗剤やシャンプーに含まれる化学物質なども原因の一つです。指先を休ませ、水仕事の後はできるだけ手指を乾燥させましょう。
4)陥入爪
足の親指に起こりやすく、爪の先端の両側がその周囲にある皮膚に食い込んで傷つけるため、かなりの痛みを伴います。化膿や出血を繰り返すため、痛みで歩けなくなることも少なくありません。陥入爪の原因の一つは深爪です。深爪をした状態で足の親指強い力が加わると、爪の両側が凶器に変わるというわけです。爪を切るときは、指先より1ミリくらい長めにしておくと良いでしょう。
5)巻き爪
巻き爪の原因は、陥入爪と反対で、爪が長いときに爪甲が靴の両側から押されて先端が湾曲し、爪床の皮膚を挟んだり、食い込んだりするために起こります。こちらも歩くのが困難になるほどの痛みを伴うことがあります。巻き爪を治すためには、曲がっている爪を切り、靴は先端の丸いゆったりしたものに替えることです。ただし、一時的に症状が良くなっても再発することもあります。このような場合には爪甲の一部を切り取って人工爪(つけ爪)を作り、爪の湾曲を徐々に小さくしていくと効果があります。
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