万博とは |
わたしたちが普通「万博」と言っている「国際博覧会」は、国際博覧会条約という国際条約に基づいて、正式に博覧会事務局(BIE)に登録又は認定されたものなのです。
→BIEのホームページ:http://www.bie-paris.orgへのリンク
大阪万博やその後日本で開催された万博、そして今回の「愛・地球博」も、パリに本部のある博覧会事務局(BIE)に登録された国際博覧会です。
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万博の定義
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「国際博覧会条約」によれば、国際博覧会とは、「二以上の国が参加した、公衆の教育を主たる目的とする催しであって、文明の必要とするものに応ずるために人類が利用することのできる手段又は人類の活動の一若しくは二以上の部門において達成された進歩若しくはそれらの部門における将来の展望を示すものをいう」とあります。
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万博の起源 |
紀元前のエジプトやペルシャでは国王即位祝典行事として芸術品や衣類が民衆に披露されました。また、古代ローマでは辺境征服の後で戦利品や奴隷が民衆に誇示されたことが記録されています。これが原始的な形態の博覧会だという説があります。この説を取ると、博覧会はオリンピックより古い歴史を持つことになりますね。
その後特にヨーロッパでは人口の増加と都市への集中がおこり、商業や交通が発達します。そして生まれたのが「市(いち)」ですが、市の中には物を売ることだけが目的ではなく、技術や物産の展示自体を目的としたものが現れました。これも広い意味での博覧会の原型と言えるでしょう。米国では、博覧会をFairといいますが、これは本来「定期市」の意味なのです。
近代博覧会の原型は、1475年にフランスのルイ11世がロンドンで開催した「フランス物産展」だと言われています。その後パリでやロンドンで度々開かれた美術展なども博覧会の一種と言えるでしょう。
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国際博覧会への発展 |
そして、1851年、ロンドンのハイドパークで開かれた「第1回ロンドン万国博覧会」で国際博覧会の歴史が幕を開けます。この万博は通称「大博覧会The
Great Exhibition」とも呼ばれ、25カ国が参加しました。当時はビクトリア女王の時代、女王の夫君アルバート公の活躍で開催にこぎつけ、その結果は大変な評判になりました。1851年と言えば日本では嘉永4年、ペリー来航の2年前です。
日本が初めて国際博覧会に出展したのは、1867年(慶応3年)の第2回パリ万博からでしたが、当時は国際博覧会が一種の流行となっており、毎年どころか1年のうちに2〜3カ所で博覧会が開催された年もありました。
第一次大世界戦後には、現代の万博のように「テーマ」を持った万博が始まります。また、1928年には国際博覧会条約が署名され、「国際博覧会」はこの条約を基準に秩序をもって開催されることになりました。
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万博の目的 |
昔は時の支配者たちが財宝や戦利品を展示することによって自らの権勢を誇示する手段であった博覧会が、今では平和の象徴として、そして世界各国の人たちの交流の場となりました。
また、国際博覧会は、人類が築き上げてきたその時代の技術・芸術の頂点を世界に向かって発信する機会を提供してきています。例えば、アール・ヌーボーやジャポネスクといった建築・美術に関する新しい流行を世界に広げたのも万博がきっかけだったと言えるでしょう。こうした新しい意味を持ったからこそ、国際博覧会は現在まで連綿と続いてきたのではないでしょうか。
時代の、最先端を表現する場それが万博といえるのではないでしょうか。
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万博の歴史 |
国際博覧会として開催された過去の主な万国博覧会を表にしてみました。
特記事項では、テーマや特に注目を集めた展示などもご紹介してあります。
「愛・地球博」は21世紀始めての万博です!
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万博の歴史 |
開催地 |
開催会期 |
特記事項 |
【1800年代】 |
ロンドン |
1851.05.01-1851.11.11 |
国際博覧会の始まり |
ニューヨーク |
1853.07.14-1854.11.01 |
米国初の国際博覧会 |
パリ |
1855.05.15-1855.11.15 |
仏初の国際博覧会 始めて万国博覧会と称す |
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ロンドン |
1862.05.01-1862.11.1 |
日本の遣欧使節団が視察 |
パリ |
1867.04.01-1867.11.03 |
日本初出品「幕府」「薩摩」「鍋島」が参加 |
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ウィーン |
1873.05.01-1873.10.31 |
日本政府としての公式参加 |
フィラデルフィア |
1876.05.10-1876.11.10 |
米国独立100周年 |
パリ |
1878.05.01-1878.11.10 |
エジソンの蓄音機、自動車、冷蔵庫等出展 |
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メルボルン |
1880.10.01-1881.04.30 |
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バルセロナ |
1888.04.08-1888.12.10 |
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パリ |
1889.05.05-1889.10.31 |
フランス革命100周年 エッフェル塔建設
(エジソンの白熱電球で初の夜間照明) |
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シカゴ |
1893.05.01-1893.10.30 |
コロンブスの新大陸発見400年 空中観覧車 |
ブリュッセル |
1897.05.10-1897-11.08 |
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【1900年代】 |
パリ |
1900.04.15-1900.11.12 |
クジ付き入場券を発売 地下鉄、動く歩道 |
セントルイス |
1904.04.30-1904.12.01 |
ルイジアナ買収100周年 |
リエージュ |
1905.04.27-1905.11.06 |
ベルギー独立75周年 |
ミラノ |
1906.04.28-1906.10.31 |
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ブリュッセル |
1910.04.23-1910.11 |
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ゲント |
1913.04.26-1913.12 |
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サンフランシスコ |
1915.02.20-1915.12.04 |
パナマ運河開通記念 第1次大戦勃発 |
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1928.11.22 |
国際博覧会条約採択(施行は1931.1.17) |
バルセロナ |
1929.05.19-1930.01.15 |
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シカゴ |
1933.05.27-1933.11.12
1934.05.26-1934.10.31 |
はじめて「テーマ」登場 「進歩の世紀」 |
ブリュッセル |
1935.04.27-1935.11.06 |
「民族を通じての平和」条約による最初の第1種一般博 |
パリ |
1937.05.25-1937.11.25 |
「現代生活の中の芸術と技術」ピカソのゲルニカ出展 |
ニューヨーク |
1939.04.30-1939.10.31
1940.05.11-1940.10.27 |
「明日の世界と建設」ワシントン大統領就任150周年
ナイロン、プラスチック、テレビなど出展 |
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第二次世界大戦 |
ブリュッセル |
1958.04.17-1958.10.19 |
「科学文明とヒューマニズム」
(第二次大戦後第1回の万博) |
シアトル |
1962.04.21-1962.10.21 |
「宇宙時代の人類」 |
ニューヨーク |
1964.04.22-1964.10.18
1965.04.21-1965.10.17 |
「理解を通じての平和」(BIE非公認) |
モントリオール |
1967.04.28-1967.10.29 |
「人間とその世界」カナダ連邦100周年 |
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大阪 |
1970.03.15-1970.09.13 |
人類の進歩と調和」日本初の万博 |
スポーケン |
1974.05.04-1974.11.03 |
「汚染なき進歩」 |
沖縄 |
1975.07.17-1976.01.18 |
「海−その望ましい未来」 |
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ノックスビル |
1982.05.01-1982.10.31 |
「エネルギーは世界の原動力」 |
ニューオリンズ |
1984.05.12-1984.11.11 |
「河の世界−水は命の源」 |
筑波 |
1985.03.17-1985.09.16 |
「人間、居住、環境と科学技術」 |
バンクーバー |
1986.05.02-1986.10.13 |
「動く世界、ふれあう世界」 |
ブリスベン |
1988.04.30-1988.10.30 |
「技術時代のレジャー」豪州建国200周年 |
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大阪(国際園芸博) |
1990.04.01-1990.09.30 |
「花と緑と生活の係わりを捉え 21世紀へ 向けて潤いのある社会の創造を目指す」
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セビリア |
1992.04.20-1992.10.12 |
「発見の時代」コロンブス米大陸発見500周年 |
ジェノア |
1992.05.15-1992.08.15 |
「グリストファー・コロンブス−船と海」 |
テジョン(韓国) |
1993.08.07-1993.11.07 |
「発展のための新しい道への挑戦」 |
リスボン |
1998.05.22-1998.09.30 |
「海洋−未来への遺産」 |
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【2000年代】 |
ハノーバー |
2000.06.01-2000.10.31 |
「人間−自然−技術」 |
ロストック(国際園芸博) |
2003.04.25-2003.10.12 |
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愛 知 |
2005.03.25-2005.09.25 |
「自然の叡智」 |
【決定している万博】 |
上海 |
2010.05.01-2010.10.31 |
「Better City, Better Life」 |
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日本の万博 |
●日本万国博覧会
(1) |
会 期 |
: |
昭和45年(1970年)3月15日〜9月13日(183日間) |
(2) |
場 所 |
: |
大阪千里丘陵(約350ha) |
(3) |
テーマ |
: |
人類の進歩と調和 |
(4) |
参加国 |
: |
77カ国(日本を含む) 4国際機関 |
(5) |
総入場者数 |
: |
6,422万人 |
●沖縄国際海洋博覧会
(1) |
会 期 |
: |
昭和50年(1975年)7月20日
〜昭和51年(1976年)1月18日(183日間) |
(2) |
場 所 |
: |
沖縄(約100ha) |
(3) |
テーマ |
: |
海−その望ましい未来 |
(4) |
参加国 |
: |
36カ国(日本を含む) 3国際機関 |
(5) |
総入場者数 |
: |
349万人 |
●国際科学技術博覧会
(1) |
会 期 |
: |
昭和60年(1985年)3月17日〜9月16日(184日間) |
(2) |
場 所 |
: |
筑波研究学園都市(約100ha) |
(3) |
テーマ |
: |
人間・住居・環境と科学技術 |
(4) |
参加国 |
: |
48カ国(日本を含む) 37国際機関 |
(5) |
総入場者数 |
: |
2,033万人 |
●国際花と緑の博覧会
(1) |
会 期 |
: |
平成2年(1990年)4月1日〜9月30日(183日間) |
(2) |
場 所 |
: |
大阪鶴見緑地(約105ha) |
(3) |
テーマ |
: |
花と緑と生活の係わりを捉え 21世紀へ向けて潤いのある社会の創造を目指す |
(4) |
参加国 |
: |
83カ国(日本を含む) 37国際機関、18園芸関係等の国際団体 |
(5) |
総入場者数 |
: |
2,312万人 |
●2005年日本国際博覧会 (愛 地球博)
(1) |
会 期 |
: |
平成17年(2005年)3月25日〜9月25日(185日間) |
(2) |
場 所 |
: |
愛知県瀬戸市南東部、豊田市、長久手町(約173ha) |
(3) |
テーマ |
: |
自然の叡智 |
(4) |
参加国 |
: |
121ヵ国 4つの国際機関 他企業 |
(5) |
総入場者数 |
: |
??? |
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