経験豊かな団塊世代の従業員が産業界から大量にいなくなることで、具体的には、たとえば数年前に派生した大手都銀合併時に発生した口座の二重引き落しなどの口座振替システムにおけるようなトラブルが多発することが予想されています。ここでポイントとなるには技術面の問題よりも、過去の経緯やいきさつなどから現在に至るまでの業務の流れです。

ちなみにこの例で言えば、元々口座振替自体はごく基本的な業務なので、処理量自体は大変多い反面、処理内容はオンラインで足し算引き算をするだけなので余り複雑ではありません。しかしながら、口座振替データの書式やデータベースなどが完全に標準化されておらず、各金融機関は電力会社の電気料金における口座引落しや自治体の処理(住民税などの引き落とし)要求に合わせて個別に処理をしている部分も少なくありません。こうした個別的な例外処理のため、長年業務に精通し保守を手がけてきたベテランでないと仕様の漏れが生じてシステムを修正できない状態にあると言えます。
経験豊かなベテランの大量リタイアによって、2007年以降、このような問題が多発するのではないかと懸念されているのです。
また、ITの世界では、システム開発の主流は汎用機からオープン系へ移行しているため、若手エンジニアで汎用機やCOBOLやフォートランの知識を持っている人は多くありません。システム開発・運用の現場では、ベテラン・エンジニアがレガシーシステムを担当し、若手がクライアント/サーバシステムやWebシステムを取り扱うケースが多いため、技術的にも業務知識的にもノウハウの継承ができていないことが殆どです。
このため、企業にとっては今後もレガシーシステムを使い続けるのはリスクとなる可能性があるのですが、簡単に止めることの出来ない銀行のシステムなどのように、先人の知恵がつまった信頼性・安定性に優れているレガシーシステムを簡単に捨てるわけにもゆかないのです。
一時的には再雇用などで経験豊かな団塊の世代の従業員を確保することで問題を回避することも出来るでしょうが、それも一時しのぎでしかありません。2000年問題は2000年になった時の問題でしたが、2007年問題は
「2007年から問題」でもあるのです。