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今月のワンポイントアドバイス



 近年ではレトルト食品やレンジ食品なども増え、日本人の生活にますます欠かせなくなってきているカレー。最近は特にその健康への効果が着目され、朝カレーやカレー鍋として一種のブームになっています。
 今月は、インドのカレーや、独自の発展をした日本のカレーについても触れながら、カレーの健康効果とその作り方などを解説しました。
朝カレー

新型インフルエンザ
【1】カレーとは?〜インドのカレーと日本独自のカレーライス〜
【2】カレーは健康に効く!?〜カレーに隠された健康効果〜
【3】様々なカレーとそのレシピ
   〜朝カレーにカレー鍋、薬膳カレーその他いろいろレシピ〜


【1】カレーとは?〜インドのカレーと日本独自のカレーライス〜

 子どもから大人まで幅広い年齢層から根強い人気を誇るカレーライス。カレーとひと言で言っても、その種類は限りなく多く、手作りからコンビニなどの調理品または加工品など様々な形で、カレーは私たちの生活に根づいています。そんな身近な食品であるカレーですが、そもそも日本のカレーはインドではなくイギリスから伝わったものなのです。
 本節では、インドのカレーと日本の食文化となった独自のカレーライスの違いについて簡単に触れながら、併せてカレー粉に使われるスパイスの健康効果などについても紹介・解説しました。
世界のカレー〜カレーと言えばインド〜



 インドを故郷に、イギリスを経由して日本に伝来したカレー。
 日本では独自の食文化を形成しているがその一方で、インドや日本以外の国々でも、気候や風土に沿った各国独自のカレーが存在しています。世界に広がる文化であるカレーを通して食文化の違いを知ることは、広い視野から世界における多様な暮らしを想像することができ、それまでの考え方とは異なる視点で理解を深めることにもなるでしょう。また、異文化を知ることで、自分たちの食生活への関心を高めてゆくことにつながります。
インドカレー


■インドの代表的なカレー
チキン・カレー:
 軟らかく煮込まれた骨付きの若鶏のカレー。インドでカレーによく使われる鶏はチャボほどの大きさで、放し飼いにされているものを使用している。ブロイラーの肉と違い、適度に身がしまっているため、噛むほどに味わい深くなりる。
マトンカレー:
 インドで大変ポピュラーなカレー。マトン(羊肉)は、菜食主義にこだわらないヒンドゥー教徒やイスラム教徒にとって、宗教的にこれといった規制がなく、一番安心して食べられる安価な肉。
キーマ・カレー:
 挽き肉のカレー。癖のない口当たりで、辛さとコクがほどよく調和している。主にラム(子羊の肉)の挽肉を使うが、チキンやマトンの挽肉も使われている。
ムーング・ダール:
 インドには豆が15種類もあり、ダールとつば豆のカレーを意味する。ムーング・ダールは、サイズも歯応えもちょうど小粒程度の納豆に似た豆を使ったカレー。
その他:
 カレーの本場インドには他にも色々な種類のカレーがある。


◆参考1:パン・ライスに関する用語
イドゥリ(イドリ):
 米と豆の粉で作った生地を発酵させて作る南インドの蒸しパン。朝食や軽食にサンバ(カレー・スープ)とともに食べられる。
サモサ:
 香辛料を効かせて炒めた羊の挽肉と野菜を小麦粉の生地に包んで揚げたスナック。
チャパティ:
 精製しない全粒の小麦粉で作るインドで一番よく食べられる無発酵パン。全粒粉にぬるま湯とギー(インド式バター)を加えて練り、丸くのして鉄板で焼き、さらに直火で焼く。
ナン:
 精製した小麦粉で作る発酵パン。木の葉形にのした生地をタンドールと呼ばれる壷型のかまどで焼く。
パラタ:
 チャパティと同じ生地でギーを塗り、何層かに折り畳んで焼いたパン。ジャガイモ入りをアルー・パラタ、カリフラワー入りをゴービ・パラタと言い、ちょっとしたもてなし料理になる。
ビリヤニ:
 インド風炊き込みご飯。具や香辛料をたっぷり使い、ココナッツミルクを入れて炊く。祝い事やもてなしに欠かせないご馳走。
プラオ:
 米を野菜や肉とたっぷりの香辛料で炊き上げたインド風ピラフ。ビリヤニより具や香辛料は控えめに用い、カレーと一緒に食べる。
プーリ:
 チャパティと同じ生地を小さな円形にのし、油で揚げたパン。
プルカ:
 小型のチャパティ。

◆参考2: カレーの語源
 カレーの語源は、一説ではインド南部地域のタミール語で汁を意味するカリに由来すると言われています。しかし、カレーの語源については、他にもヒンドゥー語で「香り高いもの」という意味のターカリーなど様々な説があり、必ずしもハッキリとしたことは分かっておりません。なおまた、インドではターメリック、クミン、カルダモンなどのスパイスを調味料として用いた汁のある料理を一般的にカリーと呼んでいます。

日本のカレー〜国民食としてのカレーライス〜



 インドに生まれたカレーは、実は英国を経由して、開国したばかりの日本に到来し、当時の日本では高級な西洋料理のひとつとして位置づけられました。しかし、ご飯との結びつきの深いカレーは他の西洋料理よりも急速に定着が進み、太平洋戦争で軍用食とされるなど独自の食文化を形成してゆきます。そして、戦後はカレーのインスタント化が早々に進み、給食の定番メニューになったこともあり、それぞれの時代に上手く適合し、現在では日本の国民食とでも呼べる存在となっています。
日本人が大好きなカレーライス


「日本のカレーライス」を熱愛する米国人記者が語る『ゴーゴーカレーNY店』
http://wiredvision.jp/news/200805/2008050121.html

カレー粉とスパイス

 カレーには欠かせない存在のスパイスですが、スパイスは、それぞれに特有の色や香り、刺激的な辛味などを持ち、カレーの味わいをより深いものにしてくれると同時に、その効用は、ひとつ健康を考える上でも重要な役割を果たします。また、スパイスは古代エジプトのミイラに使用されたり防腐剤として使用されてきたりと言った具合で、調味料だけではなく、人々の暮らしの中に深く根づいています。
スパイスを求めたヨーロッパ

 スパイスの語源はラテン語のspeciesで、“特別の種類”という意味を持ち、その意味通り中世以前のヨーロッパでは金銀宝石と同じくらい価値のあるものとして珍重されていました。そして、その薬効から医学の分野でも広く用いられてきたのです。そこで、ヨーロッパの各国はインドへの航路開拓を積極的に始めました。そして、ヴァスコ・ダ・ガマやコロンブスが活躍した14世紀〜15世紀の大航海時代を経て東西の交流は次第に盛んになりますが、やがて西洋は帝国主義の時代に入り、ポルトガルを始めとしてスペイン、オランダ、イギリスなどの国々がスパイスを独占しようと、数百年もの間に渡って植民地の争奪が繰り返されたのです。そして、この争奪戦にイギリスが勝ち残り、18世紀後半にはイギリスがインドの実質的支配権を握ることとなります。第一次大戦後、インド人自身の中から反植民地運動が始まり、マハトマ・ガーンディーの指導の下、反英闘争が繰り広げられ、さらに第二次世界大戦後、最早広大な植民地を維持できなくなったイギリスは、ついにインドの独立を認めることとなり、1947年8月15日、インドの独立が宣言されたのです。
香辛料の使い方とその効能

 現在、日本の医療には漢方薬やハーブといった自然の力から作られた薬などが注目されていますが、香辛料はそれら現在注目されている漢方薬やハーブといった自然から取れたスパイスなのです。要するに香辛料とは、美味しい料理も作れて、身体に負担をかけずに健康な効果を得られる一石二鳥な調味料なのです。しかし、基本的に香辛料は使うにしても少ししか使わないので、一度の使用で大きな健康効果を得ることはできませんが、継続的に少量ずつ摂取してゆくと、気づかないうちに確実に良好な健康状態を維持することができるのです。
 香辛料を使って健康になるのであれば、少量ずつを摂取してゆくのが一番よいのですが、カレーやキムチのように複数の香辛料を少量でも複数使った料理などの場合には、比較的直ぐに香辛料による効果を得ることができます。しかしながら、そういった料理を毎日大量に食べることはオススメできません。飽きの問題もありますが、もしっも辛いものばかり食べていると、身体の別の部分に問題が出てくる場合もありますので、香辛料から漢方やハーブのような効果を得たい場合には、やはり少量を継続的に摂取することをオススメします。

 香辛料の使い方はその香辛料によって異なってきます。しかし、その使い方が香辛料の種類や食材の種類によって違っても、香辛料は世界中の多くの料理おいて絶対的に欠かせない存在だと言えます。そのような魔法の道具みたいな香辛料の主な使い方としては、ローズマリーやタイムなどの香辛料は、肉や魚などの臭いの強い食材の臭いを取り除くために使い、パプリカやサフランなどの香辛料は料理の色づけなどに使用されます。さらに唐辛子やペッパー(胡椒)のような香辛料のように辛味をつけるために使い、にんにく(ガーリック)やパセリなどの香辛料は料理に風味をつけるために使用します。このように、香辛料によって使うための目的が変わってきます。さらに唐辛子などの香辛料になると、辛味をつけるだけでなく彩を添えたりするために使われたり、料理に風味つけるためにも使用されるなど、使う人によっていくらでも使う場を広げることができるのです。
カレー粉の種類とその薬効


 カレーの原料となっているスパイスは、薬味とも言われるように、インドにおける伝統医学でアーユルヴェーダで用いられる薬物が主体となっています。これらの薬物はヨーロッパや中国にも伝えられ、それぞれの国で同様の薬効を期待して用いられてきました。また、ヨーロッパやアラビアなどの香辛料が逆にインドに移入され用いられたものもあります。現在日本において漢方医学の再認識が叫ばれ、漢薬の名も一般化してきましたが、カレーの主原料であるウコンや香辛料として調合されるショウウイキョウ、ニクズク、チョウジなど漢方の胃腸薬として欠くことのできないものもあり、中国文化とインド文化の接触から生まれたものと言えましょう。ちなみに、インドのアーユルヴェーダは仏教の伝播と共に中国に伝わり、そこで用いられる薬物は唐代の新しい薬物として本草書に収載され、さらに日本には遣唐使らにより伝来され、正倉院にも収められています。
 カレーの原料となるスパイスの種類は非常に多く、インド式、インドネシア式など様々ですが、参考までにここではインドカレーを主体にしてそれに調合されるスパイスの薬効効果などを以下に取り上げてみました。
カレーのスパイス


■カレー粉の種類
ガーリック(Garlic・ニンニク):
 ユリ科のセイヨウニンニク及びオオニンニクの鱗茎を乾燥したものをガーリック(ニンニク)と総称している。漢方では健胃や発汗、利尿、去痰、整腸、殺菌、駆虫の効果を期待して用いられる。また、ヨーロッパの民間では古くから急性及び慢性の伝染性胃腸炎、赤痢、腸チフス、動脈硬化、高血圧症などに広く応用されている。
 ⇒参考:ワンポイントアドバイス「ニンニク」
ジンジャー(Zinger・生姜):
 ショウガ科のショウガの根茎をそのまま乾燥又は蒸して乾燥したもの。漢方では生姜と乾姜があり、前者はそのまま、後者は蒸して乾燥したものだが、漢方の医方書の生姜は古根(ヒネショウガ)を用い、乾姜は普通の乾燥品を用いる。生姜は新陳代謝を促進し水毒を去る目的で、嘔吐や咳、頭痛、腸満、実証の発熱、鼻づまりなどに用い、乾姜は腹冷痛や腰痛、瀉下などに応用されている。ショウガの成分は精油及び辛味成分で、これが食欲増進や健胃、鎮嘔、鎮痛作用を示すとされている。
 ⇒参考:ワンポイントアドバイス「ショウガ」
チリー(Chilly・唐辛子):
 ナス科のトウガラシ及びそれらの多くの変種、品種の果実。トウガラシは世界各地で栽培され、多くの品種が作られており、中にはピーマンのように辛くない品種もあるが、その殆どは辛いもので、カレーの辛味の中心となる。また、辛味成分はカプサイシンと呼ばれるもので、興奮、局所刺激作用があり、駆風(腸内のガスを出すこと)や健胃の効果もあって、消化不良や胃炎、疝痛などに用いられる。またトウガラシチンキは、ヨーロッパや日本でリウマチや神経痛、腰痛、凍傷などに塗布する。
パセリ(Parsely):
 地中海沿岸地方原産のセリ科の若葉で、西洋料理には欠くことのできないものとなっている。アピオールという精油成分を含み、ビタミンC、A、B群が豊富で、葉や果実はヨーロッパの民間では消化促進剤として用いられる。
ミント(Mint・薄荷):
 ミントは厳密にはペパーミントのことで、ヨーロッパ原産のシソ科のセイヨウハッカで、葉をすり潰したり揉んだりして、油分を肉や魚のソースに入れたり香辛料として用いる。なお、ハッカの葉を水蒸気蒸留して得た精油からハッカ脳を除いたものをハッカ油と称し、日本薬局方にも収載されている。ハッカ油は芳香健胃や駆風薬として内服し、また、局所刺激薬として鎮嘔や抗消炎の意味でうがい水などに入れられる。日本でもハッカ葉は古くから民間的に虫に刺された傷や蛇咬傷などにもんで貼るなどの使い方がされていた。
マスタード(Mastard・芥子):
 日本薬局方で規定されている芥子は、アブラナ科のカラシナ及びその栽培品種の種子。辛味は種子に含まれる配糖体シニグリンがミロシンという酵素の作用で分解され、アリルイソチオシアネートを生ずることで生成する。そのため、カラシ粉は熱湯で溶くと酵素が働かず、辛味がなくなる。薬用としては局所刺激や発泡薬とし、または芥子を微温湯でといた芥子泥はリウマチや神経痛などの痛みを取るために貼って使われる。さらにカラシは食欲増進剤として食用嗜好品ともされており、インドネシアのジャワ島では駆梅薬としても使用される。
ターメリック(Turmeric・ウコン):
 インド・熱帯アジア原産ショウガ科のウコンの根を乾燥したもの。カレー粉の黄色はウコン中に含まれる色素成分クルクミンにによるもので、ウコン自体はスタフィロコッカス属などの菌に対し抗菌作用があり、また、同時に含まれるフェルラ酸と共に胆汁分泌促進作用があるとされている。
クミン(Cumin・馬芹):
 東地中海地方原産のセリ科クミンの果実で、他のセリ科植物の果実に比べて刺激性や芳香性が温和だと言われる。インドでは香味料の他に駆風薬とし、マレーシアでは胃腸薬や収斂薬として用いられる。
ブラックペパー(Black Pepper・黒胡椒)、ホワイトペパー(White Pepper・白胡椒):
 胡椒には黒胡椒と白胡椒があるが、それらは加工法の違いによるもので、共に原植物は南インド原産コショウ科のコショウを指す。この果実をやや未熟のうちに採って天日乾燥したものが黒胡椒で、一方、完熟させてから採取し、約1週間水に浸して外皮を去り、乾燥させたものが白胡椒となる。なお、胡椒の精油成分は殆ど外皮に含まれているので、白胡椒の方が香味が穏やかで、そのためヨーロッパでは白の方が好まれている。また、薬用としては健胃や消化促進薬として用いられ、マレーシアではハチミツと混ぜてリウマチや頭痛に刺激剤として外用されている。
カルダモン(Cardamon・ショウズク):
 南インド原産ショウガ科のカルダモンの果実で、インドにおいて古くから芳香性健胃薬として用いられている。日本では山椒の代用として苦味チンキや芳香チンキの原料とされているが、直接薬用とはしていない。使用時には果実を割って種子を用いる。
クローブ(Clove・チョウジ):
 香料諸島と言われるモルッカ諸島原産のフトモモ科植物の花蕾で、精油オイゲノールを含み、強い芳香がある。薬用としては消化機能促進や駆風薬として各種の家庭薬に配合され、その他含嗽剤などの矯臭薬としても用いられている。
コリアンダー(Coriander・コズイシ):
 地中海地方頭部原産セリ科のコエンドロの果実で、ヨーロッパでは古くから健胃・駆風薬とされ、紀元1世紀の医者ディオスコリデスは肝臓や腸、眼の病気によいと記している。
ナツメグ(Nutmeg・ニクズク):
 チョウジの原産地モルッカ諸島の近くのバンダ諸島に原産するニクズク科ニクズクの種子で、使用するときは種皮を割ってその仁を用いる。成分は精油2〜9%、脂肪、芳香成分ミリスチシンなどで、芳香性健胃、矯味矯臭薬としての需要が多くなっている。
キャラウェイ(Caraway・カルム実):
 ヨーロッパ東部〜アジア西部地域原産のセリ科ヒメウイキョウの果実で、ウイキョウ(フェンネル)の代用品として健胃・駆風薬として使われ、また、料理や製菓の香料とされている。
ベイリーフ(Bay Leaf・月桂樹葉):
 南ヨーロッパ原産のクスノキ科ゲッケイジュの葉で、精油1〜3%を含み、ヨーロッパにおいては芳香性健胃薬として内服し、リウママチや疹癬などの塗布薬としても使われる。果実も月桂実と称し苦味健胃薬として使われている。
オールスパイス(All Spice・ピメント):
 西インド諸島のジャマイカ島に産するフトモモ科ピメントの果実で、スパイス界のビッグスリー・チョウジ、ニクズク、ケイヒの香りを兼ね備えたものというのでオールスパイスの名がある。精油を含み、食料香料として多用されるが、が薬用には使われていない。
フェンネル(Fennel・ショウウイキョウ):
 ヨーロッパ原産セリ科のウイキョウの種子で、各国の薬局方に記載されている。精油3〜8%、主成分はアネトールで、その他ピネン、アニスアルデヒドなどを含み、芳香性健胃や駆風、去痰薬として粉末(1日0.5〜2g)又は浸剤(5〜15g)で用いる。
タマリンド(Tamarind・チョウセンモダマ):
 熱帯アフリカ原産マメ科タマリンドノキの果泥で、リンゴ酸、酒石酸、コハク酸などの有機酸類を含み、かつては清涼緩下剤として用いた。なお、この樹はインドや東南アジア諸国では並木として植えられており、果実のビタミンB群含有量は非常に高く、また、種子はガム剤としても用いられ、今後大いに活用されるものと考えられる。


◆参考3: カレー粉の素、ウコン
ウコン ウコンは古代インド医学から伝わったと言われる薬草で、日本ではカレー粉やタクアンの色づけとして使われてきました。インドのカレーと日本のカレーは調理法も味覚も全く違いますが、カレー粉の主原料であるウコンの黄色い粉末は同じものです。なお、上でも説明しましたが、このウコンはインド原産のショウガ科植物ウコンの根茎及び根で、黄色色素のクルクミン及びその誘導体を含み、深黄色を呈するもので、英名ではターメリックと言います。
 なお、インドでは仏典にもウコンが載っていて、その使用は実に古いものとされています。今でもインドやミャンマー、タイなどの僧侶が着ている黄色の僧衣はウコンで染めたものです。ウコンには殺菌作用があり、僧院の集団生活では伝染病は集団の破壊に繋がりますが、ウコン染めの僧衣はこうした衛生面から考案されたものと考えられています。


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【2】カレーは健康に効く!?〜カレーに隠された健康効果〜

 近年カレーの持つ健康効果が着目され、健康食としてもカレーに注目が集まっています。
 食と健康の関わりの深さを学ぶ縁とする意味でも、本節では、中国で古くから伝えられている医食同源の視点からカレーについて取り上げ、併せてアルツハイマーの予防にも効くと言われるカレーの健康効果について紹介・解説しました。
カレーと健康
医食同源から見たカレー

 医食同源とは、中国で古くから伝えられている言葉で、広辞苑によれば《病気をなおすのも食事をするのも、生命を養い健康を保つためで、その本質は同じだということ》であるとあります。また、「医食同源」の「医」は漢方の原点である未治の医術の「医」、また「食」は中国の家庭料理の「食」を意味します。つまり「医食同源」とは、薬に頼らず、食物で健康になるべきだとして、飲食物の調和を大切にし、日々の食事に疲労回復や病気治療の方法を求めた思想であると言えます。そのため、中国の代表的料理である「薬膳」は、滋養強壮や病気の治療効果を高めるために、その人の体質や体調に合わせた食事で病気に立ち向かう身体をつくることを目的としています。従って、「食」という字は、文字の如く「人が良くなる」と書くのだそうで、この漢字の構成こそが医食同源の基本となるものなのです。そういった意味では、カレーこそはまさしく医食同源をを実践できる健康料理であります。その証拠に、カレーに使われるスパイスをみても、体力増強に役立つスパイスや疲れた身体を静かに休めてくれるハーブ系スパイスなどがふんだんに含まれていて、そして、これらが非常にバランスよく調合されています。また、普段は中々食べられない野菜も、カレーにすると色々な野菜をたくさん食べることができます。しかも、それだけではありません。カレーは塩分を減らすことができる食品としても最近は注目を集めているのです。このように、カレーはまさに健康食だと言ってよいでしょう。
カレーの一般的な健康効果


■カレーの一般的な健康効果
塩分を減らすことができる低塩食品であること
 刺激があっても血圧を上げないことが第一の特徴です。
飢えに効く食品でもあること
 元々辛いものは寒いところと飢えの多い地域で食されています。辛いものは 適量だと食欲を促進させますが、ある程度摂ると飢えを感じなくする作用があり、逆手に取ればダイエットに効果的ということにもなります。
腸内感染症、寄生虫を予防する作用があること
 わさびと同じくカレーには制菌活性作用があり、食品を腐りにくくしてくれます。

カレーは身体を温める

 カレーは確かに身体を温めてくれます。それは、レッドペパーやガーリック、ペパー、ショウガなど身体を温める効果のあるスパイスがカレーにはたくさん入っているからです。また、ショウガなどは加熱によってその効力を増すことも知られています。カレーのような身体を温めるメニューを定期的に食べ続けることは、たとえば冷え性の体質改善などの点からみてもとても意味のあることだと言ってよいでしょう。(※ただし、いくら身体によいからと言って身体を温める食べ物ばかりを摂るのは却ってよくないということもあると思います。カレーを例に取ると、身体を温めるスパイス類といっしょに、ヨーグルトやトマトなど身体を冷やす効果のある具材を適量組み合わせた方がバランスがよいのです。) 
参考:野菜を充分に摂取できる調理法

 生野菜だけで1日の野菜摂取目安量(=緑黄色野菜100グラム、淡色野菜200グラム)を満たすのはとても難しいことです。やはり、野菜を美味しく、そしてたくさん食べることができるように、メニューや調理法に工夫が必要です。この点でもカレーは野菜を大量に摂るために最適の料理と言えるでしょう。


■野菜を充分に摂取できる調理法
煮込む課程で野菜の嵩が減り、結果的にたくさん食べることができる
 具材を野菜中心にしたカレーでは、1皿で1日の野菜摂取目安量の約半分を食べることが可能です。
野菜の栄養素を効率よく摂ることができる
 カレーはスープごと食べる料理なので、野菜から溶けだしたビタミンCも無駄なく摂取することができます。また、カレーには油分が適度に含まれているため、ベータカロチンなども吸収率のよい状態で摂ることが可能です。
どんな野菜でも具材にできる
 スパイスの風味が野菜との相性をよくしてくれるので、特にアクが強かったり、食感を楽しみたいレタスなどの野菜を除けば、カレーに合わない野菜は殆どありません。そのため、身近にある野菜をカレーであれば簡単に摂ることが可能です。また、汗によってビタミンB1が失われがちな夏場には、枝豆(ビタミンB1が豊富)を使ったカレーにするなどより積極的に健康を意識した野菜選びも自在に可能です。
食べる人に合わせた調理の工夫がしやすい
 野菜嫌いの子どもには苦手な野菜をピューレ状(=ミキサーにかけてジュース状にすること)にしてカレーに加え、徐々に慣れさせることができます。また、高齢者や歯の悪い人には野菜を小さく刻み、柔らかく煮込むといった工夫も可能です。

カレーを食べると頭がよくなる!?〜アルツハイマー病予防にもなるカレーの健康効果〜
カレーを食べると頭がよくなる!?

 2年ほど前にニュースになったのでご存知の方も多いと思いますが、カレーを食べると脳内血流が約2〜4%増加して集中力や計算力がアップするという研究結果が最近出ているそうです。そして、この脳内活性化を引き起こすのはカレーのスパイスなのですが、市販のカレールウでも15〜30種類のスパイスが使われていて、脳を活性化するのはそのうちの数種類とのことです。ちなみに、漢方では小豆蒄(ショウズク)と呼ばれるカルダモンはその代表的なスパイスだと言われます。その証拠と言っては何ですが、研究者によるとカレーと漢方薬には意外な共通点があって、カレーのスパイスと漢方の生薬は同じものが多く、様々なスパイスや生薬を組み合わせて使う点も両者の似ている点なのだそうです。
 そんな訳で、特に受験生などにオススメなのは、味噌汁のように朝食としてカレーを食べることだそうです。また、カレーのスパイスは脳や体の交感神経を刺激して人間をやる気モードにするメリットがあるので、カレーを朝食べることで体内のスイッチをオンに切り替えて生活にメリハリをつけることが可能になるというわけです。ちなみに、イチロー選手の朝カレーは有名ですが、イチローはメジャーに移籍してから7年間ずっと朝食と昼食を兼ねてカレーライスを毎日食べているのだそうです。
クルクミンは脳の神経細胞を保護

 アルツハイマー病予防のためには和食がオススメだと言われますが、伝統的なインド料理にもオススメ素材があります。それは、カレーには欠かせないスパイスであり、肝臓の働きを助け、二日酔い予防効果などで人気のあるウコンです。そのウコンの主成分であるクルクミンにアルツハイマーを予防するという研究報告が3〜4年前にあったそうです。その証拠に、伝統的にウコンを使ったカレーを食べているインド人は、米国人と比較してアルツハイマー病発症率が何と4分の1程度なのだと言うのです。
 アルツハイマー病は脳内でアミロイドベータ(Aβ)という物質が神経細胞を殺してしまうために痴呆が起こるのですが、研究によると、アミロイドベータを含む溶液にクルクミンを加えると神経細胞が守られることが確認されたとのことです(※なお、赤ワインに含まれるポリフェノールやハーブのローズマリーでも同じような効果が得られるそうです)。また、クルクミンを混ぜた餌で育てたマウスはアルツハイマーを発症しにくいというデータもあるそうです。このように、クルクミンにアルツハイマー病を防ぐ直接の効果が科学的にも裏付けられたわけですが、今後は食生活の改善でアルツハイマーの発症を遅らせらることができるかも知れません。
クルクミンとは?

 クルクミンは、インド原産のショウガの仲間であるウコンの主成分で、ウコンは英語ではターメリックと言います。インドや中国、日本でもウコンの薬効は古くから知られ、健胃薬や利胆薬などとして使われています。事実、クルクミンには活性酸素を除去する働きがあり、発ガン予防や生活習慣病の予防、美肌作用が期待されています。もちろんウコンにはクルクミンの他にも、精油成分でもあるターメロンやシネオールなどが含まれ、これらにも殺菌作用などが認められています。
クルクミンやウコンを摂る時の注意点〜油と一緒にとれば吸収率アップ!〜

 ウコンなどのサプリメントやエキスは手軽に摂取することもできますが、クルクミンは水よりも油に溶けやすい色素なので、油と一緒にとる方が吸収がよくなります。そのため、カレーは理に適った食べ方と言えるでしょう。しかし、一般的なビーフやポークカレーはどうしてもカロリーが高めになりますから、気になるという人は野菜をメインにしたベジカレーがオススメです。季節の野菜を盛り込んでカレーを作るのもよいでしょう。
 もちろんいくらウコン(クルクミン)がアルツハイマー予防によいからと言って、そのためにカレーばかり食べる人はいないと思いますが、偏った食事をすることはやはりオススメできません。ウコンだけでなく、ポリフェノールやローズマリーにも同様の効果があるわけですから、今後も効果のある食品や成分が色々と解明されることもあるでしょう。あくまで自然の恵みである食べものは我々人間が健やかに生きるための糧であり、素晴らしい薬効があることに感謝していただくことが食事の基本だと言ってよいでしょう。

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【3】様々なカレーとそのレシピ〜朝カレーにカレー鍋、薬膳カレーその他いろいろレシピ〜

 ここ数年、カレーが健康食としても注目を集めています。
 本節では、そんなカレーの中から、最近流行になっている「朝カレー」や「カレー鍋」などを取り上げ、併せて代表的なカレーライスのレシピを紹介・解説しました。
朝にカレーで朝カレー〜ブームになった「朝カレー」〜

 イチローの朝カレーは有名ですが、楽天のマー君も朝カレーを宣伝しているのを見て、「朝カレー」という名前を聞いたことのある人もたくさんいるでしょう。最近はその朝カレ−に関する本まで出版されるなど、今や「朝カレ−」はちょっとしたブームになっているようです。


朝カレー カレーライスと言えば日本において非常に人気のある料理で、ランキングを行なえば常に上位に位置する定番の料理です。そのカレーに今ちょっとした変化が起こっているのです。それというのが、カレーは夕食のオカズとして圧倒的な支持を受ける一方、朝食べるカレーがいま密かなブームとなっているのです。そのキッカケとなった商品が江崎グリコのレトルトカレー「ちょい食べ」シリーズです。08年2月に首都圏限定で発売された同商品は、従来のレトルトカレーとは違い、温めずに直ぐに食べられる機能が受け、爆発的なヒットを記録しました。08年8月に全国販売を開始したところ、何と供給が追い付かず、翌年の09年2月まではエリアを縮小して販売せざるを得ない状況となたそうです。これは、朝の忙しい時間に温めずにそのまま素早く食べられるという機能が支持された格好です。

 次に、カレーを朝食べる習慣が最初に注目を浴びたのはシアトルマリナーズのイチロー選手を特集したテレビ番組です。イチロー選手が毎朝カレーを食べている習慣が放送されると、数々のメディアが挙って「朝カレー」を紹介しました。その中で専門家は、朝食べるカレーは脳の血流を改善し、集中力を高めると解説し、朝カレーの習慣に拍車をかけたのです。そして、瞬く間にイチロー選手にあやかって集中力を高めて成果に結び付けたいビジネスマンや受験生の間で朝カレーのブームが広がりを見せることになりました。この「朝カレー」ブームに目をつけたのがハウス食品です。元々レトルトカレーは市場が飽和状態で伸びが鈍化していたのですが、ハウス食品は新たに時間軸でセグメンテーションを行ない、朝専用のカレーを誕生させて、レトルト市場の起爆剤とする戦略に打って出たわけです。
 朝・昼・夜といった時間軸によるセグメンテーションはここ最近頻繁に活用されるセグメンテーションで、数年前は缶コーヒーで朝専用を謳ったアサヒ飲料の「ワンダ モーニングショット」が大ヒットを記録したことが記憶に新しいです。そこで、ハウス食品もカレーを朝食べる習慣の高まりに応えて朝専用のカレー開発に挑戦することとなったわけです。そこで、まず日本人が朝食にかける平均時間を調査したところ、僅か10分しかないことが判明しました。従来のレトルト製品では沸騰したお湯で温め直すために3分程度の時間が必要となるために、残念ながら消費者のニーズには応えられません。そこで、温め直さずに熱いご飯の上にかけるだけで美味しく食べられるカレーを開発したのです。しかも、朝食ということで、胃がもたれないようにカレーのとろみを抑え、具材をできる限り細かく刻んで食べやすさをアップさせました。しかも、ハウス食品はプロダクト戦略ばかりでなく、プロモーションもよりターゲットに適切な戦略を実施しました。通常レトルトカレーと言えば単身者が料理の手間を省くために利用するというイメージがありますが、ハウス食品はメインターゲットを親子に定め、テレビCMも主婦が子どもなどを送り出して一服する午前中に集中的に放送し、主婦層に対して大々的なアピールを行ないました。時は受験シーズンと重なり、「カレーは脳を活性化させて集中力を高める」という報道と共に、ハウス食品の一連のマーケティング戦略が功を奏して、狙い通りに主に受験生を抱える主婦層の購入に結びつき、「朝カレー」というひとつのジャンルの確立に成功したのです。マーケティング戦略では、ただ単に売れそうな製品やサービスを開発しただけでは成功するとは限りません。製品にマッチしたターゲットとプロモーション、価格、流通など一連の流れが重要なポイントとなります。このような観点から見れば、ハウス食品の「めざめるカラダ朝カレー」は、製品・ターゲット・プロモーションなどマーケティング戦略の個々の要素がうまくかみ合って成功を収めた好事例と言えるでしょう。


【インタビュー】
「朝カレー」提唱者! 丁 宗鐵氏に聞く - 夏場の健康維持の秘訣 (1〜2) 朝カレーは集中力と免疫力を高める究極のメニュー ライフ マイコミジャーナル
http://journal.mycom.co.jp/articles/2009/07/01/curry/index.html

いま流行のカレー鍋
カレー鍋の特長

カレー鍋 カレー鍋がブームですが、しかし、カレー鍋と言っても、カレーを煮込む鍋のことではありません。カレー味の鍋料理のことをカレー鍋と表現しているのです。実は3年ほど前に食品メーカー各社が相次いで「カレー鍋用の鍋つゆ」を市場に投入したのですが、そこで新しい家庭料理としてカレー鍋への注目度が高まってきています。そして、実はカレー鍋は居酒屋を発信源にクチコミで広まった人気料理で、このトレンドが成長著しい鍋つゆ市場に飛び火し、家庭にも広まりつつあるのです。

 カレー鍋は具材の間口が広いことが特徴で、たとえば昆布や鰹などのダシを使えば和風カレー鍋に、ブイヨンなどのダシを使えば洋風カレー鍋になります。和風鍋であれば白菜やネギ、椎茸、人参、油揚げなどが合いますし、洋風鍋であればプチトマトやブロッコリー、キャベツ、カボチャなどが合います。もちろん肉や魚介はどちらにも合います。普通の鍋料理に登場しない具材も取り入れることができます。しかも、味付けの失敗が少ない点もカレー鍋の大きな特徴となっています。その上、鍋料理に付きものの締めにもカレー鍋ならではの楽しみがあって、たとえば締めにご飯を入れると、カレー雑炊やカレーリゾットを楽しむことができます。なお、カレーリゾット(※米から煮込むわけではないので、正確にはリゾットではありませんい)は、チーズを加えるなどして味の変化を楽しむこともできます。もちろん生卵を加えても美味しいですし、うどんを入れればカレーうどんを楽しむことができる、といった具合です。
カレー鍋ブームの火付け役

 カレー鍋ブームの発端になったのは、兵庫県姫路市にある和風居酒屋「喰い切り酒場・伝心望(でんしんぼう)」だと言われています。元々賄い料理だったカレー鍋をメニュー化したところ、看板料理として成長したというのです。伝心望は06年6月、東京都世田谷区(三軒茶屋)にカレー鍋専門店をオープンさせ、カレー鍋用スープの通信販売も行なっています。もちろんこの他カレー鍋が名物料理になっている飲食店はいくつか存在します。
 その一方で06年1月にはNHKの『きょうの料理』でタレントのグッチ裕三がカレー鍋の作り方を紹介し、受験生応援メニューということで「受かれー鍋」と名づけていました。また、グッチ氏は08年1月にも「カレーおでん鍋」のレシピを紹介しています。テレビにおけるこのような露出や飲食店での人気などを背景に、カレー鍋人気はクチコミで広まったものと思われます。

 このトレンドに目をつけたのが食品メーカー各社で、永谷園やフジッコ、日本水産といったメーカーが07年の秋ごろから相次いで専用「鍋つゆ」の販売を始めました。たとえば永谷園は「カレー鍋・和風」と「カレー鍋・洋風」を擁して鍋つゆ市場に初めて参入し、フジッコは「カレー鍋つゆ」を、日本水産(ニッスイ)は「カレー鍋」をそれぞれ販売しています。
 余談ながら、実はこの鍋つゆは近年の鍋調味料市場における成長株なのだそうです。食品加工業界における鍋市場には、大きく分けて「たれ」と「鍋つゆ」の市場があり、従来は味付けポン酢などの「たれ市場」が主流でしたが、近年はキムチ鍋つゆなどの「鍋つゆ市場」が急成長していて、12年前と比べると何と3倍の規模になっているというのです。この鍋つゆ市場における現行のエース商品は「キムチ鍋つゆ」で、たとえ暖冬でもその人気は衰えないそうですが、これは料理の簡便さを求める消費者が多いためだそうです。食品加工業界では「次なるキムチ鍋」を探していて、白湯鍋や豆乳鍋などの新しい鍋料理を盛んに提案していますが、カレー鍋つゆ商品の相次ぐ登場にはこんな背景もあるのです。そして、このような食品メーカーの動きは流通サイドでも概ね好意的に受け入れられているようで、複数メーカーがカレー鍋商品を販売し、ハウス食品がカレー鍋料理の提案を行なっていることもあり、小売店店頭での商品提案が容易になっていると言います。また、一般に鍋料理は子どもに対する訴求力が弱いのですが、カレー味であればそのような抵抗はありません。野菜嫌いの子どもを持つ親には大きな魅力だと言ってよいでしょう。
カレー鍋をつくってみよう!


■カレー鍋の作り方(4〜5人分)
 手前にある乾燥スライスニンニクやローレル、ガラムマサラといったスパイス&ハーブをプラスすることで風味豊かな深い味わいに仕上がります。
カレー鍋の材料
  • 鍋の具材
    • 豚肉スライス:200g
    • ウインナー:8〜10本
    • 大根:10cm
    • 椎茸:4個
    • シメジ:1パック
    • マイタケ:1パック
    • タマネギ:1/2個
    • キャベツ:1/4個
    • 小松菜:1/2把
    • 焼き豆腐:1丁
  • スープの材料
    • カレールウ:100g
    • だし汁(和風):1000ml
    • 醤油:大さじ4
    • みりん:大さじ4
    • 酒:大さじ2
    • 乾燥スライスニンニク:5〜6枚
    • ローレル:1枚
    • ガラムマサラ:適宜
カレー鍋の作り方
  1.  大根は皮を剥き、5mm厚のイチョウ切りにし、キノコ類は石突きを取って解す。タマネギとキャベツ、小松菜、焼き豆腐をそれぞれ食べやすい大きさに切っておく。
  2.  鍋にだし汁、乾燥スライスニンニクとローレルを入れて沸かし、醤油とみりん、酒を加え、カレールウを溶かしてスープを作る。
  3.  2に豚肉とウインナー、大根、キノコ類、キャベツ、タマネギを入れて、火が通るまで煮る。さらに焼き豆腐と小松菜を加えて軽く煮込んで完成。器に取り分けたら、好みでガラムマサラを振ってお召し上がり下さい。
ワンポイントアドバイス:
薬味と辛味アップアレンジでさらに美味しくいただけます
 そのまま食べてもしっかりとした味わいのカレー鍋ですが、取り分けたお皿にガラムマサラを振ると、食欲をそそる香りがぐんと高まり、辛味もプラスされます。もちろんガラムマサラの代わりにカレー粉を振っても同様の効果があります。なお、辛いのが好きな方は、作り方2のスライスニンニクローレルを加える段階で赤唐辛子(ホール)を1本一緒に加えるのもオススメです。また、カレー鍋に入れる具材には決まりはありません。今回紹介した具材に拘らず、好みのものを入れてチャレンジしましょう。そして、最後のしめにご飯やうどんなどを入れても美味しくいただくことができますので、ぜひ一度カレー鍋を試してみてはどうでしょうか。癖になること間違いなしです。

参考:冷えた身体にポッカポカ薬膳カレー鍋


■薬膳カレー鍋の作り方(3〜4人分)
薬膳カレー鍋の材料
  • 豚肉の薄切り:300g
  • キャベツ:4〜5枚
  • ニラ:1束
  • タマネギ:1個
  • うずらの卵:10個
  • チキンスープ:1000cc(※無ければ鶏がらスープの素でもOK)
  • カレー粉:大さじ2
  • みりん:大さじ3
  • 醤油:大さじ3
  • 酒:大さじ2
  • 漢方スパイス
    • 八角:2個
    • 黒胡椒:20粒(ホール)
    • クローブ:5粒
    • ショウガ:スライス2〜3枚分
    • 唐辛子:1本
    • ニンニク:4個
薬膳カレー鍋の作り方
  1.  キャベツやニラは食べやすい大きさに切っておく。タマネギは皮を剥いてくし切りにし、ウズラの卵は茹でて皮を剥いておく。八角、クローブ、黒コショウはすり鉢などである程度砕き、お茶パックに入れておく。
  2.  鍋にチキンスープ、酒、漢方パック、千切りのショウガ、スライスしたニンニク、半分に切って種を取った唐辛子を入れて沸騰させる。
  3.  カレー粉、醤油、みりんを加えてルーを作り、野菜や肉を入れて煮る。
ワンポイントアドバイス:
 八角やクローブなどが手に入らない場合は、中華のオールスパイス(五香粉:ウーシャンフェン)でも構わない。なお、自分の冷えタイプが分かれば、それに合ったオススメの食材を加えると、なお本格的な薬膳になるでしょう。


◆参考4:身体を温める3つのポイント
 漢方スパイスには、身体を温め、消化や血行を促進するものが多くあります。また、漢方では冷えのパターンも色々な原因が考えられています。その原因が分かれば冷え性解消にも繋がりますよ。そこで、まずは冷えのタイプを大きく3つに分けて、それぞれにオススメの食材をご紹介します。
■1) 胃腸の消化機能が低下しているタイプ
 冷たいものの食べ過ぎで水分代謝が悪かったり、元々消化機能が弱くて食べたものをエネルギーに変える力が弱いタイプ。お腹を触ると冷たいのもこのタイプに多い。
オススメの食材:
 長芋、ジャガイモ、サツマイモ、カボチャ、キャベツ、うるち米、鶏肉など

■2) カラダを温める機能が弱いタイプ
 身体の機能を促進する作用が弱いため、末端の手足が冷えたり、顔色が白く、便もゆるいタイプが多い。無理なダイエットや病気、老化で起こる場合もある。
オススメの食材:
 ショウガ、ネギ、ニンニク、唐辛子、山椒、ニラ、エビ、クルミ、羊肉など

■3) ストレスや疲労などで血液循環が悪いタイプ
 ストレスや過労などは気のめぐりを悪くし、血行も不良となって全身に陽気が巡らない。胸脇が張ったり、溜息をつきやすいのもこのタイプ。なお、気の滞りは血の滞りも招く。
オススメの食材:
  • 気の滞りには:ソバ、セロリ、大根、春菊、ミカンの皮、ウコン、柚など
  • 血の滞りには:黒豆、小豆、タマネギ、ニンニク、ニラ、サンザシ、菜の花など

◆参考5:仁丹と薬日本堂共同開発の食養生カレー
食養生カレー
あの森下仁丹と人気の漢方相談薬局・薬日本堂の共同開発商品。
薬日本堂の薬膳レストランで1番の人気薬膳カレー。そのノウハウを注ぎ込んだ奥深い重層的な香味がクセになるお手軽なスティックカレーです。
(※なお仁丹堂とは、森下仁丹のオンラインショップの名称です。)
食養生カレー(健康食品) - 漢方の薬日本堂オンラインショッピング
http://www.nihondo-shop.com/health_c1.html
仁丹の食養生カレー(10本入り) こだわり食品 健康食品通販・基礎化粧品通販の仁丹堂
http://www.181109.com/shopping/pc/item/detail?code=00331

参考1:その他のカレーライスのレシピ紹介


■一般的なカレーライスのレシピ
一般的なカレーライスの材料(6人分/512kcal、塩分2.6g)
  • カレーライスの材料
    • 豚肉(こま切れ):200g
      • 塩:小さじ1/2
      • 胡椒:少々
    • タマネギ:2個(400〜450g)
    • ジャガイモ:中2個(200〜250g)
    • ニンジン:1本(100g)
    • ニンニク:1片(10g)
    • ショウガ:1片(5g)
    • サラダ油(炒め用):大さじ2
    • 水(スープの素1個):5カップ
    • リンゴ:中1/4個
    • ご飯: 6人前(1人200g)
  • カレー・ルーの材料
    • バター:大さじ3(40g)
    • 小麦粉:大さじ9(70g)
    • 塩:小さじ2
    • ソース:大さじ1
    • 醤油:大さじ1
    • カレー粉:大さじ1〜1.5
一般的なカレーライスの作り方
  1. カレーライスの作り方
    1. 下拵え
      • 豚肉:塩・胡椒をしてから小麦粉(※大さじ1、ルーからの分)をまぶしておく。
      • タマネギ:みじん切り。
      • ジャガイモ・ニンジン:銀杏切り。
      • ニンニク・生姜:みじん切り。
    2. 鍋に油を熱し、玉葱・ニンニク・生姜を加えて、茶色になるまでよく炒める。
    3. (2)に豚肉を加え、鍋底に薄く茶色の膜が張るまでさらに炒める。
    4. (3)にジャガイモ・ニンジン・水(スープの素1個)を加えて、野菜が柔らかくなるまで煮る。
    5. フライパンにバターを溶かし、小麦粉が薄い茶色になるまでよく炒め、塩・ソース・醤油を加えてさらに炒め、均一になったら火を止めてカレー粉を加える。
    6. (5)のルーを(4)の煮汁で伸ばして鍋に戻し、皮付きのまま摺り下ろしたリンゴを加え、弱火で煮込む。
    7. ご飯を皿に盛り、カレーを添える。
  2. カレー・ルーの作り方
    1. 直径24センチのフライパンにバターを入れ、火にかけて溶かす。
    2. 完全に溶けたら弱火にして小麦粉を一度に加え、バターをよく混ぜてから、常に木杓子を動かして茶色になるまで炒めてゆく(※この時くれぐれも手を休めず、均一に茶色になるようにきをつけること)。
    3. 塩・ソース・醤油を加えて均一になり、サラサラになるまでさらにゆっくりと炒める。
    4. 最後に火を止めてカレー粉を加え、混ぜ合わせる。
ワンポイントアドバイス:
  • カレーは10人が作ると10種類の味になるといっても過言ではないくらい作る人の個性が出ます。ここに紹介したカレーライスが、あなたのカレーの味作りの参考になれば幸いです。また、カレーは肉類・魚介類・野菜などを主にして作ることができ、そのため色々な組み合わせが可能ですし、新しい発見もあるでしょう。でも、基本はそれぞれに合った下準備と下味付けを忘れないことです。
  • 調理法のアドバイスとしては、まずみじん切りのタマネギ・ニンニク・ショウガをゆっくりと炒めます。炒め上がりの目安は、濃い茶色で玉葱が最初の1/5 くらいになるまで。この炒め方が足りないと味に深みが出ません。
  • 次に、肉もよく炒めます。鍋底に肉にまぶした小麦粉の膜ができるまでていねいに炒めます(コメジャガイモやニンジンは、炒めても炒めなくても余り味に変わりはありません)。
  • また、ジャガイモはホクホクと美味しく煮るために、厚さ1センチ以上の銀杏切り、ニンジンは柔らかく煮るには2〜3ミリの厚さの銀杏切りにしましょう。
  • 最後に仕上げとして、煮込んでいる汁(1カップ分)を2回に分けて、ルーのフライパンに加え、よく練ってひと塊にして煮込み、鍋に戻します。
  • また、隠し味程度に甘味と酸味を加えるためにリンゴを摺り下ろして加えます。酸味のある紅玉やつがるなどが向いています。また、酸味のあるトマトを加えてもよいでしょう。
  • なお、ルーを加えて煮込む時は弱火で、時々鍋底を掻き混ぜながら焦がさないように気をつけましょう。
  • それと、ついでながら組み合わせメニューとしては、たとえばイカと野菜のマリネや、コーヒーとミルクのマーブルゼリーなどがよいのではないかと思います。

■健康野菜カレーのレシピ
 野菜不足の日常の食生活で如何に1日に必要な野菜を手軽に取るか考えたカレーです。これ一食で一日に必要な野菜がしっかりと補えます。しかも、レッドペパー等を入れず、ブラックペパーを半分にすれば、子どもにも美味しく食べられる健康食になります。
健康野菜カレーの材料
  • あめたま(=あめ色タマネギ):2食分
    • タマネギ:3個
    • ニンニク:5片
    • ショウガ:1/3カケ
    • バター:大さじ2
  • トマト缶:1/3缶
  • 茄子:1本
  • ホウレン草:1束
  • ニンジン: 1本
  • アスパラガス:6本
  • カボチャ:1/4個
  • ジャガイモ:3個
  • サツマイモ:1本
  • シナモン:小さじ1
  • ターメリック:小さじ1
  • コリアンダー:小さじ1.5
  • ブラックペパー:小さじ1
  • クミン:小さじ1.5
  • レッドペッパー:小さじ1/2
健康野菜カレーの作り方
  1. カレーライスの作り方
    1. 茄子・カボチャ・ジャガイモ・サツマイモをひと口サイズより気持ち小さめに切り、暫く水に晒しておく。また、アスパラガスは1/3に、タマネギ(※あめたま用)とニンジンはみじん切りにしておく。
    2. ホウレン草は水洗いして根の部分を切り、熱湯でさっと茹で、氷水につけてザルに開けて水気を切っておき、ニンジンと共にミキサーにかけてペーストを作っておく。
    3. 熱した油にクミンを入れ、あめたまを作り(※後述)、カボチャとジャガイモを入れ炒める。
    4. 野菜に軽く火が通ったら水(400cc)とトマト缶を入れ、中火で10分ほど煮る。
    5. 野菜の原型がなくなるまでつつく。
    6. アスパラガス、ホウレン草とニンジンのペースト、残りのスパイスを入れて混ぜる。
    7. アスパラに火が通ったら、塩で味を調節して完成。
  2. あめたま(=あめ色たまねぎ)作り方
    1. タマネギ・ショウガ・ニンニクの皮を剥き、みじん切りにする。
    2. 鍋に大さじ2の油を挽き、バターを入れタマネギ・ショウガ・ニンニクを中火で約20分、その後は弱火で15分ほど炒める(※焦げてしまうと甘みがなくなり、苦くなるので注意)。
ワンポイントアドバイス:
  • あめたま作りにおいて時間を短くするコツとして、タマネギをみじん切りにした後ラップをかけレンジで5分ほど温めてから炒めると、早くあめ色になってくれます。
  • また、あめたま作りでタマネギ等を傷めている最中には絶対に鍋の前から離れないように注意しましょう。
  • なお、玉ねぎの中にはメチルメルカプタンという目に刺激を与えて涙を誘う揮発性物質が含まれています。そのため、切る前にタマネギを冷蔵庫で冷やしておくと、メチルメルカプタンが空気中に飛び散るのを防げるので涙がでないですむようになります。
  • 最後に、子どもが辛い料理が苦手な場合などは、レッドペパー等を入れず、ブラックペパーを半分にするなど色々と工夫をするとよいでしょう。

参考2:参考図書及び関連サイト


◆参考図書
井上宏生『日本人はカレーライスがなぜ好きなのか』平凡社新書
井上 宏生・著
『日本人はカレーライスがなぜ好きなのか』
平凡社新書、平凡社・00年11月刊、¥714
ハイカラな西洋料理としてのカレーが、大衆食堂の人気メニューになるまでの変遷を綴った「食」の文明開花論。カレーに情熱をそそいだ日本人たちの姿を追う。
丁宗鐵『病気にならない 朝カレー生活』中経の文庫
丁 宗鐵・著
(日本薬科大学教授、朝カレーの提唱者)
『病気にならない 朝カレー生活』
中経の文庫、中経出版・09年7月刊、¥560
日本人の「国民食」とも言えるみんなが大好きなカレーですが、いま朝にカレーを食べる習慣「朝カレー生活」が話題になっています。そのキッカケになったのが、本書の著者・丁宗鐵先生が発表した「朝カレーが脳を活性化する」という研究成果で、これが各種マスコミやインターネットなどで取り上げられ、併せて朝カレー生活が病気の予防・改善やダイエットに効くということが注目されています。カレーを朝に食べるだけで、幅広い健康効果が得られるという、その「朝カレー生活」の具体的な効果から、実際に朝カレー生活をする際のポイント、さらには朝カレーに適したレシピまで、朝カレー生活を実践するためのエッセンスを紹介する一冊です。
白澤卓二監修+栗山真由美『Dr.白澤のおいしい処方箋 健康カレー』角川SSCムック・毎日が発見ブックス
白澤 卓二・監修/栗山 真由美・著
『Dr.白澤のおいしい処方箋 健康カレー』
角川SSCムック・毎日が発見ブックス、
角川・エス・エス・コミュニケーションズ・09年7月刊、
¥980
脳にも身体にもいい! ガンを予防する食材も豊富なカレー。白澤卓二医学博士が監修の「おいしい処方箋」シリーズ第4弾は「健康カレー」。 
生薬としても使われてきたカレーのスパイスは健康効果も盛りだくさん。そして、カレーの効果としてまず注目できるのは脳によいことです。そんなカレー粉と野菜をたっぷりとることができるレシピ集として、本書では、カロリーを抑えて手軽に調理できるカレー粉を使った45品を紹介しています。通常のご飯にかけるカレーに加えて、カレー粉を使った野菜の炒めものや煮物、サラダ、肉料理まで、バリエーション豊かな内容になっています。

■参考サイト
横濱カレーミュージアム
http://www.currymuseum.com/
カレーの街よこすか
http://www.city.yokosuka.kanagawa.jp/curry/
Amazon_co_jp カレー粉


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