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 今月は、様々な健康効果があると言われるコーヒーについて取り上げ、健康かつ美味しいコーヒーの飲み方について取り上げました。
コーヒー


後期高齢者医療保険制度〜制度の概要と狙い〜
【1】コーヒーの基礎知識
【2】コーヒーの効用
【3】コーヒーの正しい飲み方


【1】コーヒーの基礎知識

 本節では、コーヒーの歴史や品種などコーヒーの基礎知識について解説しました。
コーヒーの歴史
コーヒー発祥における伝説


エチオピア起源説(ヤギ飼いカルディの話)
 この説は、レバノンの言語学者ファウスト・ナイロニの『眠りを知らない修道院』(1671年)に記されている説、6世紀頃のエチオピア高原が舞台です。

 ヤギ飼いカルディは或る日、放し飼いにしていたヤギ達が昼夜の別なくひどく興奮しているのを発見しました。調べてみると、どうも丘の中腹に自生している潅木の赤い実を食べたらしい。そこで近くの修道院僧にこれを告げると、それでは試しに食べてみようということになり、食べてみると気分はみるみる爽快になり、体に活力が漲ってきたと言います。修道院僧は早速これを修道院院に持ち帰り、他の修道僧たちにも勧めました。 それからは徹夜の宗教行事の時に睡魔に苦しむ修道僧はいなくなったということです。

アラビア起源説(僧侶シェーク・オマールの話
 こちらの説は、イスラム教徒アブダル・カディの『コーヒー由来書』(1587年)に記されている説で、13世紀頃のイエメン山中が舞台です。

 イスラム僧のシェーク・オマールは、無実の罪でイエメンのモカからオーサバというところへ追放されてしまいました。食べるものもなく山中をさまよい歩いていると、一羽の鳥が赤い木の実を啄んでは陽気に囀っているのを見つけました。試しにその実を摘んで煮出すと、何とも言えない独特の香りがし、飲んでみると、疲れが嘘のように消え去って元気が回復したと言います。その後、医者でもあった彼は、この実を使ってたくさんの病人を救いました。そして、罪を許されて再びモカへ帰り、聖者として人々に崇められたと言います。

アラビア諸国からヨーロッパに(10世紀初頭〜15世紀頃)

 コーヒーは10世紀初頭から人々に飲まれ始めたのではないかと考えられています。それは、アラビアの医師ラーゼスが残した記録に、バンと呼ばれる乾燥したコーヒーの実を砕いて水に浸して煎じ、バンカムと呼んで医薬にしていたと書かれているからです。そして、その約100年後に、医学者で哲学者のアビセンナが、バンとバンカムについてやはり「薬用」だと書き残しています。このようなことから、コーヒーが飲まれ始めた当初は薬として飲まれていたようです。その後、長い間コーヒーはイスラム教寺院の中だけに門外不出の秘薬として伝えられてゆきました。夜通し行なう宗教儀式の前に眠気を払う霊薬として飲まれたのです。そんな中、豆を煎って飲むようになったのは13世紀頃からと考えられています。そして、13世紀中頃になって初めてイスラム教の一般信者にその存在が知られ、寺院の回りはコーヒーの露天で溢れ返り、人々は儀式的にお祈りの前にコーヒーを飲むようになったと言われています。そうこうして、コーヒーはメッカ、カイロ、ダマスカスへと伝わってゆき、 14世紀中頃には世界最古のコーヒー店カーネスが当時のコンスタンチノープルに作られました。
 このように、コーヒーが世界的な広まりをみせる中、人々の中でのコーヒーの高い人気に賛否両論が起こり、ついにメッカの地方長官カイル・ベイがコーヒー禁止令を発布して最初のコーヒー弾圧をしました。しかし、当時のエジプト国王スルタンが大のコーヒー好きであった関係で、そのコーヒー禁止令の存在をを知って激しく怒り、直ぐさま禁止令を撤回して、「コーヒーを飲むのはコーランの教えや宗教上の罪悪にはならない」と宣告しました。以後コーヒー弾圧は何度か繰り返されますが、それは、それほどまでコーヒーに魅せられる人が多かったということを意味しています。コーヒーはこうして、16世紀中頃にはトルコへ、その後ヨーロッパへと上陸してゆくことになります。
ヨーロッパから世界各地へ(15世紀初頭〜現代)

 ヨーロッパ諸国へのコーヒーの広がりは、15世紀初頭のベネチアを皮切りにヨーロッパ全土へと浸透してゆきます。
 ローマでは当初、イスラム教徒の飲み物をキリスト教徒が飲むのはどうかと賛否両論が持ち上がります。当時の法王クレメンス8世は「悪魔の飲み物と言われるのにこんなに美味しい。これを異教徒に独占させておくのは勿体ない」と、コーヒーに洗礼を施してキリスト教徒の飲み物として受け入れました。
 また、イギリスではコーヒーハウスが数多く作られ、紳士の社交場として人気を博しました。男たちはここで政治を語り文学を論じ、ビジネスを展開しました。当時コーヒーハウスに入れるのは男性だけで、中には家に帰らずに入り浸る男たちも現われる始末で、そこで1670年代にはコーヒーハウスの閉鎖を求める主婦たちの嘆願書が出されています。一方、フランスにもトルコ・コーヒーが伝わります。コーヒーはフランス上流階級をも魅了して、やがてサロンが数多く作られ、新しい文学や哲学や芸術も生まれました。その波は一般市民にも及んで、溢れるほどの街角のカフェを生み出していきます。特に15世紀末に誕生したカフェ・プロコプにはルソーやバルザックなどといった文化人が次々に集い、知的サロンとして賑わいました。やがてフランスでドリップ式が、イタリアでエスプレッソが考案されて、コーヒーを飲むスタイルが徐々に変化してゆきます。また、これだけ世界的に人気のあったコーヒーですから、その栽培に興味を持った人たちもたくさん生まれました。13世紀にはメッカへの巡礼者たちが大量の生豆を持ち出し、それが各地に植えられ、17世紀にもインド人のババ・ブーダンがイスラム巡礼の際にメッカからコーヒーの実を盗み出して南インドのマイソールに植えています。また、18世紀前半にはフランス海軍の将校ド・クリュー自分の飲み水を注いでコーヒーの苗木を守り、フランス領マルチニーク島に運んだという話が残っています。これがやがて中南米へと広がって行ったたのです。こうして、コーヒーの広まりと同時にコーヒーの栽培も世界各地に拡大してゆくことになります。
コーヒーと日本
最初その味と香りに馴染めなかった日本人〜日本へのコーヒーの伝来(江戸時代〜明治初頭)〜

 始めて日本にコーヒーが伝わったのは江戸時代初頭の長崎出島で、人々に受け入れられるようになったのは明治時代になってからです。
 西欧諸国ではコーヒーハウスが次々とオープンして、コーヒー文化と呼べる文学や芸術が開花していた頃、日本は江戸時代で、厳しい鎖国政策の真っ只中にありました。当時最先端だった飲み物のコーヒーは、長崎出島のオランダ商館設立(1641年・寛永18年)以降オランダ屋敷に持ち込まれただろうと推測されます。しかし、外国人に接触できたのは役人と商人、通訳、遊女などの限られた日本人のみで、1776年(安永5年)に記された『ツンベルグ日本紀行』には「二、三の通訳のみがようやくコーヒーの味を知るのみである」とあります。そんな訳で、折角出島に入ってきた西洋文化の象徴であったコーヒーも、江戸時代の日本では普及しませんでした。コーヒーの本格的な普及は明治も半ばを過ぎてからになります。
漸く人々に受け入れられ始める(明治時代)

 伝来当初はコーヒーに対して拒否反応を示した日本人でしたが、開国して明治時代に入ると、西洋文化の象徴であるコーヒーを積極的に受け入れようとする姿勢が見えてきます。これは、西洋文化を取り入れ、西洋人と積極的に付き合おうという日本人の文明開化への憧れでもありました。そして、長崎・神戸・横浜・函館などに次々に外国人居留地が作られて、そこで外国人から接待を受けたり、欧米諸国への使節や視察や留学などで洋風の食事を経験したり、横浜などに外国人相手のホテルが作られたりと、日本人が洋食やコーヒーを口にする機会はどんどん増えてゆきました。それでも最初は、コーヒーはほんの一握りの上流階級の人々の口にするハイカラな高級飲料の域を出ることがなかったことは論を俟ちません。たとえばコーヒーの輸入量を見ても明治10年に初めて18トンが輸入され、明治21年頃に60トン程度に増え、明治40年代になって80トン程度にはなりましたが、まだまだ多いとは言えず、とても一般の人々に普及する量ではありませんでした。
 ちなみに、日本で最初の本格的コーヒー店は、日本人の鄭永慶が東京上野の西黒門町に開いた可否茶館という店でした。1888年(明治21年)の春、アメリカに留学し、帰国後に官吏や教育者を経てこの店を開いた鄭永慶は、文学者や芸術家たちが集うフランスの文学カフェをイメージしていました。しかし時期尚早で、残念ながら数年の後には閉店せざるをえませんでした。そんな訳で、喫茶店がいくつも開店し、ハイカラ好きの人々や文化人、芸術化がそこに集い、コーヒー文化と呼べるものが日本に根付き始めたのは明治に終わりに近くなった頃でした。
漸く大正時代にて拡大、そして近年のグルメ志向(大正時代〜現代)

 日本でのコーヒー文化の先駆けはパンの会(コーヒー愛好家の会)です。森鴎外が指導して1909年(明治42年)に創刊された文芸雑誌『スバル』のメンバーである北原白秋や石川啄木、高村光太郎、佐藤春夫、永井荷風などが日本橋小網町のメイゾン鴻の巣を利用して毎月会合を持っていたのです。その店は本格的なフランス料理と洋酒を飲ませ、コーヒーも本格的なフランス式の深煎りコーヒーを出していました。メイゾン鴻の巣はさながら文士の社交場だったのです。明治時代から大正時代にかけて、このような文化サロンの役割を果たすカフェが幾つか現われて、日本にもやっとカフェ文化の風が入ってきました。しかし、いずれもまだまだ一般の人には敷居の高い店ばかりでした。そんなところに出来たカフェ パウリスタは、最初こそ文士や文学青年たちの社交場でしたが、一般の人たちが気軽に立ち寄れる値段と雰囲気であっという間に大繁盛し、大正時代の最盛期には全国に20余りの支店を数えるほどになりました。では、何故それほどパウリスタは一般の人々に人気を呼んだのでしょうか? それは、高級西洋料理店プランタンのコーヒーが当時15銭だった時に、パリやニューヨークのカフェを模しながら、しかもコーヒーの普及とサービスに徹したパウリスタではコーヒーを5銭で飲むことが出来たのです。3分の1の値段で本格的な香り高いブラジルコーヒーを味わうことが出来たのです。そんな訳で、全国に散らばったパウリスタの店で始めてコーヒーの味を知った日本人の数は数え切れません。パウリスタはコーヒーの大衆化に拍車をかけた店として大きな足跡を残したことになります。
 そんなこんなで、大正時代には確実にコーヒー愛好家が増え、昭和に入ってますます需要を伸ばしますが、第二次世界大戦でコーヒーは敵国飲料として輸入停止になりました。日本人の生活から一時期コーヒーは姿を消してしまうのです。その後、戦後では昭和25年からコーヒーの輸入が始まり、珈琲は「平和の使者」とばかりに人々を感激させました。そして、現在の日本では様々な形でコーヒーが飲まれています。喫茶店と家庭、レギュラーコーヒーとインスタントコーヒー、ホームコーヒーとオフィスコーヒーサービス、各種の缶コーヒー、そしてグルメコーヒー、フレーバーコーヒーという具合です。また、近年ではグルメ指向の人も増えてきたおり、より美味しい本格的なものを求めるコーヒーマニアが増えてきています。
コーヒーの産地と品種
コーヒーの産地

 コーヒーの産地は赤道を中心に北回帰線から南回帰線の間にあります。地球をぐるりと帯状に広がっているので、この一帯は一般にコーヒーベルトと呼ばれています。コーヒーベルトは熱帯地方で、暑すぎず寒すぎず、さらにコーヒーの木が育つのによい土壌であり、コーヒー栽培に適した環境を持っています。そして、コーヒーは主にこのコーヒーベルト内の60数カ国で栽培されています。生産地は中南米・インド諸島・アフリカ・アラビア・アジアと大きく広がっています。
コーヒーの3大原種


 コーヒーの木にはたくさんの品種がありますが、実際にコーヒーに使われるのはアラビカ種とロブスタ種、リベリカ種の3つの品種です。これがコーヒーの3大原種と呼ばれています。生産比率は、アラビカ種が70〜80%、ロブスタ種が20〜30%で、リベリカ種は現在殆ど生産流通していません。そして、アラビカ種の豆は平らで楕円形をしており、味と香りがよく人気の品種で、ブラジルやコロンビア、インド、メキシコ、グァテマラなどで生産されています。一方、ロブスタ種の豆は丸みのある短い楕円形をしており、酸味がなく苦味がある品種で、ベトナム、インドネシアなどで生産されています。
コーヒーの木


アラビカ種
 原産国はエチオピアで、味、香りとも優れ、コーヒーの全生産量の約880-90%を占めます。海抜800-2000mの高地と18-25(平均21度前後)度の気温が最適で、多雨でも少雨でもない気候、水捌けのよい傾斜地での栽培に適しています。高品質で比較的高収量で、世界のコーヒー生産において主流となっていますが、高温多湿の環境には適応せず、霜害に弱く、乾燥にも弱いのが難点です。レギュラーコーヒーに最も多く使用されている品種です。

ロブスタ種
 海抜200-800mの低地・傾斜地の栽培に適します。アラビカ種と比較すると、病気に強い品種として評価されていますが、味、香り共にアラビカ種よりも劣るという評価です。焙煎度合いによってロブスタ種ならではの美味しさを味わうことが出来ます。一般的にはインスタントコーヒー、缶コーヒー等に多く使用されています。

リベリカ種
 ロブスタ種よりも低地で平地での栽培に適しています。生育旺盛で環境適応性が充分あり、根が深いということもあって雨の少なさにも強く、害虫病にも強いのですが、除去作業に手間がかかり、収穫も長い年月を必要としているため、余り人気の無い品種です。現在、世界のコーヒー全生産量の約1%程度の生産量となっています。味、香り共にアラビカ種より劣っているとの評価です。

コーヒー豆の銘柄

コーヒー豆

キリマンジャロ(原産地:タンザニア)
 キリマンジャロは酸味・甘み・コクに優れたコーヒー豆です。高地で栽培されたこの豆は、そのバランスのよい酸味と苦味、雑味の無い後味、豊かに広がる芳香は他の追随を許さないほど優れています。このようにキリマンジャロは昔から世界中の人々に愛されている銘柄です。焙煎度合いはシティローストやフルシティローストが適しています。

グアテマラ(原産地:グアテマラ)
 グアテマラコーヒーは、その多くが山の傾斜地で栽培されており、豊かな降雨量と肥沃な火山灰土壌、そして水捌けのよさ、高原地帯の適度な気温など、コーヒーの栽培に非常に適した条件が揃っています。苦味のバランスがよく、酸味が少し強めのコーヒーで、ストレートで芳醇な香りが楽しめます。焙煎度合いはハイローストやシティローストが適しています。

ブラジル(原産地:ブラジル)
 ブラジルは世界のコーヒー生産量の3分の1近くを供給する世界第1位のコーヒー産出国で、現在ではサンパウロ州とミナスジェライス州、パラナ州、エスピリット・サント州など気温の適した標高の高い地域で栽培されているコーヒー豆です。程よい酸味と苦味があり、香りが高く、ブレンドのベースとして欠かせないコーヒーです。焙煎度合いはハイローストやシティローストが適しています。

エメラルドマウンテン(原産地:コロンビア)
 エメラルドマウンテンの栽培地は、アンデス山地1700m以上の高地が選ばれ、完熟豆だけを手摘収穫、カフェテロが欠点豆や未熟豆等を自らの手で徹底的に取り除きます。比類なき深い味わいと香りを送り出すため、加工は厳格に管理され、コロンビア国立コーヒー生産者連合会の鑑定士による品質検査に合格した者だけが初めてエメラルドマウンテンとして認定され、低温コンテナ船で出荷されます。コロンビア特有の甘い香りと深いコク、そして確かな甘味を兼ね備えた最高級ウォッシュドアラビカコーヒーです。焙煎度合いはハイローストやシティローストが適しています。

ブルーマウンテン(原産地:ジャマイカ)
 レゲエやカリプソの調べと共に、ブルーマウンテンは、カリブ海に浮かぶ美しい島ジャマイカの代名詞のひとつとです。かつては英国王室御用達として用いられ、日本での人気の高さに説明は要らないでしょう。風光明媚な南国の楽園からほんの少量だけ生産される良質の香りと調和の取れた味わいを持ち、真に世界の最高級品の名を与えられるに相応しいのがブルーマウンテンです。また、輸入されるコーヒー豆の殆どが麻の袋に入って輸入されて来るのに対し、ブルーマウンテンは唯一木製の樽に入って証明書付きで輸入されるほどの最高級品です。気品溢れる香りとコク、そしてしっとりとした甘みと、正にコーヒーの王様に相応しい味わいです。焙煎度合いはミディアムローストやハイローストが適しています。

モカ(原産地:イエメン)
 モカとは、ヨーロッパ諸国にコーヒー豆を輸出するための港として栄えたイエメンの町の名前が元となり、ここから出荷されるイエメンとエチオピア産のコーヒー豆がモカと呼ばれています。モカにはモカ特有の果実の様な香りがあり、特に日本では高い支持を得ており、人気の高い銘柄です。焙煎度合いはハイローストやシティローストが適しています。

マンデリン(原産地:インドネシア)
 エキゾチックなテイストの中にある厚みのあるボディーが人気のインドネシア産コーヒーです。コーヒー初心者の方からコーヒーに対するこだわり歴の長い方で、幅広く人気のある銘柄であるマンデリン。ほろ苦さとまったりしたコクが特徴的です。焙煎度合いはシティローストやフルシティローストが適しています。

コナ(原産地:ハワイ島)
 ハワイ諸島の中でビッグアイランドの愛称で呼ばれるハワイ島の西側にコナ地区がありますが、このコナ地区で栽培されるコーヒーがコナコーヒで、100年以上の歴史を持っています。他国の農場と比較すると、規模が小さく、全て手作業で行なっているため、生産量が全世界のコーヒー生産量の1%程度を貴重な豆となっています。芳醇な香りと豊かなボディ、溢れ出す独特の酸味が個性的な銘柄です。焙煎度合いはシティローストやフルシティローストが適しています。


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【2】コーヒーの効用

 本節では、コーヒーの効用について取り上げました。
コーヒーに関する誤解
誤解1:コーヒーは胃に悪い?

 コーヒーに含まれるカフェインは胃にとっては両刃の剣です。というのも、カフェインには胃液の分泌を活発にする効果があるからで、要するに、健康な人が食後にコーヒーを飲むと、胃の働きが促進されて消化が進みます。しかしながら、その一方で胃酸過多や胃潰瘍の人が大量にコーヒーを飲むと、胃液によって胃壁が荒れがちとなるのです。そのため、空腹時もコーヒーの飲用は避けた方がよいでしょう。そんな訳で、一概に「コーヒーは胃に悪い」とは言えないということになるわけです。但し、コーヒーとタバコの組み合わせはタブーです。タバコは胃粘膜の血流を阻害し、粘膜が持つ防御機能を弱めてしまいます。そこへコーヒーによって胃液が大量に分泌されれば胃壁はひとたまりもないからです。
誤解2:コーヒーは便秘になる?

 この誤解を生んだ犯人はタンニンという成分です。タンニンは収斂作用を持っていて、タンニンを大量に摂取すると便秘を起こすとされています。その証拠に、下痢止めとして古くから用いられてきた植物であるゲンノショウコの葉にはタンニンが20%と豊富に含まれています。けれども、コーヒーに含まれているのは、実はタンニンそのものではなく、クロロゲン酸という成分なのです。これはポリフェノールの一種で、確かにタンニンとよく似た働きをするのですが、実はコーヒーにはクロロゲン酸4〜5%と少ししか含まれていません。しかも、焙煎するとその多くが分解されてしまうのです。従って、余程コーヒーをがぶ飲みでもしない限り便秘の心配はありません。
誤解3:コーヒーは肌が荒れる?

 「コーヒーこそはお肌の大敵!」と敬遠してきた女性は少なくないのではないでしょうか? けれども、ある研究によれば、コーヒーにはポリフェノールの一種であるクロロゲン酸類を始め豊富な抗酸化物質が含まれており、肌の張りや老化防止にはむしろうってつけなのだと言います。また、この他カフェインが持つ利尿作用や新陳代謝の促進作用も美肌づくりには欠かせない要素で、その証拠に、ヨーロッパには昔から「コーヒーは肌を美しくする飲み物」という言い伝えがあり、女性たちは大いにコーヒーを愛飲してきたと言われます。
誤解4:コーヒーは肝臓に負担がかかる?

 コーヒーは、むしろ二日酔い防止には効果覿面なのです。まずコーヒー中のカフェインが肝臓や腎臓のはたらきを活発にし、アセトアルデヒドの分解を助けてくれます。さらに、コーヒーには利尿作用があるため、コーヒーを飲むことで体内のアルコール排出も促進されるのです。従って、お酒の後でゆっくりとコーヒーを飲めば次の日はすっきり目覚められるのではないでしょうか? 
誤解5:コーヒーは子どもに飲ませてはいけない?

 カフェインには、中枢神経を穏やかに刺激し、心と身体をリフレッシュする働きがあります。大人がほっと一息つきたい時は実に有難い飲み物です。けれども、乳幼児などにはこの働きが強すぎることもあるので、確かに余り小さな子どもにはコーヒーを与えない方がよいかも知れません。とは言え、小学生に牛乳入りのカフェ・オ・レなどを飲ませるのは全く問題はありません。
誤解6:コーヒーは妊娠中はタブー?

 現在のところ、コーヒーによる流産や早産、未熟児、奇形児の出産などは認められていません。むしろお母さんがコーヒー好きな場合、飲まないことでストレスが溜まる方が問題でしょう。但し、「何事も過ぎたるは及ばざるがごとし」で、当然ながらコーヒーの飲み過ぎには注意が必要になります。
誤解7:コーヒーは飲み過ぎると癌になる?

 これは全くの誤解で、それどころかコーヒーに含まれるクロロゲン酸やクロロゲン酸が分解してできるカフェ酸は癌の発生や増殖、転移を抑えるとされ、最近では癌予防効果について研究が進んでいるのです。たとえば1日1杯以上コーヒーを飲む人は肝臓癌による死亡リスクがコーヒーを全く飲まない人の半分に、3杯以上なら胃癌発生率が半分になるという結果も出ているそうです。但し、コーヒーに本当に癌の予防効果があるかどうかはまだ検証中ですだ。
誤解8:アメリカンはお湯で薄めたコーヒー?

 これはよく誤解されるのですが、正式なアメリカンコーヒーとは、浅煎りした豆をドリップ式で薄めに淹れたもので、お湯で薄めたものではありません。単なる薄めのコーヒーが我が国でアメリカンと呼ばれるようになったのは、当時の時代背景によるところが大きいとされます。すなわち70年代半ば、コーヒーの生産国として有名なブラジルでは大霜害が起こったためコーヒー豆の価格が大暴騰し、そのため一部の喫茶店が、仕方なくお湯で薄めたコーヒーをアメリカンと名づけて飲ませたことに由来しているのです。
誤解9:ブルーマウンテンはコーヒーの王様?

 ブルーマウンテンはそもそもジャマイカ産のコーヒー豆で、その殆どは日本に、残りは英国に輸出されています。つまり、ブルーマウンテンは世界的には余り一般的なコーヒーではないのです。ブルーマウンテンが日本に上陸したのは昭和12年頃のことで、売り出しの折に業者がつけたキャッチフレーズ「英国王室御用達」が日本人の心を見事に捉えてしまったのです。それ以来ブルーマウンテンは「コーヒーの王様」とされてきたというのが真相です。
誤解10:インスタントコーヒーはアメリカ人が生み出した?

 確かにインスタントコーヒーはアメリカ生まれですが、しかし、インスタントコーヒーの生みの親は何と日本人なのです。発明者はシカゴ在住の日本人科学者であ加藤サトリさんで、1899年に彼がコーヒーを真空乾燥させ、粉状にする方法を考案しました。この発明は1901年の全米博覧会で一気に広がることになり、そして、第2次世界大戦ではインスタントコーヒーは軍用飲料として飲まれるようになったのです。
コーヒーの効用
コーヒーにはB型肝炎の発症を押さえる働きがある

 コーヒーの抽出液にはSOD(=老化の元凶と言われる活性酸素の害から身体を守る成分の一種)と同様の作用があることが最近確認されたそうです。作用の強さは、コーヒー豆の種類にはそれほど影響はありませんが、焙煎(火熱で炒ること)の程度によって差があることが分かったとのことで、生豆のエキスが一番強く、焙煎が深いほど下がるのだそうです。それによると、コーヒーの主な成分のひとつであるカフェー酸やクロロゲン酸に強いSOD作用が認められ、エキス中のクロロゲン酸の濃度に比例してSOD作用は強くなります。さらに、活性酸素と同様に老化や種々の病気に関与してる物に過酸化脂質があり、たとえば老人色素と呼ばれ、シミの原因となるリボフシンやセロイドは、過酸化脂質がタンパク質を巻き込んで形成されます。そこで、コーヒーの抽出液に過酸化脂質ができるのを制御する作用があるか調べてみたところ、豆の焙煎に関係なく、その作用があることが判明したそうですが、この作用もカフェー酸とクロロゲン酸が関係しています。また、コーヒーが感染症(細菌などの感染で起こる病気)にどのような影響を与えるかを検討したところ、その一例として、たとえばB型肝炎ウィルスは急性肝炎を引き起こすだけでなく、慢性肝炎や肝硬変(肝臓自体が堅くなる病気)、肝臓癌にも発展しますが、コーヒーの抽出液にB型肝炎ウィルス抗原産生抑制作用つまりB型肝炎の発症を押さえる働きが認められたとのことです。そしてこの作用は、焙煎度やクロロゲン酸の濃度と相関性がなく、これら以外に要因が有るものと考えられるそうです。
食後にコーヒーを飲むと喘息の発作が起こりにくくなる

 よく知られているように、カフェインは興奮作用を持つ物質で、純粋なものは風邪薬などにも使われます。純粋なカフェインは、交感神経(内臓などを支配する自律神経の一種)に作用して風邪による呼吸器の障害を改善し、発汗や新陳代謝を促進して風邪を早く治す働きがあります。なお、喘息の発作は交感神経が興奮してる時には起こりにくく、もうひとつの自律神経である副交感神経(交感神経と拮抗して働く自律神経の一種)が緊張してる時に発作がでやすい傾向があるのです。従って、コーヒーのカフェインによって交感神経を興奮させれば、当然喘息発作の予防に繋がるわけです。もっともコーヒーが喘息などによいと言っても、立て続けに多量に飲むと、カフェインが効きすぎ、その結果として心臓の鼓動が早くなったり気分が悪くなったりすることもあります。また、夕方になってくると発作が起こりやすくなってくるので、午後3時から4時頃にコーヒーを飲むと、発作が多くなる夜の不安も取り除けます。特に喘息は不安感があると起こりやすくなるので、コーヒーを飲み、カフェインで交感神経が興奮してくると、不安感は弱くなってきます。
コーヒーには飲酒による肝臓の負担を軽減する可能性がある

 コーヒが二日酔いを解消するのに効果的な飲み物であるということはご存じの方も多いでしょう。その証拠に、ある調査によると、純度100%のエタノール(薬用アルコール)を毎日30ml(日本酒換算で1合強)以上飲んでる人で、コーヒーを一日にに3〜4杯飲んでる人は、飲まない人に比べてγGTP(肝細胞の傷害の有無を示す検査値で、正常値は40以下)が平均で10以上も低いことが判明したとのことです。もっともγGTPの数値を下げる効果がコーヒーのどのような成分によってもたらされるのかは今のところはっきりしていませんが、しかし、コーヒーと同じように多くのカフェインを含んでる緑茶では効果が見られなかったことから、カフェイン以外の成分が肝臓の負担を緩和しているのではないかと考えられるそうです。
臓ガンや大腸ガンをコーヒーが強力に防ぐ

 1970年代の初期、肝臓や膀胱の癌の発生とコーヒーの相関性を示唆する疫学研究報告が行なわれ、コーヒーに肝臓や膀胱の発ガンを促進する作用があるのではないのかと実験が試みられましたが、残念ながらそれについてははっきりした結果が出ませんでした。その後、コーヒーの成分の中でも特に多いクロロゲン酸という物質が癌の発生と関係あるかも知れないと考えられ、そして動物実験が試みられ、メチルアゾキシメタールという発癌物質とクロロゲン酸を実験用のネズミに与え、影響が観察されました。その結果、発癌物質だけを与えた場合、40%の割合で大腸癌が発生したのに対し、クロロゲン酸が含まれる飼料と一緒に与えた場合では癌の発生はゼロだったそうです。こうして、クロロゲン酸が有意に大腸癌の出現を制御し同時に肝臓における前癌病変(将来癌に進展する恐れのある身体の変化)も有意に押さえることが新たに判明しました。また、ニトロソミアン(アミノピリンと亜硝酸を一緒に摂取すると胃の中で作り出される物質)が誘発する肝臓癌に対しコーヒーを与えるとどのような影響があるかも検討され、ネズミを二群に分けて、どちらにも同じ物を食べさせ、片方には薄めのコーヒーを与えたところ、630日間続けた結果、コーヒーを与えないラットが肝臓癌に罹った割合は78%だったのに対し、コーヒーを与えた群の割合は22%でした。つまり、コーヒーが肝臓癌に対する抑制作用を持つことが示されました。そして、その後の実験では、クロロゲン酸が舌などに発生する口腔癌を抑制する働きがあることも判明しました。さらに、その他に大腸癌の発生関係を調べたものはコーヒーを与えたラットの方が与えないラットより発癌の病変が少ない結果が出ました。これらの実験は、コーヒーに含まれる成分が肝臓癌や口腔癌、大腸癌を抑制する可能性があることを示しています。
コーヒーはガンや老化の元凶である活性酸素を消去する

 活性酸素は外からのウィルスの侵入を抑える働きがあるので、ある程度の量は必要なのですが、しかし、それも過剰になると、細胞膜を参加させ、老化や癌を起こすと考えられています。ある実験では、コーヒーの抽出液を飲むと、スーパーオキシドアニオンやヒドロキシラジカル、過酸化水素など各種の活性酸素に対する強い消去作用を示すことが判明しました。要するに普段からコーヒーを飲むことで体内の活性酸素の量のバランスが保たれること効果があることが分かったわけです。もっともコーヒーの飲み過ぎは胃に負担をかけ、他の食べ物の吸収を悪くしてしまうので、一日に飲む量は4〜5杯までにしておくのがよいでしょう。
コーヒーはビタミンの有益な補給瀕

 一般にコーヒーは身体に悪いという印象を抱く人が多くいます。「コーヒーを飲むと癌になる」とか「刺激物が多いので肌荒れを起こす」などと思っているようです。しかし、癌については、一日何リットルものコーヒーを長年に渡って飲み続けた時には癌になることがあるというのが真相のようです。また、刺激物とされるカフェインですが、これは他の嗜好飲料にも含まれており、コーヒーだけが肌荒れの原因になるというのも余り説得力がありません。むしろ眠け覚ましにコーヒーをがぶがぶ飲みしなければならないような不朽生な生活や、或はコーヒーに砂糖を入れすぎる飲み方などに注意すべきでしょう。しかしながら、コーヒーはとてもビタミン(ニコチン酸)の有益な補給瀕であり、上手に飲めば健康増進に役立つものなのです。なお、ニコチン酸はタバコに含まれるニコチンとは全く別物です。ニコチン酸はビタミンB群に属していて、成人の場合1日に十数r取ることが必要とされていますが、これが欠乏するとぺラグラと言われる皮層炎や下痢、精神神経障害などを引き起こすとされます。要するにニコチン酸は、全く供給されなければついには死を招く必須栄養素のひとつなのです。
 一般にビタミンは熱や光、酸素などに対して不安定で、これらを加えると分解されてしまいます。ところがニコチン酸は例外的に分解されにくいビタミンで、たとえば熱を加えても破壊されず、200数10度になると分解せずに昇華(蒸発)してしまいます。なお、このニコチン酸は、そのままの形のみではなく、加熱するとニコチン酸に変化する前駆物質という形でも食品中に含まれています。その最も代表的なものがトリゴネリンですが、トリゴネリンは、コーヒー豆や魚貝類、豆類に特に多く含まれています。そして、このニコチン酸の前駆物質であるトリゴネリンは、どうすればニコチン酸に変化するのかというと、摂氏220度で20分間加熱すると一番よく変化することが分かりましたが、これはちょうどコーヒー豆を焙煎する条件に近いようです。つまりコーヒー豆の焙煎というのは、トリゴネリンをニコチン酸に変化させるのに大変好都合な作業ということになります。実際に私たちが飲んでいるコーヒー100ミリリットル中のニコチン酸の量を調べると、アメリカンコーヒー(焙煎度が浅い)は、0.16r、普通の焙煎の場合は、0.2〜0.25r、アイスコーヒ(焙煎度が深い)の場合は1.6rとアイスコーヒーはアメリカンの10倍もあることがわかりました。コーヒー一杯を200ミリリットルとすると、アイスコーヒー一杯には約3.2rのニコチン酸が入っています。要するにアイスコーヒーを4〜5杯も飲めば1日に必要なニコチン酸の量は補える計算になるわけです。その一方でニコチン酸には薬理作用もあります。すなわち、1日にグラム単位で摂ることによって、血液中のコレステロール値を下げる働きがあるのです。ある研究者では、8000人以上の冠状動脈(心臓の筋肉に栄養を送る動脈)に障害のある患者にニコチン酸を連続投与したところ、約3ヶ月でコレステロール値が250rから220rに下がったと言います。また、別の研究者では、心筋梗塞(心願の血管が詰まって起こる病気)から助かった70歳末満の患者555人を5年間研究した結果、ニコチン酸でコレステロール値が12%も低下し、死亡率も30%前後低下したと言います。しかし、これらの数値は多量のニコチン酸を薬として用いた時にもたらされる効果であって、必ずしも心臓病や動脈硬化の人にとってコーヒーを飲むことが治療の代わりになるというわけではありませんが、それでもコーヒーを毎日摂れば動脈硬化の予防に繋がるということは言えるようです。
コーヒーは動脈硬化予防に働く善玉コレステロールを増やす


コーヒーが血液循環をよくし低血圧を改善する
 朝、起きがけに飲む1杯のコーヒーは、胃袋だけでなく、頭脳を始め身体の隅々まで目覚めさせてくれる心地がします。実際コーヒーの持つ様々な作用が、まだかかりきっていない身体のエンジンをスムーズに回転させてくれるのです。コーヒーに含まれているカフェインは、末梢の血管を広げたり心臓の拍動を高めたりして、血液の循環をよくします。従って、コーヒーを飲むと、全身に新鮮な血痕が行き渡り、頭も体も活発に働き始めるということになるわけです。
 このカフェインの働きは、特に朝が苦手という低血圧の人の場合に非常に有効に作用します。それは、コーヒーにはほんの少し血圧を上げる効果があるからです。少しでも血圧が上昇することは、ぼーつとした朝の不快感や日常の疲労感、立ち眩み、手足の冷えといった低血圧独特の症状を半減し、身体を動かしやすくしてくれます。そんな訳で、低血圧の人が午前中から気持ちよく活動するためには、起きがけに一杯という具合にコーヒーを上手に利用するとよいでしょう。もっとも、このようにコーヒーに血圧を少し上げる作用があるとなると、高血圧の人は飲まない方がよいのかと考えがちですが、しかし、それは早合点というものです。コーヒーに関しては様々な研究や調査が行なわれていますが、コーヒーをたくさん飲んでいる人に高血圧が多いという調査結果はありません。また、高血圧の人がなりやすい病気の一つに動脈硬化がありますが、動脈硬化が進行すると、脳梗塞(脳の血管が詰まって起こる脳卒中)などを起こす危険性が高くなります。その動脈硬化の原因のひとつにコレステロールという脂肪質が血管内に沈着することが挙げられます。確かに10年ほど前までは、コーヒーはコレステロールを増加させ、動脈硬化を促進するという説が医学界の常識とされていました。しかし、一般に我が国で飲まれているフィルターコーヒー(紙や布で慮過したコーヒー)やインスタントコーヒーが悪玉コレステロールを増加させることはまずありません。

コーヒーには老化予防効果も
 普段はコーヒーを1日に数杯飲んている14人の若い男女に1ヶ月間全くコーヒーを飲まないようにさせ、その後フィルターコーヒーを毎日5杯ずつ飲ませて、1週間毎に採血して分析する、という実験をしたところ、コーヒーを飲み始めると、善玉コレステロールと呼はれる高密度リボたんばく(HDL)が徐々に増え始め、コーヒー飲用4週間で約15%も増加したのです。HDLは過剰になったコレステロールを細胞内から引き出し、動脈の内側の壁に沈着するのを防ぎます。従ってHDLが多い、すなわちその数値が高い人は動脈硬化を起こしにくいのてす。実験の結果からこのHDLを増やす働きがあると分かったコーヒーには動脈硬化の予防に役立つ可能性があることが示されました。また、最近ではコーヒの抗酸化作用も注目されてきています。身体が酸化すると老化が促進されることが科学的に認められつつありますが、要するに酸化を防くことは老化を防くことでもあるのてす。
 上で説明したように、コーヒーは身体にプラスの作用が多くあります。ただし、それも1日に5杯程度を飲んだ場合です。がぶ飲みすると、コーヒーに含まれている成分が胃に負担をかけることもあります。人によっては不整脈(脈か乱れること)や不眠の原因にもなります。また、血液中に含まれるコレステロールは、体質や生活習慣によって大きく左右されます。さらに、コレステロール値が高くなりやすい体質の人が脂肪の多い食事を摂っていると動脈硬化が促進されます。まずは日常の食生活を正しましょう。

 
コーヒーは脂肪を分解しダイエットに飲料としては最適


コーヒーは脂肪の分解を促進する
 私たちの食生活の中にコーヒーを飲用する習慣が定着して40年近くになろうとしています。この間にコーヒーの飲み方や認識などに色々な変化が見られます。また、コーヒーには尿の排泄を促す作用や心筋を刺激する作用、中枢神経を刺激する作用、平滑筋(内臓などの筋肉)を弛緩させる作用、胃酸の分泌を促す作用、また、血液中の脂肪酸(脂肪の主成分)の濃度を上昇させる作用などの生理作用があることが知られています。コーヒーが持っているこれらの作用は、主にカフェインの働きによるものです。なお、20年ほど前になりますが、実はこのカフェインに発癌性があるという研究報告が出されたことがありました。しかし、その後全く同じ条件の下で再試験を行なったところ、発癌性はないとの結論が出ており、発癌性の擬いは殆どなくなっています。
 さらに、コーヒーの生理作用のひとつに血液中の遊離脂肪酸の濃度を上げる働きがあります。血液中の脂肪酸の濃度が高いと筋肉その他の組織のエネルギーの代謝(身体の中で栄養物がさまざまに変化する仕組み)は脂防酸を分解する方向に傾きます。血液中の脂肪酸の元は皮下脂肪などの貯蔵脂肪ですが、これが分解されて血液中に放出されてくるのです。要するに、コーヒーを飲んだ後に血液中の脂肪酸が増加するのは、脂肪組織での貯蔵脂肪の分解がカフェインによって刺激されるためなのです。ちなみに、ある実験によると、平均年齢30歳、身長171p、体重67qの6人に5〜6杯分のコーヒーに相当するカフェインを空腹時に与えたところ、カフェインを飲む前に潮定した血液中の脂肪酸濃度は平均で432であったのに対して、カフェインを飲んだ3時間後には約2倍の平均848にまで上昇していたと言います(血漿1リットル当たりのマイクロ当量)。そして、空腹時のコーヒーの飲用についてこのような結果が出たということ、要するに、コーヒーを摂取することで脂肪酸の濃度が上がり、貯蔵脂肪を分解するということは、すなわちダイエット効果が期待できるということでもあります。

コーヒーは肥満を防止し、ダイエットを助ける
 ある実験によると、平均年齢23歳、身長170p、体重61gの8人の被験者に736iの朝食と砂糖入りのインスタントコーヒー3杯を与えるか、インスタントコーヒーの代わりにデカフェコーヒー(カフェインを抜いたコーヒー)を与えたところ、これらの被験者のエネルギー代謝量は朝食前に比べて朝食後に増加しましたが、その増加度は、デカフェコーヒー飲んだ場合には23%だったのに対して、インスタントコーヒーを飲んだ後では33%と10%も高かったのです。そして、エネルギー代謝への脂肪酸の利用が願著に増加したのはインスタントコーヒーを飲んだ場合だけだったそうです。この実験結果から明らかなように、コーヒーには貯蔵脂肪の分解を刺激する作用がある他に、エネルギー代謝童を増加させる作用も備わっているということになります。その証拠に、別の実験によれば、20歳から46歳の6人ずつの男女計12人に朝食を抜いた条件下で、午前10時半インスタントコーヒーまたはデカフェコーヒーを飲ませ、その直後のエネルギー代謝の量を調べたところ、インスタントコーヒーを飲用した時だけ飲用後30〜60分にかけてエネルギー代謝量が顕著に上昇することが確認されたということです。このように絶食時や食後の一杯のコーヒーには、エネルギー代謝量を増加させ、特に体内の貯蔵脂肪の分解を増大させるダイエット促進効果があることが分かっています。

コーヒーには二日酔いに優れた効果がある


コーヒーは頓服薬に匹敵するカフェインを含有する
 左党を自認する人は、二日酔いの解消の秘策を一つや二つは必ず持っているもので、カキ(柿)を食べるとか牛乳を飲む、ジョギングをする、ぬるいお風呂にゆっくり入るなど二日酔いの解消法を集めたら、それだけで優に一冊の本ができてしまうでしょう。そして、こんなにたくさんの解消法が伝えられていることは、要するに二日酔いに対する決定打がひとつもないという何よりの証拠だとも言えます。確かにその通りかも知れません。しかし、その全て医学的に全く根拠のないものばかりというわけではありません。二日酔いの多彩な症状のうち最も代表的で、かつ辛い症状である頭痛について言うなら、極めて有効な解消法があります。ご存じの人もいるかも分かりませんが、それは1杯のコーヒーを飲むことです。
 二日酔いにつきものの頭痛を起こす犯人は、アルコールが肝臓で分解されて水と炭酸ガスになる途中でできるアセトアルデヒドと呼ばれる物質です。多少の酒なら、飲んだそばからどんどん肝臓が処理してくれますから問題ないのですが、肝臓の処理能力を上回って大量に飲んだ場合は肝臓がフル回転で働いても追いつかず、処理途中のアセトアルデヒドの形で血液中に溜まってしまうのです。アセトアルデヒドには末梢の神経に作用し、頭痛を起こさせる働きがあります。そして、脳の周りを網の日のように取り巻いている細い神経にこのアセトアルデヒドの作用が及ぶと、脳を周囲から締めつけることになるのです。二日酔いに特有のがんがん割れるように痛む頭痛はこうして起こるわけです。この頭痛を鎮めるには、残っているアセトアルデヒドを体外に出して、頭の血液の循環をよくすることが有効なのですが、そのためにコーヒーに含まれるカフェインが役に立つのです。元々頭痛に対しては鎮痛作用のあるアスピリンや鎮静作用のあるバルピタール、また、血管拡張作用のあるカフェインを用いることが最も一般的な治療法であるとされており、これを3つの物質の頭文字を取ってABC療法などと呼ぶ人もありますが、市坂の頭痛薬の殆どはこれを基本にしていると考えてよいでしょう。しかも、1杯のコーヒーの中には頭痛の治療に頓服的に用いられる量に匹敵する0.1から0.2kgものカフェインが含まれています。つまり、カフェインだけに関して言えば、頭痛薬を飲まなくてもコーヒー1杯でも薬の代用ができるということになるわけです。

コーヒーは二日酔い以外の頭痛にも有効
 この他カフェインには尿の出をよくする利尿作用や肝臓などに蓄えられている指肪を血液中に溶かしだす作用があることなども知られています。そのため、尿の出がよくなれば、二日酔いの原因物質である血液中のアセトアルデヒドを排せつするのに役立つでしょうし、また脂肪が燃えやすくなれば、二日酔いで落ち込んだ体力の回復にも繋がることでしょう。このように、コーヒーは頭痛を鎮めるばかりではなく、二日酔いそのものの解消を多方面から助けてくれるというわけです。また、二日酔いだけでなく、勉強のしすぎや根を詰めて仕事をした時などに起こる頭痛も脳血管性の頭痛と考えられます。さらに、首や肩の凝りも頭痛の原因となりますが、これは首や肩の筋肉が異常に収縮し、血液の循環が妨げられたことによって起こる頭痛にほかなりません。こうした場合の頭痛に対してもコーヒー療法を試してみるとよいでしょう。
 ただし、幾ら頭痛の薬になるからと言っても、空腹時にコーヒーをがぶ飲みすると胃潰瘍などを起こしかねないので、くれぐれも注意して下さい。

コーヒーの香りは脳の働きを格段に上げる

 リラックスできる、気分転換によいなど、嗜好飲料として愛飲者の多いコーヒーですが、コーヒーの持っている香りが脳の機能にどのような影響を与えるかを調べた実験によると、コーヒーの香りは情緒を司っている右脳の血流量を増やして脳の働きを活発にすること、また、男性よりも女性の方が影響を受けやすいことが判明したと言います。その実験では、まずはコーヒーの香りと花のラベンダーの香り、それから香りの全くない水を用いて、左右の脳の血流量にどのような違いが出るかを調べたところ、コーヒーの場合は、香りを嗅いだだけで人の快感のコントロールに関係する脳の部位の血液の量がふえることが分かりました。ラベンダーの香りも多少血流が増える傾向が見られましたが、水とそれほど違いはありませんでした。コーヒーを飲むとリラックスできるとよく言われていますが、この実験によって、コーヒーの香りを嗅ぐだけでも脳神経に効果的に働きかけることが分かったのです。さらに次に、男女間での影響の差を調べるためコーヒーとラベンダーの香りを男身各20人の大学生に嗅がせ、色を見分ける作業をしてもらい、その際の脳波の撮幅変化を測定したところ、コーヒーの香りを嗅いだ時の変化は、男性は9.2マイクロボルト、女性は13.0マイクロボルトと、女性の方が3.8マイクロボルト大きいという結果が出たそうです。脳波の振幅変化が大きいということは作業能力が高いということを示しています。もっとも、どうしてこのような男女差が出るのかは分かりませんが、コーヒーの香りを上手くコントロールして使えば知的作業の向上につながる可能性が示されたことは確かでしょう。
少量のコーヒーは脂肪を分解しストレスを解消させる

 ストレスを溜め込まない否決は幾つかありますが、そのひとつが上手に気分転換を図ることです。そのひとつに嗜好品の摂取が挙げられますが、中でもコーヒーを飲むと得られるリラックス感は、「コーヒーブレイク」という言葉があるように気分転換に有効です。また、コーヒーにはこうしたリラックス効果がある一方で、眠気を覚ます作用が知られています。気分をリラックスさせる精神安定効果と眠気を取る覚醒作用(脳神経を興奮させる作用)は相反する作用のようですが、どちらもコーヒーに含まれるカフェインによる作用です。カフェインは医学的な治療にもよく用いられる成分ですが、量によって当然その作用が異なってきます。すなわち、カフェインを多童に投与すると興奮効果が現れ、覚醒作用や利尿作用(尿の出を促進する作用)をもたらします。逆に少量だと鎮痛効果となり、精神を安定させたり頭痛を抑えたりする作用をもたらすのです。また、独特の香りやコーヒーに含まれているたんばく質や脂肪を初めとする多くの成分がカフェインと共に自律神経(意志とは無関係に内臓などの働きを調節している神経)のバランスを保つ働きをし、精神を安定させるのに効果があるのです。また、適量のカフェインは胃液の分泌を促し、脂肪を分解します。リラックス効果をもたらす量のカフェインはコーヒー2〜3杯分に含まれています。気分転換やストレスを感じたときに飲むコーヒーは、1日に2〜3杯がよいでしょう。

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【3】コーヒーの正しい飲み方

 本節では、コーヒー豆の挽き方や淹れ方などコーヒーの美味しく、かつ健康に役立つ飲み方について解説しました。
コーヒー豆の精製

 コーヒーの精製とは、収穫されたコーヒーの果実(コーヒーチェリー)からコーヒー豆を取り出す工程のことを言い、そのコーヒーの精製には主に(A)「非水洗式」と(B)「水洗式」の二種類に分けられます。精製をすませたコーヒー豆は生豆と呼ばれ、黴などの発生を防ぐために水分含量が10〜12%になるよう乾燥して保管され、消費地に輸出されます。なお、豆の精製は主にコーヒー農場などの生産地で行なわれることが多いようです。


非水洗式(アンウォッシュド)
 古くから行なわれている精製方法であり、水の便の悪い産地でも行なえるという利点がある。また、ブラジルの大部分や他の産地の小規模農園で栽培されているロブスタ種に対して行なわれることが多いとされる。収穫した果実を乾燥場に平らに広げ天日干しを行なう方法で、乾燥に要する時間は果実の完熟度合いで異なる。完熟した黒い実では1〜3日程度、未熟な緑色の実では2週間ほどの期間が必要となる。また、乾燥を均一化するために1日に数度攪拌が行なわれる。乾燥後、外皮と果肉、内果皮などを機械的に取り除く。なお、50℃で3日程度乾燥する機械乾燥も行なわれている。

水洗式(ウォッシュド)
 ブラジル以外の産地でアラビカ種に対して行なわれることが多い方法で、非水洗式に比べてコーヒー豆の見た目が整いやすく、商品価値が高くなる利点がある。収穫した果実はまず約1日水に浸けられ、そこで浮いてきた未熟果実が除去され、次いで外皮と果肉を大まかに機械的に取り除いた後、発酵槽と呼ばれる水槽に1〜2日ほど浸けておくが、この過程で、果肉と発酵槽に生息する水中微生物の持つペクチン分解酵素の働きによって、種子を取り囲むペクチン層が分解される。次に水洗いして乾燥させた後、精製工場に出荷され、そこで内果皮を機械によって取り除いてコーヒー豆となる。なお、内果皮を取り除く前のものをパーチメントコーヒーと呼び、この状態で輸出される場合もある。さらに、乾燥を均一化するために1日に数度攪拌が行なわれる。乾燥後、外皮と果肉、内果皮などを機械的に取り除く。また、50℃で3日程度乾燥する機械乾燥も行なわれている。

コーヒー豆の焙煎

 コーヒーの生豆を火力で煎ることを焙煎と言います。焙煎(ロースト)とは、生豆を火力により煎じることによりコーヒー独特の色(セピア)と芳香(アロマ)、風味(テイスト)を作り出す作業で、美味しくコーヒーを楽しむためには、目的に合った焙煎(ロースト)を行なうことが必要になります。そして、通常コーヒーの味の8〜9割はこの焙煎で決まってしまうと言われるほど重要な工程になります。
 生豆を焙煎をしてゆくと、緑色からだんだん茶色になってゆきますが、さらに焙煎を進めていくと、どんどん黒色に近づいてゆきます。薄い茶色の段階が浅煎りで、焙煎が進んで黒色に近づいてきたものを深煎りと言います。なお、焙煎が浅いと、クエン酸やリンゴ酸が作られて酸味が強く、焙煎が深いほど糖質のカラメル化が進んで苦味が強くなります。また、焙煎の度合い(焙煎度)は一般に焙煎の度合いは8段階に分けられていて、浅い方からライトロースト、シナモンロースト、ミディアムロースト、ハイロースト、シティロースト、フルシティロースト、フレンチロースト、イタリアンローストとそれぞれ呼ばれています。


■浅煎り
ライト・ロースト
 最も浅煎りで、コーヒーとして飲むことはまずありません。
シナモン・ロースト
 酸味が強く、苦味はありません。飲むことは殆どありません。
■中煎り
ミディアム・ロースト
 酸味が強く、苦味は僅かです。
ハイ・ロースト
 酸味が抑えられ、苦味が出てきます。コーヒーとして飲むには最もポピュラーな焙煎度です。
シティ・ロースト
 酸味と苦味のバランスがよく、ニューヨークで人気の焙煎度です。
■深煎り
フルシティ・ロースト
 酸味が少なく、苦味があります。表面にうっすらと油が浮いてきます。
フレンチ・ロースト
 酸味が殆どなく、苦味が豊かです。はっきり油が浮いてきます。
イタリアン・ロースト
 酸味がなく、苦味はかなり強いです。黒色に近く、油で光っています。

コーヒー豆の挽き方


電動式ミルと手動式ミル
 焙煎したコーヒー豆を挽くにはミルという器具を使います。ミルには、電動式のものと手動式のものがあります。電動式ミルは粒度(粉の粒の大きさ)が均一で素早く簡単に挽くことができます。一方、手動式ミルは、見た目がお洒落ですし、自分の手でゆったりと挽くのも中々楽しいものです。

適した粒度で挽くのがコツ
 コーヒーの味は、コーヒー豆を挽いた時の粒度によって違ってきます。細かく挽くほど苦味が強く、粗く挽くほど酸味が出てきます。そのため、抽出方法に適した粒度で挽くようにします。

挽く時のコツ
  • 粉の粒度にばらつきがでないよう丁寧に挽きます。
  • 手動式ミルでは余り早いスピードで挽くと摩擦熱が発生して粉が変質してしまいますが、そうなると折角のコーヒーの香りなどが損なわれてしまうので、一定のスピードでゆっくりと挽くようにします。
  • 豆を挽く時に微紛という細かい粉が出ることがありますが、この微紛といっしょにコーヒーを淹れると、タンニンなどの苦味が出てしまいます。そのため、コーヒー豆を挽き終わったら、粉を軽く揺すりながら微紛を吹き飛ばすようにします。

コーヒー豆の挽き具合

 コーヒーを淹れるためには、まずコーヒー豆を挽いて粒状にしなければいけません。この作業をグラインドと言い、コーヒー豆を挽くための器具をコーヒーミルと言います。また、コーヒーの挽き具合は、挽いた豆の粒の大きさ(粒度)により呼び方が変わりますが、その基本的な分類は大きく分けて3分類(細挽き、中挽き、あら挽き)ですが、最近では、エスプレッソを淹れる際に使用する極細挽きや、あら挽きと中挽きの間の中あら挽きなどの区別もされるようになりました。


なぜ挽き具合が違うの?
 同じコーヒを淹れるのでも、なぜ異なる挽き具合があるのでしょうか? それは、コーヒーを淹れる為の器具の特長によって、それに適した豆の挽き具合があるからで、その器具に合った挽き具合を選ばないと、豆の香りや味などの特徴が活かせないからです。

豆を挽くタイミング
 挽いた豆は、湿気などを吸い酸化しやすく、風味の悪化が早くなってしまいます。このことからも、豆を挽くのは飲みたい時に飲みたい量だけ挽くのが一番です。

コーヒーの淹れ方

コーヒーの入れ方

■ペーパードリップ
 ペーパードリップ式は家庭でも簡単にコーヒーを楽しめる一般的な方法で、コーヒーを淹れる度に新しいペーパーフィルターを使うので、とても衛生的な方法です。また、扱いや保管が簡単でありながらコーヒーを美味しく淹れることができるので利用者もそれなりにいます。以下、ペーパードリップ式の一般的な淹れ方を紹介しますが、粉の量や湯を注ぐ回数、方法に決まりがあるわけではありませんので、自分が美味しいと思える方法を試してみるようにしましょう。それがコーヒーを楽しむ一番いい淹れ方でもあります。
使う器具
  • ペーパーフィルター
  • ドリッパー
  • サーバー
ドリッパーには、(A)1つ穴のメリタ式と、(B)3つ穴のカリタ式があります。メリタ式は蒸らしの後、湯を注ぐのは1回で終わらせますが、カリタ式は数回に分けて湯を注ぎます。
手順
  1. ペーパーフィルターの側面にあるミシン目を折り、底部を反対向きに折ります。
  2. フィルターをドリッパーにセットします。この時フィルターを軽く押しつけて安定させます。
  3. セットしたフィルターの中に挽いたコーヒーの粉を入れます。粉は1人分10〜15グラム(※細挽きは少なめ、粗挽きは多めに)。ドリッパーを軽く叩いて揺すり、粉を平らにします。
  4. ドリッパーに湯を注ぎ込みます。ペーパーに湯がかからないように注意しながら、ゆっくりと表面全体が湿るように注ぎます。サーバーにコーヒーが数滴落ちたら注ぐのを中断します。
  5. 20秒くらい蒸らします。
  6. 蒸らしが終わったら再び湯を注ぎます。粉の盛り上がりを見て、湯の量を調節しながら、のの字を書くように注ぎます。(※カリタ式では、これを3回くらい繰り返します)
  7. 人数分のコーヒーがサーバーに入ったら、湯がドリッパーに残っていても構わず外します。

■ネルドリップ
 ネルドリップ式はコーヒーの美味しさが最も引き出されると言われており、このネルドリップ式を好むファンも多くいるようです。ただ、ペーパーフィルターと違い、ネルフィルターは手入れと管理が大変です。その点さえ気をつければ、ペーパードリップ式とさほど変わらない簡単な手順で美味しいコーヒーを淹れることができます。
使う器具
  • ネルフィルター
  • やぐら(※ドリッパーとサーバーがセットになったものもありますが、その場合はやぐらは使いません)
手順
  1. 水につけて保管していたネルフィルターを十分にすすぎます。
  2. しっかりと水気を絞ってから、ネルフィルターをドリッパー又はやぐらにセットします。
  3. セットしたフィルターの中に挽いたコーヒーの粉を入れます。粉は1人分10〜15グラム(※細挽きは少な目、粗挽きは多目に)。スプーンやヘラなどで表面を平らにし、中央に少し窪みをつけます。
  4. 窪みに湯を注ぎ込みます。コーヒーの外側に湯がかからないように注意しながら、ゆっくりと表面全体が湿るように注ぎます。サーバーにコーヒーが数滴落ちたら注ぐのを中断します。
  5. 20秒くらい蒸らします。
  6. 蒸らしが終わったら再び湯を注ぎます。粉の盛り上がりを見て、湯の量を調節しながら、のの字を書くように注ぎます。
  7. 人数分のコーヒーがサーバーに入ったら、湯が残っていて滴っている途中でも構わず外します。
ネルフィルターの手入れと管理
 淹れる前と淹れた後は必ず洗います。新品のネルフィルターは使う前に煮沸しておきましょう。使用後のネルフィルターは、よく洗った後5分くらい煮沸して再び水で洗います。洗い終わったら、干したりせずに、きれいな水につけて冷蔵庫で保管します。なお、臭いがついてしまうので、洗う時に石鹸や洗剤は使わないようにしましょう。

■サイフォン
 サイフォン式は蒸気圧を利用してコーヒーを淹れます。ガラス製のフラスコやロート、アルコールランプなどを使うため、化学の実験みたいで楽しくもあり、おしゃれに見えるかも知れません。ただ、サイフォン式はガラス製の器具を使うので、破損には注意しましょう。
使う器具
  • フラスコ
  • ロート
  • フィルター
  • アルコールランプ
  • 竹ヘラ
手順
  1. フラスコに人数分より少し多めの水を入れて、火をつけたアルコールランプにかけます。
  2. ロートに洗ったフィルターをセットして、挽いたコーヒーの粉を入れます。粉はドリップ式より少し多めに入れます(※1人分で約15グラム、1人増える毎に約10グラムずつ増やす)。
  3. 水が沸騰したらフラスコにロートを差し込みます。
  4. フラスコの湯がロート内に上がったら竹ヘラで粉を掻き混ぜます。
  5. 掻き混ぜた後30〜40秒ほど待ちます。
  6. 30〜40秒経ったら再び掻き混ぜて火を止めます。火を止めると、コーヒーが上のロートからフラスコに落ちてきます。
フィルターの手入れと管理
 使用後のフィルターは、煮沸してから水で洗い、きれいな水につけて冷蔵庫で保管します。

■エスプレッソ直火式
 エスプレッソは、専用の器具を使い、高温高圧の蒸気でコーヒーを淹れます。喫茶店などではエスプレッソ・マシンという機械を見かけますが、家庭でも比較的簡単にエスプレッソ直火式を淹れることができます。
使う器具
  • 上部ポット
  • 下部フラスコ
  • 金属フィルター
  • タンパー
手順
  1. フラスコに湯を注ぎます。
  2. 金属フィルターにコーヒーの粉を入れて、タンパーという道具で軽く押し付けます。タンパーがなければ軽量カップなどの背で押し付けても構いません。ちなみに、エスプレッソでは専用のミルで細かく挽いた極細挽きの粉を使います。
  3. 粉を詰めたフィルターをフラスコにセットする。
  4. 下部フラスコに上部ポットを蒸気が漏れないようにしっかりとセットします。
  5. 火にかけて数分経つと、徐々に上部ポットにコーヒーが吹き上がってきます。
  6. 湯が全部上がると、最後に蒸気だけが出てくるので、ここで火を止めます。

■エスプレッソ・マシン
 エスプレッソ・マシンは、以前は少々高価だったのですが、最近ではエスプレッソ人気のお陰か安価なものも出てきました。ミルク・ノズルなどが付いていて、本格的なカプチーノを作ることもできます。
使う器具
  • エスプレッソ・マシン
  • ハンドルフォルダー
  • タンパー
手順
  1. フォルダーに粉を入れて、タンパーで軽く押し付けます。粉は専用のミルで細かく挽いた極細挽きの粉を使います。
  2. 粉を詰めたフォルダーをマシンにセットします。
  3. スイッチを入れるとコーヒーがでてきます。
  4. カプチーノを作る場合はミルク・ノズルで泡立てたムース状のミルクをエスプレッソに注ぎます。

参考:インスタントコーヒーを本格派にする裏技

 インスタントコーヒーを好んで飲んでいる人もいることでしょう。とは言え、喫茶店などで本格的なコーヒーの味に慣れた人には、インスタントコーヒーがオールドウェイブで物足りない味に思えるのも事実でしょう。そこで、本項では、あえてひと手間かけることでコーヒーをインスタントな味から開放し、美味しくいただけるようにする裏技を参考までに以下で紹介します。ただ、何れにしても、製品に記載された正しい分量で、沸騰前の80度程度のお湯を使い、正しく入れるのが何より美味しく飲むコツです。


少量の湯で練る
 適量のインスタントコーヒーをカップに入れ、少量のお湯で練り、こうすることで熱湯に溶け易くしておきます。その後、少量のお湯を引いた分の適量の湯を注いで入れます。こうすることで粉っぽさが解消され、インスタント独特のチープな舌触りがなくなります。さらに少量のお湯で練った後に冷蔵庫で1日保存すると味に深みが出るとも言います。

電子レンジ
 コーヒーをお湯で溶かして普通に入れた後、電子レンジで温めます。電子レンジによる分子の振動がカクテルのシェイカーのような効果をもたらすのか、こうすることでインスタントコーヒーの分子構造が活性化され、確かに味がまろやかになります。

鍋で煮る
 冷たいままの水をカップに入れて分量を量り、鍋に移し、適量のインスタントコーヒーを鍋に入れて煮ます。ぐつぐつしてきたら火を止めてカップに戻します。これは濃いめの深入りコーヒーが好みの方向きのようです。

麦茶とほうじ茶
 麦茶もしくはほうじ茶でコーヒーを入れます。炭焼きのような香ばしさが増して豊かなコーヒーになります。この方法も濃いめの深入りコーヒーが好みの方向きのようです。

参考:異国のコーヒーの飲み方


フランス
 パリジャン、パリジャンヌの朝の始まりはもちろんカフェオーレ。ホットコーヒーとホットミルクを半々で入れてクロワッサンといただきます。しかし、フランス人にとっての定番はカフェオーレばかりではありません。食事の後、路上のカフェではカフェ・ノワール、つまり濃いめのブラックをデミタス・カップでじっくり味わいます。

イタリア
 バルと呼ばれる立ち飲みコーヒー屋でエスプレッソをグッと飲み干し、さっと出てゆくというのがこちら風小粋なやり方です。街角ならずとも食後の一杯、おしゃべりの一杯と、コーヒー好きのラテン民族のゆくところエスプレッソが必ずついて廻ります。このコーヒー「濃くなければただの水」と言われるぐらい深煎りで、これを小ぶりのデミタスカップ何杯も飲みます。

オーストリア
 森の都ウィーンは美味しい水に恵まれ、乳製品も豊富なだけにコーヒーの魅力が充分に発揮できる町です。冷たい生クリーム、ほろ苦いコーヒー、そして段々と増してくる甘さ。栄光のコーヒーと呼ばれて世界にファンが多いウィンナーコーヒーはもちろんこの街が本家です。ただし、ウィーンに行ってウィンナーコーヒーと注文しても通じないので注意が必要です。

スウェーデン
 北欧には想像以上にコーヒー好きの国が揃っていて、この国もそのひとつです。日本の3倍ぐらいある大きなカップで濃い目のコーヒーをごくごく飲むのがこの国のモーニングスタイルです。

イギリス
 世界に名だたる紅茶王国だけに、コーヒー派は少々肩身が狭いのも仕方のないところかも知れません。それでも若い層には気どりのないアメリカ風のコーヒーブレイクが浸透中で、紅茶にクッキーという伝統的なティータイムを大切にしてきたオールド・ジョンブルを泣かせていると言います。

アメリカ
 何かにつけて大らかなアメリカ人のコーヒーは大ぶりのカップに並々と注がれたアメリカンにとどめを指します。日本でアメリカンと言えばライト感覚のコーヒー、すなわちお湯割コーヒーなどという認識もありますが、本来は浅く煎って豪胆な味を楽しむものなのです。もっとも今のニューヨークでは、エスプレッソやカプチーノが主流になりつつあります。

ロシア
 ルシアンコーヒーと言えば、コーヒーに砂糖、ココアを加えたものです。サモワールで紅茶を入れるのはよく知られていますが、レモンやリンゴ、ナシなどフルーツの輪切りを添えたコーヒーも好まれています。

トルコ
 朝食のことをこちらでは「コーヒーの前」と言うそうです。すべからくトルコ人はこの調子でコーヒーとの付き合いも分かるというものです。入れ方は、まず深煎りの豆を極細に挽き、長い柄の付いたイブリックという小さなポットにお湯と砂糖を入れ、これに粉を加え、火にかけた後、デミタスカップに注いで味わいます。つまり、粉もそのままついでしまうわけで、沈むのを待って上澄みを静かに啜るのがこのターキッシュコーヒーの醍醐味です。残った粉でのコーヒー占いもご当知ならではと言ってよいでしょう。

北イエメン
 街角でタバコ屋に入ってもコーヒーのもてなしが待ているという国柄。さすがコーヒーの発祥の地と言えます。飲み方はミルク、砂糖を入れずに、カルダモンドのスパイスを効かせていただきます。飲んだ後は水など飲まずにコーヒーのフレーバーをたっぷり楽しみます。これは厳しい暑さを耐え抜く砂漠の民の知恵でもあり、心地よい刺激が暑気払いに役立つと言います。また、イスラムの国々でコーヒーを共に飲むことは友好の大事な証でもあるので、もてなしを断わってはいけません。

ブラジル
 砂糖をたっぷり入れたコーヒーをデミタスで一日何杯も飲みます。これをカフェ・ジーンヨ(小さなカップの意)と言い、ブラジル人の生活にどっぷり入り込んでいます。入れ方はドリップ式がポピュラーですが、トルコ風に煮立てたりもします。味は一般的に農厚でミルクをたっぷり注いだ朝の一杯の他は、このコーヒーを入れたポットを人が立ち寄るところに置いて誰でも手軽に飲めるようにしています。病院の待合室にもコーヒーがあるのはこの国の当たり前の風景です。

コロンビア
 大生産国の例に漏れず、自国民が飲むコーヒーは輸出規格外の中流品かそれ以下のものが殆どですが、それでもお湯の中に黒砂糖とコーヒー粉を入れて煮立たせた後に上澄みを飲むティントを殊の外愛しています。


参考:世界のコーヒー名
  • 英語:coffee(コーフィー)
  • スペイン語:cafe(カフェ)
  • ドイツ語:kaffee(カフェー)
  • イタリア語:caffee(カフェ)
  • ロシア語:kophe(コーフェー)
  • ギリシア語:kafeo(カフェオ)
  • オランダ語:koffie(コーフィー)
  • スウェーデン語:kaffee(カフェ)
  • デンマーク語:kaffee(カフェ)
  • ハンガリー語:kave(カベー)
  • ポーランド語:kawa(カワ)
  • ルーマニア語:kafea(カフェア)
  • フィンランド語:kahvi(カービィ)
  • マラヤ語:kawa(カワ)

健康維持のためにもコーヒーを飲もう!
忙しい人ほどコーヒーブレイクを

 食後や仕事の合間のティータイムは、忙しい毎日の中でもほっとできるひと時です。このリラックスする時間にコーヒーやお茶を楽しむことは、身体と心をリフレッシュさせるだけでなく、病気の予防にも役立つとても大切な時間となるでしょう。
 コーヒーはむしろ脳卒中その他の病気のリスクを増加させるのではないかと思っている人も多いようです。確かに以前はコーヒーはどちらと言うと健康に有害であるというイメージを持たれていました。しかし近年、糖尿病の予防効果が報告されるなど、コーヒーはむしろ健康によい飲み物だととイメージチェンジしつつあります。昔の悪者のイメージは、コーヒー愛好者に愛煙家が多いことが影響していたようにも考えられます。喫煙による健康被害の責任がコーヒーに被せられていたのでしょう。コーヒーが胃炎や胃潰瘍の原因になるという一般に信じられている説も今や科学的な根拠はないということが判明したそうです。
コーヒーをたくさん飲むほど脳卒中のリスクが低下

 最近、コーヒーを飲む習慣には脳卒中のリスクをかなり低下させる効果があることが分かりました。ある研究によると、1日に2〜3杯のコーヒーを飲むことで、殆ど飲まない人と比べて脳卒中のリスクが2割減少すること、また、週に5〜7杯のコーヒーを飲む人でもリスクは12%低下することが分かったそうです。また、カフェイン抜きコーヒーでもこの脳卒中の予防効果が見られたそうです。この効果はコーヒーに含まれるどの成分によるものかはまだ明らかではないものの、何れにせよカフェイン以外のポリフェノール類などがよい効果をもたらしているようです。また、別の研究でも、毎日6杯以上のコーヒーを飲む人々は、1日に1〜2杯のコーヒーを飲む人々と比べて一過性脳虚血発作(TIA)か脳卒中を起こすリスクが約4割も低下すること、そして、コーヒーを飲む習慣には脳卒中のリスクの低下に繋がる血管の保護効果もあることが分かったそうです。ちなみに、一過性脳虚血発作はミニ脳卒中とも呼ばれているもので、実際に小さい脳卒中が起きて、たとえば視野の半分が見えなくなる半盲や、どちらか半身の痺れや脱力、ろれつが回らなくなるなどの脳卒中の症状が出ますが、数分から数時間、或は1日程度で消えるものを言います。一過性脳虚血発作を起こした人は将来大きい脳卒中を起こすリスクがかなり高くなることが分かっています。
 このようにどちらの研究も、コーヒーを飲む量が増えるほど脳卒中のリスクが低下するらしいことを示しています。脳卒中は死に至るケースも少なくないことに加えて、幸い助かったとしても多くの場合で障害が残ります。このため、予防が大切になるわけですが、その予防のためにも日頃からコーヒーを愛飲しておくのもよいでしょう。
緑茶や紅茶にも脳卒中の予防効果

 コーヒーだけでなく、緑茶や紅茶を飲む習慣も脳卒中のリスクを低下させるそうで、ある研究によると、お茶を1日に3杯飲む人は殆ど飲まない人と比べて脳卒中のリスクが 21%減少することが分かったそうです。そして、お茶が緑茶であるか紅茶であるかは余り重要ではなかったが、ただし、いわゆるハーブティーには脳卒中を予防する効果は見られなかったとのことです。そして、この研究でも、お茶の摂取量が増加するのに比例して脳卒中のリスクが低下することが分かったとのことで、お茶を6杯飲む人は効果が2倍になって、脳卒中のリスクが4割程度低下することが期待できるようです。ちなみにこの効果は、お茶に含まれるカテキンの一種かアミノ酸のテアニンによるのではないかと考えられるそうです。
コーヒーはやはり血糖に悪影響!?〜糖尿病になってしまったらコーヒーの飲みすぎに注意しよう〜

 上でコーヒー愛好者には糖尿病が少ないようなことを書きましたが、それに対して、コーヒーに含まれるカフェインが血糖に干渉して糖尿病を悪くするという警告が出たそうです。それによると、コーヒーに含まれるカフェインが血糖に干渉して糖尿病を悪くするらしいのです。ある研究結果によると、食事の時に飲むコーヒー(カフェイン)が食後の血糖上昇や血中インスリン濃度上昇に強く関与することを見つけたと言うのです。
 これは、コーヒーが糖尿病を予防するという説と一見矛盾するようですが、実は糖尿病の予防と、糖尿病を発症してからの心得とは必ずしも同じではないのです。それというのは、予防と治療とでは食事の栄養素の配分も変わりのは当然で、糖尿病者は食後の高血糖(ブドウ糖)を防ぐために食事の炭水化物(ブドウ糖)の量に注意しなくてはなりませんが、しかし、糖尿病予防にはウエイト・ロスが大切なので低脂肪・高炭水化物食の方が合うのです。そして、健常者は食後1時間ほどでブドウ糖がきちんと代謝されるのに対して、糖尿病の人、特に2型糖尿病患者が食事の時にコーヒーを飲むと、血糖(ブドウ糖)やインスリン濃度の低下に時間がかるようになるのです。要するに、コーヒーに当て嵌めてみると、疫学的にはコーヒー愛好は糖尿病予防に有効ではあるものの、糖尿病になってしまった人たちがコーヒーをがぶがぶ飲むのはよくないと考えることができるわけです。
コーヒーの上手に飲みましょう

 個人差はありますが、一時的に軽い頭痛や疲労感、眠気などの軽いカフェイン禁断症状になる人が稀にいて、それでも長くて2日ほどで消えます。この症状は、急にカフェインを絶つのではなく、徐々に摂取量を減らせば簡単に絶つことができます。
 もっとも普通に飲む限り、コーヒーが胃を悪くすることはないそうです。コーヒーで胸焼けがしたり気分が悪くなるという人がいますが、その原因を調べてみると、酸化したコーヒーを飲んでいることが原因であることが多いそうです。コーヒー豆は焙煎してから約2週間が賞味期限で、それ以上経つと腐敗してゆきます。また、ストレスや神経疲労が高い時についコーヒーをたくさん飲んでしまうケースが多いものですが、コーヒーを飲んで胃が荒れたと感じる人は今の生活習慣やストレス環境を見直してみるのもよいでしょう。
1日何杯ぐらい飲めばいいのでしょう?

 コーヒーの場合、豆の種類や焙煎の程度、淹れ方によって成分が変わってしまうので、単純に何杯がよいということはできません。また、コーヒーを飲む量が多ければ健康効果が高いという研究もありません。コーヒーと心臓病との関係については現時点では明確な関係は否定されていますが、欧米では研究は続行中です。それでも強いて言えば、通常の生活では食後を含めて5杯程度までが妥当な杯数ではないかと考えられます。
お茶の時間を楽しむ余裕が心と身体を健康に

 コーヒーの芳香やお茶のテアニンには精神を安定させるリラックス効果があることも分かっています。また、記憶力など脳の認知機能の低下を予防する作用もコーヒーやお茶にはあるようです。忙しくても1杯のコーヒーを味わう時間を大切にしたいものです。お茶の時間を楽しむ余裕は、皆さんの心と身体の健康に確かに役立つことでしょう。ただし、不眠症や不安症、高血圧や心臓病などを持つ人は、コーヒーによって悪影響を受ける恐れもありますので、脳卒中の予防に役立つからといって無理にコーヒーを飲むことはオススメできません。
参考:コーヒーに関する本


◆参考図書
岡希太郎『珈琲一杯の薬理学』医薬経済社 石脇智広『コーヒー「こつ」の科学 コーヒーを正しく知るために』柴田書店
小沢卓也『コーヒーのグローバル・ヒストリー―赤いダイヤか、黒い悪魔か』ミネルヴァ書房 嶋中労『コーヒーに憑かれた男たち』中公文庫


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