| 【3】くも膜下出血の治療と症状と治療及び対処 |
くも膜下出血も脳卒中の一種ですが、いったん出血が起こると死に至ることもある恐ろしい病気です。本節では、その怖いくも膜下出血とはなにか、その症状と予防などにつき、以下でなるべく詳しく取り上げ解説しました。
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| くも膜下出血とはどんな病気か? |
皆さんもくも膜下出血という病気を聞いたことがあると思います。新聞の死亡欄でもよく見かけますし、ご家族や友人でくも膜下出血になって亡くなったり寝たきりになった人もいることと思います。記憶に新しいところでは、昨年4月に読売ジャイアンツの木村拓也コーチが、コーチ中に突如襲った突然のくも膜下出血で急逝されました。この木村コーチの生命を奪ったくも膜下出血では、年間2万人程度の人が発症し、そのうち約1万4人ほどが命を落としていると言われます。
 くも膜下出血は、脳の表面を走る動脈に出来たコブ(動脈瘤)が、血管の内側からの圧力で少しずつ膨らんだ末に破裂し、脳とくも膜との間に出血する病変で、脳血管に小さな血の塊が詰まる脳梗塞や脳内で血管が破れる脳出血に比べ、発症者は少ないものの、死亡する割合は3〜5割と非常に高い、その意味で恐ろしい病気です。くも膜下出血は、高血圧の持病のある人や喫煙者などで発症の割合が高くなると言われます。スポーツも一時的に血圧が高まるため、動脈瘤破裂の引き金を引く心配があります。血管の壁が生まれつき弱く、コブが膨らみやすい体質を持つ人がいると見られており、特に50歳代が脳動脈瘤破裂の割合が最も高いと言われますが、脳動脈瘤があれば30代で破裂してもおかしくないと言います。
このことからも分かるように、くも膜下出血は重篤な病気で、発症するとおよそ3分の1の人が死亡し、3分の1の人が障害を残しますが、残り3分の1の方は元気に社会復帰することが出来ます。このくも膜下出血は中年以上の人では脳の動脈にできた脳動脈瘤、若い人では生まれつき持っている脳動静脈奇形(AVM)というものが破裂し、出血して起こるものです。また、脳は3層の髄膜で囲まれていて、その中間の膜がくも膜です。脳動脈瘤は脳とくも膜の間にあるので、脳動脈瘤が破裂すると血液がくも膜と脳表の間に凄い勢いで広がります。このようにくも膜の下に出血が起こるので、くも膜下出血と言います。出血は血圧と同じ圧で起こりますから、頭蓋内圧が血圧と同じになった時点で出血は止まりますが、これが一瞬の間に起こり、それに絶えられないと呼吸が停止してしまい、突然死となりってしまうのです。また、脳は通常髄液という透明な液の中に浮いていますから、血液に晒されると色々なことが起こってきます。ですから、くも膜下出血が幸いに軽症であっても、起こってから2週間は目が離せません。また、脳動脈瘤は余程大きくなって周囲の組織を圧迫しない限り何の症状もありませんから、従って元気な人でも、突然脳動脈瘤が破裂してくも膜下出血となる可能性があるわけです。くも膜下出血は脳卒中の一種です。脳卒中全体の死亡率は年々減少してきましたが、くも膜下出血の発症数や死亡数は殆ど変化がありません。年間2万人程度の人が発症し、そのうちの4分の3程度の人が亡くなっていると言います。
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| くも膜下出血の症状 |
くも膜下出血は突然の頭痛で発症します。この頭痛は今まで経験した中で一番痛いものだと言われ、後頭部をハンマーで殴られたような痛みと表現する人もいます。重症の場合は大声で叫び、倒れてそのまま呼吸が止まってしまう場合もあると言います。こういった重症例は15%ぐらいと考えられていますが、この場合、直ぐにマウスツーマウスで人口呼吸をすれば意識が戻って来る可能性がありますが、実行された例は殆どなく、中等症の場合は一瞬意識がなくなっても戻って来ます。脳内出血と違い、片麻痺等の脳局所症状が起こることは少なく、頭痛と嘔吐、意識障害が主な症状です。軽症では頭痛が続き何となくおかしいという症状で、歩いて外来に来られる場合もあります。
くも膜下出血の危険因子は喫煙や高血圧、女性の経口避妊薬などがですが、高血圧の人に起こるとは限りません。起こる時は睡眠中が10%、通常の状態が35%、排便や性交、重労働などの緊張や努力時が40%程度で、やはり力んだ時に多いと言えます。くも膜下出血は全身にも影響を及ぼし、不整脈や目の中の出血を起こします。また、くも膜下出血は軽症であっても、また病院に入院出来ても安心は出来ません。くも膜下出血を起こした人の20%程度が再破裂します。これは最初の6時間で最も多くその後徐々に破裂率は下がってきますが、再破裂はくも膜下出血の死因の大きな原因となっているので、要するに入院して検査をして手術を待っている間にも再破裂する可能性があるわけです。さらに手術後も安心は出来ません。くも膜下出血は脳表に広がります。今まできれいな髄液の中に浮いていた脳が急に血液に晒されますので、脳や脳血管が様々な反応を起こします。そのうち重大な症状を起こすものが脳血管れん縮と言って脳の太い血管がギュッと縮んでしまうものです。脳血管が縮むとその先へ血液が行かなくなりますから、脳梗塞を起こして片麻痺や失語が出ます。これは発症から1週間前後で起こります。また、髄液の流れが停滞して水頭症を起こすこともあります。発症から安心出来る状態になるには最低2週間かかりますから、軽症でも1〜2ヶ月の入院となります。1番影響を及ぼすのは最初の脳障害の程度です。くも膜下出血以外にも脳内出血を合併することもあり、その場合には片麻痺などの症状が残ります。また、最初の出血で意識障害が強い場合は死亡や遷延性意識障害となる例が多くなります。重症例も多いですが、3分の1の例で元気に社会復帰できます。
| ■脳動脈瘤が破裂したらどうなるのか? |
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典型的症状 |
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くも膜下出血の典型的症状は経験したことのないような突然の激しい頭痛で、そのまま意識をなくすこともあります。 |
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警告症状 |
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本格的な出血の前に少量だけ出血し、比較的軽い症状を来すこともあります。頭痛やむかつき、意識消失、目眩などが主症状ですが、これは警告症状として注意を要します。 |
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出血後の経過 |
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クモ膜下出血をきたした後で重要な点は、出血が1時的に止まっていても、しばしば再出血を来して状態を非常に悪化させることです。また、出血後数日から2週間ほど経過してから脳の血管が異常に細くなることがしばしばあり、これも状態を悪化させます(遅発性脳血管撃縮)。その他、脳や全身に生じる様々な合併症も状態を悪化させる要因になります。 |
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| くも膜下出血の診断及び検査 |
突然起こった強い頭痛の場合は、くも膜下出血の可能性も考えてとにかく病院へゆくことをオススメします。患者の話を聞くと、頭痛が起こった瞬間を秒単位でハッキリ言うことが出来ると言いますし、或は後頭部から頭頂部に向かって燃えるように熱くなったという人もいます。従って、「段々痛くなってきた」とか「気がついたら痛かった」といった場合は殆ど違う種類の頭痛です。また、この頭痛は数日続き、いつもの頭痛と様子が違い、殆どの例は出血当日に病院に来ますが、その場合はCTスキャンを行なえば診断は容易です。しかし、軽症の場合や発症して数日経った場合はCTでも分からないことがあり、その場合はベッドに寝て首が固くなっているかどうかを調べますが、これがあるとかなり疑わしくなります。症状からどうしてもくも膜下出血が否定できない時は腰椎穿刺と言って背中から針を刺して髄液を採取し、この髄液に血液が混ざっていればくも膜下出血と診断されます。そして、くも膜下出血と診断した場合は脳血管撮影を行ないます。股の動脈から針を刺して脳の血管にカテーテルを入れて造影し、この検査で破裂した脳動脈瘤を確認します。MRIはくも膜下出血の急性期には余り有用ではありませんが、MRAと言ってカテーテルを入れなくても脳血管を写しだす方法があり、これで脳動脈瘤の診断が出来ます。
| ■くも膜下出血の検査法 |
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頭部CT検査 |
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診断には頭部のCT検査が適しています、これにより脳表面にたまった出血が白い影として見られます。ただし、出血後日数が経つと次第に影は薄くなり、診断しにくくなります。 |
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腰椎穿刺 |
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くも膜下出血が疑われるにも拘らず、頭部のCT検査で出血が明らかでない場合には腰椎穿刺を行ない、くも膜下出血の有無を確認する必要があります。これは腰から注射針を刺して脳脊髄液を採取し、出血の有無を調べる方法です。 |
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脳血管撮影 |
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くも膜下出血と診断された場合にはその出血源を明らかにすることが大切で、そのため、脳血管撮影検査で脳血管の精密な検査を行ないます。1回の検査で出血源が発見出来なかった場合には日を置いて検査を繰り返します。 |
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| くも膜下出血の治療 |
脳動脈瘤が破裂してくも膜下出血を起こした時には、まずは再出血の予防を行なうことが最も重要です。次いで遅発性脳血管撃縮の予防と治療を行ないます。その他、水頭症や脳内血腫など脳の合併症や他の全身合併症への適切な対応も必要になります。
| 初期治療 |
くも膜下出血の発症直後は安静を保ち、鎮痛、鎮静を図ります。重症の場合には呼吸や心臓の機能にも注意を払わねばなりません。
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| 再出血予防処置 |
再出血を予防する方法として、(1)開頭手術によるもの、(2)開頭せず、血管内治療によるものとがありますが、しかし、その両方ともが困難な場合には、(3)保存的治療(薬物などによる内科的治療)を行なうことになります。なお、どの治療法が最善かは、患者さんの重症度や年齢、合併症、脳動脈瘤の部位、大きさ&形などを考慮した専門的な判断が必要となります。どちらの方法でも、出血後早期
(※3日以内)に行なうことが薦められます。
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開頭手術 |
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何種類か方法がありますが、出来れば専用のクリップを用いて脳動脈瘤の根元を挟み、出血を防ぐ方法をとります(クリッピング術)。 |
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血管内治療 |
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何種類か方法がありますが、出来れば脳動脈瘤の内部にコイルを詰めて内部を閉塞してしまう方法(コイル塞栓術)を行ないます。 |
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| ■ |
保存的治療 |
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過度の血圧上昇を抑え、安静を保ちます。再出血予防効果は充分とは言えません。 |
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| ◆参考1: |
開頭手術」による脳動脈瘤クリッピング術 |
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開頭術により脳動脈瘤、特にその根元(頚部)を確認し、専用のクリップ (脳動脈瘤クリップ)で挟み、動脈瘤から出血しないようにします。 |
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| ◆参考2: |
血管内治療によるコイル塞栓術 |
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太股の付け根の動脈から血管内に細いカテーテルを通し、先端を脳動脈瘤まで誘導します。このカテーテルを用いて脳動脈瘤の内部に極めて細いコイル(マイクロコイル)を少しずつ詰めてゆき、内部を塞いで出血しないようにします。 |
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| 遅発性脳血管掌縮の予防と治療 |
遅発性脳血管攣縮の予防や治療にも幾つかの専門的な方法があります。これらの治療にも拘らず強い血管撃縮が起こると、脳血流が不足して脳梗塞を生じ、状態は非常に悪化します。
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| 急性期以後の治療 |
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脳室腹腔短絡術(VPシャント) |
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急性期を過ぎる頃から脳脊髄液の吸収不良による水頭症を発生することがあります。意識障害が続いたり、痴呆症状や尿失禁、歩行障害などが見られます。脳脊髄液をお腹(腹腔内)に流す脳室腹腔短絡術(VPシャント)を行なう必要があります。 |
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| ■ |
リハビリテーション |
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一般的には早期に開始することが勧められますが、くも膜下出血の場合には再出血や脳血管攣縮、水頭症その他の合併症に留意して患者毎に考える必要があります。 |
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外来診療 |
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退院した後も当分の間は外来に通院し、定期的診察や検査を受けることが勧められます。また、再出血の予防処置が取られていても、少数の人では長期間の間に脳動脈瘤が再び増大したり再出血を来す場合もあります。 |
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| くも膜下出血の予防 |
| くも膜下出血を予防するには? |
くも膜下出血の発症には生活習慣と遺伝的な体質が大きく関わっています。
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高血圧の方は血圧のコントロールを |
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高血圧はくも膜下出血の危険因子です。医師の指示に従って標準値(130/85mmHg)となるように血圧の管理をしましょう。 |
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お酒は控えめに |
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適度な飲酒(※1日1合以下)は予防に繋がるものものありますが、多量の飲酒は却って逆にくも膜下出血の原因となります。飲みすぎにはくれぐれも注意しましょう。 |
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| ■ |
禁煙に努める |
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タバコは血管を収縮させ、脳動脈瘤破裂の危険が高まります。タバコは早ければ早いほど予防効果があるので、1日も早く禁煙をしましょう。 |
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適度な運動を心懸ける |
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タバコは血管を収縮させ、脳動脈瘤破裂の危険が高まります。タバコは早ければ早いほど予防効果があるので、1日も早く禁煙をしましょう。 |
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| ■ |
適度な運動を心懸ける |
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適度な運動によって、くも膜下出血の原因ともなる高血圧の予防になります。体力に合った運動(※ウォーキング、サイクリング、ハイキングなど)を続けるようにしましょう。 |
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ストレスは溜め込まないで発散を |
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緊張すると、血液が濃縮して流れにくくなってしまいます。ストレスを溜めないように、自分の趣味を活用して適度に気分転換をするようにしましょう。 |
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| ■ |
血縁者に発症者がいる場合は脳動脈瘤を持っているか検査を |
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くも膜下出血の多くは脳動脈瘤の破裂でおこります。脳動脈瘤は遺伝的な体質の関与が大きいことが分かっています。脳ドックをオススメします。 |
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| くも膜下出血の予防に役立つ検査 |
CT、MRI、MRAなど各種検査を定期的に行なうことで、くも膜下出血の原因となる未破裂脳動脈瘤(脳動脈瘤の破裂前の状態)が発見される場合があります。ただし、未破裂脳動脈瘤が発見されたからといって、全ての患者が直ぐにくも膜下出血を起こすわけではありません。なお、発見時には医学的情報に基いた正しい説明(インフォームド・コンセント)を充分行ない、手術が必要と思われる場合にも、未破裂脳動脈瘤の大きさや形、検査を受けた人の年齢などを総合的に判断し、同意を得た上で行なわれます。
※注:未破裂脳動脈瘤の自然歴(自然の状態にしておいた場合)は、決定的な数値はまだありませんが、破裂する可能性が年間0.5〜1.9%で、おおよそ1%と推定されています。
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| 参考:脳ドックについて |

脳ドックとは脳を専門に検査する人間ドックで、CT、MRI、MRAによる画像検査を行ないますので、くも膜下出血の原因となるような未破裂脳動脈瘤などの発見が可能です。現在では、全国各地の病院やクリニック、健康センターなどで脳ドックを受診することが出来るようになっています。
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| 【4】脳卒中&脳梗塞の予防法とリハビリ |
脳卒中や脳梗塞も日頃からの生活改善に心懸けることで予防することも可能です。本節では、脳出血予防のための食事法やリハビリなどについても取り上げ解説しました。
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| 脳卒中と脳梗塞の予防 |
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コップ1杯の水が脳梗塞を予防 |
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脳梗塞が起きると、障害部位に応じて様々な症状が現われます。脳は全身のあらゆる機能の司令塔です。左右の脳から出た神経は首の部分で交差して全身へと伸びています。そして、運動障害や感覚障害は、もしも右脳に発生した脳梗塞ならば左半分に症状が現われ、左脳に発生した脳梗塞ならば右半分に症状が現われます。従って、身体の左右のどちらかが動かせないとか、力が入らない、痺れる、感覚が鈍くなる、片方の目が見えずに視野が半分かけたりする。或は言葉が出て来なくて、ろれつが回らないとか、足許がふらつく、目眩がする、立てなくなって倒れる・・・このような症状が現われたら、真っ先に医療機関を受診することをオススメします。特に高血圧や糖尿病がある人は直ぐに受診した方がよいでしょう。
そんな訳で、夏の脳梗塞を防ぐ対策として、もちろん夏ばかりではありませんが、小まめに水分を補給して体内に水分を送ることが大切です。また、体内の水分が不足すると、尿の色が濃くなります。また、湿度や気温が高いと汗を多くかきますし、身体が脱水状態になると、血流が悪くなり、血栓が出来やすくなります。そして、血栓は血管を詰まらせる原因になります。従って、夜寝る前のコップ1杯の水を飲むことが脳梗塞の充分な予防にもなるのです。 |
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初期兆候の発見が健康のカギ |
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1分間に80メートル以上という速足の女性は、普段歩かない女性と比べて脳卒中を発症する危険性が約4割低いことが最近分かったそうです。また、速さに関係なく小まめに歩く女性も同様の効果があったと言います。このような事例が散歩の有効性を示す成果として最近注目されています。ちなみに、ある調査によると、歩く頻度を問わず、分速80メートル以上の人が脳卒中になる危険性は普段歩かない人と比べて37%低いことが分かったそうで、これが分速53メートル以下のゆっくりと歩く場合の危険性は18%減に留まったそうです。しかし、週に2時間以上歩く人は、速度に関係なく、歩かない人に比べ30%低いことも判明したそうです。その一方で、脳卒中のうち特に死亡率が高い脳出血では、分速80メートルの人で、歩かない人に比べ危険性が68%、週2時間以上歩く人は57%とそれぞれ低かったと言います。ちなみに、歩行を含めた適度な運動は高血圧を防ぐ効果があると言われていますが、その調査では男性の場合には明確な関連性が認められなかったそうですが、性別の違いに拘らず、健康のために小まめに積極的に歩くことがオススメです。 |
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| ■脳梗塞予防チェック〜思いあたるものをチェック!〜 |
| 脳梗塞は、脳の血管が詰まり、血液が行き渡らずに脳細胞が死んでしまう病気で、その主な原因は高血圧や糖尿病、高脂血症、加齢による動脈硬化、心疾患などです。血管の詰まる場所にもよりますが、意識障害や片方の手足の麻痺、ろれつが回らなくなるといった症状が出て後遺症が残ります。また、突然襲って来る脳梗塞ですが、多くの場合、手足の痺れや片方の視野が狭まるといった一過性脳虚血発作が起こります。一時的な発作は数十分程度ですが、その後は何事もなかったかのように元通りになるため、放っておいてしまいがちですが、数回繰り返してしいまうと脳梗塞を発病してしまいます。脳梗塞を予防するために、次のような症状が1つでもあれば早めに病院を受診しましょう。 |
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| □ |
手が震えて、急に字が下手になったり書きにくくなった |
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手に持ったコップの水をこぼしたり、コップを落としたりする |
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転んだり躓いたりするようになり、階段の上り下りが不安になった |
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| □ |
口の周りが痺れたり、舌がもつれて言葉が出ないことがある |
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視野が狭くなって見えにくくなり、二重に見えたりする |
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食事中にむせることが多くなり、飲み込みにくいことがある |
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元気がなく、疲れやすくなり、寝つきが悪くなった |
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肩こりが激しく、後頭部や側頭部が痛いことがよくある |
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| ■脳卒中予防10カ条 |
| 脳卒中(脳血管疾患)をどのように防ぐことができるのでしょうか? 死の四重奏とも言われる高血圧、高脂血症、糖尿病、肥満は、そのどれを取っても動脈硬化に繋がる可能性があります。そして、その根本となっているのは、食事を基軸する生活習慣です。殆どの人は、以下の何れかの項目に思い当たる節があるはずです。最初から「面倒だ」「出来ない」ではなく、出来ることから少しずつ始めてゆきましょう。 |
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| ■ 1) |
自分の血圧を知る |
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何よりもまず血圧です。最近では、病院以外の様々な施設でも自動の血圧測定器を見かけます。個人で購入する人も増えているようです。日頃から意識して血圧をチェックし、自身の平均血圧を把握するよう心懸けましょう。それが基礎疾患の管理に繋がります。 |
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| ■ 2) |
急激な温度変化を避ける |
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寒い時期の発症率は、暑い時期の1.5倍になります。暖かい場所から急激に寒いところへ移動すると、心臓の負担になるか、または血圧が急上昇し、脳卒中を惹き起こす場合があるからです。冬の間は廊下や夜間のトイレ、お風呂の脱衣所などは出来るだけ小さな暖房器具などで暖かくするようにしましょう。 |
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| ■ 3) |
ストレスを溜め込まない |
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嫌な物事に直面した時、人間は本能的に逃げるか、もしくは戦うかを判断します。そのとき脈拍が速くなり、血管が収縮して血圧が上昇します。精神的緊張や不安が持続すると、この一連の反応も慢性化し、循環器に負担をかけます。従って、入浴や音楽鑑賞など自分なりのリラックス方法を見つけることが大切です。なお、(1)優等生タイプ、(2)落ち込みタイプ、(3)無気力、無関心タイプの人は特に要注意です。 |
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| ■ 4) |
過労・睡眠不足を避ける |
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2002年度の統計(厚生労働省)によると、過労により脳疾患や心臓疾患を起こした人は、死亡者を含め合計317人(前年143人)で過去最高となったと言います。その中には高血圧症などの既往症のある人が多いようです。肉体的過労やストレスから来る心労は自分で上手くコントロールする必要があるでしょう。 |
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| ■ 5) |
トイレに注意 |
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トイレは温度差にも注意が必要ですが、排便時の力みで血圧が上昇します。特にくも膜下出血の20%は用便中に起きています。トイレの工夫として、(1)暖かい服装でゆいく、(2)トイレを暖かくする、(3)力みすぎない、(4)外から開けられる外開きドア、(5)洋式便座、(6)手摺りを取り付ける、(7)非常用ブザーを取り付けるなどが挙げられます。 |
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| ■ 6) |
バランスの良い食生活を |
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最も注意すべきは塩分です。塩分は腎臓から排泄されますが、過剰に摂取すると、血液中のナトリウムの濃度が上がります。すると、その濃度を下げようと血液中に水分が増えて血液量が多くなり、血圧が高くなります。現在、私たちは1日に約15gの食塩を摂っていますが、実際は10g程度、高血圧の人は7gが理想です。
- 濃い口醤油(大匙1):2.6g
- 薄口醤油(大匙1):2.9g
- 塩鮭(一切れ):1.1g
- 梅干(1個):3.3g
- 味噌(大匙1):2.0g
- カップ麺(一人前):5.0g
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| ■ 7) |
お酒はほどほどに |
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お酒は、適度な量であれば血圧を下げ、動脈硬化を防ぐ効果があると言われています。逆に飲みすぎると、動脈硬化や高血圧、糖尿病など様々な病気を誘発します。アルコールの適量は約20gで、種類で換算すると以下のようになります。
- ビール 中ビン1本(500ml)
- ワイン グラス2杯(1杯120ml)
- 日本酒 1合(180ml)
- 焼酎 1.2合(90ml)
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| ■ 8) |
タバコは百害あって一利なし |
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タバコは血圧上昇やHDLコレステロールの減少、動脈硬化の促進などの原因となります。喫煙者はタバコを吸わない人に比べて約1.5倍、循環器病や癌になったり、それが原因で死亡する危険性が高くなります。吸いたくなったら、(1)深呼吸、(2)お茶・紅茶を飲む、(3)歯を磨く、(4)小まめに身体を動かすことなど試してみましょう。 |
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| ■ 9) |
適度な運動をする |
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運動は血糖値や血圧を下げます。まずはウォーキングから始めてみることをオススメします。少し息が弾む程度の状態を暫く続けると体脂肪も減りますが、LDLコレステロールも減少し、HDLコレステロールが増加します。歩数が増えるほどHDLコレステロールは増加し、動脈硬化の予防に繋がります。 |
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| ■10) |
健康診断を利用 |
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動脈硬化、またその危険因子となる高血圧や高脂血症、糖尿病などは、自覚症状がないまま進行し、気づいた時には手遅れという状況も考えられます。定期的に検診を受け、その結果に関心を持つようにしましょう。たとえ「異常なし」の結果でも、数値が境界域に近かったりする場合は早めに生活習慣の改善に取りかかることが大切です。 |
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| 脳卒中&脳梗塞の食事療法 |
| 基本的な事柄 |
脳卒中(脳血管疾患)は日本人の死亡順位の第3位を占め(※昭和56年に癌と入れ替わるまでは第1位)、毎年12万人以上の人が死亡しています。脳卒中は脳血管発作とも言われ、高血圧が原因の脳出血や動脈硬化症を原因とする脳血栓などの急増または漸次的な血液循環障害によって、意識及び運動、言語、知覚、視力など様々な障害が起こる病気です。前に軽い脳卒中の発作があった人はもちろん、高血圧症や動脈硬化症、糖尿病などの病気を持っている人や集団検診などで検査値が各種の生活習慣病傾向を指摘されている人などは、生活スタイルを見直し、規則正しい食生活と適度の運動を心掛けることが脳卒中を予防する上で大切です。
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| 脳梗塞と水分 |
脳梗塞の食事療法は、ひと言で言ってしまうと動脈硬化を防ぎ、血液を綺麗にする食品を摂るということです。動脈硬化の原因となるコレステロール及び糖の過剰摂取の回避、逆に血液中でコレステロールが酸化してドロドロになってしまうのを防ぐ抗酸化物質を多く摂取することなどがその主な目的となります。
睡眠中に人間はコップ2杯程度の汗をかくと言われていますが、高齢の方や動脈硬化症の前段階にある人にとってこれは危険です。なぜなら発汗によって体内の水分が不足すれば血液が固まりやすくなり、脳梗塞などの危険性が増してしまうからです。このような場合には、寝る前に水をコップ1杯飲んでおくといいでしょう。
脳梗塞の予防法としては、やはり肥満を避ける、つまり肥満になるような食事を控えるということに尽きます。食べ過ぎはもちろん高カロリーのものを避けるようにしましょう。
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| 脳梗塞とインスタント食品 |
食事は薄味のものを中心に取り、インスタント食品は出来るだけ避けるようにしましょう。インスタント食品やジャンクフードは味付けが濃い場合も多く、食塩やナトリウムの過剰摂取にも繋がります。漬物などの食塩を多く含むものも避けた方が無難でしょう。具体的に言えば、脳梗塞食事療法では味噌汁を控える、または食べる場合でも減塩のものを使って食塩量を減らすなどといったことが必要になります。また、これは常識的なことではありますが、タバコは止めるようにしましょう。タバコを吸っていたからといって必ず脳梗塞になるというわけではありませんが、脳梗塞を煩う可能性は確実に高まるからです。
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| 脳梗塞の食事予防 |
食事を腹八分目にしておくことは肥満が厳禁であることからも明らかですが、お酒も腹八分というか、出来れば飲まないの方がベストであるようです。どうしても飲みたいという場合でも1杯程度に抑えておいた方がよいでしょう。また、これについてはコーヒーも同様です。これらは何れも脳梗塞を直接防ぐというわけではありませんが、その可能性は小さくするという意味で、やるとやらないのとでは大きな差が出てきます。なお、たとえここで具体的に名前が出てこなくても、脳梗塞食事療法では塩分の摂りすぎになるような食べ物、カロリーが異常に高いもの、味付けが濃いもの、油を多く使った料理などは避けておいた方がよいことは言うまでもありません。
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| 脳梗塞と高血圧 |
脳梗塞の食事療法をやっても高血圧や肥満が収まらない人は、専門的な栄養指導をオススメします。さらに運動不足にも気をつけたいところです。脳梗塞というのは、その前兆を自分で自覚するのは不可能な病気です。脳梗塞の食事療法を行なって何か確固とした効果を感じるということはないかも知れませんが、身体には確実に効果が出ています。途中で忘れてしまったりせず、根気強く進めてゆきましょう。なお、既に脳梗塞を煩ってしまったというひとは、薬物治療やリハビリのウェイトの方が大きくなってきます。食事療法を行なうのは不可能ではありませんが、その際は病院側の方針と衝突しないように気をつけましょう。
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| 参考:食生活のポイント |
食事は元々生命の保持と健康の維持のための基本的な人間の営みです。日々の食生活の善し悪しが一生の健康に関わってくるもので、これは決して疎かに出来ない事柄です。もしも身体の不調や故障があれば、心と身体のストレスを減らし、自分の健康度をチェックして整備し、生活の安全運転を心懸けましょう。「予防に勝る治療なし」の格言の通りです。
| ■ |
質と量のバランスの取れた食事を |
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健康な体を維持し、充分な活動をするために必要な食品を適正に摂るようにします。 |
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| ■ |
標準体重を維持する |
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肥り過ぎも痩せ過ぎもよくありません。どちらも高血圧や動脈硬化症などの原因になりますので、適正な体重に近づけるようにしましょう。 |
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| ■ |
動物性脂肪の摂り過ぎに注意を |
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血液中のコレステロ−ルの増加を予防する上で大切です。牛肉や豚肉、鶏肉などの肉類の脂肪の多い部分は控え、魚介類や植物性の油を使用するようにしましょう。 |
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| ■ |
良質の蛋白質を充分に |
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脂肪の少ない肉類や魚介類、卵、大豆製品、牛乳などが不足しないよう、毎日適量を摂りましょう。 |
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| ■ |
塩分は控えめに |
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塩分の取り過ぎは、高血圧など脳卒中の原因になる病気を助長させます。塩辛い食品を避け、食塩は1日10グラム以下を目標に薄い味付けに慣れましょう。 |
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| ■ |
野菜、果物、海藻を充分に |
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これらの食品にはビタミンやミネラル、食物繊維が豊富に含まれ、便通を整える働きを持っています。新鮮な物を毎日充分に摂るように心懸けましょう。 |
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| ■ |
食事時間は規則正しく、3食を平均して食べる |
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朝、昼、夕食ともバランスよく食べ、落ち着いた気分で楽しく食事が出来れば最高です。 |
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| ■ |
アルコ−ルは適量を |
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深酒は厳禁、適量を守って程々にします。酒の肴は塩辛いものを避け、脂肪の少ない肉や魚、そして豆腐や野菜などをバランスよく取り合わせましょう。 |
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| 脳卒中&脳梗塞のリハビリ |
 脳卒中は脳の血管に突然起こる障害の総称で、医学的には脳血管障害と呼ばれ、一般病名としては脳梗塞や脳出血、くも膜下出血などがこれに含まれます。わが国における脳血管障害は、死因としては古くは第1位でしたが、現在は癌や心疾患について第3位となっています。死因が第3位へ低下した背景には脳卒中発症に結びつく危険因子に対する啓発や救急医療を中心とした早期治療の充実、新たな治療法の開発など様々な要因が挙げられます。今後もこれらの充実により死因としての低下は期待出来ますが、その一方では急速な高齢化社会の到来により、いわゆる脳卒中適齢期である高齢者の人口が増え、また食生活の欧米化に伴う生活習慣病の患者も増加しています。高齢者や高血圧症、糖尿病、脂質異常症(高脂血症)などの生活習慣病の患者は脳卒中になりやすく、死亡に至るケースは減少するとしても、脳卒中自体は今後も増えることが懸念されています。健康管理により脳卒中の発生を予防し、また、早期発見から救急医療により死亡率を下げると同時に、リハビリテーションによりその人らしい生活が送れるように取り組んでゆくことが必要であると言えます。なお、脳梗塞の治療で一番大事なのは治療後のリハビリテーションです。脳梗塞を起こして後遺症が残った場合、リハビリテーションを行なって、脳梗塞で受けたダメージも脳の性質を活かすことで大幅に改善してゆくことが可能です。しかし、脳梗塞の患者には、後遺症の影響でリハビリに余り前向きでない場合が多く見受けられます。少しでも後遺症を改善するためにも、なるべく早い時期から身体を動かす訓練をすることが肝要です。また、脳梗塞の後遺症のリハビリテーションは、自己流で行なわず、専門家の指示を聞いて行なうようにしましょう。自宅で行なう時は1人では行なわず、家族など誰かがそばについて行ないましょう。患者がリハビリを継続してゆくためには、患者の家族によるサポートが重要となります。結果が直ぐに現われるものではありませんが、根気よく時間をかけて後遺症の改善を目指しましょう。
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リハビリの役割と目的 |
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リハビリテーション医学では様々な障害にアプローチし、患者の病後のよりよい生活が出来るよう一緒に目指します。リハビリテーションとは直訳すれば最適応というような意味で、すなわち「身体的のみならず、精神的・社会的など総合的な観点から病気や障害を受けた患者0が正常な生活を営むための能力を獲得するために行なう治療及び訓練」というのがリハビリテーションの概念です。そのために、リハビリテーション科の医師は、筋電図・神経伝導検査や歩行分析などの物理医学的診断法を用いながら適切な障害の診断、機能回復の予測を行ないます。さらに薬の処方や運動療法、物理療法、作業療法、言語療法、義肢・装具の作製に携わり、必要に応じて神経ブロックなどを行ないます。充分な診断・評価の下に、患者に効率のよいリハビリテーション・プログラムを提供することが出来ます。このようにして、個々の患者の身体機能を最大限に伸ばし、日常生活の自立度(自分で行なえること)を向上させ、脳血管障害の患者がより質の高い生活を営むことが出来るようにお手伝いしています。 |
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| ■脳梗塞のリハビリプログラム |
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脳梗塞のリハビリの分類 |
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脳梗塞のリハビリは、急性期・回復期・維持期と3つに分類されます。
(1)まず急性期リハビリは、脳梗塞の発症より2週間から1カ月以内で脳梗塞の治療を行なった後、症状が安定し、運動訓練が可能な状態になってから行ないます。次に、(2)回復期リハビリは、急性期治療が終了しても身体機能の低下が残り、在宅復帰を目標に行なう訓練のことを言います。期間としては、発症2カ月から長くても6カ月以内と定められている病院が多いようです。この段階では、機能障害の回復を図ると共に、基本動作能力や歩行能力、身の回りのことや家事動作その他趣味活動や仕事などについての可能性・目標を見極め、脳梗塞の患者が実際にこれから送られる生活を一緒に考えながらリハビリテーションを進めてゆきます。最後に、(3)維持期リハビリですが、脳梗塞の発症6カ月以上のリハビリを指します。維持期のリハビリは根気よく進めていくことが重要となります。 |
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リハビリの流れ |
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一般に脳卒中リハビリテーションは、(1)急性期、(2)回復期、(3)維持期に分けられます。リハビリテーションのチーム医療はリハビリテーション科医の機能評価と目標設定、疾病管理、リスク管理、リハビリテーション治療計画、リハビリテーション処方に基づき、理学療法士や作業療法士、言語聴覚士、リハビリ病棟看護師、医療ソーシャルワーカー、義肢装具士などがそれぞれの専門性を発揮し、出来るだけ速やかに患者の最大の能力を引き出すべく効率的に行なわれます。
- 急性期(発症直後から数週間くらい)
早期のリハビリは機能回復を妨げないように行なうもので、出来るだけ寝たきりにならないようにするのが目的です。病状が安定し次第、急性期のリハビリテーションが行なわれます。身体の向きを変えたり、麻痺している手足の関節を動かしすなどのリハビリテーションが行なわれます。
- 回復期(数週間から数ヶ月くらい)
身体機能の回復が著しい時期に行なわれるリハビリテーションで、最初はベッドから身を起こすことから始めます。1人で起き上がれるようになったら歩行訓練が始まります。手の訓練(食事や洗面、字を書くことなど)のリハビリテーションも行なわれます。
- 維持期(数ヶ月から6ヶ月め以降)
社会復帰を目指した生活支援のリハビリテーションが中心になります。退院してからも引き続きリハビリテーションを行なう時期です。
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回復の見通しについて |
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残念ながら現在の医療技術では病気の重さによって脳血管障害による機能障害を完全に回復させることは困難ですが、多くの患者は日常生活が自立して行なえるようになり、社会参加を果たすことも出来るのです。ただし、発症初期の日常生活動作(ADL)自立度が低い場合、重度の運動麻痺が後遺症として残っている場合、非常に高齢である場合、半側空間無視(高次脳機能障害のリハビリテーションへ)がある場合、バランス障害が強い場合、併存疾患(脳卒中とともに治療を受けている病気)が多い場合は身体障害の回復が不良で家庭復帰率が低いとも言われます。 |
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| 参考1:脳梗塞の薬(予防薬)について |
脳梗塞の薬は、大まかに、(1)普通のお薬、(2)軽いお薬、(3)心房細動のお薬の3種類に分けられます。一般的には、退院後暫くは血小板凝集抑制剤を飲んで、動脈硬化や症状の軽いケースでは、出血傾向が殆ど見られない循環改善薬に切り替えてゆくこともあります。また、心房細動が原因の心原性塞栓症は原則的にワーファリンが処方されます。なおここで注意すべきは、脳梗塞の薬は、いかなるものであってもタバコを喫ってしまったら焼け石に水だと思う必要があるということです。実際リピーターの人は、禁煙を指示しても守れなかった人方がとても多いそうですが、脳梗塞に対する薬の効果が微々たるものであるのに対し、タバコの影響はそのほど大きいのです。
| 血小板凝集抑制剤(アスピリン類) |
いわゆる普通の脳梗塞の薬と言われるものがこれです。この薬には血小板の機能を抑制させる働きがあります。血をサラサラさせるとよく言われますが、実は血を固まりにくくさせることによってサラサラさせているので、出血傾向が問題となります。日常的な副作用としては、ちょっとぶつけただけで皮下に直ぐ紫斑が出来るという主訴が多いようですが、鼻血が止まりにくかったなどという人もいます。抜歯や薬効消失は血小板の寿命である7日〜10日と言われ、手術の際、数日前から休薬しないと出血が止まらなかったり、たまたま脳出血を起こすと大きな血腫になることもあります。抜歯の際、通常は1週間前から休薬することが多いのですが、止血機能としては3〜5日も休めば通常大きな問題はありません。実際、脳梗塞慢性期に行なわれる血管吻合術などは、吻合部の閉塞や再梗塞などを考慮し休薬せずに施行することが多いのです。
鎮痛剤でよく知られるアスピリンですが、脳梗塞の予防薬として使われる量は鎮痛目的で使われるものの3分の1くらいで、100mg前後です。かつては小児用バファリンが81mgで脳梗塞の予防にはちょうどよい量であったため、この名前でそのまま処方されていました。しかし、語弊を招くなどの混乱を避けるため、バファリン81と新たに命名されて久しくなります。また、バイアスピリンや以前肝障害で新聞を賑わせたパナルジンも同系統の薬です。最近では、出血性合併症が少ないと謳われるプレタールや新薬のプラビックスなどを使うことが多いようです。なお、血小板凝集抑制剤が当にターゲットとしているのは、動脈硬化が強く、血栓が誘発されやすいような状態です。高血圧を持った高齢者で、以前ちょっと眩暈がしたとか意識を失ったなどで脳梗塞が疑われたり、ごく軽い症状や無症状の微小脳梗塞でこの薬をずっと飲んでいるケースが見られますが、適応は定かではありません。
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| 循環改善薬(ケタスなど) |
かつては魔法の薬などと悪口を叩かれたものの類です。高血圧を持つ高齢者なら飲んでも飲まなくてもよいという印象があったため、各社がしのぎを削って多くの薬が開発され、栄枯盛衰を繰り返していました。しかし、その薬効の信憑性を疑い、厚生省が関与して臨床治験が行なわれた結果、ここ十数年で淘汰されたものが現在あるものです。 ケタスやセロクラール、サアミオンなどがあり、血小板凝集抑制作用(出血傾向)も僅かにあるといいながら、臨床上は問題になりません。抜歯の際も、通常、特に休薬の必要はありません。数年前までは、微小脳梗塞には血小板凝集抑制剤よりも有効というデーターがありましたが、新しい薬ではまた、巻き返しをはかり、逆のデーターも出ています。 しかし、ある程度の有効性は認められており、強い動脈硬化が認められず、症状が軽いものや、上記薬との併用などにより適応となるでしょう。
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| 抗凝固療法(ワーファリン) |
心房細動による心原性塞栓症の場合に処方される薬です。脳内で出来る血栓が血小板血栓であるのに対し、心房内に血栓が形成され、散布されるようにして各臓器に梗塞を起こすもので、むしろ繊維素(フィブリン)などの凝固機能が関係することから抗凝固剤が治療薬になります。血小板凝集抑制剤で代用されることもありますが、70歳以下で全身状態が良好であれば、積極的な治療としてワーファリンが推奨されます。処方初期には、トロンボテストという凝固機能テスト(PT−INR=2〜3:70歳以上は1.6〜2.6を目標)を行ないながら薬量を調整します。しかし、実際には体調などで薬効が変化するため、1ヵ月に1回を目途に検査した方が安全だとされており、こが少々煩雑なところです。作用時間は48〜72時間です。なお、ビタミンKと拮抗することで、ビタミンK依存性の凝固因子を抑えるため、ビタミンKを多く含む食品を採ると薬効が低下します。納豆やクロレラ、ブロッコリーなどを食べてはいけないというのはこのためですが、これを言い出すと緑黄野菜が食べられなくなりますので、実質的には取りあえず納豆禁止とだけ覚えておくとよいでしょう。
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| 参考:脳卒中の予防や後遺症改善に複合漢方薬が注目 |
最近、脳卒中の予防や後遺症に対する治療法のひとつとして,漢方医学が日本はもとより欧米の医学界から注目されています。中でも漢方医学で注目されているのが、薬草の宝庫である長白山の生薬を中心として最新の科学技術で処方された複合漢方薬の舒脳益(ジノウエキ)が話題となっているそうです。事実これまで世界各国で数多くの顕彰を受けており、臨床試験のデータなども豊富で、香港の製薬会社から全世界約20カ国に供給されていると言います。
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| 参考2:脳梗塞に関する参考図書 |
| ◆参考図書 |
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渡辺 一正 ・著 |
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『再起する脳 脳梗塞が改善した日』 |
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幻冬舎ルネッサンス・2010年05月刊、¥1,260 |
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諦めてはいけない。脳梗塞は克服できる!半年で改善は止まるという医療の常識を覆し、発症から三年目、右手の親指が動き始めた?。脳の可塑性を信じ、重度の右半身麻痺から奇跡的な回復を遂げたエリート銀行員の記録。
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作田学&平野美由紀・監修 |
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『脳梗塞に効くらくらくレシピ――和食・洋食・中華・エスニック‐レストラン感覚で選べるレシピでしっかり治す』 |
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法研・2004年08月刊、¥1,365 |
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脳梗塞の再発防止や予防のための「低コレステロール」「減塩」を確実に実践し、血液をサラサラにするレシピを“和食”“洋食”“中華”“エスニック”の4種類の料理の中から、自由に選べるように構成。「レシピ編」には、栄養価の基本情報・調理法をはじめ、もっと美味しくするコツなどを“ワンポイントアドバイス”として記載。レシピ以外にも「脳梗塞の知識」「食事以外で注意すべき日常生活のポイント」などを、図解を駆使してわかりやすく解説。
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