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 日本人にとってお風呂は切っても切れない関係です。大分寒くなってきたこの季節、お風呂の効果的な入浴法を学んで病気知らずの健康な毎日を送りましょう。
お風呂


お風呂
【1】日本人の風呂好きのその歴史
【2】お風呂の効用と効果的な入浴法
【3】お風呂のメンテナンス〜掃除法と節約法〜
【4】入浴剤の利用とその注意点

【1】日本人の風呂好きのその歴史

 日本人とお風呂は切っても切れない関係です。
 本節では、そのお風呂の歴史やお風呂に由来する様々な事柄について簡単に紹介・解説しました。
日本のお風呂の歴史

 日本列島は全国至る所に温泉が湧いています。たとえば伊豆の地名は、温泉が湧き出るところから「ユイズル」と呼ばれ、それがさらに縮まって「イズ」と転化したと言われています。また、湯河原の地名は「湯の淀む川原」の意味だそうです。とにかく、昔から日本人は温泉や石風呂(=自然の岩窟を利用した蒸気浴のお風呂)などに入浴していたそうです。また、お風呂の歴史は6世紀に仏教が伝わるとともに中国から伝わってきたと言われています。仏教では「お風呂に入ることは七病を除き、七福が得られる」と説かれていたことから、お風呂に入る事は健康によいと理解されていました。以来、寺院では身体を洗い浄めるという大切な業のひとつとして浴堂が備えられるようになり、浴堂のない庶民にも入浴を施したことから、お風呂に入るという習慣が始まったのだそうです。たとえば大仏様で有名な東大寺には、多くの学僧や僧侶の心身を清浄にするため、寺院として始めての湯屋が作られました。1282年に作られたとされる現存する最古の浴槽、東大寺の大湯屋は、約1000リットルの大釜でお湯を沸かし、鉄湯船と呼ばれる浴槽(2000〜3000リットル)にお湯を供給する給湯方式が採用されていたと言います。また、平安時代においては、上流公家の入浴回数は普通1ヶ月に4〜5回だったそうで、他の日は行水をしていたとされていますから、少なくとも上流の公家達は2〜3日おきにお風呂を使っていたことになります。たとえば『明月記』には、寛喜3年(1231年)に関白藤原道家親子が、自分の別荘に有馬の湯を毎日牛車で200桶も運ばせて入浴していたという記述があるのだそうです。さらに江戸時代には「御殿湯」と言って、熱海の湯を人足が担いで江戸城まで運んでいたとも言われます。


昔の風呂の光景 さて、江戸時代まで「お風呂」と「湯」は区別されていました。お風呂とは、釜に湯を沸かし、その蒸気を浴槽内に送り込み、熱い水蒸気により身体の垢を浮き上がらせて、適当な時間に室外に出て笹の葉などで身体を叩いたり撫でたりして垢を落とし、近くに用意したぬるま湯や冷水で身体を充分に洗うというもので、一方で湯とは、今日一般の家風呂や銭湯と同じであったのだそうです。また、五右衛門風呂とは、かまどを築いて釜を乗せ、その上に桶を取り付け、底板を浮き蓋とし、その板を踏み沈めて入浴します。五右衛門風呂の名前の由来は、豊臣秀吉が石川五右衛門を釜茹での刑にしたという俗説から生まれたものです。なお、五右衛門風呂が底が鉄製なのに対して長州風呂は全体が鉄製で、現在では長州風呂も五右衛門風呂として一般的に呼ばれています。長州風呂は、大きな鉄の湯釜が浴槽で、これに別の鉄釜でどんどん湯を沸かし、このお湯を浴槽に運び入れたり、桶などを利用して流し込み、適当に水を注いで湯加減を見て入浴します。現代では五右衛門風呂と同じように下から加熱して、湯を沸かせます。五右衛門風呂との違いは、木の桶があるかないかだけだとされています。
 そして、純粋な公衆浴場であるいわゆる銭湯が登場したのは江戸時代と言われ、家康が江戸入りした翌年1591年には江戸に湯屋が開業しているそうです。小屋の中に石を多く置き、これを焼いて水を注ぎ湯気を立て、その上に簀の子を置いて入る蒸気浴であったと言います。要するに今で言うサウナですが、これは江戸の街の建設に携わる出稼ぎの庶民、労働者のニーズに応えるものであったようで、中々好評だったと言います。また、蒸し風呂から今日の銭湯に変わる前に戸棚風呂というお風呂ができました。その構造は、蒸し風呂の底に湯を入れ、下半身を湯に浸して、上半身を蒸気で蒸すもので、お風呂と温浴をミックスした仕組みになっています。サウナのように中で温まって垢の浮いたところを洗い場で洗い落としました。引き戸を閉めて戸棚に隠れるような感じから戸棚風呂と言われたそうで、燃料不足や水不足のためこうした形になったということです。なお、その後、戸棚風呂は柘榴口というものに変わってゆきます。これは、浴槽の外側を破風屋根の小屋で覆い、三方を羽板で囲んでしまい、一方の入り口のみは開いていて、上から半分位のところまで板戸のようなものが作られました。その板戸には、三保の松原や牡丹に唐獅子などの絵が描かれていたそうです。そして、その左右の柱には漆喰や金色の金具が巻いてあり、すこぶる美しかったと言われます。この入り口のことを柘榴口と呼んでいたそうで、お風呂の浴槽に入る客は、この板の低い入り口から頭を下げて入り、1〜2歩先に進みます。そこには2m70cm四方で湯量が少なくてすむように浅くした浴槽があり、内部は入り口からの光線しかなくて、お風呂の中は籠もった蒸気で暗く、人の顔も分からない状態だったそうです。なお、銭湯ができた当初は、お風呂は混浴で、男湯・女湯の区別はなかったと言います。老中松平定信による寛政の改革(1791年)、水野忠邦の天保の改革(1842年)などで混浴は禁止されたそうですが、徹底できなかったようで、明治時代になっても混浴は続いていました。また、当時から薬湯専門の湯屋もあったようで、柚湯や菖蒲湯など利用していたと言います。要するに今で言うハーブ風呂です。そして、銭湯は流行に敏感な江戸っ子たちの社交場でもあったようで、様々な銭湯文化が生まれます。その頃から日本では入浴という習慣が庶民の間で根づき、世界に類を見ない風呂好き国民となったと言えるのではないかと考えられます。

 明治10年頃、東京神田に新しい銭湯ができますが、この銭湯は浴槽を板間に沈めて湯をたっぷりと入れ、さらに流し場の天井を高くして湯気抜き窓を設けた、従来の銭湯と比べてかなり開放的なものでした。これより銭湯は明るく清潔になってゆきます。そして明治17年、警視庁は柘榴口式浴場を風紀上の問題から禁止したため、現在の銭湯の形へと変わってゆくことになりました。なお、明治時代の日本人のお風呂の入り方に関するB.H.チェンバレンという人の手記によると、「毎日下着を替えるヨーロッパのやり方からみると、お風呂から上がるとまた汚い着物を着る日本人のスタイルは不潔に感じる人もいるが、しかし、日本の下層階級の人でも、いつもお風呂に入り、身体をごしごし洗っているから、日本人の着物は外部は埃で汚れていても、内部が汚いということは考えられない。日本の大衆は世界でも最も清潔である」と言っています。
風呂好きの日本人〜風呂の語源から風呂敷まで〜

銭湯

日本人のお風呂好き
 日本人のお風呂好きは世界的に有名で、昔から清潔な国民と言われています。これは日本の気候風土によるところが大きく、日本はアジア・モンスーン地帯の亜熱帯地域にあり、周囲を海で囲まれ、温暖・湿潤な気候のため、水浴・温浴が好まれたとも考えられます。

風呂の語源
 入浴することを普通私たちは「風呂に入る」と表現します。しかし、風呂という言葉は本来蒸し風呂を意味していました。蒸し風呂は蒸気を浴びて身体の汚れをふやかし、擦り出した後、湯で流すという仕組みのため、蒸気を逃がさない狭い部屋(室)にこもります。そのため、室(ムロ)から派生して風呂(フロ)の語源が生まれたとも言われています。その一方で、現在私たちが日頃行なっている入浴スタイルは、江戸時代中期以降(約270年前)確立されたもので、「風呂」に対し「湯」と呼ばれていました。「湯」とは本来身体にかけるもの(=行水という行為)から全身で浸かるものに変化し、時代を経るに従って蒸し風呂が日常生活で見られなくなり、風呂と湯とは混同して用いられるようになりました。

湯浴み(ゆあみ)
 湯浴み(ゆあみ)とは、河の水であれ海の水であれ、はたまた湯水であれ、それを用いて身体や髪を洗い、清めること、つまり沐浴(もくよく)を意味します。湯浴みの「湯」とは、清らかなもの、穢れがないという意味があり、また、「浴み(あみ)」は浴びるという意味があります。このように湯浴みとは元来は水浴のことであり、従って、沸かした水で身体を洗うことは文化の発達した時代になってからのことで、裕福な人たちでなければできまないことでした。

湯船
 水上生活者や東京・江戸川地区のように水路に取り囲まれた居住区の銭湯のない場所で船に浴室を設けて巡回営業した移動浴舟から湯舟の語源が生まれたと言われています。

銭湯
 1584年(天正14年)四肢浴のために銭を取って入浴させたのが始まりです。入浴が実質的に庶民化したのは1665年(寛文5年)頃から1703年(元禄16年)で、庶民の娯楽場として栄えました。

浴衣(ゆかた)
 昔は着物を着て入浴していたため、この着物を湯帷子(ゆかたびら)と言います。寺院の浴堂では、大勢の人が入浴するため、風紀衛生上よくないという理由で、入浴者は仏典に従って必ず明衣(あかは)という白布の衣をまとって入浴していたそうで、その着物を湯帷子(ゆかたびら)と呼んでいたことから、湯帷(ゆかた)となり、浴衣と呼ぶようになったと言われています。つまり、江戸中期頃から裸で入浴するようになると、湯帷子は次第に夏の着物である「浴衣(ゆかた)」となり、入浴後の外出着となっていったわけです。

風呂敷
 風呂敷は本来物を包むための布で、「平包み(ひらづつみ)」と呼ばれていましたが、風呂の着替え時の敷物にしたり、脱いだ衣類を包むなどの用途が加わった江戸時代に風呂敷の語が生まれたと言われています。また、足利時代の大名が入浴する時に他の大名の衣服と間違えないようにするため、家紋を染め抜いた布で衣服を包み、湯上がりにはその布の上に座って身繕いをしたことから風呂の敷物として風呂敷と呼ばれるようになったとも言われています。

産湯(うぶゆ)
 人生のスタートの清めである沐浴を特に産湯と言います。元来は鵜羽湯(うばゆ)と言われていたようです。お湯の中に消毒のために高価な香料を入れることもあったそうです。産湯はキリスト教やヒンズー教、イスラム教でも行なわれ、世界共通の儀式ともされています。

様々な入浴スタイル


全身浴
 首までお風呂に浸かる入浴法で、お風呂の温度は38℃〜39度程度と多少ぬるく感じるくらいの方がよいとされます。全身浴は浮力が全身にかかるので、身体の緊張が取れやすく、血行もよくなります。

半身浴
 半身浴はみぞおちから下だけ湯に浸かる方法ですが、水圧の影響が殆どなく、心臓に負担のかからない一番安全な入浴方法です。30分〜40分間かけて下半身を温め、血行をよくするので、低血圧や冷え性の方にオススメです。また、肌の調子をよくしたり、痩せ易い体質になるなどといった様々な効果があります。妊娠中の方には特にオススメです。

座浴
 大きめのタライにぬるめのお湯38℃〜39℃のお湯をたっぷり入れて、臍下からお尻の部分だけを温めます。上半身は洋服を着たままでも構いません。便秘や生理痛に効果があると言われます。

手浴
 洗面器にお風呂のお湯よりもやや高めの温度、40℃〜42℃を用意します。そして、洗面器に両手首を浸し、15分間ぐらいかけて温めます。手のひらのツボを押したり軽くマッサージするとさらに効果的です。手や腕、肩のだるさを解消し、肩凝りにも効果があると言われます。

足浴
 深めのバケツにお風呂のお湯よりもやや高めの温度、40℃〜42℃を用意し、両足をつけ、15分間くらいかけて温めます。本を読みながら、またテレビを見ながらでもできるのでお手軽な方法です。立ち仕事や一日中歩きづめの仕事などで足が疲れていたり、むくんでいる時に最適だと言われます。また、冷房病や風邪を引いた時にオススメで、身体がよく温まります。

温冷交代浴
 熱いお湯と冷たい水を交互に浴びる温冷交代浴は、血管を収縮・拡大させるので、心臓から血液を送り出す力が強くなり低血圧に効果があります。また、血液の循環をよくするので、冷え性にも効果があると言われます。自宅で気軽に温冷交代浴を楽しむ方法は、お風呂の洗い場で、温かくなった足元に冷たい水をゆっくりとかけます。気持ちよく感じてきたら、太股ぐらいから水をゆっくりとかけ、またお湯に浸かります。そして、お風呂から上がる直前にまた水をかけると、温まって開いた毛細血管がギュッと引き締まり、心臓から最も遠く悪くなりがちな足先の血液の循環をよくしてくれます。


参考:朝のシャワー
 朝熱いシャワーを浴びると目がすっきりと覚めます。朝のシャワーは熱めのお湯で、強い水流がポイントです。皮膚への刺激が自律神経の働きをよくしてくれます。


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【2】お風呂の効用と効果的な入浴法

 お風呂の健康効果にはどのようなものがあるのでしょうか?
 本節では、お風呂の効用とその効果的な入浴法について解説しました。
お風呂の効能と種類


温熱作用
 湯船に浸かると体温が上がり、皮膚の毛細血管が広がって血流がよくなります。それによって新陳代謝が高まって体内の老廃物や疲労物質が取り除かれ、疲労回復や凝り・痛みが和らぎます。

水圧作用
 身体にかかる水の圧力はウエストが3〜5cmも細くなるほどで、身体の表面だけでなく、皮下の血管にも加わります。そのため、手足に溜まった血液が押し戻されて心臓の働きが活発になり、血液やリンパの流れをよくします。

浮力作用
 プールや海に入ると体が浮くように湯船でも浮力が働いていて、体重は普段の10分の1になります。そのため、体重を支えている筋肉や関節を休ませることができ、体全体の緊張がほぐれます。

リラクゼーション効果
 お風呂に入ると浮力が得られ、内臓なども重力から解放されますが、それは母親のお腹の中にいた時の体内感覚に似たもので、リラックスできると同時にストレス解消にもなります。

冷えに効く入浴法


冷えには温冷シャワー浴が効く!
〜朝は温冷シャワー浴を行ない、身体を目覚めさよう〜
 自律神経の働きが正常なら、朝起きれば活動モード、夜には休息モードとスムーズに切り替わるものです。しかし、「朝はお昼頃までエンジンがかからない」とか「夜は目が冴えて眠れない」といった人も最近多く見られるようになりました。こういった人は、その自律神経の切り替えがうまくいっていないのです。この状態では、外から幾ら温めても身体は冷えるばかりなので、どうしても自律神経を意識的に切り替えてあげることが必要になります。
 そこで、そのような人には朝の温冷シャワー浴を試してみることをオススメします。温水と冷水を交互に浴びると交感神経のスイッチが入ります。寝ていた時に働いていた副交感神経が交感神経に切り替わるので、スッキリと目が覚めて、心身ともに活動的になるのす(※ただし、体調の勝れない時や心臓などに持病がある方、高齢者は行なわないようにして下さい)。逆に夜は、冷えに効くぬるめの半身浴で副交感神経優位の状態にスイッチさせます。こうすることで自律神経が正常に働き、自然と冷えない身体になってゆくのです。

冷え性の人はぬるめの湯に20〜30分じっくり浸かり、体の芯まで温めよう
 冷え症の人には38〜41℃のややぬるめのお湯が効果的です。熱い湯では湯船に短時間しか浸かれず、身体の表面が赤くなるばかりで芯まで温まりません。ぬるめの湯なら、じっくり湯に浸かることができるので、却って身体がしっかりと温まり、血行が促進されるのです。そのため、温めの湯に20分以上を目安に入浴しましょう。なお、入浴する時に炭酸ガス系の入浴剤を入れると温浴効果が高まり、温かさが持続します。そして、入浴後は夜更かしをせず、身体が温まった状態でベッドに入るようにしましょう。

肩凝りに効く入浴法


■肩凝りに効く入浴法
 肩凝りを解消するにはまずは血流をよくすることがポイントです。そのためには、ぬるめの湯に肩までゆっくり浸かって身体を充分に温めてから、お風呂の中で簡単なエクササイズを行ないましょう。入浴と運動を組み合わせることで、より血流を促すことができ、肩こりの症状が和らぎます。
■1: 入浴
 40℃以下のぬるめの湯に肩まで浸かり、10分間全身浴をします。時間がある時は半身浴で20分浸かります。
■2: 肩に湯をかける
 みぞおち辺りまで湯に浸かりながら肩に湯をかけます。右手で左肩に、左手で右肩というように交互に湯をかけます。
■3: 首の運動
 42℃くらいの熱めのシャワーを首に当てながら首をゆっくり回します。
■4: 肩の運動
 42℃くらいの熱めのシャワーを片方の肩に当てながら肩を回します。同様に反対側の肩も行ないます。※なお、(3)(4)は5〜10回行なうと効果的です。
■参考: 肩凝りに効く洗い方
 心臓から遠い部分は血流が滞りやすく、その部分が原因で血行不良になっていることも少なくありません。そのため、血流の悪い手先や足先など身体の先端部分から心臓に向かって洗うのが効果的です。流す時も、心臓に遠い足先や手先からスタートして血流を促し、凝りを和らげましょう。

腰痛に効く入浴法


■腰痛に効く入浴法
 入浴は血流を促し、浮力により腰の負担を軽減するので、腰痛対策にピッタリです。また、筋力の衰えが原因で腰痛が起こることも多いため、軽い体操を組み合わせて効果アップを図りましょう。入浴後は関節や筋肉がリフレッシュされているのでエクササイズで鍛えやすく、症状を軽減させるだけでなく腰痛予防にも繋がります。(※なお、ここで紹介する方法はあくまでも慢性的な腰痛に効果的なプログラムで、ぎっくり腰やスポーツ中に捻った腰の痛みなどには逆効果になることがあるので行なわないようにして下さい。) 
■1: 入浴
 40℃以下のぬるめの湯で20〜30分半身浴をします。
■2: 湯船の中での腰体操
 湯に浸かりながら、バスタブの片側を両手で持つようにして腰をゆっくり捻ります。また、バスタブの縁を持ちながら腰を持ち上げたり戻したりするのも効果的です。
■3: 入浴後の腹筋運動
 膝を立てて仰向けに寝転がり、ゆっくりと起き上がります。この状態を5秒間キープし、ゆっくり頭を床に戻します。
■4: 入浴後の背筋運動
 仰向けで両膝を抱え、膝をゆっくり胸へと引きつけます。引きつけたり戻したりを10回くらいくり返します。

お風呂で肌荒れ対策

 入浴するとしっとり肌になりますが、それはなぜでしょうか? それは、皮脂の分泌が活発になり、汚れを落として肌の潤いを保つからです。入浴がしっとり肌をつくる最大の効果は湯の温熱効果と水圧効果にあります。お湯にのんびり浸かっていると、2つの効果によって血液の循環がよくなり、身体が温まって毛穴が開いてきます。そして、汗と脂でできる皮脂の分泌が盛んになり、皮膚表面の汚れや雑菌が落としやすくなり、肌が清潔になるのです。皮脂には肌に含まれる潤い成分を守るバリア機能もあるので、乾燥を防ぐ効果も高まります。また、血行がよくなることで新陳代謝が活発になり、細胞の再生を促します。健康な潤い肌は28日周期で新しい細胞に生まれ変わりますが、この再生リズムをスムースにする効果もあるのです。さらに間接的な効果も期待できます。というのは、血液循環がよくなって内臓の働きが活発になれば、当然ながら身体の中から健康になり、しっとり肌づくりに役立ちます。温かい湯にゆったり浸かってリフレッシュするのも大きなメリットで、美肌づくりにとてもよい影響を与えるのです。
 次にしっとり肌には湯の温度が大切で、熱過ぎる湯はカサカサ肌を作ります。入浴にはしっとり肌を作るための様々な効果がありますが、お風呂の入り方によっては却って肌を乾燥させてしまう場合もあります。その一番の原因が熱過ぎる湯です。熱い湯は肌への刺激が強過ぎて肌の潤い成分を保つ皮脂の多くを洗い流してしまうのです。それに熱い湯ではのんびりできないので、リラックス効果による美肌づくりも余り期待できません。美肌のためを考えれば、ややぬるめの41℃ぐらいの湯がオススメです。


■しっとり肌をつくるおすすめ入浴メニュー
 ややぬるめの湯に保湿効果のある入浴剤を使いましょう。基本的にお風呂には毎日入り、シャワーだけですませずに湯船に浸かるようにします。そして、特別具合の悪い時を除いて、疲れている時こそゆったり湯船で手足を伸ばします。血行が促されて疲れが取れる上に肌にもよい効果が上がります。
女性はまず化粧を落とす
 かかり湯をする際、化粧をしている女性はクレンジングクリームで化粧を落としておきます。湯船に浸かって身体を温めると毛穴が開きますが、化粧をしていては顔の毛穴だけ充分に開かないからです。
湯にゆったり浸かる
 ややぬるめ38〜41℃の湯に20〜30分ゆったり浸かります。身体をじっくり芯から温め、毛穴を充分開かせて汚れや細菌を浮き立たせます。血行がよくなることで肌の新陳代謝もアップします。これに肌荒れに有効な薬用入浴液を加えればさらに効果的です。保湿成分が肌に浸透して乾燥を防ぎます。
優しく身体を洗う
 石鹸やボディシャンプーをよく泡立てて身体を洗います。この時、肌をごしごしこすらないようにしましょう。新しい角質層を削って乾燥を促してしまうからです。毛穴が充分開いているので既に汚れは浮き立ち、湯で洗い流されている汚れもあります。柔らかいタオルに石鹸を付けて軽く撫でる程度で充分です。洗顔とシャンプーもこの時一緒に行ないます。
最後にもう一度湯に浸かる
 最後にもう一度湯に浸かり、リラックスします。湯船に浸かりながら血行をより促すためのマッサージをしても効果的です。最後にシャワーを強めにかけて全身マッサージをしてもよいでしょう。
参考:顔パックをする時は
 身体を洗い終わった終わった後にパックをして、お風呂から出る前に洗い流します。パックをする前は、美容液か乳液を塗ってしっかり保湿してからパックを施すようにします。

参考:風邪の時にお風呂に入ってはいけないのか?


なぜ風邪の時にお風呂に入ってはいけないとなぜ言われるのか?
 昔から「風邪の時はお風呂に入ってはいけない」と言われるのは、入浴で身体が温まると血管が拡張し、お風呂上りに熱が放散されて、いわゆる湯冷めを起こす人が多かったからです。特に昔の日本家屋は隙間風があるのが当たり前の家だったため、湯冷めを起こす人が多く、風邪の時は入浴は止めた方がよいとされたのだろうと考えられます。また、低下している体力を入浴によってさらに消耗させないようにするのも、風邪の時の入浴は控えた方がよいとされる理由です。風邪で熱がある時は既に体力を消耗しているのに、その状態で熱いお風呂に入るのは余計に体力を消耗してしまうからです。特にお年寄りや体力のない人は、却って入浴が負担になったり、お風呂上りに具合が悪くなったりすることもありますので、くれぐれも気をつけましょう。従って、風邪で熱がある状態では入浴は避さけた方がよいということになります。しかし、熱がなく、症状が軽い状態であれば入浴しても構いません。入浴によって気分もさっぱりして、ぐっすり眠れるようになります。

なぜ風邪の時にはお風呂の入り方に気をつける
 お風呂で身体を温めて血行をよくし、身体の新陳代謝を盛んにする方が風邪退治には効果的です。ただしその際には、体力の消耗が少ない40℃くらいのぬるめのお湯に20分ほどゆっくり浸かって身体を温め、入浴後も素早く身体を乾かし、熱が奪われる前に布団に入って身体を休めれば体力の回復にも効果的です。なお、シャワーを浴びるだけならよいだろうと湯船に入らない人もいますが、身体を充分に温めるためにも、ぜひ湯船に浸かるようにしましょう。また、入浴前には部屋や脱衣所を温めたり、洗った髪は直ぐにドライヤーで完全に乾かすなどの工夫も必要です。

参考:入浴に関する参考書


◆参考図書
前田京子『お風呂の愉しみ』飛鳥新社
前田京子 著
『お風呂の愉しみ』
飛鳥新社・1999年11月、¥1,575
食事にメニューがあるように、お風呂にもメニューがあっていい。石けん・シャンプー&リンスから、入浴剤・化粧品・歯磨きまで、安心できる材料で手軽に楽しく作れるボディケア用品のレシピの数々をエッセイとともに紹介。
石川泰弘『お風呂の達人―バスクリン社員が教える究極の入浴術』草思社
石川泰弘 著
『お風呂の達人―バスクリン社員が教える究極の入浴術』
草思社・2011年2月、¥1,260
入浴剤の老舗バスクリン社員が、長年の入浴剤研究でわかった「正しいお風呂」の入り方を大公開!心身の疲労回復からメタボ解消やダイエットまで、目的にあった入浴術をわかりやすく紹介。


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【3】お風呂のメンテナンス〜掃除法と節約法〜

 毎日のようにお風呂に入る人もいると思います。日頃から頻繁に利用するお風呂はいつも快適かつ経済的にに利用したいものです。
 本節では、お風呂の効果的な掃除法と節約術について簡単ながら紹介しました。
お風呂掃除のコツ

 現代の日本の家は気密性が高く、風通しがよくないため、マンションなどは特に湿気をため込みやすい構造になっています。その中に湿度と温度が常に高い風呂場があります。カビの好物は温度と湿度と汚れで、特に石鹸滓や湯垢など風呂場の汚れはカビの栄養になります。家全体にカビを広げないためにも、風呂場の汚れやカビを増やさないことが大事です。今のうちにしっかり掃除し、風呂の汚れを冬に持ち越さないようにしましょう。


■週1回こまめに掃除したい場所
浴室の床
浴室の壁
シャンプーボトルや石鹸置きなどの小物
浴槽の蓋
排水口
お風呂掃除のゴールデンタイム
 入浴前に掃除をする人は結構多いのですが、実はお風呂掃除のゴールデンタイムは入浴直後です。入浴直後に掃除をする習慣のある人のお風呂は大体きれいなことが多いです。浴槽は入浴直後に排水しながらシャワーをかけて洗えば汚れが溜まりにくくなりますが、反対に次の入浴時まで掃除をしないと当然ながら汚れは取り除きにくくなります。ただ、残り湯を洗濯に使ったり防災上の理由で残したりする人は入浴直後の掃除は難しくなります。残り湯があると浴室にカビが生えやすいのは事実ですが、どちらを選択するかは各自のライフスタイル次第です。
 また、浴室の床や壁は、週1回掃除するのが理想的です。床は意外と汚れています。最近は身体だけでなく、ペットや靴を浴室で洗う人もいますから、風呂場には様々な雑菌が存在しています。壁も、身体を洗っている泡が飛び散るため、意外とカビが生えやすいのです。そのため、床も壁も風呂用のカビ取り剤を使用して洗い、しっかりカビを取り除くことが大切です。その際に注目したいのは、たとえば壁と床の境目や排水用の溝、棚と壁の境目などといった窪んだ部分で、こうした窪んだところはカビが生えやすいので要チェックです。黒い点が見えたら、カビ取り剤を使いましょう。黒い点はいわばカビの巣で、そこからカビの胞子が空気中に舞い上がり、カビが広がります。この巣をなくすことが大切です。
意外なカビの温床
 想像もしなかった場所がカビの巣になっているケースもあります。よくあるのはヘアケア用品やブラシ類などの裏側です。買ったものの使わなくなったシャンプーなどを勿体ないからと浴室内に置いておくと、滅多に動かさないからボトルの裏にカビが生えてしまうのです。久しく触っていないボディブラシや海綿、ヘチマなども、気づけば真っ黒になっていることがあります。こういうものを廃棄するだけでカビが減ったという話もあるくらいで、まずは要らないものを捨て、その上で週に1回はボトルやブラシ類の裏もちゃんと洗うように心懸けましょう。また、浴槽の蓋も同じくカビが生えやすいので注意が必要です。特にジャバラ状のものは掃除も面倒なため、あっという間に黒くなりがちです。使わない時間は外で日干しをするよう心懸けましょう。さらに、見て見ぬふりをしたくなる排水口も週に1回は掃除したいものです。ドロドロした状態を見るのも嫌だという人は、最初にカビ取り剤をかけて放置し、汚れを分解させて濯いでから髪の毛などのゴミを掻き取るとよいでしょう。なお、風呂場にカビが生えてきているなら週に1回はカビ取り剤を使います。こまめにカビ取り剤を使用することで、カビが蓄積して黒くなって取り除きにくくなることを防ぐことができます。カビ取り剤は、一度に大量に使って長時間放置するよりも、規定の量と時間で頻繁に繰り返し行う方が効果は高くなります。なお、カビ取り剤を使う時は、他の洗剤と混ざらないように気をつけましょう。

■月1回は掃除したい場所
風呂釜
イスや洗面器
換気扇
天井
風呂釜の掃除
 月に1回は普段目につかないところまで掃除しましょう。そして、その筆頭として、見えないだけで意外と汚れているのが風呂釜です。しかし、風呂釜の中は直接掃除できないので、定期的に風呂釜洗浄剤でキレイにしたいものです。風呂釜洗浄剤はスーパーやドラッグストアで販売しています。風呂釜は知らないうちに雑菌の温床になっている可能性があります。理想は月に1回程度、最低でも季節に1回は風呂釜の掃除をした方がよいでしょう。風呂釜は、配管に水を循環させて温める「2つ穴タイプ」と、追い炊き機能がある給湯器を使う「1つ穴タイプ」があります。2つ穴タイプの方が汚れは激しいですが、1つ穴タイプも浴槽の湯を吸い上げて追い焚きするので、途中の配管に古い湯が残り、次の給湯の時にその汚れが一緒に出てくることがあります。どちらのタイプであっても、気持ちよく入浴するためには配管の掃除を定期的にすべきでしょう。特に追い焚きを頻繁にしたり入浴剤を使ったりする場合は汚れやすいので要注意です。自分の手を使って洗うことはできないから、市販の風呂釜洗浄剤を使いましょう。
換気扇や天井も掃除を
 イスや洗面器、鏡、換気扇などの備品もカビが生えやすいと言います。入浴後は乾燥させるようにして、月に1回はカビ取り剤でケアしましょう。中でも鏡と壁の隙間がカビの巣になっていることが多いので特に注意が必要です。また、鏡の前面に水道水のミネラル成分が付着して白く汚れている時は、クエン酸を水で5%ぐらいに薄めたものや食酢を塗って10分ほど放置すれば汚れが緩み、スポンジで落としやすくなります。ただし、絶対にカビ取り剤と一緒には使わないことが肝要です。アルカリ性のカビ取り剤と酸性のものを混ぜるのは危険です。使ったらきちんと濯ぎ、別の日に改めて掃除します。さらに、天井も月に1回のペースで掃除したいものです。天井にカビ取り剤を使う場合は、柄のついたスポンジなどに付けて垂れないように慎重に塗り、濡れ雑巾で拭き取ります。天井全体にカビが広がって真っ黒になってしまった場合は自力では難しいので、専門業者に相談しましょう。

お風呂での節約法


給湯機でお湯
 給湯器と水から沸かすでは1回あたり約4円の節約です。意外に給湯器でお湯をはると、水から沸かすより時間もガス代もお得です。1回で約4円と20分の時間短縮にもなります。

お風呂の水
 15度の水を20度から沸かすと1回あたり約13円のお得です。夏場のとっても暖かい日は、お風呂に朝から水を入れておくと少しは水温が上昇しお得です。

風呂の蓋
 追い炊きで1度上げるには約3円ほど消費します。風呂には蓋をして水温を下げないようにしましょう。しかし、追い炊きばかりしていては節約になりません。また、蓋をするのとしないのでは保温効果が全然違うので、ガス代の節約にもなります。

風呂は続けて入浴
 追い炊きで2度上げるには約6円ほど消費します。毎日追い炊きすると月180円も無駄使いしてしまうのです。そして、お風呂は沸かしたらすぐ続けて入浴しましょう。蓋があったとしても1時間当たり約1度は温度が下がります。

風呂は半身浴
 お風呂水を腰くらいまで入れましょう、温度はぬるめの38〜40℃がベストです。後は温泉と同じような感覚で普通に湯船に浸かり、身体をしっかりと温めます。意外にしっかり身体が温まり、オススメの入浴法です。

お風呂に保温シート
 お風呂は次々に入ると熱いうちに入れますが、どうしても続けて入れない時には風呂蓋を利用する人が殆どだと思います。しかし、それよりも便利なのもが温度付き保温シートです。使い方は簡単で、サイズが70×110pなので浴槽の大きさに切る必要はありますが、それを湯船に保温シートを浮かべるだけです。お湯の温度が分かるので、温度を見て追い炊きするかどうか確認することもできます。値段も1000円ちょっとで売られていますが、100円ショップにも温度計は付いていないタイプの保温シートが売られています。なお、これは身体洗う場所に引くマットでも代用できます。保温シートより厚みがあるので保温効果が高くなります。そのマットを浴槽の大きさに合わせて切って、使わない時に邪魔にならないように何等分かに切って使います。

顔を洗う時は水で
 寒い季節朝起きて顔洗う時にわざわざ給湯機のお湯で洗ってませんか? 朝顔洗うためだけに給湯機を動かすと、ガス&電気代を無駄に消費してしまいます。真冬の水は冷たいですが、気持ちも身体も引き締めるという効果もあり、目も覚めます。少し我慢して、給湯機をつけずに水で顔を洗うというだけで電気代&ガス代のちょっとした節約にもなるのです。

参考:お風呂に入ってる時に地震が起こった時の対応法

 お風呂は裸で最も無防備ですから、お風呂に入っている最中に突然グラッと来たら当然パニックになってしまいがちですが、正しい対処法をチェックし、落ち着いて行動するように心懸けましょう。それでも慌ててしまいがちなお風呂での地震ですが、「お風呂は意外と安全」ということを忘れずに、ゆっくりと落ち着いて避難しましょう。


■1: 頭を守り、揺れが治まるのを待つ
 お風呂やトイレは狭い分、周りに壁が多くしっかりとしている傾向があり、落ちてくる大きなものもないので、意外と他の部屋より安全だったりします。ですから、慌てず、落ち着いてお風呂の中で揺れが治まるのを待ちます。また、風呂場は滑りやすいので立ったままでいないで、必ずしゃがむか座り込んでしまいましょう。そして、落下物などから身を守るため、お風呂の蓋などで頭を守ります。また、窓や鏡などのガラスの破損によるケガに注意します。さらに、身の安全が確保でき、余裕があれば、お風呂のドアが変形して開かなくなり、閉じ込められるのを避けるために、少しだけドアを開けておきましょう。

■2: 足許に危険がないか注意する
 揺れが治まったら、剃刀や鏡など危ないものが落ちていないかをよく確認します。裸足ですから、充分注意しましょう。

■3: 追い炊きや自動スイッチを切り、お湯は抜かない
 お風呂から上がる時、追い炊きや自動スイッチが入っていたら、忘れずに切りましょう。ガスを止め、火災が起きることを防ぎます。また、断水の可能性も考えて、お湯は抜かず、そのままにしておきます。そうしておけば、その水をトイレを流すのに使ったり洗濯などにも使うことができます。

■4: 追い炊きや自動スイッチを切り、お湯は抜かない
 お風呂を上がった後は裸ですが、とにかく避難を優先しましょう。下手に服を着ていて2度目の揺れが来ては大変です。緊急性が高い場合は、バスタオルや毛布で体を包み、着替えを忘れずに持ち、とにかく外に逃げます。落ち着いたら服を着ればよいのです。この時、靴はしっかりしたものを履くように注意しましょう。


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【4】入浴剤の利用とその注意点

 最近では入浴剤を利用する人も増えてきました。やりようによっては、自前の入浴剤を工夫することで日頃から温泉気分を味わうことも可能です。
 本節では、入浴剤の歴史から始めて、その利用法や注意点などについて解説しました。
一番風呂と入浴剤

 昔からさら湯(淡水)浴はお年寄りに毒だと言い伝えられてきました。さら湯はただのお湯なので、水質の成分(※硬水成分:カルシウム、マグネシウム)が熱の伝播を高めたり、浸透圧の関係でお肌をチクチク刺激いたします。そのため、特に肌の弱った人には不快さを与えます。入浴剤の成分は肌に不快さを与える硬水成分を軟水化する作用があるため、安らぎが求められる入浴が楽しめます。

入浴剤 入浴剤

入浴剤の歴史

 日本は世界でも有数の温泉国で、古来より人々は天然の温泉を利用して、病気や怪我の治療、また健康保持増進に温泉を利用してきました。また、同様の目的で薬用植物の利用が盛んに行なわれて今日まで伝えられています。その意味で入浴剤の発生は、天然の温泉と薬用植物による薬湯に由来しているものでもあります。なお、薬用植物を用いた薬湯は、端午の節句の菖蒲湯や冬至の柚子湯のように古くから庶民の間に慣習として受け継がれ、江戸時代には治療を目的としたものが既に処方化され、皮膚病の治療薬湯などに用いられていました。たとえば貝原益軒の『養生訓』の中には五木八草湯の記載があり、そこに用いられた植物は桑や楡、桐、菖蒲、忍冬などがあります。

 近年においては、明治中期に、種々の生薬を配合し、布袋に入れ煎出して用いる商品が作られたのが初めての入浴剤です。その後、「種々の効果を持つ温泉(子宝の湯、腫れものの湯、中気の湯、美人の湯など)を、わざわざ温泉地にまでゆかなくても、家庭で簡単に応用できないか」という考え方から、天然の温泉成分を乾燥・粉末化したものから始まり、昭和初期には無機塩類入浴剤(ノボピン、バスクリン等)が開発されて発売されました。これらは温泉を構成している成分のうち安全性が高く、また効能効果を有し、品質が安定して確保しやすい基剤が選択されました。さらに、入浴で得られるリラックス感を助長し、入浴を楽しくするために色素や香料が添加されました。
 戦前、入浴剤は主に公衆浴場で使われ、一般家庭の風呂場で愛用されるまでは至りませんでした。これは、当時は風呂付の住宅を持っているのは都市部ではごく限られた人々であり、殆どは近くの銭湯を利用するのが普通であったという背景があります。しかし、日本の住宅事情も1960〜70年代にかけてマイホームや公団住宅、民間のマンションなどの建設が増え始め、風呂付住宅が常識となってきました。この頃から健康志向やリラックス空間としてのお風呂の位置づけが認識され始め、酵素系入浴剤や炭酸ガス系入浴剤の市場投入により急速な市場規模の拡大を見るに至ります。その後、保湿成分でスキンケア効果を期待する商品の開発も盛んに行なわれ、家庭でできる手軽な健康法として、種々の入浴剤を使用した入浴が見直されてきています。このように今日においては、入浴剤は温浴効果及び清浄効果による諸症状の緩解等、健康維持の一環として用いられ、さらにスキンケア効果や入浴時のリラックス感助長の改善に広く寄与しています。
入浴剤の効果とメカニズム

 入浴剤の基本的な効果は、(1)入浴そのものによって得られる温浴効果(身体を温める、痛みを和らげる等)と、(2)清浄効果(汚れを落とす、皮膚を清浄にする等)を高めることにあり、この考え方を基に商品に表示或は広告できる具体的な効能が薬事法に定められています。


無機塩類系入浴剤
 硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カルシウム、塩化ナトリウム、等を主成分とするもので、剤型的には粉末、顆粒が多い。

 このタイプの最大の効果は、塩類が皮膚の表面の蛋白質と結合して膜を形成し、この膜が身体の熱の放散を防ぐために、入浴後の保温効果が高く、湯冷めしにくいということです。特に硫酸ナトリウム(芒硝)は皮下組織の賦活作用と修復作用があり、あせもやひび、あかぎれ等の予防に効果があります。また、炭酸水素ナトリウム(重曹)は石鹸と同じように皮膚の汚れを乳化し、清浄効果を有しています。最近各地の温泉地名を付けた商品が発売されていますが、無機塩類の他に香りや色等で温泉気分のリラックス感を引き出しています。

炭酸ガス系入浴剤
 炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム等とコハク酸、フマル酸、リンゴ酸等を組み合わせたもので、剤型的には錠剤や粒状

 このタイプは炭酸ガスの血管拡張作用を有効利用したもので、湯に溶けた炭酸ガスは皮膚吸収により容易に皮下内に入り、直接血管の筋肉へ働きかけ血管を拡げます。血管が拡がると末梢血管の抵抗が弱まるので血圧が下がり、血流量が増えますが、その結果、全身の新陳代謝が促進され、疲れや痛み等が回復します。同時に温かい湯に入っているならば血液が体表面の熱を全身へと運び、身体の芯まで温まることになります。なお、皮下内に入った炭酸ガスは肺から呼吸によって体外へ排出されますので、身体の中に蓄積するようなことはありません。

薬用植物系入浴剤
 センキュウ、トウキ、ボウフウ、チンピ、カミツレ、ハッカ葉等の生薬を配合しており、生薬をそのまま刻んだもの、生薬のエキスを取り出して他の成分と組み合せたもの等種類は色々。

 このタイプの効果は生薬の種類によって異なりますが、生薬に含まれている化学成分の働きと独特な香りの働きとから成り立っています。生薬はそれぞれ長い歴史の中から生まれ、その効果は医療薬として、日本ばかりでなく欧米でも高く評価されています。また、入浴剤に応用した場合にも血行促進効果や湯冷め防止効果等が認められており、そのメカニズムについて最近盛んに研究がなされ、徐々に解明されつつあります。そして、もうひとつの効果である香りについては、生薬に限らず、アロマテラピー(芳香療法)が最近注目され、研究の対象となっています。香りによるリラックス効果は脳波や心拍数等の測定により証明されてきています。

酵素系入浴剤
 蛋白質分解酵素、パパイン、パンクレアチン等の酵素を配合したもので、無機塩類と組み合わせて使うことが多い。

 酵素は医薬品の消化剤や洗浄剤等によく利用されますが、人間はもちろん微生物や植物などの生物の体の中で作られ、蛋白質や脂肪、澱粉等を分解して消化や洗浄を助ける効果を持っています。入浴剤に酵素を配合する目的は、皮膚に無理な刺激を与えずに清浄にし、他の成分と一緒に入浴効果を高めることにあります。人の皮膚表面の角質層は外界の温度や刺激等から体を保護する働きを持っていますが、外界環境のチリや埃が皮膚表面で絡まって毛穴や皮膚の溝の中に入り込み、落ちにくい汚れとなっていることがあります。酵素はこのような汚れに特異的に作用して、汚れを小さくしたり別の形に変えたりして洗い流し易くします。その結果、浴後は清潔で滑らかな使用感をもたらします。

清涼系浴用剤
 l−メントール、炭酸水素ナトリウム、硫酸アルミニウムカリウム等を配合したもので、剤型的には液体、粉末、顆粒が多い。

 このタイプは夏の入浴を快適にするためのもので、主にl−メントールを配合して冷感を付与させたものや、炭酸水素ナトリウムや硫酸アルミニウムカリウムを配合し入浴後の肌をサッパリさせたものがあります。また、お湯の色は青色を基調にしたものが多く、視覚的にも爽快感を付与してくれます。

スキンケア系入浴剤
 セラミド、コレステリルエステル、米胚芽油、エステル油、スクワラン、ホホバ油、ミネラルオイル、米発酵エキス等の保湿成分を主に配合したもので、剤型的には液体が多い。

 このタイプは、保湿成分が入浴中に皮膚に吸着浸透し、スキンケアを行うものです。特に冬の乾燥時は、入浴後過度に角層中の水分が失われ、お肌のかさつきが起こりやすくなっており、入浴剤によるスキンケアが重要となります。また、入浴で膨潤したお肌は浸透し易い状態になっているため、保湿成分が肌の表面に吸着するだけではなく、角層内部にまで浸透してゆきます。その結果、入浴後はお肌がしっとり、すべすべになります。

快適な入浴法と入浴剤の活用


疲れや冷え、ストレスと入浴の効果の関係
 温暖化の影響による猛暑と、それに対して通勤電車やオフィスでの過冷房、さらにそれに加えて夏場の多湿といった外部環境のストレスにより自律神経の機能が低下し、体温調節障害や血行障害を生じる場合があります。特に冷房が効いている室内に長時間いると血行障害を生じ、身体(手足や腰)の冷えとなります。その結果、食欲不振や不眠、倦怠感などの夏季特有の症状、つまり夏バテが現われてきます。
 入浴により3つの物理作用(温熱、水圧、浮力)が効果的に働き、特に夏の疲れや冷え、ストレスの解消に繋がります。微温浴(35〜38℃)は筋肉を弛緩させ、副交感神経の働きにより精神的な安らぎと落ち着いた気分になれます。一方、高温浴(42〜44℃)は、交感神経を刺激して新陳代謝を高め心身共に活動的にします。また、入浴時の水圧により肺容量が減少して呼吸数が上昇し、心臓の働きが活発になり、全身の血行がよくなります。さらに、水中では身体が軽くなるため、だるさを感じなくなり、心身共にリラックスできます。

■疲れや冷え、ストレス解消のための入浴法
ぬるめ(37℃前後)の湯
 ぬるめの湯に長めに入ることで、副交感神経の働きによりリラックスできます。また、みぞおちから下だけお湯につかる半身浴でゆっくり入浴することで、ゆったりとリラックスできます。お風呂上りも過剰に汗が残らずさっぱりします。
熱め(42℃前後)の湯
 熱めの湯に短時間入ることで血行をよくし、疲労物質を早く取り除く効果が期待できます。入浴効果を高めて血行を促進する入浴剤を利用したり、翌日に疲れを持ち越さないように好きな香りの入浴剤でリフレッシュするのもオススメです。

疲れを解消したい時にオススメな入浴剤


入浴効果を高めて血行を促進する入浴剤
  1. 硫酸塩(硫酸ナトリウム・硫酸マグネシウム)や塩化ナトリウムなどを配合した無機塩類系入浴剤
  2. 炭酸ガスを発生する錠剤タイプの炭酸ガス系入浴剤
  3. センキュウやトウキ、チンピ等の生薬やそのエキスを配合した薬用植物系入浴剤
 上記入浴剤を活用することで、温浴効果が高められ、疲れ解消につながります。

ストレス解消、リラックスしたいときにおすすめな入浴剤
 リラックスするには、季節に関わらずリラックスできない要因、すなわちストレスの原因を取り除く必要があります。入浴剤の使用によっては、基本的な入浴の効果である温浴効果(身体を温める、痛みを和らげる等)や清浄効果(汚れを落とす、皮膚を清浄に保つ等)を高め、さらに色や香りを楽しむ機会を提供してくれます。

 なお、夏場の入浴に特に求められる効果としては、
  1. 汗等による不快感
  2. 冷房による体調不良
  3. 強い日差しによる肌のダメージ等の解消
 が挙げられます。

 (1)には肌にさっぱり感や引き締まり感を与える成分として炭酸水素ナトリウムや硫酸アルミニウムカリウム等を配合したもの、また、メントール等による清涼感を付与したものがオススメです。また、色調は寒色系(青、緑系色等)のものが視覚的にも涼味を与えてくれます。次に(2)には硫酸ナトリウムや硫酸マグネシウム、塩化ナトリウム等の無機塩類系入浴剤、また、炭酸塩と有機酸による炭酸ガス系入浴剤、センキュウやトウキ、チンピ等の生薬やそのエキスを配合した薬用植物系入浴剤等が温まりや血行促進効果を発揮してくれます。そして、(3)ではスキンケアに主眼を置いた入浴剤としてセラミドやスクワラン、ミネラルオイル等を含む入浴剤が挙げられます。なお、一般にリラックスできる色調はパステル系とされてており、気持ちを鎮めたい時は寒色系、憂鬱な気分を盛り上げたい時には暖色系が有効だと言われています。また、ジャスミン系やレモン系の香りも気分をリラックスし、リフレッシュするには有効です。

参考:夏の冷房などによる冷えを解消したいときの入浴法
 夏の暑いときに冷房の効いた場所に入るのは気持ちがいいものですが、しかし、冷房の効き過ぎなどで外気温と室温の差が大きくなると、自律神経の体温調節機能にくるいが生じます。これが冷房などによる冷えの状態です。これを解消する入浴法は、ぬるめ(37℃前後)のお風呂に長めに入り、冷えた身体を温めることです。また、暑い時期にお風呂に浸かる気がしないという人は、ぬるめのお湯をみぞおちくらいまで入れ、ゆっくり浸かる半身浴もオススメです。

冷えを解消したい時にオススメな入浴剤

 冷えの解消には、無機塩類系や炭酸ガス系、薬用植物系入浴剤がオススメです。


無機塩類系入浴剤
 塩類が皮膚の表面の蛋白質と結合して膜を形成し、この膜が身体の熱の放散を防ぐために入浴後の保温効果が高く湯冷めしにくくなります。

炭酸ガス系入浴剤
 湯に溶けた炭酸ガスが皮膚吸収により容易に皮下内に入り、直接血管の筋肉へ働きかけて血管を拡げ、皮膚血流が増加します。その結果、入浴効果が高まり、冷え性や肩凝り、身体の疲労感、だるさ、腰痛、神経痛などの症状に対し高い改善効果があります。

薬用植物系入浴剤
 生薬に含まれている成分の働きと独特な香りの働きから成り立っています。生薬はそれぞれ長い歴史の中から生まれ、その効果は医療薬として日本ばかりでなく欧米でも高く評価されています。また、入浴剤に応用した場合にも血行促進効果や湯冷め防止効果等が認められています。

入浴剤を安心して使うには
人体への影響


皮膚への刺激
 現在医薬部外品として厚生労働省の承認許可を得て販売されている入浴剤は、その成分や幾つかの商品で実施している皮膚刺激性テストの結果から見て問題となるような皮膚刺激性はありません。ただし、極く稀にアレルギー性を示す人がいますので、その場合は使用を中止して下さい。

誤飲
 子どもが入浴剤を溶かした湯を誤って飲んでしまっても特に問題はありません。また、商品そのものを飲んだり舐めたりした場合でも、少量なら問題ありませんが、多量の場合には医者に診てもらいましょう。

眼に入ったら
 入浴剤を溶かした湯が眼に入った場合、通常の使用濃度であれば問題はありません。

乳児、妊婦への使用
 赤ちゃんの皮膚は脂性の分泌物が多く汚れやすい上、肌もまだ未熟で細菌感染に対する抵抗力も非常に弱く、オムツかぶれや湿疹などのトラブルが起きやすい状態にあります。従って、初めの1ヶ月、できることなら3ヶ月頃までは赤ちゃん専用の浴槽を用い、殺菌作用のある沐浴剤を使用して、皮膚が安定してきた3ヶ月頃から入浴剤のお風呂で親御さんと一緒に入浴して下さい。また、妊婦への使用については特に制限はありません。


参考:一番風呂と入浴剤
 赤ちゃんの皮膚は脂性の分泌物が多く汚れやすい上、肌もまだ未熟で細菌感染に対する抵抗力も非常に弱く、オムツかぶれや湿疹などのトラブルが起きやすい状態にあります。従って、初めの1ヶ月、できることなら3ヶ月頃までは赤ちゃん専用の浴槽を用い、殺菌作用のある沐浴剤を使用して、皮膚が安定してきた3ヶ月頃から入浴剤のお風呂で親御さんと一緒に入浴して下さい。また、妊婦への使用については特に制限はありません。

動植物、農作物、水環境への影響


動植物、農作物への影響
 入浴剤を使ったお風呂の残り湯を金魚用の水として利用したり、植木や野菜へかけたりすることは避けて下さい。植物の種類によっては入浴剤の成分を嫌うものがあります。

水環境への影響
 各種入浴剤の生分解性を測定した結果では、何れも60%以上の生分解性を示しましたが、これは石鹸や高級アルコール系界面活性剤と同等のレベルで、入浴剤の使用が水環境に対して悪影響を及ぼすことはないと考えられます。

浴槽、風呂釜への影響


浴槽への影響
 日本で多く使われている浴槽の材質は強化プラスチック(FRP)やホーロー、ステンレス等ですが、その他にも木やタイル、大理石などがあります。市販されている入浴剤の大部分は浴槽を傷めたり傷つけたりすることはありませんが、硫黄配合の入浴剤は金属を腐食させる恐れがありますので注意が必要です。また、FRPの一部や大理石の浴槽では、一度に多量の入浴剤を使用すると浴槽表面の光沢を失ってしまうものもありますので、商品の注意書きをよく読んだ上で使用法を守るようにしましょう。なお、最近湯が濁るタイプの入浴剤が出回っていますが、このタイプの入浴剤を溶かした残り湯を長時間浴槽に入れておくと、浴槽の底やまわりが白くなることがあります。しかし、浴槽には影響なく、風呂用洗剤等で洗い流すときれいになります。

風呂釜への影響
 浴槽の湯を沸かす方式には、(1)浴槽を下から直接加熱する方法、(2)沸かした湯を蛇口から浴槽へ入れる方法(給湯式)、(3)浴槽と風呂釜をパイプでつないで湯を循環させる方法(循環式)等がありますが、浴槽の湯が直接風呂釜やパイプと接触するのは循環式の場合です。循環式には自然循環方式とポンプによる強制循環方式とがあり、釜の材質には銅やアルミニウムが一般的に用いられています。従って、浴槽への影響と同様に、大部分の入浴剤は風呂釜等を傷めたり傷つけたりすることはありませんが、硫黄配合の入浴剤は循環式の風呂釜やパイプを腐食させる恐れがありますので注意して下さい。また、強制循環方式には循環途中にフィルターがセットされていますが、毛髪や汚れなどにより目詰まりを生じ、湯の循環量が少ないために炎が消えてしまうことが稀にありますので、充分水洗いをして下さい。特に湯が濁るタイプの入浴剤では、風呂釜内部の湯垢等に濁り成分が一部付着して循環孔から浴槽内へ出てくることがありますので、風呂釜内部や循環孔のフィルターをホースなどを使ってよく水洗いすることをオススメします。


参考:浴槽、風呂釜の取扱い説明書について
 浴槽や風呂釜の使用上の注意として「強酸、強アルカリ洗剤及び硫黄分を含む入浴剤や温泉水は、浴槽及び風呂釜の材質を劣化させ、寿命を損なうことがありますので使用しないで下さい」といった記載がありますが、現在市販されている入浴剤の大半は使用時に酸性やアルカリ性にはなりません。従って、浴槽や風呂釜の材質を損なうことはありませんが、使用に際しては入浴剤の商品パッケージに記載の注意事項をよく読んでおきたいものです。

洗髪、洗顔への影響

 入浴剤は湯の中に規定量を投入し、水を軟化させ快い香りを与え、温浴効果による諸症状の緩解が期待できると認められたものです。当然のことながら入浴剤の入ったお湯の皮膚に対する安全性については常に注意が払われています。この湯を洗髪や洗顔に使用しても石鹸や洗顔料、シャンプー等の洗浄力には殆ど影響しません。また、皮膚や毛髪等を傷めることもありません。なお、家庭風呂において家族が入浴後の湯は、皮脂や角片等の汚染も当然考えられますので、衛生上の観点から入浴中または入浴後の残り湯での洗髪や洗顔は避けた方が無難でしょう。残り湯を洗髪や洗顔に使った時は、さら湯で充分濯ぐことをオススメします。
洗濯への影響

 入浴剤を使用した家庭風呂の残り湯は洗濯用水として使われることがしばしばあります。この残り湯は洗剤の洗浄力には殆ど影響はありませんので、洗濯用水として充分使用することができます。
 入浴剤には有効成分の他に色素及び香料等が配合され、快い香りと美しい色調の浴湯は疲れを癒し、ひと時のバスタイムを楽しませてくれます。しかし、この淡い色の残り湯を洗濯に使用するために衣類への着色が問題として取り上げられることがあります。特に衣類用柔軟仕上げ剤を使用する場合、またはおろしたての衣類のような柔軟仕上げ剤で処理したものを洗濯する場合に衣類に着色することがあります。これは、柔軟仕上げ剤の有効成分である陽イオン(カチオン)界面活性剤と色素が反応して水不溶性化合物を作り、衣類に薄い着色を起こしたものです。殊に白地の生地等に事例が見られますが、洗剤液で洗濯すれば比較的簡単に洗い落とすことができます。さらに落ちない時には漂白剤を使用して下さい。これ等を未然に防ぐために、一般に入浴剤を使用した残り湯を洗濯に使用する時は、洗剤を用いて洗ったあと水道水でよく濯ぎ、後に柔軟仕上げ剤を使用することをオススメします。なお、殆どの入浴剤は使用方法の注意書きに、残り湯と柔軟仕上げ剤の併用を避けるように表示をしています。ちなみに、最近上市されている柔軟仕上げ剤入洗剤で洗濯する場合には、入浴剤を使用した残り湯で洗濯しても着色等の問題はありません。また、入浴剤が原因と誤認されるケースとして移染の問題があります。色物と白地の衣類を一緒に洗濯した時の移染や水中の鉄イオン(Fe3+)による黄ばみ染着等がありますので、充分な注意が必要です。
参考:手作り入浴剤で温泉気分


塩風呂
 天然塩をひとつかみお風呂に入れます。塩は皮膚の老廃物や余分な皮脂を取り除き、血行を良くしてくれます。身体が温まるので、寒い季節にオススメです。

フルーツ風呂
 オレンジやレモン、リンゴなどの皮をティーポットに入れ、熱湯を注ぎ5分ほど蒸らしてからお風呂に熱湯を皮ごと入れます。温泉のように身体の芯から温まり、湯冷めしにくいお風呂になります。

蜂蜜風呂
 蜂蜜大匙2ぐらいをお風呂に入れ、よく掻き混ぜます。蜂蜜はビタミン・ミネラルを多く含んでいるので、肌に栄養を与えてくれます。また、殺菌効果もあり、肌を清潔に保ってくれるので、ニキビができている時などに効果的です。

ワイン風呂
 ワイン2カップぐらいをお風呂に入れよく掻き混ぜます。ワインは老化を防ぐアルファハイドロキシ酸(AHA酸)を含んでいるので、肌を若々しく保ってくれます。一般的に赤ワインは収斂効果があり、オイリー肌の人向け、また、白ワインはドライ肌の人向けとされています。

ハーブ風呂
 ハーブには様々な薬効があります。ポットにハーブティーを濃いめに入れ、ポットからお風呂に注いでよく掻き混ぜます。また、ドライハーブがあれば木綿の袋(ガーゼなど)に入れて口を縛り、水のうちから浴槽に入れて沸かします(給湯式なら鍋で20分ほど煮出したものをお風呂に入れます)。ドライハーブを使うと、薬湯のようなムードのお風呂になります。

ミルク風呂
 牛乳3カップ程度をお風呂に入れてよく掻き混ぜます。牛乳は肌に栄養を与え、肌を柔らかくしてくれます。ミルク風呂に入ると、肌がしっとりとして、つるつるになります。


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