| 【1】インフルエンザとは?〜その種類と症状〜 |
今年もインフルエンザが猛威を振るっています。本節では、インフルエンザとは何か、A型・B型・C型などインフルエンザの種類とその症状、また、風邪とインフルエンザの違いや合併症などについて取り上げました。
|
| 古代から知られていたインフルエンザ |
| ■ |
インフルエンザの語源 |
|
昨今流行が騒がれているインフルエンザですが、インフルエンザそのものは紀元前のヒポクラテスの時代から知られていた病気です。インフルエンザは突如流行し、短期間のうちに広範囲で猛威を振るい数ヶ月で終息すること、大流行が周期的にくることなどから、16世紀のイタリアでは、占星術師などによって、この病気は天体が原因であると考えられていました。そのため、「星の影響(Influentiacoeli)」を意味する言葉から、この感染症は「Influenza(インフルエンツァ)」と呼ばれたのが語源です。そして、18世紀の英国での流行時にこの名称が正式に使われ、世界に広まりました。 |
|
| ■ |
インフルエンザの語源 |
|
日本でもこの病気は、いわゆる「はやり風邪」という名前で知られていました。古くは『源氏物語』や『増鏡(ますかがみ)』などに「咳逆」と記されており、江戸時代には「お駒風」や「谷風」といった世相を反映した様々な名称が付けられました。そして、明治23年の大流行の時に新たに「流行性感冒(流感)」という名称が付けられ、定着しました。 |
|
| ◆ |
参考:スペイン風邪の猛威 |
|
20世紀の流行では、スペイン風邪(1918年)やアジア風邪(1957年)・香港風邪(1968年)・ソ連風邪(1977年)が知られます。中でも第一次大戦中に3度に渡って世界を襲ったスペイン風邪が有名です。全世界で人口の半数が感染、約4分の1が発症したと推定されています。死亡者の数は2千万とも3千万人以上とも言われ、疫病史上有数の大被害となったことで知られます。日本でも死者39万人近くを数えました。ちなみに、続くアジア風邪の被害はスペイン風邪の約10分の1ではありましたが、抗生物質時代に入ってからの重大な流行として知られています。 |
|
|
| インフルエンザの種類 |
| インフルエンザの型〜A型、B型、C型のそれぞれの性質と特徴〜 |
| ■ |
インフルエンザA型:常に新しく変化し続ける感染流行の最先端 |
|
毎年感染の主体となっているのがこのA型です。インフルエンザA型は最も一般的な種類で、インフルエンザという言葉で連想するのは大抵がこのインフルエンザA型です。症状も風邪とは違った重い喉の痛みや酷い鼻づまり、頭痛、高熱が特徴的です。
A型は感染力が強いため、世界的に流行しやすい特徴があります。また、人だけではなく他の鳥や豚、馬などにも感染するインフルエンザで、よく話題に上がる鳥インフルエンザも実はこのインフルエンザA型に分類されています。ウイルス内部で多様に変異するため、様々な種類のものが存在しその数144種類もありますが、ただし、人に感染するのはその中の一部のみです。また、予防するワクチンもA型に対抗するため毎年出来るだけ用意されているのですが、免疫が適用されず、感染してしまうことがあります。それは何故かと言うと、A型は媒体を通してウイルスが進化してゆき、新型インフルエンザとなってワクチンが作られる前に流行してしまうからです。たとえば鳥に感染したウイルスがそのまま豚へと感染し、豚から人へと感染してしまうことが主な感染の流れです。抗体が作られたウイルスも、他の動物から出たウイルスと結合されて凶悪なウイルスへと進化することもあります。抗体が体内で作られるようになっても、その効能は余り長く継続されず、少し年月が経過してしまうと効果が切れてしまうので再び感染してしまう可能性があるのです。 |
|
| ■ |
インフルエンザB型:ワクチンや治療で感染ブロック |
|
インフルエンザB型は人のみに感染するインフルエンザです。世界的に大きく感染が広まったことがないのがB型タイプです。感染力は強いものの高熱にはなりくく、免疫を持った人が多いため、A型ほどには流行することはありません。A型と違い、人同士の間でしか感染しないので、一度感染したり予防接種により抗体を作ると効果が長く続きます。そのため、B型の感染が見られても、余り範囲は広がってゆかずに小さな範囲で収束してしまうことも多いのです。
発症すると、A型と違って消化器系に異変が生じるので、どちらを発症したのか判断しやすいと思います。病自体もA型よりも弱いものなので、日頃から健康に過ごしていれば感染しても直ぐに治るのも、大きく感染流行しない要因の一つでしょう。ただし、感染自体が自覚しにくい上に、体内にウイルスが残留する期間が長いため、身近な人に移してしまう可能性が懸念されます。また、A型よりも解熱に時間がかかるというのも厄介な点です。 |
|
| ■ |
インフルエンザC型:影響が全然無い微弱な型 |
|
インフルエンザC型もまた人のみに感染するインフルエンザです。他のインフルエンザとの違いとして、A型、B型が季節性インフルエンザなのに対し、C型は通年性のインフルエンザという点が挙げられます。
C型に罹るのは免疫力が弱い4〜5歳以下の子どもが殆どで、体調に大きく異変が現われるわけでもなく、鼻水がよく出る鼻風邪のようになるくらいで、その症状が出ない時もあります。大人には余り感染せず、感染したとしても、インフルエンザと認識せずに風邪と間違える程度です。また、C型は感染力の弱さや症状の気付きにくさから流行することは殆どありません。さらに免疫はほぼ一生継続されると言われ、感染したことがある人がもう一度感染することは滅多にありません。インフルエンザにしては感染力も症状も軽いため、他の2つとは別の病タイプとして扱われることも多く、話題に上がることが少ないインフルエンザです。 |
|
| ■インフルエンザの種類と特徴 |
|
A型 |
B型 |
C型 |
| 感染する生き物 |
人・鳥・豚・馬など |
人 |
人 |
| 種類 |
144種類 |
2種類 |
1種類 |
| 性質 |
非常に変異しやすい |
変異しにくい |
変異しにくい |
| 時期 |
冬場(12〜1月が多い) |
冬場(2月〜3月が多い) |
通年 |
| 症状 |
38度を超える高熱、全身の症状 |
消化器系の症状 |
風邪程度、主に鼻水など鼻風邪のような症状 |
| 解熱にかかる時間 |
1日程度 |
1日半〜2日 |
ほぼ一生(人生で2度罹ることは殆どない) |
| 流行の状況など |
毎年流行する他、爆発的な大流行がある。また、細菌性の肺炎を高率に併発するため高齢者は死亡するケースも |
散発的に小流行を繰り返す(※最近は2年に1度程度の流行) |
症状は通常の風邪に似ているが、通常は余り大きな流行は起こさない |
|
|
| インフルエンザの種類〜季節性インフルエンザと新型インフルエンザ〜 |
インフルエンザには、A型、B型、C型のウイルスの型による分類の他に、(A)季節性インフルエンザと、(B)新型インフルエンザの2つの区別があります。
| ■ |
季節性インフルエンザ |
|
毎年冬を中心に流行するもので、昔から知られている一般的なインフルエンザです。1度罹ると体内に抗体が出来るので、殆どの人が既に免疫を持っています。従って、罹っても比較的症状が軽くすみやすく、数日で自然に回復することが多いとされています。ただし、これまで1度もインフルエンザに罹ったことのない子どもや、或は持病のある人、高齢者などは注意が必要です。重症化して脳症や肺炎などを併発する場合もあり、実際にインフルエンザを起因に死亡者も出ていまするので、油断は禁物です。症状としては38〜40度以上の急な発熱や、咳、鼻水、喉の痛み、高熱、頭痛、倦怠感、関節痛、筋肉痛などがあります。 |
|
| ■ |
新型インフルエンザ |
|
現在までに1度も流行したことのないインフルエンザを言います。そのため、誰も抗体を持っておらず、ワクチンも効かない可能性があり、世界的に大流行を起こす恐れがあります。感染するとウイルスに抵抗する力がないために重症化する危険性が極めて高く、肺炎を併発したり、全身を冒されて生命が危ぶまれることもあり、注意が必要です。症状としては、季節性とほぼ同じですが、それに加えて、下痢や嘔吐、腹痛などの消化器症状や、或は鼻出血や歯肉出血などを併発するケースも多いとされます。 |
|
|
|
| インフルエンザとその症状 |
| インフルエンザの症状 |
上でも説明したように、インフルエンザは抗原性の違いによりA型・B型・C型に分類されますが、流行を起こすのはA型とB型です。B型が地域的な小流行を起こすのに対して、A型は短い周期で大規模な流行を起こします。ちなみに、流行が短期間に世界的に拡大し、多数の人々が年齢を問わず感染する状態を専門的は「パンデミック」と言いますが、そのような大規模な流行を起すのはA型です。もっとも人間には免疫力があるので、インフルエンザと言ってもC型などは比較的軽症ですむことも多いのですが、特にA型は他の型と違って非常に変異しやすく、そのため、いったん流行すると被害が甚大になります。このように、免疫のない新型ウイルスによるインフルエンザの流行は感染被害を拡大させる恐れがあります。鳥ウイルスが時に話題に上るのも、その意味で鳥の持つウイルスが人に感染することで多大な被害(パンデミック)を起こす恐れがあるためです。
|
| インフルエンザの症状の経過 |
インフルエンザ・ウイルスに感染後1〜3日間の潜伏期間を経て、突然38〜40度の高熱が出て発病します。それと同時に悪寒や頭痛、また背中や四肢の筋肉痛、関節痛、全身倦怠感などの全身症状が現われ、これに続いて鼻水や喉や胸の痛みなどの症状も現われます。発熱は通常3〜7日間続きます。健康な成人であればインフルエンザに罹っても大体1週間ほどで治癒に向かいますが、インフルエンザ・ウイルスは熱が下がっても体内に残っているため、他人に染すす恐れがあります。流行を最小限に抑えるためにも1週間は安静にしておくことが肝要です。
|
| インフルエンザと風邪の違い |
| ■ |
症状は風邪と似ていても、甘く見ていると死に至ることもある恐ろしい病気 |
|
インフルエンザとは、インフルエンザ・ウイルスの感染によって起こる病気で、主な症状として、高熱(38〜40度)や頭痛、筋肉痛、全身倦怠感などの全身症状と、喉の痛みや咳・痰などの呼吸器の急性炎症症状などが見られます。また、インフルエンザは通常の風邪と比べて症状が重く、全身症状も顕著に現われるため、高齢者がインフルエンザに罹ると、肺炎を併発したり、或は持病を悪化させたりして重篤になり、最悪の場合は死に至ることもあります。なお、潜伏期間が短く感染力が強いことも特徴で、流行期の12月下旬〜3月上旬にかけては毎年多くの方がインフルエンザに罹っています。 |
|
| ■インフルエンザと風邪の違い |
|
通常の風邪 |
インフルエンザ |
| 原因 |
- ラノウイルスなどのウイルス
- クラミジア
- マイコプラズマ
- 細菌
- 寒冷刺激
|
|
| 感染力 |
|
- 感染力が強く、ウイルスが気管の粘膜で急激に増加する
|
| 主な症状 |
- 喉の痛み
- 鼻がムズムズする
- 水のような鼻水
- 咳やくしゃみ
- 腰痛
|
- 38度以上の発熱
- 頭痛・関節痛・筋肉痛などの全身症状
- 鼻水
- 喉や胸の痛み
- 下痢や腹痛
|
| 流行 |
|
|
| 死亡率 |
|
|
| その他の特徴 |
- 発熱もあるがインフルエンザほど高くなく、重症化することは滅多にない
|
- 肺炎などを併発し、重症化することが多い
- 小児から高齢者まで短期間で感染が広がる
- 65歳以上の高齢者での死亡率が高まる
|
|
|
|
| インフルエンザの合併症 |
風邪の場合にも肺炎や副鼻腔炎などの合併症を引き起こす場合がありますが、頻度はそれほど高くありません。これに対しインフルエンザは、乳幼児では肺炎やインフルエンザによる入院のリスクが高くなる傾向があり、脳症などの合併症に繋がる場合もあります。また、高齢者がインフルエンザにかかった場合も肺炎などの合併症を起こしやすくなります。
インフルエンザの合併症としては特に肺炎の併発が知られています(※スペイン風邪の流行では6〜8%に肺炎を合併したと言われています。一般に肺炎の合併率は2〜5%)。特に高齢者や慢性呼吸不全患者では元々感染防御機能が弱っているため肺炎を合併しやすく、重症化しやすいとされます。それ以外には、心疾患(弁膜症)や糖尿病患者や妊婦でも肺炎を合併しやすいと言われます。心疾患の合併(心筋炎・心膜炎)や急性筋炎・神経合併症(急性脳炎やライ症候群、ギランバレー症候群など)も稀に報告されています。また、最近日本で深刻な問題になっている合併症として小さなお子さんのインフルエンザ脳症が挙げられます。
|
| インフルエンザ脳炎・脳症 |
| インフルエンザ脳炎・脳症とは? |
インフルエンザに罹った幼児(主に1〜5才)に痙攣や意識障害、異常行動などの急速に進行する神経症状が見られ、さらに、血管が詰まったり、多くの臓器が働かなくなり、その結果、生命に関わる重篤な疾患をインフルエンザ脳炎・脳症と言います。脳炎と脳症との鑑別は厳密には難しいですが、一般的に脳内に直接ウイルスが浸潤して炎症を起こす場合を脳炎と言い、脳内にウイルスが検出されず、過剰な免疫反応が見られる場合に脳症と診断されています。脳炎・脳症とも症状は似ていますが、より重症な疾患は脳症です。
脳症の発生は急激で、インフルエンザに罹ったその日から1〜2日くらいで発症します。約80%が発熱後数時間から1日以内に神経症状が見られます。僅か1日足らずのうちに重症になることもあり、朝発熱したら夜には人工呼吸器を装着というようなこともあります。かつては年間100〜200人くらい見られていましたが、最近は少なくなっています。脳症の患者の殆どが幼児(主に1〜5才)です。この年令は熱性痙攣も起こしやすい年齢であり、熱性痙攣と脳症による痙攣との鑑別が難しいこともあります。ただし、痙攣を起こしたからと言って全てが脳症というわけではありません。特に有効な治療法もなく対症療法のみです。残念ながらインフルエンザに罹った場合、どのような時に脳症になるのか予測する手段はありません。脳症はA香港型でよく見られますが、A(H1N1)2009やB型でも見られます。何故か日本に多く見られます。
|
| インフルエンザ脳症はなぜ起こる? |
インフルエンザ脳症はなぜ起こるのでしょうか。まだはっきりと原因が解明されていませんが、次のような仮説があります。
インフルエンザウイルスは最初鼻粘膜に感染して、ここで増殖して全身に広がります。当然脳内にもウイルスが侵入している考えるのが妥当ですが、ところが、脳症では脳内からウイルスが検出されたことは殆どありません。つまり、脳症はウイルスが直接脳内に侵入しなくても発症するのです。その理由は、インフルエンザの病原性(毒性)は極めて強く、このため身体を守る働きをする免疫系が強烈なダメージを受けます。免疫を調節し、体内に侵入した病原体を排除する物質をサイトカインと言いますが、そのサイトカインには多くの種類があり、相互に連携を取り合って働いており、これをサイトカイン・ネットワークと言います。そして、インフルエンザがこのサイトカイン・ネットワークを障害するその結果、過剰な免疫反応が起きて、脳内が高サイトカイン血症という状態になり、免疫が正常に機能しないため、痙攣や意識障害、異常行動などが見られるようになるのだと考えられています。さらに多くの細胞が障害を受けて全身状態が悪化すると、呼吸が止まったり血管が詰まったりして多くの臓器の障害(多臓器不全)へと進み、生命に関わる重症となります。また、鼻粘膜に一番近い脳は側頭葉と言って感覚・感情を調整する働きを持っていますが、そのため、この側頭葉が障害を受けると、感覚・感情の変化から幻覚・幻聴などの異常行動が起こることになるのです。
| ■ |
インフルエンザ脳症の進行の段階 |
|
- ウイルスの感染と鼻粘膜での増殖(この段階の症状は熱、鼻汁、咳などの風邪症状
- 免疫系の障害から高サイトカイン血症(脳内では、高サイトカイン脳症から痙攣や意識障害、異常行動)
- 多くの細胞が障害を受け、全身状態が悪化
- 血管が詰まったり多くの臓器の障害(血管炎〜多臓器不全)
|
|
|
| インフルエンザ脳症の症状 |
発症は急激で、80%は発熱後、数時間から1日以内に神経症状が見られます。よく見られる症状は痙攣や意識障害、異常行動などです。
| ■ |
痙攣: |
|
60〜80%に見られ、全身がガタガタ震えるような硬直性が多く、持続時間は一定せず、短い場合は1分足らずです。短時間で治まるような場合は熱性痙攣の可能性が高いです。それに対して、痙攣が10〜15分以上続く場合、時間は短くても何回も繰り返す場合、左右対称的でない場合などは、単純な熱性痙攣ではありませんが、だからといって脳症による痙攣とも直ぐに判断は出来ません。まず医療機関に連絡をして下さい。 |
|
| ■ |
意識障害: |
|
起きているのか寝ているのか分からないような状態です。呼んでも返事をしない、少しくらいの痛みには反応しないといったような状態です。この場合は寝ぼけと区別する必要があります。症状がどんどん進むようなら要注意で、そのような場合は直ぐに医療機関に連絡をして下さい。 |
|
| ■ |
異常行動: |
|
両親が分からないとか居ない人がいるという(人を正しく認識できない)、自分の手を噛むなど食べ物と食べ物でないものとを区別できない、アニメのキャラクターや象・ライオンなどが見えるなど幻視・幻覚的訴えをする、意味不明な言葉を発する、呂律が回らない、怯えや恐怖感の訴え・表情、急に怒り出す・泣き出す・大声で歌い出すなどといった症状は、持続時間が短ければ熱性譫妄と言えますが、脳症の場合は持続時間が長いです。どのくらいの時間を長いと言えばよいか基準はありませんが、何れにせよ、この様な症状が見られたら直ちに医療機関に連絡して下さい。 |
|
|
| ワクチンはインフルエンザ脳症を予防できるか? |
一時期「ワクチンを接種すれば脳症に罹らない」と言われたこともありましたが、ワクチン接種していても脳症に罹る場合はあります。ただ、ワクチンを接種しても免疫のでき方は個人差が大きいですし、2才くらいまでは免疫の出来方も十分ではないことがありますので、一概にワクチンは無効だとは決めつけられません。何れにせよ、ワクチンは毎年接種を続ければ免疫力も段々と高まりやすくなりますし、仮に今年度十分効果が見られなくても、毎年接種を続ければ次年度以降免疫が高まってゆきます。そんな訳で、乳幼児期からでも積極的にワクチンを接種することをオススメします。脳症の発症が1〜5才頃に多いことを考えると、生後6ヶ月から積極的にワクチンを接種した方がよいでしょう。
|
|
[ ページトップ ] [アドバイス トップ]
|
|
| 【2】インフルエンザの治療とその予防法 |
インフルエンザの治療法や予防法にはどういうものがあるのでしょうか?
本節ではインフルエンザの予防法を中心に、色々な注意点を取り上げました。
|
| インフルエンザの検査と診断〜インフルエンザ検査を受ける前に知っておきたいこと〜 |
インフルエンザが流行する冬季にはインフルエンザ以外の感染症も流行します。そのため、正確な診断を下すためにインフルエンザ・ウイルスに感染しているかどうかの検査を行ないます。最も確実な診断方法は、患者の咽頭を拭った液か
うがい液を採取し、ウイルス分離を行なうことです。もうひとつは、血液検査でインフルエンザ・ウイルスの抗体価が上昇しているかどうかを確認する方法があります。これらの検査で、インフルエンザ・ウイルスが検出されて確定診断となります。ただし、これらの検査は結果が出るまでに数日がかかるため、現在では直ぐに(10分程度)結果が出る迅速診断キットを使用している医師も多くなっています。
インフルエンザが疑われる場合は、病院で検査を受けることをオススメします。なぜならインフルエンザに罹っていると分かった場合は、抗インフルエンザ薬を服用することで、インフルエンザウイルスの増殖を抑えることが出来、インフルエンザの辛い症状を早く緩和することが可能だからです。また、会社や学校などを休むといった措置を取ることで周囲への二次感染を防ぐことも可能となります。さらに、病院に行けば簡単な検査で、インフルエンザであるかどうか、また、インフルエンザである場合、A型かB型かといったことが分かります。
| ■ |
インフルエンザの検査方法 |
|
- 鼻の奥や喉の奥を細い綿棒で拭う
- 採取した綿棒を検体処理液に入れ、採取検体を抽出する
- 検体処理液を検査キットに滴下する
- 10〜15分でキットに陽性ラインが出現しているかを目視判定する
|
|
| ■ |
インフルエンザ検査のタイミング |
|
簡単な方法で行なうことができるインフルエンザの検査ですが、インフルエンザの検査は受けるタイミングがポイントとなります。なぜなら検査を受けるタイミングが早すぎると、本来はインフルエンザに罹っていても検査では陽性反応が出ない場合もあるのです。インフルエンザの検査は発症後12時間以上経ってから受けるのがよいと言われています。
インフルエンザの簡易検査は抗原抗体反応を利用したもので、抗原抗体反応とは、抗原がそれに対応する抗体に結合する反応のことを言います。インフルエンザ検査の場合、インフルエンザウイルスが抗原、インフルエンザ検査キットの判定部に用いられているものが抗体となります。検体の中にインフルエンザウイルスが含まれていた場合、これが検査キットの抗体と反応して陽性ラインが出現するという仕組みです。この陽性ラインは、検体に含まれている抗原(インフルエンザウイルス)が少ない場合は判定できない場合があるのです。その一方でインフルエンザウイルスは、一度体内に入ると爆発的な速さで増殖するのですが、その速さは1つのウイルスが8時間後には100個、16時間後に1万個、24時間後には100万個と言われています。このため、インフルエンザが疑われる症状が発症してすぐに検査を行った場合、インフルエンザウイルスの数が少ないため検査キットでは判定できない場合がありますが、12時間以上たっていればインフルエンザウイルスは増殖して数が増えているため、検査キットで判定できるようになるのです。また、抗インフルエンザ薬は体内でインフルエンザウイルスが爆発的に増殖する前に飲んだ方が効果が高いと言われているので、インフルエンザの検査を受ける時期は遅すぎてもよくありません。抗インフルエンザ薬が有効となるのは、発症してから48時間以内に服用した場合です。 |
|
|
| インフルエンザの治療法 |
インフルエンザと言えども、充分な体力と免疫力があれば、通常の風邪よりも症状が激しいとしても自然に治ります。しかし、お年寄りや慢性の病気を持っている方は合併症を併発することが多いので、早いうちに医療機関を受診することが必要になります。また、早めに治療することは、自分の身体を守るためだけでなく、周りの人にインフルエンザを移さないという意味でも重要なことです。
インフルエンザの治療は大きく分けて、(1)一般療法、(2)対症療法、(3)化学療法の3つに分類されます。 |
 |
| ■ |
一般療法 |
|
できるだけ安静にして充分な睡眠と栄養を摂り、体力をつけることが必要です。また、インフルエンザ・ウイルスの空気中での活動を抑えるためにも、室内の湿度を60〜70%に保つように心懸けましょう。
また、水分を充分に補って上げることで脱水症状を予防するよう心懸けましょう。 |
|
| ■ |
対症療法 |
|
発熱・頭痛・関節痛・筋肉痛などに解熱鎮痛剤、鼻水やクシャミに抗ヒスタミン剤、咳や痰に鎮去痰剤が用いられます。しかし、これらの症状は身体からインフルエンザ・ウイルスを追い出し治そうとする身体の自然な反応なので、薬で無理に抑えてしまうと却って治りが遅くなってしまうこともあります。そのため、自己判断で薬を服用せず、医師の指示に従った方がよいでしょう。なお、小児の場合は解熱鎮痛剤を使用すると、稀にライ症候群という合併症を併発することもあるので、必ず医師の指示の下に服用するようにして下さい。 |
|
| ■ |
化学療法 |
|
今まで化学療法と言うと合併症の治療が主でしたが、しかし、98年にインフルエンザの治療薬として抗ウイルス薬のアマンタジンが保険の適用となりました。この薬は発病初期(48時間以内)に服用すると治りが早くなります(※ただし、A型ウイルスにだけ効果があり、B型ウイルスには無効です)。また、耐性(=薬が効きにくくなること)が知られているので、症状が軽い場合や発病後時間が経っている場合は使う必要はないでしょう。なお、インフルエンザ・ウイルスに抗生物質は無効です。合併症の肺炎を引き起こしている方や高齢者で肺炎を引き起こす可能性の高い方に予防的に使用する以外には、インフルエンザの治療では抗生物質は使用しません。 |
|
|
| インフルエンザと解熱剤 |
インフルエンザに限らず、発熱すると解熱剤がよく使われますが、解熱剤は一時しのぎの薬であって、やはり使いすぎると異常な低体温になったりするので、くれぐれも注意して使用する必要があります。
熱さましを使用したのに熱が下がらないということはよくあります。インフルエンザウイルスを排除するために免疫活動が活発になった結果、発熱も見られるようになりますが、しかし、ちゃんとインフルエンザの薬を内服(吸入)していれば次第に解熱してゆきます。それでも中々熱が下がらないと心配になることもあるでしょうが、そういった時は、様子を見てばかりいないで早めに受診するようにしましょう。
日常よく使われている解熱剤(熱さましの薬)の中には、インフルエンザ脳炎・脳症を重症化させる場合があるということが最近の研究によって分かっています。多くの解熱剤は、生体内でシクロオキシゲナーゼという物質の働きを抑えることによって熱を下げますが、このシクロオキシゲナーゼという物質は発熱作用の他に血管の修復作用も持っています。つまり、解熱剤を使用すると熱が下がるだけではなく、脳炎・脳症の時に見られる血管炎も治りにくくなるために脳炎・脳症を重症化させる可能性があるというのです。たとえば1999年〜2001年にかけて多くの解熱剤の使用状況を調査した結果、ジクロフェナクナトリウム(製品名:ボルタレン、ブレシン等)とメフェナム酸(製品名:ポンタール)がこのような作用の強い解熱剤として挙げられました。元々ボルタレンやブレシンは乳幼児で使用されることは殆どなく、学童から成人向けの解熱剤ですが、インフルエンザ脳炎・脳症で入院した重症な患者に対しては使用されることもあり、その結果から以上の結論が出たのです。もっとも、脳炎・脳症を起こしていないインフルエンザでの使用については使用が禁止されたわけではありませんが、インフルエンザに罹患した場合、脳炎・脳症を合併することもあるわけですから、脳炎・脳症を起こしやすい幼児期ではこれらの薬は使用しない方がよいということになります。また、以前より脳炎・脳症を引き起こす可能性が指摘されている解熱剤としてアスピリンがあります。この薬は一般的な風邪薬としてよく使用されていますが、欧米ではインフルエンザには使用されていません。さらに、アスピリン及びその類似薬としてPL顆粒、小児用PL顆粒、小児用バファリン等がありますが(※医療用の小児用バファリンは平成12年11月で製造中止になりました)、これらの薬もインフルエンザには使わない方が無難です。なお、比較的安全な解熱剤としてよく使われているものはアセトアミノフェン(製品名:アルピニー、アンヒバ、カロナール等)ですが、安全性が高い反面、やや解熱効果は劣るものの、外来治療している患者ならこれで十分です。なお、市販薬の小児用バファリンという名前の風邪薬には多くの種類がありますが、アセトアミノフェンを使用しているものが比較的安全性が高いとされます。
| ■ |
解熱剤を使うと回復が遅れる |
|
インフルエンザで急に高熱が出ると、ともかく早く熱をさげようと慌てて解熱剤を服用する人がいますが、しかし、これは逆効果です。解熱剤にはウィルスや細菌をやっつける効果がないどころか、熱を下げてしまうと、ウィルスの攻撃から身体を守る力が弱ってしまうのです。そもそも熱が出るということは身体の防御反応のひとつで、発熱している状態の方が自分の細胞がウィルスと戦う力が存分に発揮されるのです。従って、解熱剤だけではなく、たとえば熱を下げるために冷たいタオルで身体を拭くといったような行為や、或は冷たい飲み物を飲むというようなことも逆効果で、回復を遅らせる原因になることもあります。そんな訳で、病院で解熱剤が処方されるのは実際は熱そのものを下げて病気を治すためではありません。高熱によって身体の消耗が激しく、熱によってよく休めない時に身体を少しでも楽にすることがその目的です。それに対して無理に薬を使って熱を下げると、ウィルスと戦う力が低下するので病気そのものの治りは遅くなります。それだけでなく、子どもの場合にはよく注意しないとライ症候群などの脳症を引き起こしてしまう可能性もあるので注意が肝要です。 |
|
| ■ |
インフルエンザの時に注意しなければならない市販薬 |
|
非ステロイド系の解熱剤であるポンタールやボルタレンといった抗炎症解熱剤は、インフルエンザや 水疱瘡の子供への使用は禁忌とされていますが、これは脳症との関わりが濃厚なためで、子供でなくとも、大人の脳症での死亡例も出ています。これらは痛み止めとしても処方されますが、熱を下げるために使用するのは大人であっても注意が必要です。従って、他の病気の時に病院で処方された解熱剤を残しておいて、熱が出たからと言って慌てて子供に飲ませるなどというのは実に危険な行為なのです。
比較的安全な解熱剤としてアセトアミノフェンがあります。子供が高熱を出した時にはどうしても熱が辛そうなので、少しでも楽にしたいと思うのが親心ですが、その場合にはこのアセトアミノフェンを少量使用するのがよいでしょう。解熱剤には抗炎症作用を併せ持つものが多いのですが、このアセトアミノフェンには抗炎症作用はありません。アセトアミノフェン以外の解熱剤は脳症の原因となると考えられ、市販薬の子供用の解熱剤では殆どがアセトアミノフェンになっています。なお、市販薬だと、総合感冒薬として熱にも咳にも効くような風邪薬の成分にアセトアミノフェンが配合されていますが、注意しなくてはならないのは、これに配合されているアセトアミノフェン以外の成分が脳症の原因となる可能性もあるということです。一般的には、病院で処方される解熱剤よりも薬局などで自分で買える市販薬の方が含有量は少なめになっていますが、中には処方薬よりも多い配合になっているものもあるので注意が必要です。風邪薬には、咳止めやクシャミ、鼻炎用の成分としてマイレン酸クロルフェニラミンなどの抗ヒスタミン剤が配合されており、この成分は小さな子供に使われるとアドレナリンの働きがおさえられてしまい、いわゆる糖尿病の低血糖の状態になって、その結果として脳症を引き起こしてしまうことがあるのです。脳症になった子供では、解熱剤ではなく抗ヒスタミン剤が原因となった例が多くあるのです。従って、咳止めと鼻炎用の薬を一緒に服用したり、日頃から喘息やアトピー性皮膚炎のために抗ヒスタミン剤を服用しているようなことがあると、あっという間に抗ヒスタミン剤が2倍量ないし3倍量と重なってしまうのでより注意が必要です。
そんな訳で、市販薬を購入する時には、「○○に効く」とか、風邪の症状だから風邪薬とかいうように、症状によって選ぶのではなく、その配合成分に是非目を向けるようにしましょう。ちなみに、市販薬に配合されている抗ヒスタミン剤には、ジメンヒドリナート(テオクル酸ジフェンヒドラミン)、塩酸メクリジンやテオクル酸プロメタジン、マイレン酸クロルフェニラミン、サリチル酸ジフェンヒドラミンなどがあります。また、インフルエンザをはじめ、ウィルスをやっつけるような薬は一般医薬品では販売されていません。市販薬の目的は対症療法であり、辛い症状を和らげることであって、治すことではありません。解熱剤もその症状を一時的に和らげるために、本来の人間の防御反応に逆らって、中枢神経に作用して熱を下げているということを忘れてはいけません。また、脳症以外にも、市販薬の副作用被害は生薬成分以外の解熱鎮痛成分が原因となっていることが多いということも忘れてはいけません。 |
|
|
| インフルエンザの予防 |
| インフルエンザの感染経路 |
インフルエンザの感染経路は3種類ありますが、主に飛沫感染と接触感染が原因と見られています。
| ■ |
飛沫感染 |
|
感染者がクシャミや咳、唾などの飛沫と一緒にウイルスを放出し、それを別の人が鼻から吸い込んで感染します。1〜2m程度の距離でインフルエンザに感染します。 |
|
| ■ |
接触感染 |
|
感染者がクシャミや咳を手で押さえ、そのまま手で周囲の物に触れるとウイルスがそこに付着しますが、それを別の人が触って目や鼻、口などに触れることでインフルエンザに感染します。電車やバスの吊革、スイッチ、ドアの取っ手等が感染源と考えられます。 |
|
| ■ |
空気感染 |
|
感染者がティッシュなどで押さえずにクシャミや咳をした場合にウイルスが空気中を漂いますが、それを別の人が吸い込むことでインフルエンザに感染します。 |
|
|
| 日常生活で出来る予防法 |
| ■ |
栄養と休養を充分に取る |
|
普段の生活の中で充分に休養を取ることで体力や免疫力を高めましょう。特に睡眠を充分に取ることが大切です。また、常日ごろからバランスよく栄養を摂ることも大切です。抵抗力を高めることでインフルエンザに感染しにくくなります。 |
|
| ■ |
人混みを避ける |
|
病原体であるウイルスを寄せ付けないすることが肝要です。飛沫感染を防ぐためにも、インフルエンザが流行してきたら、特に高齢者や慢性疾患を持っている人や、疲れていたり睡眠不足の人は、人混みや繁華街への外出を控えましょう。 |
|
| ■ |
適度な温度&湿度を保つ |
|
インフルエンザウイルスは気温が低いほど、また湿度が低いほど生存期間が長いと言われています。それに、乾燥しているとウィルスも動きやすくなります。部屋の乾燥に気をつけ、加湿器などで室内を適度な湿度(50〜60%)に保ちましょう。きちんとした加湿によってウィルスを半減できます。 |
|
| ■ |
換気を心懸ける |
|
部屋の中の空気が汚れていては何事にもよくありません。換気を行なうのと行なわないのとでは集中力などにも影響が出ると言われています。1時間に1回でよいから窓を開けて、新鮮な空気を部屋の中に入れましょう。 |
|
| ■ |
帰宅時の手洗いとうがい |
|
手洗いは接触による感染、うがいは喉の乾燥を防ぎます。一般的な感染症の予防としてもオススメです。 |
|
| ■ |
マスクをする |
|
ハイリスク群(注)など、どうしても予防が必要な方は厚手のマスクを着用しましょう。また、インフルエンザに罹って咳などの症状のある方は、周囲の方へ移さないためにもマスク(エチケットマスク)の着用がすすめられます。 |
|
| ■ |
注意:咳やクシャミのマナー〜ハンカチは使わないで!〜 |
|
手の平にウイルスが付かないように、ちょうど肘の内側が鼻と口に当たる感じで鼻と口を腕の内側で覆うようにします。直ぐにティッシュを用意できる場合、ティッシュで覆ってやりましょう。この場合、咳やクシャミのかかったティッシュはゴミ箱に直ぐに捨てます。なお、ハンカチで咳やクシャミをすると、その後ウイルスが付いたままハンカチで手を拭いてしまうかも知れません。そうするとその後接触感染する危険性もあるのでハンカチは使わないようにしまましょう。 |
|
| ◆ |
参考:ハイリスク群(ハイリスク症候群) |
|
ハイリスク症候群とは、インフルエンザに感染すると重症化や合併症を引き起こす可能性の高いグループのことで、下記の方が当てはまります。なお、ハイリスク群に当てはまる人は、日ごろから予防を心がけるだけでなく、重症化を防ぐためにも医師と相談のうえワクチンを接種することが望ましいと言われています。
- 65歳以上の高齢者
- 妊娠28週以降の妊婦
- 慢性肺疾患(肺気腫・気管支喘息・肺線維症・肺結核など)
- 腎疾患(慢性腎不全・血液透析患者・腎移植患者など)
- 代謝異常(糖尿病・アジソン病など)
- 免疫不全状態の患者
|
|
|
| ワクチンによる予防 |
かつては学校でインフルエンザの集団予防接種が行なわれていましたが、現在は「予防接種したい人が病院で接種を受ける」という形式になっています。この背景には“インフルエンザワクチンは効かない”という意識が高まってきたことがあげられます。実際、予防接種に関しては賛否両論で、インフルエンザワクチンに関してはさまざまな議論があります。しかし、予防接種を受けないでインフルエンザにかかった人の70〜80%は、「予防接種を受けていたら罹らないですむか、罹っても軽い症状ですむ」という程度の有効性は証明されています。たとえば1992年の調査結果では、A型ウイルスについては67.5%、B型ウイルスについては43.7%の効果があった、とされています。やはり、最も確実な予防は流行前にワクチン接種を受けることだと言ってよいでしょう。特にハイリスク群に当てはまる人(高齢者や、心臓や肺に慢性の病気を持つ人、気管支喘息を持つ小児など)は、日ごろから予防を心がけるだけでなく、重症化を防ぐためにも医師と相談のうえワクチンを接種することが望ましいと言われています。費用は自己負担ですが、65歳以上の高齢者は一部公費負担としている自治体もあります(ハイリスク群に限り予防として承認された抗インフルエンザウイルス薬もあります)。
| ■ |
参考1:ワクチン接種のタイムスケジュール |
|
インフルエンザワクチンは接種してから実際に効果を発揮するまでに約2週間かかります。ワクチンには2回接種と1回接種があり、2回接種する場合は2回目は1回目から1〜4週間あけて接種します。流行期間が12〜3月ですから、11月中旬頃までには接種を終えておくとより効果的でしょう。ただし、新型ウイルスが出現した時は全て2回接種になります。 |
|
| ■参考2:予防接種について |
| 接種時期 |
流行期を迎える前の11月頃 |
| 接種回数 |
原則として1〜4週間の間隔をおいて2回接種する方式ですが、下記の方は年1回の予防接種でも充分な免疫力が得られると言われています。ただし、接種回数についての最終的な判断は医師の決定に従うようにしましょう。
- 65歳以上の人
- 昨年予防接種を受けている人
- 近年インフルエンザに罹患した人
|
| 費用 |
インフルエンザの予防接種は任意のため、接種費用は自己負担となります。1回の接種費用は3千円〜5千円程度です。 |
| 接種した方がよい人 |
65歳以上の高齢者や養護施設などに入居している慢性の病気を持つ人、気管支喘息をもつ小児などは、重症化を防ぐために予防接種をした方がよいと思われます。また、上記の方と同居している人やお世話している方も予防接種をオススメします。 |
| 接種してはいけない人 |
卵を食べるとひどい蕁麻疹や発疹が出たり、口の中が痺れたり等の卵アレルギーのある人は、予防接種を避けるか、医師と相談してから行なう必要があります。また、出産直後で体力が回復していない女性もも予防接種は控えた方がよいでしょう。 |
|
|
|
| インフルエンザの時の食事 |
インフルエンザに感染した時、医者に罹って投薬をしたとしても症状が落ち着くまでには多少の時間がかかります。医者から処方された薬に頼るのもよいですが、体力を維持するためにも、基本的に食べ物に気をつけるようにすることがオススメです。
|
 |
| ■ |
熱のある時の水分補給 |
|
インフルエンザに感染している時期はどうしても身体の水分が失われがちになるので、その時に脱水症状にならないように小まめに水分補給することが大切です。小さい子供は大人に比べて脱水症状を起こしやすいので、少量ずつ小まめに水分補給させましょう。また、高齢者の場合も喉の渇きを感じにくい場合があるので、時間を決めて摂取した方が安心です。水分補給にはお茶や水でも構いませんが、出来ればスポーツ飲料がオススメです。汗で失われたミネラル分も同時に補給出来るので便利ですし、また、果汁などもビタミンが豊富に含まれているのでよいでしょう。ただし、スポーツ飲料は糖分が非常に高いので、小さい子供の場合は薄めて与えるなどの工夫が必要になります。 |
|
| ■食事に関して気をつけるべきこと |
| ■ |
乳幼児への食事 |
|
小さい子供、特に乳幼児の場合、食欲がない場合は水分補給を中心にしましょう。そして、少しずつ食欲が回復してきた、らたっぷりの野菜スープなどビタミンが豊富なものを与えます。シラスや卵などの消化がよい蛋白質と緑黄色野菜を合わせて与えるとよいでしょう。ただ、食欲が出て来たからと言って、消化器官が弱っていますから、大量に食べさせると消化不良を起こしてしまいます。そのため、食事の量は徐々に増やしてゆきます。 |
|
| ■ |
基本は消化のよいものを |
|
食べ物に関しては、饂飩やお粥、豆腐などの消化のよいものを与えるよう心懸けましょう。栄養価が高く食べやすいものが理想です。もちろん肉や脂っこいものを与えてはいけません。何れにせよ、熱が高い時は食べ物が中々喉を通りませんが、そういう時はゼリー状の飲料やヨーグルト、アイスクリーム、プリンなどを少しでも口にするようにさせます。また、缶詰の果物などもオススメです。たとえば缶詰のシロップはブドウ糖液なので非常に栄養価が高く、点滴が受けられない時の対応に利用されるほどです。 |
|
| ■ |
下痢をしていたら |
|
もしも下痢の症状を伴っている場合は、食物繊維は控えてお粥や重湯を中心に胃腸に負担の少ないものにしましょう。消化のよいものから徐々に普段の食事に戻してゆきます。 |
|
| ■ |
患者の食事は別々に |
|
家族で感染することを防ぐために患者の食事は別々にしましょう。万が一、家族みんなで感染してしまった時のことも考えて、レトルトなどの簡単な食事を用意しておくのもよいかも知れません。 |
|
| ■ |
普段の体力作りも忘れずに |
|
基本的に普段の食事を気をつけて十分な睡眠を摂り、体力作りが出来ていれば、感染した時も症状は軽く回復も早いのです。きちんと正しい養生をしていればインフルエンザは恐ろしいものではありません。 |
|
|
[ ページトップ ] [アドバイス トップ]
|
|